佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十四話 白羽の矢 (転)

<<   作成日時 : 2016/10/01 00:22   >>

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■■■■■



<イヴィルんチャット>

イヴィル:ん、ん、んあっん〜、ポイズンがやられたようだね。
アイシー:キャハハハ! あのザコ、とんだ恥晒しじゃないの! バ〜カ!
バトラー:悪態をつくのも大概にしなさい。品性を疑われるわよ。
アイシー:下品な女は嫌いって、キモい男の常套句よ? キャハハハハ!
バトラー:男女限らず下品なのは嫌いです。慎みなさい。
アイシー:キャハハハハハハ! 委員長か!
バトラー:軽口に付き合う気はありません。ちゃんと戦況を見てください。
アイシー:戦況ねー。私らクラスの参考になる戦いだとは、とても思えないけど。
バトラー:油断は命取りですよ。
アイシー:キャハハハ、わかったわかった。・・・ま、大したことないんじゃない?
バトラー:そうですか?
アイシー:ポイズンは邪戦士だってのが信じられないほどの出来損ない・・・。やられても大差ないでしょ。
バトラー:ありますよ。5人の中で遠隔攻撃が出来るのは彼女だけなのですから。
アイシー:能力だけ強くても大したことないじゃん? マリオネイターの方が、よっぽど強いって。
バトラー:それは認めますがね。重力を少々いじるだけの能力で、よく戦っているものです。
アイシー:C級エスパーの、健気な努力ってやつだ。キャハハハ!
バトラー:ヴァイラスの能力で今はB級ですよ。
アイシー:あー、そうだっけ。


- - - - - -


「重力は、とても弱い力です。こうして敵を寄せ付けない程度のことしか出来ません。」
“イヴィル・マリオネイター”は、校舎内で七美と瑠璃子に遭遇していた。
瑠璃子の能力で校内を虱潰しに調べて見つけたのだが、それはマリオネイターにとっても願ったりだった。
どうしても言いたいことが、山積みだったのだ。
「虐待って何ですか。虐待って何ですか。わたしばっかり悪者にして。やめてください。そっとしておいてください。る、瑠璃子、恨むなら父親を恨むのよ。わたしは頑張ったし一生懸命やってるんだからね。わたしの苦労も知らないで勝手なことばかりしないで。」
“イヴィル・マリオネイター”の重力操作は、以前よりもパワーアップしている。衝撃は“ガーディアン”のプロテクトで防げても、斥力までは遮断できない。電子力場プロテクトは、空を飛べる類の能力ではないのだ。
「あなたこそ瑠璃子の苦しみを知らないくせに、勝手なことばかり言わないでくれるかしら?」
七美が“イヴィル・マリオネイター”を睨む。
「やめてください保護者気取り。上からものを言わないでください。わたしばっかり責めないでくれませんか。何で、いつも、いつも、わたしばっかり悪者に。みんな死ねばいいんだ。違う、わたしは虐待なんかしていない。あれは躾なのよおお。」
「気分次第で殴ったり、ネチネチ言うことを、あなたの世界では躾というのかしら?」
「あああ、やめてください。人の家のことを悪く言うのはやめてください。うわっつらだけで判断しないでください。まわりからはわからないことがあるんです。瑠璃子、戻っておいで。誤解しないで。」
すがるような目つきに、瑠璃子も流石に痛ましい表情になった。
しかし、いったん目を伏せて、軽く息を吐き、再び憎悪を込めて前を見た。
「同情するわ。でも、それ以上に憎い。二度と私の前に現れないで。」
「やめて瑠璃子、そんなこと言うのはやめてええ。やめ、やめ、やめなさい。また叱られたいの?」
目つきがドロッと濁る。
「っ!?」
瑠璃子は虐待の記憶が蘇って、身が竦んだ。
突然、床が傾いたように感じた。
重力的には、それは錯覚ではなく、実際に瑠璃子と七美は落下するように、廊下の端まで吹っ飛んでいった。
「くっ!」
「痛っ・・・何とかして近づけないものかしら?」
“ガーディアン”のプロテクトで、壁に叩きつけられた衝撃は削減されている。
それでも骨に皹が入るくらいにはダメージを受けた。
「重力は、とても弱い力です。この程度のことしか出来ません。」
「っ!?」
「あっ?」
眩暈がする。
めまぐるしく重力の方向が変わっている。三半規管が追いつかない。
「せっかく人が話し合いで解決しようとしているのに、まったく聞き分けの無い子たちだよ・・・。“アインストール”、“トランジスター”、ここで終わらせてやるよ。」
天井を歩きながら、“イヴィル・マリオネイター”が近付いてくる。口調が変わっている。近付くほど重力が強くなる。
「あぐ・・」
「くうっ・・」
遠隔攻撃は出来ないと評されたものの、“イヴィル・マリオネイター”の能力は、それに近い。“イヴィル・ポイズン”のような痛烈な打撃力こそ欠けているものの、引力と斥力、プラスマイナス2Gまで操ることが出来る。
たかが2Gかと侮るなかれ。その半分ですら、人類を大地にへばりつけているのだ。
もちろん重力の特性として、離れるほど影響力は弱まる。遠隔攻撃できないと評されているのは、その為だ。
「苦しいでしょうが。苦しくなければ躾じゃない。苦しまない人は成長しない。ほらほら、2人まとめて躾けてやるよ。あーん?」
重力を纏った蹴りが、瑠璃子の顔へ放たれる。
「がふっ!?」
瑠璃子は鼻血を出して転がった。
「何をするのかしら!」
「うるせーよ、保護者気取りはスッこんでろ。」
言うが早いか、斥力が七美を吹っ飛ばした。
「くっ・・」
「あーははは、重力は弱い力です。とても弱い力です。立ちなさい瑠璃子。」
「はうっ・・」
地球の重力を1G強で相殺され、瑠璃子は宙へ浮いた。
そこへ残る1Gの力を込めたローリングソバットが入る!
「はぐうっ!」
鍛えてもいない中年女に出来る芸当ではない。これも重力操作の応用だ。
「もちろん忘れてないよお!」
「チッ・・」
迫りくる七美を一瞥もせず、“イヴィル・マリオネイター”は斥力で押しとめる。
それと同時に瑠璃子を蹴って、反動で攻撃圏外に逃れた。
「くそっ、チョロチョロと! バトルセンスは大したものかしら?」
キリッと歯を噛み締めて、七美は“イヴィル・マリオネイター”を睨んだ。
(校内で戦いを始めたのは失敗だったかしら?)
瑠璃子を抱き起こしながら、七美は焦っていた。

手が無いわけではない。
七美も瑠璃子も、サトリンの力で電撃を放つことが出来る。瑠璃子に至っては、剣のように扱うことさえ出来る。
だが、“イヴィル・マリオネイター”は重力で三半規管を揺さぶってくる。それでは集中できない。乱される。
それでも屋外であれば勝負は既に決しているが、校舎内では鉄筋に電撃が吸収される為、威力が格段に落ちる。
(どうしたものかしら?)
七美は己の無力さに憎悪さえ感じた。
人格を抹消できるといっても、相手の頭に接触してなければならず、しかも一定の時間を要する。近付けもしない相手に、どうやって発動するというのか。
(あのとき、完全に人格を抹消しておくべきだったのかしら。わたしも甘くなったものかしらね。)
「“イヴィル”の恐ろしさは、身に沁みてわかっているというのに・・・。」
その呟きは、瑠璃子にも、“イヴィル・マリオネイター”にも、聞こえていなかった。


- - - - - -


<イヴィルんチャット>

マリオネイター:わ、わ、悪くないんです、わたしは。夫が悪いんですよ!
イヴィル:ん、ん、んあっん〜♪ そうだよね。マリオネイター良い人だ♪
マリオネイター:苦しいんです。がんばっているのに苦しいんです。一生けんめいなのに、あ、あ、あああ!
イヴィル:苦しいね。苦しんでるね。それでいいよ? もっと苦しんでいいんだよ? 苦しまなければ成長は無いの。
マリオネイター:でも苦しいんです。苦しくてたまらないんです。みんなして、わたしが悪いって。
イヴィル:酷いね。
マリオネイター:夫がね、児童相談所がね、あいつらがね?
イヴィル:る・ら・ら・ら〜♪ だったら、言う通りにすればいいんじゃない?
マリオネイター:え?
イヴィル:悪い、悪いって決めつけてくるなら、本当に悪い奴になればいいんだよ。ちょっとした発想の転換♪
マリオネイター:そ、それは・・
イヴィル:どうかな♪ どうかな♪
マリオネイター:で、でも、わたしは悪くないです。悪い人になりたくないです。
イヴィル:だ♪だ♪だ♪大丈夫♪マリオネイターは頑張っているんだから。ちゃんと私はわかってるよ。
マリオネイター:そうです、わたしは一生けんめいなんです。
イヴィル:だけど、いくら頑張っても悪い人にされてしまう。マリオネイターが、どう行動しようともね。
マリオネイター:そんなの、嫌です。嫌です。嫌、嫌、嫌、どうか救いを!
イヴィル:だ♪か♪ら♪心配ないからね〜♪ 私はマリオネイターが何しても悪く言わないよ。
マリオネイター:本当ですか?
イヴィル:ホントだよ♪
マリオネイター:娘を躾けてもいいんですか?
イヴィル:いいんだよ♪
マリオネイター:娘を殴ってもいいんですか?
イヴィル:いいんだよ。思う通りにやってみそ♪
マリオネイター:何をしてもいいんですか?
イヴィル:何をしてもいいんだよ。頑張る姿は美しいけれど、我慢する姿は見るに堪えないからね〜?

イヴィル:それに、マリオネイターが何をしたって、悪い奴になんてなれっこないんだ。
イヴィル:どうしたってマリオネイター、君は善人なんだよ。だから悪く言われることに耐えられないのさ♪


- - - - - -


「そうだ、わたしは我慢しなくていい。もっと他に我慢するべき奴がいる。わたしは頑張った。わたしは頑張ってる。否定するなよ小娘どもが!」
いつかのチャットに思いを馳せながら、“イヴィル・マリオネイター”は目を剥いて笑った。
「あー! あー! どうにかならないかな、早くどうにかならないかな! こんな苦しいのが、早くどうにかならないかな!」
瑠璃子をガシガシと蹴りながら、“イヴィル・マリオネイター”の視線は七美に向けられていた。

(具現化せよ“エレクトロ”!)
七美の方を見ている今が好機と見て、瑠璃子は“電光剣エレクトロ”を出した。
「ハッ!」
その瞬間、“イヴィル・マリオネイター”は鼻で笑うと共に攻撃圏外へ逃れた。
「娘から目を離す母親がいると思っているのかーあ? 視線は“アインストール”の方を向いていても、なあ!?」
「くっ・・」
認めたくないが、強い。
自分の優位性を守ることにかけて、“イヴィル・マリオネイター”は天才的だ。
人間なら多かれ少なかれ、優位に立とうとし、相手を操る能力は持っている。それを重力操作と組み合わせた支配力は、地味だが強烈だ。
瑠璃子に躾と称して虐待をしていたときも、言葉と合わせて重力で全身に物理的なプレッシャーをかけていた。
それが精神的なプレッシャーを増幅させ、逆らえなくしていく。かつてアドルフ・ヒトラーが演説の際に重低音を流したのと類似した手口だ。
(こうなったら、やるしかないのかしら。)
七美は悔しかった。これでは“イヴィル”の思う壺ではないかと思った。
伊達に3番以下の電脳戦士を取り仕切っているわけではない。まだ奥の手は残っている。
だが、それは“奥の手”というよりは、むしろ“禁じ手”に近い。
(8年かけて、ようやく6パーセントまで回復した・・・。ここで無理をすれば、次の戦いまでに間に合わない・・・。)
しかし七美は、ぶるんと首を振った。
(・・・“次”?)
自分の中に湧いた、後ろ向きな気持ちが情けなかった。
(わたしは馬鹿じゃないかしら? “今”をないがしろにする者に、“次”のことを考える資格などない。そんな程度じゃ、到底“イヴィル”には勝てないだろうが・・・。こんなものじゃないんだ、“イヴィル”は。こんなものじゃ・・・)
七美は意を決した。
(もっと早く使っておくべきだったかしら。ここまで瑠璃子が痛めつけられる前に。)
すうっと痛みが軽くなった気がした。
いや、気のせいではない。
(ありがと、“アプリケイション”。)
駆けつけてきた五留吾永須に笑いかけて、七美は走る。
「・・・確かに、あなたは強いわ、“イヴィル・マリオネイター”。だが、弱い――――」
「っ!?」
斥力が通じない。
「田中流暗殺拳、“痛点爆撃”!」
「ぐぎゃ・・」
あまりの痛みに、“イヴィル・マリオネイター”は叫び声の途中で失神した。
しかし七美の方も、叫び声をあげることもままならないほど消耗していた。
「っ・・・あっ・・・・・・」
熱ぼったい全身からドロドロの汗が、まるで体液を搾り出しているかのように流れていく。
「七美さん!」
永須が駆け寄る。
「・・・・ああ・・・・・・」
汗と一緒に命までも流れていくような感触さえ覚えたが、永須の声と共に、ひんやりした廊下の空気を肌に感じた。

「殺すべきかしら?」
少し落ち着いてから、七美は冷静さと冷酷さを取り戻した。
「物騒なことは言いっこなしだべ。あの刑事さんの能力なら、学校を囲っている障壁も破れるやあ。」
「そうよ。センセーのときも暴走してたでしょ。あのときは私が間に合ったから良かったものの・・・。」
「・・・・・・。」
永須だけでなく瑠璃子まで反対したので、七美は目を伏せて2人に従う意思を見せた。
少なくとも、“イヴィル・マリオネイター”に関しては、瑠璃子が殺すなと言うのに反対できない。
「“人格消去”(マインドデリート)は使えないのよね?」
「そうよ。」
“奥の手”・・・もとい“禁じ手”を使った副作用だ。
「だったら優先すべきは、“イヴィル・パニック”を気絶させることよ。」
「警察は来てるかしら?」
「もう学校を囲んでるべ。“ガーディアン”の根回しで。」


学校の周囲には、大量のパトカーと警察が喧騒を作り出していた。
「大西警部!」
「小森くん、大丈夫なのか?」
「それは警部の方ですよ。」
「かすり傷だ。それよりも、この“見えない壁”は突破できないか?」
「やってみましたが駄目でした。規模がわからないので、空からも近づけません。」
「ぬう・・・。」
(この能力は“イヴィル・パニック”か。元がコマンド能力者だけあって、大した成長振りだな。げに恐るべきはヴァイラスの能力か・・・。単に人を操るだけでなく、力を高めることすら出来てしまう。操るよりも、そっちが恐ろしいな。)
人を操るというと恐ろしい能力に思えるが、多かれ少なかれという但し書きをつければ、およそ誰でもやっているようなことである。人間が関係性の中で生きている以上、互いに影響され合うのは必然であり、それは一種の“操り”でもあるのだ。
しかし、自分でも他人でも、性能を高めるということは、意識的・自覚的な所作が不可欠である。
もちろん膨大な無意識のベースありきではあるが、ただ関係し合うだけよりは、高度かつ困難なものなのだ。
(難しいことを簡単に出来る。だから超能力は恐ろしいのだ。)
本来ならば長い時間をかけて行うことを、短時間でクリアしてしまう。
そのことに危機感を、あるいは不安めいた恐ろしさを感じるのは、歳を取ったせいだけだろうか?
それは超能力に関してというより、世の中全体、とりわけコンピューターに関して、以前から思っていたことだ。
(最近の若者は・・・などと言うのは、年寄りの世迷言だが。)
年齢に限らず、軽薄な馬鹿者は多い。
しかし、コンピューターの扱いに慣れているのは若者の方が多く、軽薄であってもコンピューターの扱いに慣れているのも、若者の方が多いのだろう。
(人格が育つよりも先に、高度な技術を持ってしまったら・・・。・・・ふん、いかんな。いつの時代も年寄りは同じことを言うものだ。)
自分もまだ40を過ぎたばかりだと思うと、年寄りめいたことを言うのが可笑しくなってきた。


- - - - - -


「才場くん! 才場くん!」
「うっ・・」
才場静輝は腹を押さえながら立ち上がった。シャツには血が滲んでいる。
「その怪我・・」
「だ、大丈夫です・・。かすり傷です・・・。それよりも、何が起こってるんですか・・・?」
「わたしにもわからん。だが、少なくとも言えることは、学園は終わりだ・・・・。」
廊下には女生徒たちが倒れている。
死屍累々というわけではないが、それと大差ない光景だった。
「と、とにかく生徒たちを運びましょう。今は落ち込んでいる場合じゃありません。」
そう言いながら才場は、三角の顔を見てギョッとした。
「ふ、ふふ、はは、落ち込んでなどいない。終わりだとわかっているなら、とことん暴れまわってやろうじゃないか。この事態を引き起こした犯人の横っ面を、思いっきり引っ叩いてやるまでは、落ち込んでなどいられない。」
「・・・・・・。」
肝が据わるという現象だろうか。今の三角は普段と違っていた。
「才場くんは、超能力の存在について、どう思っている?」
「は・・・」
唐突に何を言い出すのかと、才場は少なからず動揺して、言葉を詰まらせた。
「答えて。」
「・・・基本的には信じていませんが、全否定はしていません。存在が証明されてないだけで、あるかもしれないとは思っています。」
「それでいい。安心したよ。」
三角は頷き、そして言葉を続けた。
「わたしはね、超能力を体験したことがあるんだ。子供の頃にね。」
「・・・・・・。」
「名前は明かせないが、炎を寄せつけない能力者だった。いや、偶然かもしれないよ? この惨状も集団ヒステリーかもしれない。だが、重要なことは、起こっている事実だ。」
「そうですね。超能力であろうとなかろうと、捨て置けない事態です。もしも、集団ヒステリーやパニックを起こさせるような、催眠術師や扇動者がいるとすれば、放置できません。探しましょう。」
「よく言ってくれた。」
「どこが怪しいと思いますか? 犯人は、どこに・・」
「どこが、というより、誰が、だな。」
三角は腕を組んだ。」
「・・まさか、教職員や生徒を疑ってるんですか。」
「さっき警察が来た。犯人が教職員の中にいるような口ぶりだった。」
「まさか・・・。」
「ひとつ聞くが、八谷はどういう男だ? 君の目から見て。」
「待ってください、彼を疑っているなら違います。そんなことをする男じゃないです。」
「それだよ才場くん。どうして八谷くんを無条件に信じてる?」
「無条件じゃありません。付き合ってみて、その感覚で・・」
「わたしの後輩も同じようなことを言っていたよ。馬鹿がつくほど正直な男だと。」
「そうです。騙されることはあっても、誰かを騙すような人間じゃありません。」
「・・・そういう能力だとしたら?」
「え?」
「人から信用される超能力。」
「・・・・・・。」
「超能力は、自分の意思で使えるとは限らない。八谷くんが無意識に力を発動して、その延長線上に今の事態があるとしたら・・・」


その八谷は、理事長室にいた。
彼だけではない。
「あっ・・・・あアン・・・・・」
服が乱れて、あられもない格好の少女が、熱い息を漏らしていた。
八谷は黙々とパソコンを操作している。
「・・・・・・。」
普段のマヌケぶりとは別人のように、その手は素早くキーボードを叩いていた。


- - - - - -


時間を前後し、校内の一角。
「女の子いっぱいだっつーの。いれぐいだっつーの。おー、上玉はっけーん!」
「嫌あああ!」
“イヴィル・テンタクル”は、次々と触手で生徒を捕まえて、服を剥いでいった。
甲高い悲鳴を聞きながら、彼の気分は高まっていく。
「キャアアアア!」
「エロい体してるっつーの。たまんないっつーの。」
捕らえた女生徒を大の字に拘束して、“イヴィル・テンタクル”は自らに引き寄せた。
「離して! 嫌あ!」
「お前もオレの花嫁にしてやるっつーの。」
「嫌ああ!」
「いただきだっつーの。」
しかしそのとき、彼の顔面に痛烈な膝蹴りがダブルで決まった。
「ぐばあああ!?」
思わずひっくり返る“イヴィル・テンタクル”。しかし捕らえた女生徒を離さない。
「お前らあ、この女たちがどうなってもいいのかっつーの!」
膝蹴りを入れた凜と舜平を睨み、“イヴィル・テンタクル”は女生徒たちを盾にする。
「卑怯者!」
「イイいいい! イイよ凜ちゃん! それでこそオレの花嫁だっつんー。一夫多妻だっつんー。ハーレムだっつーの。」
「ヘドが出るぜ、タコ野郎。」
「男は黙ってろっつーの!」
触手からビーム。
しかし凜が弾く。
「おり? 何でビームを弾けるんだっつーの?」
「貴様の攻撃パターンは把握した。こっちから行くぞ、「「百華百撃双流水!!」」
「でんげきぃ〜!」
だが、“イヴィル・テンタクル”の放った電撃は、背後に吸い寄せられる。
そこに櫃がいる。
「ぷごおおおおお!?」
しかし“イヴィル・テンタクル”はタフだ。ぶっ飛ばされながらも意識を保ち、女生徒たちを捕らえたまま後者の壁を這って屋上へ行く。
「逃がすかっ!」
「逃げるっつーの!」
何と“イヴィル・テンタクル”は、“イヴィル・パニック”が張った見えざる障壁を登っていく。常識はずれだ。
弾かれながらも、上へ、上へと、ピョンピョン跳んで行く。
「くそっ!」「ちっ・・」
凜も舜平も、“リフレクション物理障壁”に弾かれる。
櫃は肉体を稲妻に変えて追いつくが、女生徒を盾にされては近付けない。
「戦略的撤退だっつーの! 女の子いっぱいだっつーの! おっぱいだっつーの! 逃げろや逃げろ、すたこらさっさ!」
「待ちいや!」
障壁は高い。
下を見れば、目も眩むような高さで、チェイスは続く。
「しつこいっつーの! これなれば1人ポイ捨てだっつーの!」
触手から女生徒が放られ、落下する。図書委員の深宮美帆だ。
「・・・っ、この外道がああっ!?」
櫃は電速で美帆をキャッチするが、その間に“イヴィル・テンタクル”は残りの女生徒を連れて、壁を登りきってしまった。
「あンの外道・・・!」
櫃は壁を蹴って校庭に着地し、深帆を降ろした。女生徒ひとり抱えて戦闘は出来ない。
「おばあさま!」
「この子は任せたわい! 儂は奴を追う!」
再び電速。
第八の戦士“ファイバー”の能力“雷撃雷化”(トゥールアクセル)は、全戦士中最速を誇る。
「・・・・・・!」
障壁を乗り越え、櫃は“イヴィル・テンタクル”の行方を捜す。
だが、見当たらない。
(今の時間で遠くへ行けるはずがない・・・ひんだありあらいず認識障壁とかいうモンに隠れとるのか?)
その通りだった。
「隙ありだっつーの!」
「っ!?」
触手が櫃を捕らえる。それだけではない。雷化できない。
ぬるぬるとした感触が、若く瑞々しい肉体を這いずり回る。
「っく・・・・うう・・・・」
若返っているせいもあり、陵辱されていた頃の記憶が鮮明になる。
「オレってば冴えてるっつーの。そっちがオレの電撃を吸い取れるんなら、オレだって同じことが出来るっつーの。当然の理屈だっつーの!」
そんな理屈は無いが、発想としては正解以上だった。
エネルギーを吸収する能力にかけては、“雷撃雷化”(トゥールアクセル)よりも“揺体変化”(オクトパイレン)の方が勝っているのだ。
「おばあさまを離しやがれカス野郎!」
凜と舜平が、“百華百撃双流水”を、障壁に対して使用することで登ってきていた。
「「“氷山重撃交差点”!!」」
「甘いっつーの!」
電撃が放たれる。今度は櫃に邪魔されない。
「ぐああああ!!」
「あぐううう!」
櫃の電撃を吸収し、“イヴィル・テンタクル”は更にパワーアップしてしまった。
流石に“ガーディアン”のプロテクトを無視するほどではないが、2人の攻撃をバラけさせ、触手で跳ね飛ばせるくらいまでは、威力が上がっていた。
「舜平っ!」
跳ね飛ばされた舜平を追って、凜は跳躍する。
だが、その体を背後から触手に絡め取られる。
わずか数センチのところで、凜と舜平の伸ばし合った手は届かない。
その瞬間がスローになり、気が付いたときには眼前から舜平の姿は消えていた。
「嫌ああっ! 舜平っ!」
落ちていく舜平に伸ばされる手も、触手に絡みつかれ、叫びを発する口も触手に塞がれる。
「んぐっ! ・・・む・・・・・」
浮かべる涙で景色が滲む。
そのまま凜は、“イヴィル・テンタクル”に引き寄せられていった。
「いただきだっつーの!」


九古鈍郎は女生徒たちを同士討ちさせて、暴走を食い止めていた。
しかし生半可な労力ではない。力の連発を繰り返すうちに、精神は疲弊していく。
次第に自分がどこを走ってるのかもわからなくなった彼は、再び校庭に辿り着いていた。
「はあっ、はあっ!」
そこで彼が見たものは、何かが上空から降ってくる光景だった。
「嫌ああっ! 舜平っ!」
凜の声が聞こえる。
(まさか! 舜平!?)
あの高さから墜ちれば助からない。鈍郎は一瞬で蒼白になった。
兄が死んでから、兄の子である舜平を引き取って育てた期間が、走馬灯のように蘇る。
「舜ぺ・・」
そのときだった。
見えざる障壁を貫いて、黒い影が飛んだ。
あれは何だ。鳥か。飛行機か。
いや、違う。
「い・・」
黒い影は、鈍郎が甥の名を呼び終わるまでの間に舜平をキャッチし、そのまま急降下してきた。
校庭に爆弾でも落ちたかのように、爆音と土煙が溢れ出す。
「なんっ・・・だ・・・ミサイルか・・・?」
思わず呟いた鈍郎の耳に、よく知ったる声が返ってきた。
「違う・・・“イヴィル・アタッカー”だ!」
舜平を抱えて降り立ったのは、別人のような顔つきになった阪口勝起だった。
醜い顔には2種類ある。生理的に受け付けない類のものと、野暮ったくも厳めしいものだ。
かつて“醜”という漢字には、“逞しい男”という意味も含まれていたのである。
「さ、阪口さん・・・!?」
「阪口ではない! “イヴィル・アタッカー”と呼べ!」
「・・・・・・。」
言葉が思いつかない。
見上げれば、遥か上空から“イヴィル・テンタクル”が、呆気に取られた顔で見下ろしていた。
「あ、あのオッサン、何やってんだっつーの!」
凜の服を剥いで強姦しようとしていたときに、気を散らすような轟音。
思わず下を見ると、そこでは仲間だったはずの男が、敵を助けていた。
「おいっ! オッサン! 正気かっつーの!?」
「正気ではない・・・“飛翔特攻”(カミカゼアタック)だ!! うおおおお!」
一瞬のうちに、阪口は“イヴィル・テンタクル”と同じ高さまで飛んだ。
「ふざけんなっつーの!」
触手とビームの同時攻撃。
だが、空を素早く飛びまわる阪口には当たらない。
「前の戦いで学ばせてもらった・・・。おれの能力で、かわすことに徹すれば、そうそう回避できないことはない!」
「はっ! 随分とカッコよくなっちまってオッサン! ちょっとオッサンかっこつけ! そこでオレが女の子パクパクしちゃうのを、指でもくわえて見てやがれっつーの!」
「調子に乗るなよ若造が。お前は既に死んでいる!」


学校の外では、大西警部と小森巡査が驚いた顔で上空を眺めていた。
「い、今のは・・・」
「まさか・・・」
その2人の背後から、男の声がした。
「第四の邪戦士“イヴィル・アタッカー”ですよ。僕が牢から出しました。」
おそらく40代半ば・・・スラッとした中年の男が立っていた。
夏だというのにコートを着ているが、それより驚くべき点が幾つもある。
「何者だ。」
「僕が何者か、あなたは知ってるはずですよ、大西さん・・・それとも戦士名の方で呼びましょうか?」
「まさか君は、ヴァイラスか!?」
「“ガーディアン”です。」
「・・・っ!」
大西の顔に焦りの色が浮かぶ。
「心配しないでください。あなたのことは敵だとは思っていません。二重の意味で。」
「・・・なるほど。ホログラムか。」
よく見れば、男には影がなかった。立体映像相手では、戦いにならないし、戦っても負けるだろう。
「しかし、わからんな。目の前にいる敵を、ふん、たとえ話にならない相手だとしても、見逃すとはな。」
「うちの姫君の方針ですから。僕としても、邪戦士というだけで十把ひとからげに敵と見なしているわけではありません。その点は“アインストール”とは意見を異にしていますが。」
「ふん、命拾いしたというわけか。」
「け、警部。」
「命はともかく、見逃したつもりはありませんよ。いや、僕も含めて、“奴”は誰も見逃しやしない。わかっているのでしょう?」
「どんぐりの背比べか。ふん、確かに“奴”は底知れん。」
「そうです。ヴァイラスも所詮はB級に過ぎませんし、A級戦力のアイシーやバトラーですら、“奴”にとっては海辺で遊んでいるようなものです。」
「パチャパチャパチャパチャ水遊びか・・・。ふん、低い次元で敵とか味方とか言ってる場合ではないな。それが“イヴィル・アタッカー”を出した理由か。」
「け、い、ぶ!!」
耐えかねた小森が叫んだ。
「すまない、小森くん。後で順序だてて話す。とりあえず今は、“イヴィル・アタッカー”は味方だ。」
「し、司法取引でもしたんですか!?」
「それに近い。問題は、彼の実力で、パワーアップした邪戦士に対抗できるかどうかだが・・・。」
阪口の開けた穴を見るが、内容の読み取れる距離ではない。
「んんっん〜♪ 心配しなくても大丈夫。この学校には凄い奴がいるから。」
“ガーディアン”の側に、いつの間にか少女が立っていた。やはりホログラムだ。
ボーイッシュな服装だが、隠しきれない女の曲線。綺麗なEの字が入った帽子を目深に被り、彼女は期待と希望を唇に浮かべる。
「姫様! 負荷の方は・・」
「の・の・の・の〜、容量が増えたから8分は万事OKだよ。それは向こうも同じことだけどね。」
帽子の下の眼が、険しく光った。


「ふんふんふんふん!」
「はっはっはっはっは!」
“イヴィル・アタッカー”と、“イヴィル・テンタクル”。
第四の邪戦士と、第八の邪戦士。
2人は上空で肉弾戦を繰り広げていた。
「しーつこいオッサンだっつーねん!」
「オッサンではない! “イヴィル・アタッカー”だ!」
空を自在に飛びまわる阪口に対して、テンタクルはパニックの作り出した障壁に乗っかっているのみ。機動力の差は歴然としていた。
とはいえ、テンタクルはビームも撃てるし、何より人質の存在がある。総じて言えば、テンタクルが若干有利だ。
「ほーれオッサン! 女の裸だぜ、キレーな女の子の裸だぜ! 見たことねーだろ!」
“イヴィル・テンタクル”の触手に絡め取られている女生徒たちが、盾として前に出される。
「うっ・・」
若い肢体に眼が眩む。
その隙を突いて、ビームが阪口の胸を貫く。
「がはっ!」
「はい終了! オッサン終了! 残念! 何の為に出てきたのかわかんねえっつーの! だっせー! かっこわる!」
「はあああっ! それで勝ったつもりか小僧!?」
「うげ?」
落下していく途中で、阪口は、そのまま尻を向けて突撃。“イヴィル・テンタクル”の頭にヒップドロップ!
「ぶえっ!?」
「おれの飛翔は傷つこうが体勢が変だろうが発動できるんだよ! もっと酷い状態で発動したこともあったしな・・・。」
「オッサンの汚えケツなんか嬉しくないっつーの! 女の子で口直し・・」
「させるか!」
再びヒップドロップ!
「うげっ・・」
「更に教えてやろう、まだ“飛翔特攻”(カミカゼアタック)は60パーセントの力しか出していない! フルパワーの特攻で、人質ごと死ねい!」
「ひっ・・」
先程、障壁を突破してきた光景が、“イヴィル・テンタクル”の脳裏に浮かぶ。
心理的にはともかく、物理的には“肉の壁”など役に立たない。
(マジかよオッサン? 流石にハッタリだろ・・・?)
しかし相手は正気を失った邪戦士だ。
本当に正気を失っているかどうかは別にしても、少なくとも人命やモラルは二の次に考えている。それが邪戦士だ。
(だいたい、何で胸を貫かれて平気なんだ・・・?)
見れば、傷が塞がりつつある。
それは五留吾永須の“損傷引受”(ダメージシフト)だった。
「うおおおおっ!!」
阪口が突撃!
「おおお・・・おっ?」
しかし勝負運は“イヴィル・テンタクル”に味方した。
すんでのところでヒンダーリアライズ認識障壁の存在を思い出したテンタクルは、そこに隠れて攻撃を逃れた。
「どこに消えた!?」
「ここだっつーのん!」
触手とビームが阪口を襲う。
痛烈な打撃と、体のあちこちを貫くビームの嵐。
「ぐがあああっ!?」
しかも女生徒。
またしても“イヴィル・テンタクル”は、女生徒を1人捨てた。
「くっ、くっそおおお!!」
阪口は軋む体に鞭打ち、女生徒を助けて下へ飛ぶ。
「はっ! バッカでー! オッサン! やっぱハッタリだっつーの! はっはは、ははっ、はっ、はは! んじゃま、あらためて・・・いただきだっつーの!」
「嫌・・・やめてえええ!!」
凜の痛ましい悲鳴が響きわたった。

「んが・・・」
今まさに男根で凜を貫こうとしていた“イヴィル・テンタクル”だったが、その顔から笑みが消えた。
それどころではない。目から光が失われ、あたかも死体のそれになった。
いや、実際に。
くたあんと、力の抜ける触手が、凜と櫃、そして女生徒たちを解放する。
「くっ!」
「まずい!」
テンタクルに何が起きたのかはともかく、落ちていく女生徒たちを助けなければならない。
櫃と凜は手当たり次第に拾っていくが、落下するまでに拾いきれない。追いつかない。速さが足りない。
自分たちは“ガーディアン”のプロテクトと、永須の“損傷引受”があるから大過ないが、生徒たちは死ぬ!
「「―――っ!」」
地上に近付くにつれ、加速する恐怖。
守りきれないのか。
その絶望が、ふわっと消えた。
「・・・!?」
「・・・何じゃ?」
櫃も、凜も、女生徒たちも、せいぜい2階から落ちた程度の衝撃で、地面に転がった。
裸でもあるので、怪我をしている生徒も多かったが、永須の能力で治せる範囲内だ。
だが、落下の速度を緩和したのは、永須の能力ではない。鈍郎でもない。坂口でもない。

「重力は、とても弱い力です。落下してくる有象無象を助けることしか出来ません。」

“イヴィル・マリオネイター”十島隆子が目覚めていた。
「お母さん!?」
「まさか・・」
七美が驚いたのは、マリオネイターが早々に気絶から復活したことだけではない。
“イヴィル・アタッカー”が、“イヴィル・マリオネイター”が、まるでヒーローのように人助けをするなんて。
「勘違いすんなよ。わたしは別に、あなたたちの味方をしたわけじゃないわ。テンタクルの奴が気に入らなかっただけ。」
その“イヴィル・テンタクル”も、息絶えた状態で降ってきていた。
ひび割れた触手を地面に横たえながら、光を失った両眼が天を見上げていた。
「・・・!」
(延髄の急所を性格に貫かれている。“ファイバー”が殺ったのかしら・・・?)
何となく腑に落ちない気分で、七美は“イヴィル・テンタクル”の死を確認した。
その横で、瑠璃子が旧友の姿を見つけて、胸を撫で下ろしていた。
「黒月・・・無事だったんだ・・・。」
その声に耳が反応したのは、櫃だった。
(くろつき?)
瑠璃子の視線の先にいた少女は、あまりにも櫃の知る“ある人物”に似ていた。
そして、その人であれば、“イヴィル・テンタクル”を一撃で葬ることなど造作も―――
(・・・いや、余計な詮索はやめとこう。彼女は50年前に死んだんじゃ。)
それよりも今は、目の前の現実が大事だ。凜や女生徒たちにも、何か着るものを用意しなければならない。
服を探している間に、事態は変遷する。
「おいっ・・」
「壁が・・・!」
“イヴィル・パニック”の張った三重障壁が、歪みと共に可視化されて、崩れつつあった。


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「サトリン」第二部まとめ読み
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佐久間闇子と奇妙な世界
2016/10/01 01:06

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「サトリン」 第十四話 白羽の矢 (転) 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
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