佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   Act 19 相対

<<   作成日時 : 2016/11/23 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



(間に合ったか・・・?)

レッドラムは遠くで、泣笠の無事を祈っていた。



◆ ◆ ◆



泣笠葉継:LP2800、手札5(サイクロン、サンダー・ブレイク、おろかな埋葬、H−ヒートハート、H−ヒートハート)
場:邪神イレイザー(攻8000)、プラズマ・ボール(守100)、おジャマトークン(守1000)、おジャマトークン(守1000)、おジャマトークン(守1000)
場:火の粉(魔法カード)、成金ゴブリン(魔法カード)、おろかな埋葬(魔法カード)、死者蘇生(魔法カード)

無堂勝:LP3000、手札0
場:黒魔導師クラン(攻1200)、プロミネンス・ドラゴン(攻1500)、ボーガニアン(攻1300)
場:魔界の足枷(装備魔法)、おジャマトリオ(罠カード)、魔力無力化の仮面(永続魔法)、拷問車輪(永続罠)、スピリットバリア(永続罠)




「えへっへっへ、引いたカードは何だろう? 引いたカードは何なのさ? 引いたカードはヒータちゃん、なんちて。」

無堂は愉快でたまらない様子で踊りまくる。

「ほぉら、もうすぐ1ターンの制限時間が過ぎるよ! 過ぎちゃうよ? 何を言うのかな? どうするのかな?」


「・・・・・・・・・・・・・・ターンエンド。」

泣笠は、俯いた顔で宣言した。

「うほほ〜い! そう言うしかない葉継ちゃん! このデュエルに、ぼくが勝ったら、ねちょねちょの、ぐっちょぐちょに、してあげる〜! ぐっちょぐちょプレイ! ぼくの、ねばねばザーメンで、孕ませてあげる〜〜〜!!」






「そんな未来は永遠に来ないんだよ、愚かな雄豚め。」






泣笠葉継:LP2800、手札6




「私のドローフェイズになったから、カードを引かせてもらったわ。」


「はふ・・・・・・???」


わけがわからないという顔で、無堂は焦点の合わない目を白黒させている。



―――No Future♪
―――No Future♪



清らかに澄んだ声で、泣笠は歌う。



No Future レベル5能力(所有者:相生朽葉)
相手の2ターン目以降をスキップする。




「お前が知ってるか知らないか、どうでもいいんだが・・・私と斑は、魂の一部が繋がっている。」



酷死病 (マールファイア) レベル5能力 (所有者:“レッドラム”)
毎ターンのスタンバイフェイズ開始時に、以下の効果が全て同時に発動する。
●相手プレイヤーに1000ポイントのダメージを与える。
●相手の手札をランダムに1枚破壊する。
●相手フィールド上のモンスターをランダムに1体破壊する。
●相手フィールド上の魔法・罠カードをランダムに1枚破壊する。



無堂勝:LP3000→2000




「酷死病の治療の一環でね。まあ、結果だけ語ると、私と斑は1キロ離れるごとに、私の“レトロスペクティブ”はレベルが1下がり、5キロ離れると無力化される。けれど、そのときは私の、吸血鬼としての能力が目覚める。」



“能嚢蒐集”(コレクタ・パーフェクト) レベルE能力(所有者:吸血鬼0号)
今までに自分が勝利したデュエリストの所持するレベル5能力、及び、今までに自分が勝利したデュエリストの
「能嚢蒐集」に登録されているレベル5能力を任意選択し、このデュエルにおいて自分の能力として適用する。




「そ・・・そんな・・・けひっ、けひはっ!」

「以心伝心が、そんなに珍しい? 私は以前に“虚空の闇の瘴気”を改造して、“ブック・オブ・ザ・ワールド”という本を備えているのよ。“世界を小説のように読める本”・・・これで斑の様子を窺っていたわ。エルス・レッスルが自分に対するメタ能力者であることを理解した斑は、私に対してもメタ能力者がぶつけられていると考え、すぐさま5キロ離れることを考えるはず。実際そうなったわね。」

「ううっ・・・そんな、エルスさんが、そう簡単に負けるわけがない!」

「ふ・・・たかがスタンバイフェイズをスキップする程度で、斑を倒せると本気で思っていたの? 今の斑は能力なしでも、大概のデュエリストは1ターンキルで仕留めてしまえるわ。」

嬉しそうに泣笠は、腕を組んで微笑む。


「ううう、それが出来たとしても、この短時間で5キロも離れるなんて、物理的に不可能だあ!」

「そうかしら。軽々しく不可能なんて言うものではなくてよ。この状況で、時間的に間に合う機体が、この世にただ1機だけ存在するわ・・・・・・ブルーアイズジェットがね!

「ううっ!?」

「相田さんが手配してくれているのは“ブック・オブ・ザ・ワールド”を読んで知っていたから、いたずらにデュエルを長引かせることもしなかったわ。最初から自分の力で勝つことを放棄するのは、デュエリストとして失格だもの。」

しかしカッコつけた言葉も、車輪に縛られたままでは、どうも決まらない。
泣笠は、デュエルを終わらせることにした。


「貴様の発動したカードは、全て自分のターンにダメージを与えるものばかり。ターンをスキップされては紙屑同然・・・。これで終わりよ、速攻魔法《時の飛躍》!」


「ぶ・・・ぶひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!??」


無堂勝:LP2000→1000→0




◆ ◆ ◆



「あ〜あ、やっぱし負けてやんの。マサル君にゃあ、あのカードは豚に真珠だったなぁ。」

闇のゲームが終了した途端に、帽子を被った人物が現れた。
まだ子供だが、ただならぬ雰囲気がある。

「誰かしら。」

泣笠は務めて冷静に尋ねる。

「ああ、オレは癒虫鰐条。“相対性理論”の癒虫鰐条だ。」

「いえむし、わにじょう・・・。」

「デュエルモンスターズに絶対的な強さなんて無い。だからこそデュエルは面白いんだ。しっかしレベル5能力者の登場で、多くのデュエリストにとっては超えることの出来ない絶対的な壁が出来ちまった。デッキの構築力や、プレイングの差で負けるなら、腕を磨くことも出来るだろう。だが、およそ自分には得ることが出来ない特殊能力、それも圧倒的に強い能力に負けたらどうだ? やってられねえよ。」

「その口ぶりだと、レベル5の誰かに負けたことがあるのかしら。」

首を傾けて、泣笠は問う。

「他人事のように言ってんじゃねーよ。お前も大勢のデュエリストに、絶望を味合わせてきたんだろ? やる気を奪ってきたんだろ? 天神のようにな!」

「なるほど、天神さんに負けたのね。」

「そうさ。あの日からオレは、デュエルが楽しくなくなっちまった。何をやっても、どうせ天神には勝てっこないんだと思うと、カードに触っても活き活きとした感触が感じられなくなっちまった。冷えていた。デッキが紙屑に見えた。オレは、デュエリストとして死んだも同然だった。そんな自分が大嫌いだった。」

癒虫は目を瞑り、そして大きく見開いた。

「だが! 2年前に吉井さんが、天神に勝ったときに、オレも生き返ったんだ! デュエリスト能力が無くてもレベル5能力者に勝てるって、希望と勇気をくれたんだ! 抱かれてもいいって思ったぜ・・・。あのときからオレは、ひたむきに努力する喜びを思い出したんだ! 自分が好きになれたんだぜ!」

子供のように、実際子供ではあるが、目を輝かせる癒虫。
もう止まらない。

「そのとき、オレの中で何かが目覚めた。それはレベル5能力者に勝つ為の、現実の力だった。試してやるぜ、泣笠葉継! このオレのレベルE能力の、実験体1号に選んでやる・・・光栄に思えよな!」

そう言って癒虫はデュエルディスクを展開しようとしたが、その前にやることがあるのを思い出した。
座り込んでいる無堂に近寄ると、無造作にデッキを奪って1枚のカードを取り出した。

「どうせマサル君は負けるだろうから、そんときはこのカードを回収するよう、じいさんに言われてたんだ。」

「ぼ、ぼくの、カード・・・」

「黙れよ。マサル君の能力で泣笠に勝てないって、ちょっと考えられない・・・。どんだけ酷いプレイングをしたんだよ。お前に使われるカードが、可哀想だ!」

癒虫はカードをデッキに入れると、あたらめてデュエルディスクを展開した。

「さあ、やろうぜ。この世界に“最強”なんて無いことを、このオレが教えてやる!」


「「デュエル!」」


泣笠葉継:LP8000
癒虫鰐条:LP8000



「オレの先攻だな。《神獣王バルバロス》を召喚し、《アドバンスドロー》。そして速攻魔法発動・・・」


泣笠の能力であれば、使い切りの通常魔法や速攻魔法などは遡及して無力化してしまえる。





―――はずだった。





泣笠葉継:LP8000→4500→0




「―――――っ!!!」



泣笠の姿は消滅し、そこに1枚のカードがヒラヒラと舞った。



◆ ◆ ◆



「ま、こんなもんだな。能力に頼ったデュエリストなんて、ちょろいもんよ。・・・さ、次だ。」

《魂の牢獄》のカードを拾い、癒虫は歩き出す。

「おい、マサル君。ダメもとでいいから、言われた相手とデュエルしてきな。さっきは言いすぎた。頑張れよ。」

「う、うう、ぼく、頑張る!」

無堂は強く頷いて、たったか走り出す。
みすぼらしい少年を一瞬で復活させる癒虫のカリスマは、大したものである。



「そのカードは返してもらおうかな。」



ホームズ姿の少女、相田たのかが立っていた。
その横には、館柳信哉の姿もある。

「返してもらおうってのは、ちょっと変か。渡してもらうよ。」

相田は恐れる様子もなく、強気の口調で癒虫に詰め寄る。
癒虫も強気で切り返す。

「オレに勝てると思ってんのか?」

「あなたの能力が推理した通りなら、わたしでも十分勝機はあると思うけどな。」

「・・・!」

不敵に笑う探偵に、癒虫も口をへの字に曲げずにはいられない。
能力を行使するのは、これが初めてで、仲間も知らないはずだ。無堂幻大が漏らすはずもない。

(ションベンは漏らしてたけどな。)

得体の知れない能力に、推理だけで辿り着いたというのか。
あらためて彼女の探偵としての能力には、恐れを成すばかりである。

「・・・・・・。」

相田の言ったことは、誇張であってもハッタリではない。
デュエルよりも推理が得意な彼女だ、ことデュエルに関しては癒虫に分がある。

しかし相田を倒したところで、館柳が控えている。
それどころか、そもそも律儀に1対1でかかってくる義理など無いのだ。
2対1で挑まれたなら、それこそ勝率は3パーセント未満だろう。


「・・・わかったよ。」

考えた末に、癒虫はカードを放り投げた。
それを館柳がキャッチして、確認する。

「それ、本物?」

「ああ、どうやら偽物をつかまされてはいないようだ。」


2人が確認している間に、癒虫は姿を消していた。






つづく

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