佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   番外編 キマシタワー建設会社

<<   作成日時 : 2016/12/21 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



男の人は男の人同士で

女の子は女の子同士で

恋愛すべきだと思うの



◆ ◆ ◆



「はあっ・・・・・・」

晴天の下で、物憂げな溜息が、古代の彫刻のような美貌を撫でる。
清楚な白い肌を飾るのは、程よく豊かな金の髪。すらりとした体躯に、控え目な胸。

公式最強のレベル5能力者、エウレカ・セデミクラは、恋煩いに耽っていた。
デュエル中のような不気味な笑顔は鳴りを潜め、ほのかに赤い頬が乙女を奏でている。

「安藤さん、安藤ヒロコさん、どうして貴女は安藤さんなの? わたくしの心を惑わせる、いけない人・・・。」



「あちしがァどうかしたか?」

「・・・っ!?」

うっとりとした顔で呟いていたら、背後から悪魔のトーク。噂をすれば影。
振り向くと、童実野高校の制服に身を包んだ、安藤燈炉子が立っていた。
赤いショートヘアに、煌々と燃える双眸、剥き出しの笑みの小悪魔フェイス。

「くひひ、“ヨーロッパの神女”さんともあろぉ者が、こンなとこで何やってンだァ?」
「わたくし、少しでも太陽に近い場所が好きなんです。魂がイカロスの翼で出来ているのかしら。」
「イカロスかァ。無垢な勇気の象徴・・・昔ギリシャのイカロスは・・・♪」

蝋で固めた鳥の羽
両手に持って飛び立った
雲より高く、まだ遠く・・・

「勇気ひとつを共にして・・・♪」

空高くを見つめる燈炉子は、仲間たちと共にいるときとは様子が違っていた。
攻撃的な表情ではなく、細めた目からは暗がりの涼しさが漂っている。

それを見ているとエウレカは、いよいよ身も心も濡れてくるのが抑えられない。

(好機? 好機よね? これは神様が、わたくしに与えてくれた運命よね? ラジオで聴いたアドバイスを実行するときがやってキマシタワー! ラブホに誘って胸に万札、ラブホに誘って胸に万札!)

エウレカは財布を取り出して、諭吉を10枚取り出した。
日本の紙幣は実に精巧に出来ていると思う。

(あ、あんどうさん!)
「なァ、ラブホいかねぇかァ?」

エウレカが紙幣10枚を手に呼びかけたのと、燈炉子が誘ったのは、ほぼ同時だった。
しかもエウレカが言葉を発したと思っていたのは、心の中のことだった。燈炉子には聞こえてない。

「・・・・・・え?」
「くひひ、オンナノコが独りで出歩いていたら、悪いオオカミさんに食べられちまうって話、知らねぇ?」

いつの間にか肩を組まれていた。
燈炉子はユーロ紙幣を何枚か掴んで、エウレカの胸に突っ込んだ。

「ひきゃっ!?」
「くひひ、可愛い声じゃねぇの。味も見ておこぉか。」
「んぐっ・・・んちゅ・・・・・・」

唇を奪われると同時に、甘美な感覚が全身を貫いた。
稲妻の味とは、このようなものだろうか。



- - - - - -



気が付いたらベッドに寝かされていた。
燈炉子は慣れた手つきでエウレカのブラウスを脱がしにかかっている。

「あ、待って・・・」
「なンだぁ、神女さンは着たままがイイですかァ?」
「そうじゃなくて、は、恥ずかしい・・・」
「くひっ、そンなことも考えられねぇよぉに、天国へ連れてってやンよ?」
「・・・っ、そこはダメ!!」
「ダメじゃねぇだろ、エウレカちゃん。・・・お、てめぇ、まだなのかァ。」
「あっ、痛、や、優しくして!」
「くひひ、興奮するなァ。安心しろぉ、ねだられねぇ限り破ったりしねぇよ。」

燈炉子はエウレカの控え目な胸に顔を埋めて、両手を背中に回した。

「あァ、いい匂いだァ・・・」
「ひ、燈炉子さん! ・・・ひろこさん?」

胸に埋めているので顔は見えないが、様子がおかしい。
今の今まで攻めていた彼女が、母親に甘える子供のようだ。

「・・・・・・あちしァどぉ考えても、邪魔者だよなァ。」
「燈炉子さん?」
「なんでもねぇんだ。しばらく、このままでいさせてくれぇ。」

エウレカは、安藤比呂子の過去を多少は知っている。
闇のデュエル組織“カンサー”の第七席ギャシュリー・クラムに、10歳のときに強姦された。
そのときの精神的なショックで、人格が分離して生まれたのが、燈炉子である。

(年齢的には、まだ7歳。母親が恋しい年頃ですわね。)

もっとも、大概の娘は母親に性的な悪戯をしない。
既に燈炉子の右手は、再びエウレカのスカートの下へ向かっていた。

「あっ・・・」



- - - - - -



「ところで燈炉子さん。主人格の能力は、最初から貫通特性を備えていたのですか?」

バスローブ姿で、エウレカは髪を乾かしながら言った。

「くひっ、流石は公式最強。二度目は誤魔化せねぇなァ。」

燈炉子は乾いた髪を梳かしながら笑う。

「絶対能力者に挑んで、返り討ちに遭ったンだ。そんときの副産物で、比呂子の能力はレベル1からレベル1+i になっていた・・・複素数能力“穿孔花火”(スパクラ)にな。これァあちしも、ついさっき教えてもらったンだけど。」

「絶対能力者? 竜堂神邪ですか?」

「てめぇは竜堂神邪と戦ったらしィな。あちしが挑んだのァ、奴の母親だ。デュエリスト能力を限界まで引き上げる魔術の持ち主・・・比呂子にァ、複素数レベルの才能が秘められていたよぉだなァ。」

「公式最強なんて、ほんと名ばかりですわね。神邪さんには文字通りに手も足も出ませんでしたわ。あれ以外にも、例えばライフを虚数化されていたら同じく、わたくしの負けでしたわね。」

無堂幻大から「部下を助けてほしい」と頼まれたとき、その嘘を看破しつつも乗っかったのは、ただ単純に戦ってみたかったからだった。噂の絶対能力者が、どれほどのものか、自分で確かめたい好奇心。

「くひひ、強者に挑みたくなるのァ、デュエリストの本能だよなァ。」
「わたくしたち、絶対能力者に挑んだ者同士ですね。」

エウレカの乾かした髪が、ふわりと広がる。
豊かな金髪が白い背中に流される。


「というわけで神邪さん、この状況を読んでいるなら、わたくしの考えていることは理解できておりますわね?」



◆ ◆ ◆



「初めまして癒虫鰐条さん。貴女は特攻隊はお好きですか?」

「・・・っ!?」

病院の個室に、突如として現れたのは、公式最強のレベル5能力者だった。
そのとき鰐条は、マサキにかけてもらったジャケットに顔を埋めているところだった。

「テメー、何でここに!?」
「簡単な推理です。心的外傷を負った人が、心療内科に搬送されるのは、常識的な思考ですわ。」
「そーゆう意味じゃ・・・」
「理由ですか? 貴女とデュエルしにキマシタワー!」
「へぇ・・・おもしれえ。」

検査着の鰐条は、枕元のディスクを構えた。

「テメーとは一度ヤってみたかった。」
「あらーー、ヤるなんてエッチだぞーー?」

病室は決闘場となる。


「「デュエル!」」


エウレカ・セデミクラ:LP8000
癒虫鰐条:LP8000



「わたくしの先攻ですわーーー、ドロー、《光の援軍》で《ライトロード・ドラゴン グラゴニス》をサーチ!」


光の援軍 (魔法カード)
自分のデッキの上からカードを3枚墓地へ送って発動できる。
デッキからレベル4以下の「ライトロード」モンスター1体を手札に加える。



「そして《邪神機−獄炎》をリリースなしで召喚ですよーーー!」


邪神機−獄炎 レベル6 光属性・アンデット族
攻撃力2400 守備力1400
このカードはリリースなしで召喚する事ができる。
この方法で召喚したこのカードは、
エンドフェイズ時にフィールド上にこのカード以外の
アンデット族モンスターが存在しない場合、墓地へ送られる。
この効果によって墓地へ送られた時、
自分はこのカードの攻撃力分のダメージを受ける。



(ライトロードにアンデット・・・【ワイトロード】か?)

鰐条は早くも分析を開始していた。
相手の使用カードからデッキを推理するのは、デュエルの醍醐味の1つである。

「墓地の《馬頭鬼》を除外してーーー、2体目の獄炎を特殊召喚ですーーー! カードを1枚伏せて終了っとな!」


エウレカ・セデミクラ:LP8000、手札4
場:邪神機−獄炎(攻2400)、邪神機−獄炎(攻2400)
場:伏せ×1

癒虫鰐条:LP8000、手札5
場:
場:



「驚かねえのか?」

「何がですかーーー? 驚くことなんて何もありませんよーーー?」

「へっ、なるほどな。オレの能力は既に筒抜けってわけか。」


“滅火滅神”(アルベルト) レベルE能力(所有者:癒虫鰐条)
レベル5以上の能力を無効化する。



「オレのターン、ドロー! 《神獣王バルバロス》を召喚し、《アドバンスドロー》発動! これで《デーモンとの駆け引き》の発動条件を満たしたぜ! 現れろ、《バーサーク・デッド・ドラゴン》!!」

「そうはいきませんわーーー、《神の宣告》発動ですわーーー!」


エウレカ・セデミクラ:LP8000→4000



「カウンターが遅いぜ! どうせなら《アドバンスドロー》を無効化するべきだったな!」


エウレカ・セデミクラ:LP4000、手札4
場:邪神機−獄炎(攻2400)、邪神機−獄炎(攻2400)
場:

癒虫鰐条:LP8000、手札3
場:バーサーク・デッド・ドラゴン(攻3500)、バーサーク・デッド・ドラゴン(攻3500)
場:



「殲滅しろ、《バーサーク・デッド・ドラゴン》!!」


《邪神機−獄炎》 (破壊)
《邪神機−獄炎》 (破壊)
エウレカ・セデミクラ:LP4000→2900→1800



「とどめだ、2体目の《バーサーク・デッド・ドラゴン》でダイレクトアタック!」

「させませんわーーー、墓地から《超電磁タートル》を除外して、バトルフェイズを終了させますわーーー!」


超電磁タートル レベル4 光属性・機械族
攻撃力0 守備力1800
「超電磁タートル」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。
(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。
そのバトルフェイズを終了する。



「・・・何を狙ってやがる? テメーに限って、プレイングミスってことはないよな? それともオレを舐めてんのか?」

「どちらでもありませんよーーー! れっきとした戦術ですわーーー!」

「・・・・・・まあいい、オレはカードを1枚伏せて、ターン終了だ。」

《バーサーク・デッド・ドラゴン》 (攻3500→3000)
《バーサーク・デッド・ドラゴン》 (攻3500→3000)



「いっきますわよーーー! ドロー、そして華麗に儀式魔法発動、メルクール暦48730年の宣告、手札のグラゴニスをコストに儀式召喚!」


宣告者の預言 (儀式魔法)
「神光の宣告者」の降臨に必要。自分の手札・フィールド上から、
レベルの合計が6になるようにモンスターをリリースしなければならない。
このカードの効果によって「神光の宣告者」が儀式召喚に成功した時、
自分の墓地のこのカードをゲームから除外する事で、
その儀式召喚のためにリリースしたモンスター1体を選択し、自分の墓地から手札に戻す。


神光の宣告者 レベル6 光属性・天使続・儀式
攻撃力1800 守備力2800
「宣告者の預言」により降臨。
手札から天使族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。
相手の効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。



エウレカ・セデミクラ:LP1800、手札2
場:神光の宣告者(守2800)
場:

癒虫鰐条:LP8000、手札2
場:バーサーク・デッド・ドラゴン(攻3000)、バーサーク・デッド・ドラゴン(攻3000)
場:伏せ×1



「わたくしはーーー《レスキューラビット》を召喚し、除外して効果発動ですわ! 《ゼミアの神》2体を並べるトラベル喋る食べる、わたくしはバベル!」


ゼミアの神 レベル4 闇属性・悪魔族
攻撃力1300 守備力1000
相手をだまして、破滅の道へと誘うことを得意とする邪神。


ゼミアの神 レベル4 闇属性・悪魔族
攻撃力1300 守備力1000
相手をだまして、破滅の道へと誘うことを得意とする邪神。



「2体のレベル4でオーバーレイ、おいでやすーーーー《No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ》!!」

「―――っ、罠カード《激流葬》!!」

「残念無念、さようなら! わたくしは手札の《ライトロード・エンジェル ケルビム》をコストに、《神光の宣告者》の効果を発動ですわーーー!!」

《激流葬》 (無効・破壊)


「くそっ・・・!」

「でわでわーー、ラグナ・ゼロの効果発動ーーー!」


《バーサーク・デッド・ドラゴン》 (破壊)
エウレカ・セデミクラ:手札0→1



エウレカの出したラグナ・ゼロは、この状況に誂(あつら)えた選択だった。
攻撃力が下がるデメリットを、更なるデメリットにする。エウレカは能力抜きでも十分に強い。


No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ ランク4 水属性・天使族・エクシーズ
攻撃力2400 守備力1200 レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、
相手フィールド上に表側攻撃表示で存在する、
元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターを破壊し、デッキからカードを1枚ドローする。
この効果は相手ターンでも発動できる。



「キマシタワー!! 装備魔法《巨大化》で、ラグナ・ゼロの攻撃力2倍ですわーーー!!」


エウレカ・セデミクラ:LP1800、手札0
場:神光の宣告者(守2800)、No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ(攻4800)
場:巨大化(装備魔法)

癒虫鰐条:LP8000、手札2
場:バーサーク・デッド・ドラゴン(攻3000)
場:



「葬りなさいませーーー!!」

「くっ・・・!」

《バーサーク・デッド・ドラゴン》 (破壊)
癒虫鰐条:LP8000→6200


「ターン終了ですですーーーう!」

「やってくれんじゃねえか・・・だが、これでテメーの手札はゼロ! 宣告者の効果は使えねえ!」

「泣けてキマシタワー!」

「言ってろ、ドロー! オレは《デビル・フランケン》を召喚し、ライフ5000を支払って《サイバー・ツイン・ドラゴン》を特殊召喚するぜ!」


癒虫鰐条:LP6200→1200
《No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ》 (攻4800→1200)



巨大化 (装備魔法)
自分のLPが相手より少ない場合、装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の倍になる。
自分のLPが相手より多い場合、装備モンスターの攻撃力は元々の攻撃力の半分になる。



「そしてオレの発動するのも《巨大化》だ!」


《サイバー・ツイン・ドラゴン》 (攻2800→5600)



「これでジ・エンドだ! 《サイバー・ツイン・ドラゴン》で、ラグナ・ゼロに攻撃!」

機械竜の閃光が、フィールドを輝かせる。

爆炎の中で、鰐条は安堵しながら笑みを浮かべた。


「・・・やっぱ公式最強なんて、てんで大したことなかったな!」



癒虫鰐条:LP1200→0




「・・・・・・・・・え?」


「最強を潰す、でしたか?」

煙の向こうから、エウレカの声が透き通る。

「レベル5以上の能力を無効化する―――そんな危険な能力に、いつまでも対策を打たないと思いまして?」

「な・・・何やった・・・? 何で・・・そんな・・・」

「あら、察しが悪いですわ。貴女がここへ来た理由を考えれば、すぐにわかりそうなものですのに。」

「・・・っ、まさかテメー!」

「そうですわ。わたくし、能力を虚数化してもらいましたの。それにより、スイッチングが可能になりましたわ。」

「・・・!」

それで全てを理解した。

エウレカの能力が正常に機能していたら、エウレカのライフが1800な時点で癒虫のライフも1800以下になる。
ラグナ・ゼロの攻撃で1800のダメージが与えられた時点で、エウレカの勝利は確定している。

エウレカは、適用をOFFにしたままデュエルを進め、《サイバー・ツイン・ドラゴン》の攻撃時に、ライフに関してのみONにして、遡及して適用していた。結果として鰐条のライフが0になっていたのである。


“禁制の神域”(アンタッチャブルリミッター) レベル5+2 i 能力(所有者:エウレカ・セデミクラ)
全てのターンそれぞれの、手札の枚数、ゾーンごとのカードの枚数、ライフポイントにおいて、
それらの要素から任意選択して、相手を自分以下にすることが出来る。
(生じた相手の超過分は、ライフは失われ、カードは選んでにデッキに戻す。)



「これが、わたくしの新たなる力ですわ。」

デッキにカードを戻しながら、エウレカは誇らしく笑っていた。
公式最強のレベル5能力者は、レベル5を逸脱して、虚数の鉤を手に入れた。



「・・・ふざけんなよ。」

鰐条はカードを床に落として呟いた。

「勝てるわけねーだろ、こんなの! 能力だけで勝負が決まっちまうようなデュエルなんて、おかしいと思わねえのかよ!? デュエルってのは、そんなもんだったかよ!?」

「あら? わたくしが獄炎2体を並べた時点で、《永遠の淑女ベアトリーチェ》を出していれば、結局わたくしの勝利でしたわよ。デュエルを楽しむなら、《巡死神リーパー》を出す手もありましたわね。」

「・・・っ、自分の勝利を確定させといて、デュエルを楽しんでるフリなんかしやがって・・・・・・何で、何でテメーみたいな奴に・・・何で、あんな奴に、メチャクチャな能力が与えられてんだよ・・・!」

ぽたぽたと落ちる悔し涙は、鰐条の手の甲を濡らしていく。

「神様は不公平だ。世界は理不尽だ。言い訳すらさせてくれねえ。努力は無駄なのか!? デュエリスト能力が全てなのか!? オレは無価値なのか!? 教えてくれよエウレカ・セデミクラ!! あんた強いんだろ!?」

「そうですよ。神様は不公平で不平等で、世界は理不尽に出来ています。貴女の努力は無駄で、貴女の行うデュエルはデュエリスト能力が全てで、貴女は無意味で無価値です。」

「・・・っ! ・・・・・・!」

鰐条は泣き腫らした目で、エウレカを睨んだ。

「慰めてもらえると思いました? 甘いですよ。」

不気味な笑顔で、不気味な笑顔で。
エウレカは鰐条をベッドに突き飛ばした。

「・・・っ、・・・うっ・・・・・・」

悪態をつく気力すら失われ、鰐条は俯いてシーツを掴んだ。



「癒虫鰐条さん、貴女には百合の才能がありますわ。」



「は?」

耳には届いたが、脳が認識しない。
認識した途端に鰐条は、カッとなって叫んだ。

「あるわけねえだろ! 女同士とか気持ちわりい!」
「そうですか・・・あまりお好きではないようですね。残念デース。」

インチキじみた口調で肩を竦めるエウレカは、某社の会長を思わせた。
だが、その眼は本気だ。

「ですが、貴女に百合の才能があることは厳然たる事実です。この“欧州の神女”エウレカ・セデミクラの名に誓って、嘘は申しません。嘘だと思うなら、試してみますか?」

ぎしっとベッドが軋む。エウレカが膝を載せていた。
顔の距離が近い。鰐条は怯える。

「くっ、来るなっ・・・!」


「可愛い子猫さん、わたくしに召し上がられてみませんか?」


エウレカの笑顔は、どこまでも不気味で目が離せない。
鰐条は、瞬きひとつ出来ずに、神女の瞳に吸い込まれていった。





   キマシタワー建設会社   了

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