佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   Act 61 無明

<<   作成日時 : 2017/03/23 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



星無き無明の夜に剥かれる牙は

それが微かな光と見えることも




◆ ◆ ◆



「最悪の予想が当たっちまったか・・・。」

苦々しい顔で、大河は呟いていた。
この展開は、個人的に10パーセント未満と考えていたが、甘かったと痛感する。
マシニクルが3体を超えて出現した時点で、想像できた可能性の1つではあったが、流石に嘆息ものだ。

「だいたい33560体って、カードゾーン余裕で超えてんじゃねえか・・・。リアの虚数能力で、スーパーエキスパートルールのトークンみてえな扱いになってんのかね・・・?」

救いと言えるのは、目の前の事態に対処すればいいということだろうか。
それ自体の難易度はともかく、それ以外を気にしなくていいのは、気の持ちようが違う。

この事態に備えて、鷹野は《うずまき》でゲートを開いていた。
幸花町や星花町のデュエリストは既に故郷を守るべく戻っている。
他の地域でも、そこに住むデュエリストたちが対処するだろう。

何しろマシニクルそのものは、攻守が無限大なだけで、耐性を備えていない。
だからこそ今まで、容易く吸収できていた。

(・・・3万を超えると言いながら、フィールドに出てんのは散って行ったのも含めてジャスト2万体か。回避が間に合わねえときは俺の能力で焼き払うか―――)

考えながら大河は、ふと妙なことに気付いた。

(―――俺の能力って、虚数化したことで何か変わってんのか? そうだ、そういや・・・)



- - - - - -



「天神さん!」

吉井の呼びかけに、天神は無言で頷き、光のDホイールを操作する。
光速とは、およそ秒速30万キロメートル。傍目からは消えたように見える。

「きゅ〜〜?」

逃げたとは思えない。
リアは訝しんだが、そこへ天神と吉井は、ある能力者を連れて戻ってきていた。


「速攻魔法《時の飛躍》発動。」


その宣言と共に、リアライズのデュエルディスクに「YOU LOSE!」の文字が点灯する。
慌てて能力を再発動し、リアは苦々しく表情を歪めた。

連れて来られたのは、かつてリンネと直接対決した1人。
そのデュエリスト能力は、今現在の状況に対して、極悪なまでの威力を発揮する。

『自分のエンドフェイズに、お互いのフィールドの状況を入れ替える』レベル4能力。


そして従えた2万体のマシニクルの行方は。


「ククク、永続トラップ《デビリアン・ソング》を3枚発動! フィールド魔法《星見世界》の効果と合わせて、マシニクルのレベルは7まで下がる!」

ソーガが伏せておいたカードを発動する。


デビリアン・ソング (永続罠)
このカードがフィールド上に存在する限り、
相手フィールド上の全てのモンスターのレベルは1つ下がる。



レベル7のモンスターが2万体。(プラス《サウザンド・アイズ・サクリファイス》から解放された1体)

それの意味するところは、常識的に考えて1つしかない。


「混沌の具現たる軍神よ。切なる望みを我が元へ。集え、七皇の力!《CX冀望皇バリアン》!」


CX冀望皇バリアン ランク7 光属性・戦士族・エクシーズ
攻撃力0 守備力0 レベル7モンスター×3体以上
このカードは、「CNo.101」〜「CNo.107」のいずれかをカード名に含む
自分フィールド上のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚する事もできる。
このカードの攻撃力は、このカードのエクシーズ素材の数×1000ポイントアップする。
自分の墓地の「No.」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。
次の相手のエンドフェイズ時まで、このカードは選択したモンスターと
同名カードとして扱い、同じ効果を得る。
「CX 冀望皇バリアン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。



《CX冀望皇バリアン》 (攻0→20001000)



「きゅ〜〜〜、もしものときの為に保険をかけておいて良かったよ! 行け、1万体のマシニクル!」

「おいおい、はしたねえ女の子だな? そんないっぱい出しちまったら、すぐに干からびるぜ?」

「きゅ・・・大河、マサキ・・・!?」

リアライズの背後に、半透明の翼を生やした大河が飛んでいた。

「そんなに熱っぽい目で見つめてくれるなよ。俺の方を見てる暇は無えと思うぜ? カードを2枚伏せて、速攻魔法《時の飛躍》!」

冀望皇のコントロールが、大河に移される。

「・・・っ!」

「気付いたか? あいつのデュエリスト能力は、指定する相手を変更することで、お前のマシニクルを誰にでも譲渡できる。冀望皇バリアンを出したのは、それを意識させない為のブラフだったが、まさか1万体も出してくれるとは、ありがとうよリアちゃん!?」

「きゅ〜〜〜! マシニクル、やっちゃえ!」

「無駄だぜ、俺の煉獄の前に立ちはだかるモンスターは全員死刑だ。」

首を掻っ切る真似をして、煉獄の炎が黒い花弁を撒き散らす。
業火に焼かれたマシニクルが沈んでいく。

「伏せていた2枚の《無謀な欲張り》を発動して2枚ドロー! カードを3枚伏せて、2枚目の速攻魔法《時の飛躍》! さーて、これで残り3641体か。次は何体出すんだ? 1体ずつチマチマ出した方が利口だと思うぜ?」

「その手に乗るとでも思っているのか! 何が冀望だ! 抗えない絶望の前に膝を折るのが、愚かなる人類の正しい勤めだろうが! きゅ〜〜〜〜〜!!」

「だったら、もっと絶望させてくれよ。そしたら、ちったァ謙虚な態度を取るかもしれねえぜ? シンヤが味わった以上に救いようのねえ絶望ってもんがあるなら、教えてくれねえかな魔人さんよォ!!?」

「・・・っ」

まだ状況は有利だと、リアの理性は告げている。
だが、気圧されているせいか、敗北の死神が肩を撫でる感触がする。

「1820体のマシニクル! “インフィニティ・キュービック”!!」

「ざっくり半分ほど出しましたってか? 《ゴブリンのやりくり上手》2枚を発動し、《非常食》をチェーンして手札4枚!」

「きゅ・・・ッ!」

「カードを2枚伏せて、3枚目の《時の飛躍》!」

1820体のマシニクルが奪われていく。
リアライズに成す術は無い。

「《リソース・リバース》で墓地のカードをデッキに戻しィ、《無謀な欲張り》と《強欲な瓶》で3枚ドロー! またまた《無謀な欲張り》を2枚伏せてェ、《時の飛躍》! お前のマシニクルが尽きるまで引き続けてやるよ!」

「そんな引き運の良さが、いつまでも続くものか! きゅ〜〜〜〜〜!!」

「おいおい、言ったはずだぜ? 俺の方を見てる暇は無えって・・・。」


黄金に輝く機械的な竜が、天空に羽ばたいていた。


「きゅ・・・っ!?」

「俺も含めて、ここまでの展開が全てブラフだ。ヒエラティックテキストの詠唱中に、川原さんを攻撃されるわけにはいかなかったんでな。」


“神罰”(パニッシュメント) レベル1能力(所有者:川原静江)
自分の墓地に、「ヲーの翼神竜」が置かれているとき、
「ラーの翼神竜」に変化させ、自在に操ることができる。



リアライズの能力で、ターンの概念を凌駕して物理攻撃が可能となっている。
自動書記といっても、唱えるのは川原自身。攻撃され、悲鳴を発するだけでも、詠唱は中断される。
神を自在に操作するという強力な能力にも関わらず、レベル1扱いになっている理由だ。


「あ・・・まさか・・・・・・お前が私のデッキを焼き払ったのは・・・・・・」

「このコンボを成立させる為ですがァ?」

せせら笑う大河の背後で、ラーが形態を変える。
幾つもの形態を持つ太陽神の中でも、ひときわ凶悪と言われる、蘇生と奪略の特化。

精霊は歌う。大いなる力、すべての万物を司らん。
その命、その魂、そしてその骸でさえも。



ラーの翼神竜−DM4 レベル10 神属性・機械族
攻撃力4000 守備力4000
このカードを通常召喚する場合、3体のモンスターを生贄にして生贄召喚する。
このカードの召喚・特殊召喚・効果は無効化されない。
このカードが召喚・特殊召喚されたとき、互いの墓地のモンスターを自分のフィールドに可能な限り特殊召喚し、
その後、相手フィールド上のモンスター全てのコントロールを得る。
(モンスターは攻撃力の高い順に奪い、奪いきれないモンスターは全て破壊する。)



「終わりだぜ、リアライズ。予想以上ではあったが、テメーの能力のおかげで、かえって楽に勝てた。カードゾーンを超えた展開をしてくれてありがとうよ。」

虚数能力で現実を侵食し、カードゾーンを超えて展開する。
それは恐るべき能力ではあるが、相手の“フィールド”も拡張してしまう諸刃の剣だった。

何故ならデュエルモンスターズには、《うずまき》というカードが存在するからだ。
リアライズのフィールドが拡張するなら、それは全てのプレイヤーに適用される。

「・・・やだ、何で、こんな、私は無敵のはずなのに、きゅ・・・きゅ・・・ッ、やだよ・・・・・・」

「イイ絶望の表情をするじゃねえか。そそられるぜ?」

やはり大河も人格破綻者だ。
泣き濡れるリアライズの顎を掴んで、嗜虐的に歯を剥き、潤んだ顔を見物する。

「きゅ・・・“機械都市”、応答せよ、機械都市!?」

「無駄だぜ。今頃“機械都市”は佐野が落としてる頃だ。追加のマシニクルは補充できねえよ。」

「ひぐっ・・・リアの、リアの大切な機械都市を・・・よくも、よくも、よくも〜〜〜ッ!!」

眼を見開いて涙を飛ばし、リアは小さな拳で大河を殴りつける。
だが大河は平然と、その拳を掴んで捻りあげ、腹部に強烈な一撃を入れた。

「んぐっ!?」

その間にマシニクルが次々と、ラーの効果で奪われていく。
大河の大きな手に口を塞がれながら、リアライズは奪略を見ているしかなかった。


(きゅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!)


全てのマシニクルを失ったリアライズは、敗北して《魂の牢獄》へ封印された。



◆ ◆ ◆



「あ〜〜〜、調子こいちまった。恥ずかしー!」

地上に降りてきた大河は、頭を抱えて蹲った。

やはり彼は人格破綻者になりきれない。
美少女の泣き顔に興奮し腹パンするような、ごく普通の性癖すら恥じてしまう。

「お疲れ、マサキ。顎クイから腹パンまでの動画をネットにアップしておいたよ。」
「何してやがる!? 俺が言えた義理じゃねえけどさ!」
「これが僕のファンサービスさ。美少女をリョナる悪い男・・・エクセレント!」
「あ〜、これで悪評に余計な真実味が付加されちまう・・・。」
「なに!? チョイ悪イケメンの“攻め”は高評価ではないのか!? ぼ、僕は、良かれと思って・・・」
「良からぬことを始めたわけだな!?」

泣き真似をする竜堂を、大河は軽く小突く。
すると竜堂は、やおら真顔になって言った。

「解説の人は、残念だったね。」
「ああ・・・。」

エキシビションで大河の性的な悪評をでっち上げた、少々悪乗りが過ぎる男だったが、あのような無残な最期を迎えることになって、同情以外の感情が湧いてこない。

「ハットーの1体は《魂の牢獄》に封印したが、“株分け”した奴が、まだいるはずだ。放っておいたら際限なく人を喰って増えていきやがる。“最悪の五人”と言うだけのことはあるな。ちょっと甘く見てた。」

「それがリアライズのカード?」

竜堂は《魂の牢獄》を手に取って眺める。
そしてリアライズを解き放った。

「おい? 何やって・・・」



「そいつから離れろマサキっ!!」



傷だらけになった竜堂神邪が、血相を変えて駆けつけていた。
その手にはアタッシュケースを持っている。

「シンヤ? ・・・っ!?」
「クックック、ハハハハハ、さァて問題です。いつから僕は、竜堂神邪に化けていたのでしょうか?」

振り向くと、今まで神邪だと思っていた人物は、腹を抱えて笑っていた。
流れる墨のような瘴気を発しながら、“竜堂”はおどけるように肩を竦める。

「ハットーはともかくとして、まったく、トロットもリアライズも詰めが甘い。おかげで僕が、お気に入りの仮面を外す破目になってしまったじゃないか。」

2枚の《魂の牢獄》に何かが作用し、閉じ込められていた2人が解放された。
げっそりした顔で、言葉も出ずに口を開いている。

「何しやがったテメー! 何で勝者でもねえのに《魂の牢獄》を解放できる!?」
「駄目だよマサキ、教えてあ〜げない♪ ・・・なんて、そこの“本物”が知ってるけどね?」

怖気立つ大河の前で、3人を担いだ“竜堂”は、軽く地面を蹴って宙に浮かんでいく。


「僕は“No-Name”・・・誰にでもなれるし、誰でもない。これから先、君の知り合いが、本人である保証は無い。せいぜい疑って、精神を消耗してくれたまえ。ククッ、アハハハハハハッ!!」


闇の瘴気が4人を包み込み、それが晴れたときには影も形も無かった。

「・・・すまねえ、シンヤ。」
「何を謝るのさ?」

“逆刻”で傷を治しながら、竜堂神邪は首をかしげる。

「俺は、奴が偽者だと見抜けなかった。それどころか、偽者だと明かされた後でも、まるでシンヤが2人いるような感覚だった。今でもそうだ。親友を名乗る自信が揺らぐぜ・・・。」
「仕方ないさ。奴は、竜堂星目は、母さんのクローンの中でも、唯一“成功作”と言われている。」
「クローン!? にしてはシンヤそっくりだったが、もしかして・・」

その問いに神邪は頷き、マサキが濁した言葉を肯定した。
A級白席・竜堂星目には、神邪のモザイク遺伝子も組み込まれている。

「デュエリスト能力が完全に成功を収めた代わりに、精神の方は完全な失敗だと聞いていたけど、それはガセだったみたいだね。初歩的な手に引っかかっちゃったなァ。」
「どういう能力なんだ? シンヤ、お前は知ってるんだよな?」

その問いに神邪は、苦々しい顔で吐き捨てた。

「最悪のデュエリスト能力だよ。僕の知る限り・・・。」

トロットの“刻の跳躍”、ハットーの“無の代償”、リアライズの“詰ましにくる機皇神”。
それぞれが虚数能力たる性能で、普通の人が見れば最悪と言って差し支えないだろう。
マサキから見ても、何てメチャクチャな能力だと思わずにはいられない。

だが、神邪は“十一壱”という反則的な絶対能力を持っている。
その神邪をしても“最悪”と言わせしめるほどの能力とは、どれほどの性能を持っているというのか?


「奴の能力は、『カードの名前を変更することが出来る』虚数能力だ。」


“名無し闇”(ネームレスネーム) レベル5 i 能力(所有者:竜堂星目)
カードの名前を変更することが出来る。



「そうか、《魂の牢獄》のカード名を変更することで、“牢獄”でなくしたわけか! しかしよ、確かに恐ろしい能力だが、お前が“最悪”と言うほどじゃねえような・・・」
「気付かないのかい、マサキ。どうしてデュエリスト能力に名前がついてると思う?
「・・・っ、デュエリスト能力名まで変更できるってことか!?」
「その通り。デュエリスト能力はカード効果扱いだから、その名前はカード名と同じ扱いだ。奴の能力は、僕の絶対能力と違ってテキストには干渉できないが、名前を変更するだけでも恐ろしいことになる。」

それは、強さとか汎用性とは別ベクトルでの恐怖。
『カード名を別のカード名に変える』のではなく、『カード名を変える』能力。
この違いの意味するところは。

「能力名を“おしっこビーム”とか“ちんぽミルク”に変えることも出来るのだから!」

「・・・・・・・・・・・・確かに、最悪だな・・・・・・。」

異論が見当たらない評価だった。
味方なら頼もしいが、敵としては最悪としか言いようがない。

より下品な方向性に持って行くことも出来れば、差別用語を宛がうことも出来る。
嫌いな人の名前や、個人のトラウマを刺激するような単語を入れることも出来る。

文字数に制限が無いことから、文章も可能。夢はマイナス方向に無限大。
攻撃や効果の対象を宣言する場合、そのカード名を宣言しにくいものに変えることも可能だ。

「この、デュエルとは別ベクトルの嫌がらせに対して、長らく僕は攻略法を見いだせなかった。」
「だろうな。」

喩えるならば、純愛ドラマの主人公の名前が“げろしゃぶ”であるような違和感。
どのような名前であっても本質的な差異など無いのだが、真理は常に具体的。
噛み砕いて言えば、中二力が著しく減衰させられる。恐るべき攻撃だ。

「だが、中二力を奪われるなら、もっと強大な中二力を備えればいい。2年前、見城さんが攻略法を教えてくれた。彼女は能力発動時に“見城スラッシャー”と叫ぶ。」
「そうか、見城の能力名は“炸裂する手札”(バーストショット)だが、技名は自由・・・つまり能力を発動するときの技名を、普段から考えておけばいいわけか!」
「ご名答。マサキの能力は虚数化されたことで、フィールを自在に展開できるようになっている。」
「・・・っ、そういうことか・・・。」


“月下決葬”(バラードフィール) レベル5+2 i 能力(所有者:大河柾)
フィールを展開した場所の全てのカードを破壊することが出来る。



「虚数化されたことで何が変わったのかと思っていたが、“ユメノナカ”でデッキを焼き払えたのは、これの片鱗が目覚めていたからだったわけだな・・・。」





そこへ鼻眼鏡の青年が、ボロボロになって戻ってきた。
お姫様抱っこで、ぐったりした少年を抱えている。

「フェイシン?」
「申し訳ありません・・・。」

常に冷静さを崩さないフェイシンが、泣きそうになっていた。

「風森無々を、殺されました。」

彼が手に抱えているのは、風森無々の遺体だった。

「―――っ、おい、冗談だろ・・・?」
「冗談ではありません。マシニクルの攻撃を受けて・・」

青ざめる神邪に、フェイシンは淡々と告げる。

「風森くんの能力で《モリンフェン》を守備表示で展開し、小生の能力でマシニクルを破壊していましたが、突然それが破られてしまいました。」
「星目か! 奴が《モリンフェン》の名前を変更したのか!」


“絶対神”(モリンフェン) レベル5能力(所有者:フェイシン・ウェイブロッサム)
自分フィールド上の「モリンフェン」は、以下の効果が全て適用される。
●攻撃力と守備力が無限大になる。
●この能力以外の、あらゆる効果を受け付けない。
●相手によって自分のフィールドを離れず、このカードが存在するフィールドも消滅しない。
●守備モンスターに貫通ダメージを与える。
●このカードに攻撃するモンスターを破壊する。



容易くフィールドに出すことの出来る《モリンフェン》を、絶対神の領域へ引き上げる能力。
だがそれも、《モリンフェン》にしか作用しない。《モリンフェン》でなくなれば、作用しない。

「・・・っ、魂が完全に肉体を離れてしまっている・・・。“逆刻”が通じない・・・。だが、《うずまき》第67効果で、デュエルの敗北を無かったことにすれば・・・」
「それは無理よ、竜堂さん。」

いつの間にか、鷹野麗子がヘリから降りてきていた。

「さっきからやってるけど、蘇らないわ。風森さんはデュエルで負けたわけではなく、物理攻撃で死んだのよ。」

デュエリストはデュエル以外では死なないと、よく神邪は言っていた。
そして《うずまき》第67効果があれば、直前の敗北を無効にすることが出来る。
しかし、デュエルにおいて、敗北ではなく物理的な死を与えられた場合、どちらにも抵触しない。

「・・・・・・。ヒロコさんたちに何て言えばいいんだ・・・。」

いつもは胡散臭い笑みを浮かべて飄々としている神邪も、このときばかりは、へなへなと座り込んでしまった。
マサキに肩を貸してもらって立ち上がるが、足取りがおぼつかない。


新月の闇と共に、風森無々の肉体が冷えていく。

星無き無明の夜に、ひとりの決闘者が命を散らした。






   決闘祭!   第5章 了

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