佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   Act 47 呪縛

<<   作成日時 : 2017/03/09 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



Headless-Crossが哭いている

その境界を踏み越えて

Headless-Crossが哭いている

掲げられてる尖塔で


Headless-Crossが笑ってる

百年経っても死なないで

Headless-Crossが笑ってる

無敵の笑みを浮かべながら


Headless-Crossが解き放たれた

もう誰にも止められない

Headless-Crossが解き放たれた

世界中が餌になる




◆ ◆ ◆



「いやあ、マサキ凄かったナー。」

ひらひらとワンピースを翻し、あどけない枡子丙は恍惚を浮かべた。
飛翔する青年の姿が、まだ網膜に焼き付いている。

(・・・この羨望は、きっと恋愛感情に近いネ。)

家族と折り合いが悪く、教室で疎外されていた自分にとって、地下都市は楽園だった。
それを破壊しに来た大河を、最初は嫌な奴だと思っていたし、それが払拭されても、地下都市を破壊したことを恨んでないと言えば嘘になる。そのときは自分も協力したのだけれども。

(まだまだガキだったよな、ボクってば。今はマサキにゾッコンなくせに。)

“女の子みたい”というのは、二重の意味を持つ。
女子からは「女の子みたいで可愛い」と言われたが、男子からは「女みたいで情けない」と蔑まれた。
大河は男子の中で、初めて良い意味で“女の子らしさ”を評価した男であった。


(だからこそ、マサキの隣にいるのはボクであるべきなんだヨ。あんな“下種”じゃなくて。)


あどけない顔が、狂気を帯びて光る。

「人は互いに影響し合う。一流の傍にいれば一流に近づける。マサキの傍にいれば、ボクはマサキのエナジーをもらって、格を高めることが出来る。それって素晴らしいことだ。ミゾレ姉さんも思うよネ?」

「わたしは、格とか難しいことは考えたことはないですが、ブラックローズ様の傍に居たいとは思いますわ。」

高校の制服に身を包んだ御前霙が、照れを浮かべながら澱みなく気持ちを述べる。
それを聞いて、枡子もうんうんと頷く。

「ミゾレ姉さんは本能的にわかってルんだね。だったら――」

「ええ、そちらは考えるまでもありませんわ。ブラックローズ様から竜堂神邪を引き剥がすべく。」

幼い雰囲気の少女が、がぜん大人びた決意を発する。

「人は互いに影響し合う。あんな“下種”がへばりついていたら、マサキの格まで下がってしまう。だけどマサキは子供の頃の呪縛に囚われていて、罪悪感から親友を続けている。そんなの、そんなのって・・・」

「ええ、ブラックローズ様が可哀想ですわ。昔のことを盾に、いつまでも親友面しているような卑劣漢は、今すぐ殺してやりたいです。わたしたちで、ブラックローズ様を呪縛から解き放ってあげたい!」

「そうだヨ。ボクたちはマサキに救われた。今度はボクたちがマサキを救う番だ。」



◆ ◆ ◆



少し時間を戻して、チーム・ゾンビタイガーとチーム・ツンデレの試合中。
観客たちが試合に熱狂している裏で、ひとつの事件があった。

ハイジーンは最初、世界から音が消えたように感じた。
少女の纏う雰囲気が静謐すぎて、聴覚がシャットアウトされていた。

「ぅ・・・あ・・・・」

ひと目惚れだった。
清楚な黒髪を伸ばした小柄な少女は、物憂げな顔で歩いていた。

ハイジーンは衝動的に彼女の後を付けた。
そして後悔した。


「遅かったですね、聖花。」
「アあ、ごめんなさい! お兄様!」

黒いセーラー服を着た少女は、謝りながら怯えていた。
裾を掴み、ぐっと堪えた表情をしていた。

「どうしたのですか? いつものように、たくしあげなさい。」

切れ長の目をした、長身の青年は、冷たい声で命令する。
彼の名は、黒維津軽。聖花の義理の兄だ。

聖花は羞恥に涙ぐんで、スカートをたくし上げた。
純白のショーツが晒され、そこにはローターが装着されていた。

「さあ、いつものように私に奉仕しなさい。」

津軽はチャックを下ろし、そそり立つ逸物を出す。
聖花は顔をしかめながらも、跪いて口を近づけていく。


「やめろっ!!」


見ていられなくなったハイジーンが飛び出したのは、そのときだった。
この突然の闖入者に、津軽は目を細め、聖花は甲高い声で叫んで逃げようとした。

だが、津軽は聖花の手を掴み、そしてハイジーンを睨みつけた。

「なんですか、覗き屋さん。私たちの邪魔をしないでほしいですね。」

「ぁ・・・か、彼女は、嫌がってるじゃないかあ!」

緊張のあまり、声が裏返り、大袈裟な身振りになる。
それを見て津軽は、嘲笑こそしながったが、代わりに軽蔑の眼差しを向けた。

「いい歳してヒーロー気取りですか? 勘違いも甚だしいですね。聖花、デュエルで排除しなさい。」

「・・・わかりました。」

黒いセーラー服が翻る。

「ぅう、聖花ちゃん、おれがっ! 助けるから!」


「「デュエル!」」

ハイジーン:LP8000
黒維聖花:LP8000



「アあ、わたしの先攻ですね。ドロー!」

聖花がカードを引く後ろで、津軽が冷たい笑みを浮かべた。

「いいカードが揃いましたね。やりなさい。」

「は、はい。《デス・メテオ》3枚と《火炎地獄》3枚を発動します!」


ハイジーン:LP8000→7000→6000→5000→4000→3000→2000
黒維聖花:LP8000→7500→7000→6500



「そしてデュエリスト能力、発動です・・・。」

「ぁ・・・?」


ハイジーン:LP2000→0



0を差したライフカウンターを見て、ハイジーンは血の気が引いた。
何度見ても変わらない。心臓が痛くてたまらない。

少女の能力は、ささやかなものだが、引導火力としては十分だった。


“一度きりの黒炎弾”(ダーク・メガ・フレア) レベル1能力
デュエル中に一度だけ、自分のメインフェイズに相手に2400ダメージを与えることが出来る。



目の前で、惚れた少女が胸を掴まれ、嬌声をあげる。
羞恥に悶えながら、切れ長の目をした青年を受け入れる。
必死に声を押し殺しながら、少女の頬を涙が伝う。

それは少女にとっての呪縛であり、ハイジーンにとっての地獄だった。

ハイジーンは今すぐ逃げ出したかった。
逃げようと思えば逃げられた。魔術的な拘束は無い。
だが、足が鉛のように動かない。少女から目が離せない。

やがて青年が震え、少女の脚を白い液体が流れる。
青年は猶も少女の胸を掴みながら、その体を揺さぶる。
いつしかハイジーンは、惨めな射精をしていた。


「おわかりですか。聖花は私の玩具なのですよ。」

事を済ませた津軽が、目の前に立つ。
次の瞬間、ハイジーンは腹部に衝撃を受けて転がった。

「ぐぷっ・・・が・・・・・・」

「死ね。」

再び蹴りを入れようとする津軽。
その眼には、弱者への憐憫と軽蔑が籠もっていた。


だが、蹴りは宙を切った。


「おいおい、オレのチームメイトに何してんだ?」

軽薄な印象を受ける青年が、ハイジーンを抱えて立っていた。

「君のチームメイトかい、Mr.レッドラム。奴隷の管理責任を問い質してもいいかな?」
「はん、対戦相手を暴力で痛めつけるってのは、およそデュエリストのやることじゃねえと思うけどなァ。」
「対戦相手? そうか、私のチームと戦うのは君ですか。」
「そーゆーこった。デュエリストならデュエルで決着つけろよ。」

不敵に笑うレッドラムと、冷たく笑う津軽の間で、火花が散る。
津軽は少し視線を外して、笑みの種類を変えた。

「いいでしょう。ただし、君が負けたときは、君の女をいただきますよ。」
「あ? 理知的な外見の割に、おめでたい頭してやがるな。てめえ如き小悪党が、このオレに0.001パーセントでも勝てる算段があるとでも?」
「小悪党は、お互い様でしょう。何なら、ここでタッグデュエルで決着つけるのでもいいですが?」
「いいぜ!・・・と言いたいところだが、オレの女が見てねえとこで叩きのめしても意味ねーな。どうせ結果は同じなんだ、焦らず行こうぜ兄弟。」
「わかりました。こちらとしても、大勢のいる前の方が盛り上がりますからね。」



- - - - - -



それから数分後、チームの控室。

「あー、こわかった・・・。」

“超刻”を半ば解除した状態で、淵乃井は壁にもたれかかった。
その横ではハイジーンが目をしばたかせている。

「ぅ・・・あ・・・?」
「ともかくハイジーンさん、お互い負けられませんね!」
「あ・・・う・・・・・・。・・・ああ!」

淵乃井の変化には戸惑ったハイジーンだが、利害は同じだ。
かつてないほど力強く頷いた。

「ハイジーンさん、そこで提案なんですが―――」



◆ ◆ ◆



《さーて、20分間の休憩を挟み増して現在! 1回戦第2試合は、体調不良でエキシビションに出場できなかった淵乃井斑ことレッドラムの率いるチーム・マーダーサーカスと、振り向けば甘いマスクで女を惹きつける美青年クロイツ・ガルドー、もとい黒維津軽の率いるチーム・カイゼルクロイツの対決です! 首相の山本さん、いかがですか?》

《いやあ、好カードだね。なんとなく同キャラ対決って感じだ。》

《そういえば、淵乃井、黒維ともども、女で悪い噂が絶えませんが、どこまで真実なのでしょうか!?》



それを客席で聴いていた葉継は、ぼそっと言った。

「・・・ほぼ全てよ。」



《それでは第一走者がピットイン! ライディングデュエル、アクセラレーション!!》

《いいねえエルスちゃん、スリムでキュート、準備万端!》

《対するは、いつもニコニコゆるキャラ風! 元幽堂高校の教師を務めていた宮村采配34歳独身!》

《イイ! 女教師! 俺の愛人にならないかい?》

《山本首相も大興奮の、美少女バーサス女教師のライディング! 先に第1コーナーを制するのは、果たしてどちらなのかーーー!?》





◎チーム・マーダーサーカス   ◎チーム・カイゼルクロイツ

第一走者:エルス・レッスル ――― 第一走者:宮村采配
第二走者:ハイジーン          第二走者:鈴峰処罰
第三走者:淵乃井斑           第三走者:黒維津軽




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佐久間闇子と奇妙な世界
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コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
 乃亜編には、能力デュエルのエッセンスがすべて詰まっていると思っている豆戦士です。

 とくにBIG1戦。能力が判明するまでのハラハラ感、能力と噛みあったデッキ特性の再生コンボ、能力によって追い詰められてから能力の抜け穴をついた逆転劇と、ほんと良作だよなあ……。

 ちなみに、デュエリスト能力に例えるなら、BIG1から順に、レベル3、1、5、2、4相当です。実は全レベルをコンプ。
豆戦士
2017/03/09 01:22
>ゾンビタイガー VS ツンデレ

 うっきゃあああああああなんだこのギミック詰め込みに詰め込みまくった神デュエルは!!

 全員が全員、決まれば即勝利クラスの攻撃を当たり前のように連発という、
 原作のインフレレベルを1、アニメのインフレレベルを5、決闘学園本編のインフレレベルを20とすると、これ1000くらいあるんじゃなかろうか……。

 先行を許せば1キルされるのは当たり前。ハネワタや宣告者を5枚駆使して後攻1ターン目が回ってくれば良い方。先取り天使が6枚飛び交うのはよくあること。ライフ0になってからが本番。エクゾディアを初手で揃えられる人物がザラにいる。そして今度はデュエルが終わってからが本番(New!)という……。

 デュエルがインフレを突き詰めると、ここまで行ってしまうのかという。わけがわからなすぎますが、一つ一つの展開は理に適っているからやばい……。まあそれすら理解不能なこともたまにありますが。カノンのライフ∞のくだりとか、説明聞いてもなんでそうなるのか全く分からん……。

 吉井康助 VS 魔王天神も、インフレを突き詰めまくったその先へ、って感じの神デュエルでしたが、今回のライディングデュエルも、1戦目からこんだけ凄まじいものを見せてくれるとは。

 こないだの番外プロジェクトもそうなんですが、カードをドローするだけで1章かけたり、私とかあっぷるぱいさんは、1つのギミックをとにかく煽って煽って盛り上げて……という感じの書き方をすると(勝手に)思うのですが、アッキーさんは、なんというか、もうすごいさらっと流してしまうんですよねw
 このデュエル展開の密度に対して、文字数で言うとめちゃくちゃ少ない。

 そういうところ、絶対に真似できないなぁと強く思います。私だったらもったいない精神が発動してしまって無理。
豆戦士
2017/03/09 01:23
>プリパラ

 そらみスマイルが勝つものの、ダイヤ割れないんだろうなぁと思わせてからの…………VS神と神! これは予想外! 読めなかったーっ! そして熱いぷり! 言わずもがな、レインボーライブを彷彿とさせる展開!

 そして映画を見てきたぷりが……これはなんだろうねw TVアニメとは監督が違うからかもしれませんが、起承転結とか盛り上がりポイント作りとか、そういうストーリー作りの基本を完全に放棄した、たぶん客観的に見ると駄作以外の何物でもないんだろうけど、でもプリパラがやるとそれすらも魅力になってしまうから不思議! プリパラって凄い!

 あと、
 https://booth.pm/ja/items/303365
 こんなものを今さら知ったんですが、発想がやばいwwwww 勝てないwwwww
豆戦士
2017/03/09 01:23
 それでは、また!
 この1戦だけで1章終わってもいいレベルのクオリティのライディングデュエルを、ありがとうございました!

 これが何戦も読めるとか、アッキーさんは神なの……?
豆戦士
2017/03/09 01:24
>豆戦士さん

多くのアニメで、原作漫画の進行に追いつかない為にアニメオリジナルを展開したりしますが、遊戯王の場合、単なる引き伸ばしではない独自性があるのが良いですよね!
ドーマ編とかも、原作とは雰囲気が違う感じだと感じながらも、めっちゃ好きです。何だかんだで小説にも使いやすいですし・・・。

モンスターへの攻撃が跳ね返される→ならば直接攻撃で決める!
この流れが、まさしく決闘学園の源流だと感じます。
BIG1のねちっこい語りキャラも相まって、のめり込ませてくれる。
ネタにしやすいのはBIG2ですが、BIG1も好きなのよね・・・。

そしてレベル評価が納得!
これが評価が5段階な理由だと今更気付いた!
アッキー
2017/03/09 08:12
◎ゾンビタイガーVSツンデレ

超ありがとうございます!
魔王戦でかなり行き着くところまで行ってしまったので、今できることを振り絞って、ギミックを片っ端からブチ込みました!

その結果、6人がシングルでデュエルしているのに、決着までに7ターンしかない! これは酷い!
空気を読まずにレグナ的なデュエル構成をし続けた結果、とんでもないインフレ状態になっている罠。
あ〜、オウカさんから紫水晶を借りたいなァ。

箇条書きすると凄まじさが浮き彫りになる・・・うわぁ、我ながら酷い。
いかにして1ターンキルや初手エクゾディアに勝つかという発想で考えていると、それらは普通に登場してしまうというね。

まさしく、その場その場での展開は理詰めで考えているので、振り返るか指摘されないとインフレに気付かなかったりします。割とマジで。
カノンの“敵対の力”は、現時点で的中させられると、後のワクワク感が薄れそうなので、なるべく伏せています。
(クローバーさんには見抜かれかけているっぽいですが)

言われて気付く、文字数の少なさw
これは多分、豆戦士さん、あっぷるぱいさんが、ギミックを盛り上げるタイプだとしたら、私は特定のキャラを掘り下げるタイプなのかなァ。
自分で意識しているのは、出し惜しみしていると先を越されるかもしれない焦りは、結構ありますね。もったいない精神も当然あるので、常にジレンマが・・・w
アッキー
2017/03/09 08:12
◎プリパラ

てっきり私も、ダイヤが割れない展開だと思っていましたが、あっさり割れたので、めでたいけど拍子抜け・・・・・・と油断したところへ女神様降臨!
この展開にはメチャクチャ興奮しましたね!!!
“神アイドル”は、神を超えたアイドルという意味だったんだ!

さて、映画も無事に観てきましたが、ここまで内容が無いようなストーリーなのに、ここまで面白いとか尊敬するわ!
とにかく勢いで時間を忘れさせる作品でした。怪作ってやつだな!
ぷちゅうの創世神話とかは全く明かされない、予想もつかない(というか予想する意味がない)展開でしたが、しかし面白かった!!

>らぁらVSメガ・シャークVS海馬瀬人

タイトルと表紙だけで吹くwwwwwwwwwwww
これが「らぁらVS海馬瀬人」レベルなら思いつくけど、メガ・シャークを混ぜてくる時点で私の負けだよ!
私の発想には、こういうカオス感が足りてない!

そして内容が今後の展開と若干被ってるんですがね!?
これだから全力でネタを解き放っていかないといけないんだ!w

というわけで、これからも精進します!
感想ありがとうございました! 引き続き決闘祭5章をお楽しみに!
アッキー
2017/03/09 08:13

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