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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (三九) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2017/04/18 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



奇蹟なんて無い。

あるのは量子力学的な偶然の偏差と、浅ましい人の欲望だけ。
本当に必要なのは揺るぎない秩序であり、見えざる手などではない。

人は愚かで怠惰だ。ありもしない奇蹟に縋り、真実を捻じ曲げる。
命を懸けて人を助けた者が、その存在まで無かったことにされ、消去される。
そのような暴挙を、私は決して許しはしない。全身全霊をかけて否定してやる。

けれども、ある偶然が病に苦しむ人の慰めになることを、私は否定しない。
そんなものは単なる偶然だなどと、傲慢な科学の見地を突きつけたりしない。
縋るのではなく、見つける奇蹟は、きっと優しさと呼ばれる類のものだから。



◆ ◆ ◆



一方 「イイねェイイねェ!」

一方 「愉快に素敵にキマっちまったぞ!」

一方 「何だかタノシクなってきたァ!」

垣根06 「鼻血塗れでナニかっこつけてんだアクセラレータぁ!」

垣根07 「傷つくほど興奮するとか、マゾかよテメェは!?」

“未元物質”による多重攻撃は、確かに通っている。
さしずめ“灰翼”とでもいうような防壁すらも、
高次元を折り畳んだ素粒子から成る攻撃を
完璧に防ぐことは出来ていない。

一方 「いやァ」

一方 「殺したいなァ」

しかし、完璧でないというだけであって、
攻撃の大半をベクトル操作して弾いている。

その証拠に、後ろにいる打ち止めと木原には
掠り傷ひとつ付いていない。
(ついでに猟犬部隊も無傷である)

一方 「メチャクチャ殺したいなァ」

ベクトル操作による反射膜は、
有害だと認識したものは通さず、
電磁波や重力の類も許容量以上を
自動的にカットできるように設定してある。

垣根は“未元物質”の自由度を利用し、
有害だと認識できていないベクトルを乱射。
それによって“反射”を突破している。

しかし一方通行は、御坂との戦いで学んでいる。
突破された瞬間に操作に切り替えてダメージを削り、
そのベクトルを有害設定に組み込むことで、
同じ攻撃は二度と通用しなくしていた。

“最強の盾”は伊達ではない。
無敵でなくても、素敵で愉快だ。

一方 「どォしたんですかァ、かっきーねくゥううううン!?」

一方 「オマエのダァクマタァに常識は通用しなァいンじゃなかったンですかァああああ!?」

垣根06 「チッ・・・」

垣根07 (だが、奴のバッテリーは全力で15分しか持たない。)

垣根07 (あと5分もすれば無力化される。)

一方 「・・・とか思ってンのか?」

垣根07 「・・・・・・」

一方 「確かに俺は制限時間があるが」

一方 「肝心なことを忘れてるぜ?」


一方 「制限時間があるのが俺だけだと、誰か言ったか!? あァ゛!?」


垣根06 「・・・っ?」ガクン

垣根07 「おいどうした・・・・・・っ、あ・・・?」ベキッ

一方 「予想より早かったな。」

一方 「自分の方が先にタイムリミットが来るとは思ってなかったかァ?」

垣根06 「な・・・!?」

一方 「確かにオマエは強い。その力を完璧に使いこなしていれば、オマエが第一位だ。」

一方 「だがな、それだけ強ければ、今までこンな長時間、戦闘した経験は無ェはずだ。」

一方 「だからオマエは弱いンだよ。」

一方 「あらゆる敵を翼を羽ばたかせるだけで一掃してきたオマエが」

一方 「長時間戦うことで脳にかける負担はどンだけだって話だァ!?」

垣根07 「・・・っ!」

一方 「肉体をバラして“未元物質”で補ってるよォだが」

一方 「制御が利かなくなったら、どォなっちまうンだろォなァ?」ククク

厳密には、肉体を分割しているのではなく、
肉体の全てが“未元物質”なのであるが、
それゆえに侵食どころか自己崩壊も早い。
(一方通行の予想より早かった原因)

作り出した素粒子で肉体を構築するとき、
原子や分子を作り出すが、それは当然ながら
固有の寿命が存在し、フレーバー振動もする。
この世に存在しなかろうが、物質とは、そういうものだ。

作ったものが、ずっと“そのまま”なんてことは、ありえない。

演算で制御できている間は維持されていても、
僅かでも外れると、異物の中の更なる異物として
カオス系に属しながら変質していく。

垣根06 「クソッタレ・・・」

垣根06 (だったら)

罅割れていく垣根の意識が、打ち止めに向かう。
あの純粋な幼女を血に染めてやったら、
一方通行はどんな顔をするだろう。

垣根07 (面白いじゃねえか。)

一方 「・・・?」

一方 「・・・っ!」

ほんの一瞬だけ、間に合わなかった。

垣根が打ち止めを狙うことなど予測の範囲内。
だが、どうして忘れていたのか。

制限時間は自分にも迫っていたことを。

一方 「 」

まだ動けるはず。
10分そこそこしか経ってない。
制限時間は15分のはず。

だが、それは“普段の”全力で動いた場合の計算だった。
演算能力を失った状態で出せるから失念していたが、
“黒翼”は、通常の“一方通行”のパワーアップ版。
当然ながら、演算能力を異常なまでに消費する。

それでも今まで動けていたのは、
脳機能が戻りつつあったことで、バッテリー無しでも
それなりの演算が可能になっていたおかげだった。

一方 (間に合)

一方 (わね)

一方 (ェ)


垣根 「「・・・っ?」」


一方 (・・・・・・)

一方 (間に合った?)

そう、一方通行は間に合わなかった。
間に合ったのは、フルフェイスの恰好で
猟犬部隊の一員に紛れていた少女。

シャットアウラ 「“希土拡張”。私の能力はレアアースを自在に操る。」

シャットアウラ 「“未元物質”にまで干渉できるかどうかは賭けだったが。」

木原 「何言ってやがる。」

木原 「この俺が指導したんだ、それくらいのことは出来てもらわねえと困るぜ。」

どれほど常識から外れていようとも、
“未元物質”は、物質であることには違いない。
垣根の肉体を構成しているものは、分子で、
そして原子で出来ている。

レアアースという大雑把な括りで物事を捉える
フレキシブルな“自分だけの現実”は、
それゆえに“未元物質”にさえも僅かながら干渉できる。

その僅かな時間だけでいい。
後は灰色の翼の仕事だ。

一方 (だが、クソッ・・・)

演算能力が切れかけていることには変わりない。
このままバッテリーが切れたら、“黒翼”が暴走する。
“灰翼”になっていることで、少し安定している感覚はあるが、
それでも暴走する可能性の方が遥かに高い。

暴走すれば垣根はミンチになるだろうが、
打ち止めも木原もシャットアウラも猟犬部隊も
揃って肉塊になるのは避けられない。

一方 (どうする)

一方 (いっそ)

一方 (全てをこの手で―――)

自暴自棄になりかけた一方通行は、
しかし隣に温かい手が差し伸べられていることに気付いた。

一方 (打ち止め?)

打ち止め 「ミサカはミサカはミサカはミサカは」

木原 「実験の始まりだぜアクセラちゃん。」

打ち止め 「ミサカはミサカはミサカはミサカは」

木原 「誰かを守りたいとかほざくなら」

木原 「限界くらい超えてみせろ。」

それこそが“木原”。
善でも悪でもない。善にも悪にもなる。
追求すること、徹底すること。
それは時として、迷っている生徒を導く。

打ち止め 「ミサ・・・カ・・・は・・・・・・アナタを、守りtいって、気を確kに持ってmるってミサカはミサカは」

打ち止め 「ヘッダが足rてなkてイマイチ決まらnい自分を恨めsく思う!」

双眸が真っ黒に塗り潰され、中央に白目。
肉体を稲妻が覆い、御坂オリジナルの
フェイズ5.1と似たような状態になっていた。

そして背後には、渦巻いた黒い球体のようなものがある。
見ているだけで寒気がする。

垣根06 「・・・どうやら揃って重症みてえだな。」

垣根07 「重病人同士、早いとこ決着つけようぜ。」

一方 「・・・・・・」

暴走を危惧して、一方通行は“灰翼”を折り畳んでいる。
この状態では序列の差で、垣根の攻撃は防げない。

垣根 「「食らえ」」

だがそれは、諦めたわけではなく、信じたからだ。

打ち止め 「こkから先は一方通行dってミサカはミサカは攻撃を防いでみr!」

言いながら打ち止めは、
垣根の攻撃を完璧に防いでみせた。

一方通行でさえ完璧には防げなかった
“未元物質”の攻撃を、完璧に。

垣根 「「―――っ!!」」

打ち止め 「これはミサカの能力じゃnくて」

打ち止め 「一方通行を守りたいっていうミサkの心が呼び出したモノだから」

打ち止め 「常識が通用しない程度の力じゃ太刀打ちでknいってミサkはミサカは小さな胸を張ってみる!」ドヤァ

一方 「“最強の盾”は預けるぜ、打ち止め。」

一方 「ここからの俺は、垣根」

一方 「オマエを貫く矛になる。」

垣根06 「ほざけ」

垣根06 「翼を畳んだテメェごときが、この俺に傷ひとつ―――」

一方 「つけられるんだなァこれが。」

垣根06 「っ!?」グシャア

垣根07 「このベクトルはっ!」

一方 「オマエが頭抜けて強いから」

一方 「今の今まで覆ってたが」

一方 「そもそもオマエの能力は、俺相手に相性最悪だろォがボケ。」

垣根 「「・・・っ」」

それは垣根の“未元物質”が、
物質を生み出して操る能力である以上、
どうしても避けられない宿命だった。

何度も述べるが、この世界に影響を及ぼせる
物質として成立する為には、質量、電荷、スピン、
位置、運動量を設定しなければならない。

すなわち、そこには必ずベクトルが存在する。

ゆえに垣根はベクトルを用いた攻撃も得意だが、
防御に回ったとき、それは脆弱さと表裏一体だ。

どのような物質を生み出し、どのように展開しようとも、
ベクトル操作を防御することは出来ない。
垣根の力が強力であればあるほど、
その“向き”を変える一方通行の攻撃力も高くなってしまう。

一方 「ポテンシャルが高いのが災いしたなァ。」

一方 「そンだけ強いと操作し甲斐があるわァ」クカカ

最強の能力など存在しない。
あるのは“自分だけの現実”と、演算能力と、そして相性だ。

打ち止め 「やっぱりアナタは最強だねってミサカはミサカは惚れ直しちゃう!」///

シャットアウラの、もうひとつの力で
打ち止めは完全にウイルスの副作用をクリア。
あらゆるレベル5.0を凌駕する幼女が誕生した。

そしてそれは―――



- - - - - -



ヴェント 「ごっ・・・」

ヴェント 「がはッ!!?」

ヴェント (これは一体なんだ・・・!??)


風斬 「すいません」

風斬 「それ、私のせいだと思います。」


ヴェント 「 」


ヴェント 「ア、レ、イ、ス、タ、ァアアアアアアアア!!!」

風斬 「ひっ!?」

ヴェント 「 」

風斬 「あ、あの・・・」

ヴェント 「 」

風斬 「あ・・・」

既にヴェントは気絶していた。
風斬は彼女を抱えて、常盤台へ向かって歩いていった。



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