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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (四○) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2017/04/19 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



常盤台。

食蜂 (御坂さん、何してるのかしらぁ?)

ダブルエースの片翼を欠いた状態で、
不安と動揺が食蜂を蝕んでいく。

自前の“心理掌握”で心を落ち着けるが、
状況の悪さまでは改善しない。

食蜂 (第二位が迫って来てるのにぃ)ナミダメ

学び舎の園に侵入したのは、たった二人。
“スクール”のリーダー垣根帝督と、心理定規。
だが、それだけで食蜂派閥の総力に匹敵する。

食蜂 (あるいは、それ以上かもしれないわねぇ。)

第一位である御坂美琴が、フェイズ5.1段階で
常盤台の戦力の半分以上に相当するように、
もしも垣根もフェイズを進めていたら?

既に“スクール”の狙撃手・弓箭猟虎を洗脳して
手駒に加えているが、垣根に対しては牽制にもならない。

弓箭 「能力で心の隅々まで弄んで、わたくしを奴隷にしてくれた。」

弓箭 「ということは私達もう友達・・・いえもはや親友ですよね?」

弓箭 「あ、お弁当つくってきました。友情のタコさんウインナーとハート型ハンバーグとオムライスと・・」

独特のノリで、剣呑なムードを和らげてくれる
ムードメーカーとして重宝しているが、
戦力としては期待できそうにない。

いや、垣根の前では常盤台の殆どが戦力以前だ。
戦術も何も無い。強引に突破されて、組み伏せられる。
テレパシーに制限をかけていても、垣根の悪意が伝わってくる。

手籠めにされれば、精神的ショックでガードが緩み、
そこへ心理定規の能力を使われたら、喜んで肉便器となるだろう。

自分が極端に依存心が高い性質の持ち主であることは理解している。
普段は、それを自身の能力と精神力で抑えているが、
ひとたび崩されれば二度と修復できない洪水となってしまう。


上条に甘えたい幼子が、心の奥底で叫んでいる。
眠っている間に、上条さんが全てを解決してくれればいいのに。

うるさい、静かにしろ。現実は甘くない。弱気になるな。
泣き叫んでいても、それを聞いて駆けつけてくれるヒーローなんていない。
この手で、他ならぬ自分の手で、殺してやったのだから。

上条当麻は生きているが、“食蜂操祈を覚えている上条当麻”は死んだ。
子供は、いつか子供の自分とは別の、大人の自分を作り上げる。
それが一般的な人間より早かっただけだ。


御坂 「・・・なんて考えてるんでしょうね、食蜂。」

食蜂 「御坂さん・・・!」ウルッ

食蜂 「何やってたのよぉ」スガリツク

御坂 「ちょろーっと野暮用」ゴメンゴメン

子供のように甘える食蜂を撫でながら、
押し付けられている胸のボリュームに御坂は
敗北感を禁じ得なかった。

御坂 「・・・・・・」ズーン

食蜂 「?」



- - - - - -



御坂 「で、アンタが私のダンスの相手ってことでいいのかしら?」ビリビリ

御坂 「こっから先は男子禁制なんだけど、アンタに常識は通用しないみたいね。」

垣根 「流石は第一位だな。大したムカつきっぷりだ。」

垣根 「後ろの弱者どもを守って戦ってりゃ善人になれるとでも勘違いしてるのか?」

御坂 「アハッ」

垣根 「ククク」

御坂 「アハハハハハハ」

垣根 「ククク笑えるな、ヤンデレールガン」

垣根 「―――逆算、終わるぞ」

御坂 「そう」

二人の超能力者は、楽しそうに空中へ跳んだ。
まるでダンスを踊るかのように、華麗に駆け巡る。

爆音が轟き、凄まじい衝撃波が交錯し、
白い翼から発せられた“未元物質”が常識を歪める。
世界に一滴の黒い汁を垂らし、崩壊へと導く。

御坂 「確かに大したパワーだけど」

御坂 「当たらないなら意味は無いわね。」

垣根 「常盤台の連中を守らなくていいのか?」

御坂 「アンタこそ心理定規を守らなくていいの?」

垣根 「ハッ」

御坂 「アハッ」

わかってるくせに、舌戦が楽しくて仕方ない。
恋愛感情などは介在しないが、好敵手との会話は
このようなものかもしれないと思う。

今この場には、“一般人”などというものは存在しない。
ただ殺される為に出てきたクズも、
強者に守られるだけの雑魚も、
今この場には、ひとりとしていない。

自分たちの身は、自分たちで守る。
望んで戦場に身を置く者にとって、最低限のマナーだ。
常盤台の生徒はレベル3以上、レベル4も二桁いる。
それらを駆使すれば、レベル5の攻撃とて
余波くらいなら余裕で防ぎきる。

何しろ常盤台には、互いの能力コンビネーションを
100パーセント発揮させる司令塔がいるのだから。

食蜂 (“エクステリア”)

食蜂 (一三対目以降の任意逆流開始)

他のレベル5が能力を育てている間に、食蜂だけが
何もしなかったなんて、そんなことはありえない。

一方通行が黒翼を具現化し、垣根が“本質”へ辿り着き、
御坂がフェイズを進め、麦野が“0次元の極点”を習得し、
藍花が“残骸”で能力を補強し、削板が能力への理解を深め、
そんな中で一人だけ何も無いわけがない。

司令塔・食蜂操祈は、エクステリアのブーストコード程度なら
大して負担もかけずに起動できるようになっていた。
それにより、常盤台の全生徒のみならず、学び舎の園全域を
“心理掌握”のコントロール下に置き、パニックも阻止する。

後は、御坂が勝つのを見守るだけだ。


垣根 「“超電磁砲”っっっ!!」

御坂 「“未元物質”ぁああ!!」

互いに思う存分、力を振るえることが楽しくて仕方ない。
常識の通用しない巨大なパワーを振るう垣根と、
10億ボルトの電圧を駆使して逃げ回りながら
チマチマと攻撃を当てていく御坂。

垣根 「駄目なんだよなァ」

垣根 「結局、どれだけダメージを与えようが」

垣根 「俺の“未元物質”に常識は通用しねえんだよクソアマ」

御坂 「私みたいな可愛い子をつかまえてクソアマとか」

御坂 「よっぽど女慣れしてないのね?」

垣根 「自覚はある。」

御坂 「言ってなさい」

言いながら御坂は、垣根の傷が治っていくのを見据える。
それは、治っているというより、生成しているように見えた。

御坂 「なるほどね」フム

御坂 「やっぱりアンタ、自分の体を“未元物質”で構築してるんだ。」

御坂 「おかしいとは思ってたけど、それだけ出来の良い人形なら痛覚すらも感じないでしょうね。」

垣根08 「バレちまったら仕方ねえ。」

垣根09 「だが、ひとつ間違いを訂正してやる。」

垣根10 「俺は“人形”じゃない。今の俺に“本体”なんてものは無い。」

垣根11 「“未元物質”によって構成された無数の俺たち」

垣根12 「ひとりひとりが垣根帝督で」

垣根13 「その全てが俺自身だ。」

垣根14 「絶望したか、第一位。」

十人、二十人、三十人・・・まだまだ増えていく。
泥人形が増えていく。ダークマターのコッペリア。

垣根21 「全てが俺といっても」

垣根34 「ひとりひとりが個別の思考回路を持ち」

垣根55 「独立した人格として存在している。」

垣根89 「痛覚など感覚も共有してない。」

垣根987 「この俺の無尽蔵に、テメエの電撃は通用しねえ。」

だが、御坂は動揺した様子もなく、双眸を黒く染める。
何も知らない子供を諭すかのように、優しげな声で見下す。

御坂 「憐れな肉人形ね。供養してあげるから安らかに眠りなさい。」

御坂 「フェイズ5.1“トゥール”」

火力が数十倍に上昇した御坂が、垣根の群れに雷撃を浴びせる。
それは、あっさりと、拍子抜けするほど容易く、垣根を粉微塵にする。

確かに、生成するのが“物質”である以上、そして御坂の能力が
単なる電撃ではなく電磁気力の操作である以上、それは当然だ。

しかし“未元物質”を用いれば、多少の抵抗は出来るはず。
そうしないのは、油断か、でなければ圧倒的余裕から来る様子見だった。

垣根25 「先の見えた勝負ってのは虚しいな、“超電磁砲”」

垣根36 「究極の浪費であり、究極の怠惰。それが俺だ。」

延々と生成され続ける垣根帝督にとって、もはや敵を窺う必要は無い。
いつリミットを迎え、いつ死ぬか、気にする必要など無い。

ひょっとしたら、“敵”という概念すら意味を成さないかもしれない。
マイナス方向で無敵。木原一族とは別の意味で、敵意が欠落する。


だが、前にも述べたが、垣根は“無尽蔵”であっても“無限”ではない。


まして真の意味で“無敵”(レベル6)などではない。
それを証明するような存在が、ひとりの白い少女が、
垣根たちの前に立ちはだかった。


垣根05 「私の“未元物質”に常識は通用しません。」


垣根1369 「―――っ!?」

空中であれほど凄まじい戦闘が繰り広げられていたにもかかわらず、
人間だけでなく建物や地面も、傷ひとつ無いまま存在していた。


垣根05 「ムカつきましたか、チンピラ。」

垣根05 「これが“未元物質”です。」


緑色の眼光を照らしながら、少女は羞恥なき表情で
その裸身を地上に降り立たせた。

淫らなものではなく、厳かな、文字通り天使の降臨だった。


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