佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   番外編 電脳遊戯の交響曲 (5)

<<   作成日時 : 2017/05/09 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



人間の脳は、どれほどの可能性を秘めているのだろうか?
広大な宇宙の謎に挑む人類が、おそらく同じ程度の情熱を注いで、矮小な有機物の塊と格闘している。
かつて海馬剛三郎は、人間の意識をコンピューターに移し変えることに成功した。
彼の作り出したシステムは、彼の意図せぬ形で、1人の少女を救うことになる・・・。



◆ ◆ ◆



高見沢円による病院占拠テロの翌日。
オセロ病院の周囲は、まだ警察関係者でごった返していた。
窓ガラス越しでは喧騒も耳に響かない。
膾有雨は、ぎこちない動きで義手を動かしながら、外の様子を見つめていた。
「ハァ・・・、くだらない。」
喧嘩っ早そうな少年が、警備員に食ってかかっているのが見える。
(何をそんなに熱くなっているのだ少年よ。)
くだらないと言いつつ、どこか羨ましがっている自分に気付き、有雨は目を瞑って頭に手を当てた。
まだ慣れない義手が、痛みのような不快感を伴って軋む。
(私も高見沢円にあてられたかな。)
といっても、それで人生を変えることはない。百歩譲って、彼女の精神を気高いとか美しいと思うことはあっても、彼女のようになりたいとは決して思わない。いや、思えないのだ。
(さて、水白施波を切り刻むとするか。)
臓器を取り出すスタッフは、もうじき到着する手はずになっている。
有雨自身が執刀するわけではないが、携わる者として、自分が切り刻むも同然だという意識はあった。

振り向くと、白衣を着た女性が歩いてきていた。
白衣は羽織るだけで、その下に白いブラウスと白いロングスカート。
肌まで死人のように青白く、長い髪と底知れない瞳だけが、闇より暗い漆黒の輝きを放っていた。
黒と白で構成された、モノトーンの女。そこだけ別世界のように感じられる。

「初めまして、黎川零奈といいます。」

低く澄み渡るハスキーボイス。やや比喩的な言い方をすれば、静かなる闇。
どこか上司にも似た、それでいて全く異質な雰囲気だった。
「・・・スタッフの方ですか?」
そうではないことをとっくにわかっていながら、有雨は尋ねた。
「いいえ。」
きっぱりと、彼女は言った。
字面では何の情報も増えていないが、有雨はそこに僅かな怒りのようなものを感じた。
けれど、その怒りがこちらへ向けられているようには感じられない。
(何を考えているのか。私わかんない。こういうの苦手。)
わからないなら、単刀直入に訊くまでだと判断した。
「何をしに来たの。」
「何を・・・ですか・・・・。」
零奈は首をかしげた。言葉を選んでいるようだった。
気が付けば彼女のペースに引きずられつつある。有雨は苛立ちを抑えて次の言葉を待った。
「・・・あまり、上手く説明できる気がしません。口下手なもので。」
(嘘つけ。)
口下手な人間なら、初対面の相手を前にして、こうも喋れるものではない。
とはいえ、全く嘘でもないと有雨は思った。面白い会話が出来なくて、惨めな思いをしたことくらいはありそうだ。
(だが、しかし、そうじゃない。それとは全く別の何か。)
何かが引っかかる。
引っかかることは1つではない。
けれど1つもわからない。
(不気味。まるで静寂な夜の海。でも嫌いじゃない。少なくとも高見沢円よりは好感が持てる。)
しかし、好感が持てるからといって、正体不明の人間を易々と見過ごすわけにはいかない。
だいたい、この時間、ここには臓器摘出のスタッフしか来ないはずだ。
(スタッフはまだか。)
時計を見ると、既に約束の時間は過ぎていた。
「・・・!」
これを偶然と片付けるほど有雨は鈍い人間ではない。
目の前の女に対して、いよいよ警戒心が増してきた。
「お前の目的は何。」
「目的・・・・ですか・・・・・。」
口元に手を当てて、零奈は小首をかしげる。
「そうですね、とりあえす。そこを通してくれるとありがたいのですが。」
そう言って彼女は、水白施波がいるICUを指差した。
「・・・っ!」
有雨は目を見開いた。
そしてデュエルディスクを展開する。カンサーの大部分がそうであるように、リアルファイトには自信が無いが、闇のゲームを発動すれば、とりあえず動きを封じることは出来る。

「M&Wですか。こちらではデュエルモンスターズというのでしたね。私も少々、心得があります。」

いつの間にか、零奈もデュエルディスクを展開していた。

「「デュエル!」」

膾有雨:LP8000
黎川零奈:LP8000


「ああ、ガラでもない。私のターン、ドロー。」

無気力な雰囲気に戻って、有雨はカードを引いた。


膾有雨:LP8000、手札6
場:堕天使マリー(攻1700)、堕天使マリー(攻1700)、堕天使マリー(攻1700)
場:

黎川零奈:LP8000、手札5
場:
場:



「おや、モンスターがフィールドに出てきました・・・。」

零奈が抑揚の無い声で言う。
驚いているのかどうかわからない。

「デュエリスト能力“施す死の巣”(マリーラッシュ)。ターンの最初に、あらゆる場所から《堕天使マリー》が天使族として特殊召喚される。マリー様マジ天使。」

有雨も抑揚の無い声で淡々と説明する。

「なるほど、デュエリスト能力ですか・・・。本当に、不思議な能力ですね・・・。」

嫌味でも皮肉でもなく、素朴に感心した様子で、零奈はフィールドを見つめていた。

「あまり能力デュエリストと戦ったことないか。」

「そうですね。1ヶ月前にデュエルした2人の他には・・・。といっても、この世界軸では5年も後の話ですが。」

「・・・・・?」

言ってることが理解できず、有雨は眉間に皺を寄せた。
しかし先程の、引っかかることの1つが何なのかはわかった。

(そう、まるで違う時間を生きているような? それは我々カンサーも似たようなものかもしれないけど。)

「・・・《勝利の導き手フレイヤ》召喚。《コート・オブ・ジャスティス》発動。効果で《アルカナフォースXXI−THE WORLD》特殊召喚。」


勝利の導き手フレイヤ レベル1 光属性・天使族
攻撃力100 守備力100
自分フィールド上に「勝利の導き手フレイヤ」以外の天使族モンスターが表側表示で存在する場合、
このカードを攻撃対象に選択する事はできない。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、
自分フィールド上に表側表示で存在する天使族モンスターの攻撃力・守備力は400ポイントアップする。


コート・オブ・ジャスティス (永続魔法)
自分フィールド上にレベル1の天使族モンスターが表側表示で存在する場合、
手札から天使族モンスター1体を特殊召喚する事ができる。
「コート・オブ・ジャスティス」の効果は1ターンに1度しか使用できない。


アルカナフォースXXI−THE WORLD レベル8 光属性・天使族
攻撃力3100 守備力3100
このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、コイントスを1回行い、
その裏表によって以下の効果を得る。
●表:自分のエンドフェイズ時に自分フィールド上のモンスター2体を墓地へ送って発動できる。
次の相手ターンをスキップする。
●裏:相手のドローフェイズ毎に、相手の墓地の一番上のカードを相手の手札に加える。



「運命のコイントス・・・・・表っ!」

またガラにもなく声を大きくしてしまった。
ガラにもないと言えば、デュエル中にアレコレ考えるのも自分らしくない。
冷血で無感動な自分が、自然体でなくなっている。

(けれどもデュエルの勝敗は別。これで終わり、だ。)

「エンドフェイズにマリー2体を墓地へ送ってターンを飛ばす。」

ザ・ワールドがWRYYYYYと唸り出す。

・・・しかし、その途端に砕け散った。

「・・・!?」

「手札から《朱光の宣告者》の効果を発動しました。」


朱光の宣告者 レベル2 光属性・天使族・チューナー
攻撃力300 守備力500
このカードと天使族モンスター1体を手札から墓地へ送って発動する。
相手の効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。
この効果は相手ターンでも発動する事ができる。



零奈は、うっすらと笑っているように見えた。
それが恐ろしくて、有雨は震えた。

「く・・・、ならば、それにチェーン。《神秘の中華なべ》でザ・ワールド炒めるし。」

膾有雨:LP8000→11500


大幅にライフを回復した。
しかし、恐怖が消えない。

有雨は手札2枚を見た。
もう1枚の《神秘の中華なべ》と、罠カード《DNA改造手術》だ。

「炒めるのはマリーも。2枚目の《神秘の中華なべ》だぁ。どうせ戻ってくるし。」

膾有雨:LP11500→13600



膾有雨:LP13600、手札1
場:勝利の導き手フレイヤ(攻500)
場:コート・オブ・ジャスティス(永続魔法)

黎川零奈:LP8000、手札3
場:
場:



「私のターン、ドロー。」

零奈にターンが回った。
ザ・ワールドの効果はエンドフェイズにしか発動できない。
こんなことなら、ブラフでもカードを伏せておけばよかったと後悔しても遅かった。

そう、遅かったのだ。

「少し、手札が良くないので、これを使ってみます。《トレード・イン》を発動。手札のレベル8モンスターをコストに、カードを2枚ドローします。」

その手つきは楽しそうにも見える。
有雨は苛立ちと羨望を同時に覚えた。

「いい感じに揃いました。速攻魔法《光神化》を発動。これにより、手札から《アテナ》を半分の攻撃力で特殊召喚し、このタイミングで《地獄の暴走召喚》を発動、デッキから2体の《アテナ》を特殊召喚します。」

零奈が、うっすらと笑った気がした。
ごうっと、風のようなものが吹き抜けて、白装束の天使が降臨する。


アテナ レベル7 光属性・天使族
攻撃力2600 守備力800
1ターンに1度、「アテナ」以外の自分フィールド上に表側表示で存在する天使族モンスター1体を
墓地へ送る事で、「アテナ」以外の自分の墓地に存在する天使族モンスター1体を選択して特殊召喚する。
フィールド上に天使族モンスターが召喚・反転召喚・特殊召喚された時、
相手ライフに600ポイントダメージを与える。



膾有雨:LP13600→13000



膾有雨:LP13000、手札1
場:堕天使マリー(攻2500)、堕天使マリー(攻2500)、堕天使マリー(攻2500)、勝利の導き手フレイヤ(攻900)、勝利の導き手フレイヤ(攻900)
場:コート・オブ・ジャスティス(永続魔法)

黎川零奈:LP8000、手札1
場:アテナ(攻2600)、アテナ(攻2600)、アテナ(攻1300)
場:



3体の白装束の天使。それを従えるプレイヤーも白ずくめ。白衣に、白いブラウス、白いスカート。
真白き闇の、攻撃が始まった。

「手札から《紫光の宣告者》を召喚。3体の《アテナ》の効果で1800ダメージです。」

膾有雨:LP13000→11200


「《アテナ》の効果、《紫光の宣告者》を墓地に送り、《紫光の宣告者》を特殊召喚します。3体の《アテナ》の効果で1800ダメージです。」

膾有雨:LP11200→9400


成す術がない。
膨大なはずのライフが瞬く間に削られる。

「2体目の《アテナ》で同じことを行います。1800ダメージを受けてください。」

膾有雨:LP9400→7600


「3体目の《アテナ》で、《紫光の宣告者》を墓地に送り、《堕天使スペルビア》を特殊召喚します。その効果で蘇らせるのは、《天空勇士ネオパーシアス》です。」

膾有雨:LP7600→4000



膾有雨:LP4000、手札1
場:堕天使マリー(攻2500)、堕天使マリー(攻2500)、堕天使マリー(攻2500)、勝利の導き手フレイヤ(攻900)、勝利の導き手フレイヤ(攻900)
場:コート・オブ・ジャスティス(永続魔法)

黎川零奈:LP8000、手札0
場:アテナ(攻2600)、アテナ(攻2600)、アテナ(攻1300)、堕天使スペルビア(攻2900)、天空勇士ネオパーシアス(攻2300)
場:



「《アテナ》・・・敵に回すと、これほど厄介なカードもありませんが、味方としては本当に頼りになりますね。」

「・・・!?」

おかしな口ぶりだった。
まるで今まで《アテナ》を使った経験が無いようにも聞こえる。

「まさか、そのデッキ。」

有雨は唸るように呟いた。

「はい、高見沢さんのデッキです。どうやら天神さんを意識して構築したようですね。」

ゆっくりとした調子で、零奈はハッキリと肯定した。

「どうやっ・・」

いや、どうやって手に入れたなど些細なことだ。
それよりも、初見のデッキをここまで回せるものなのか?
初見ではないにしろ、このデッキを手に入れてから1日以内のはずだ。

「それでは、《アテナ》2体と《堕天使スペルビア》で、3体の《堕天使マリー》を葬り去りましょうか。」

3体のモンスターがフィールドを離れ、有雨のライフが減少する。
憧れの人と同じ名前のカードとはいえ、破壊されたところで、ゲーム的な意味以上に嫌な気持ちは無い。
だが、引っかかっていたことの2つ目を理解した。

彼女は感情を抑えることが出来る。それも、極めて抑圧的に。
デュエルを始める前に、僅かに感じた怒り。それは彼女の激情の、何百分の1かに過ぎないのだろう。

有雨は普段、特に感情を抑えているわけではない。抑えようとしていない。
無感動・無関心だと言われるけれど、単純に心の揺れが少ないだけだ。
むしろ“自制を利かす”なんて言葉からは最も遠い類の人間だと思っている。

恐ろしいのは、だからなのだ。
これほどの激情家が、これほど冷静に振舞えることが、恐ろしくてたまらないのだ。

この女は、人知れず、薄暗い部屋で暗い刃を磨いてきた類の人間だ。
心が錆びないように、絶えず研磨を怠らず、闇の中の白刃として自らを昇華した存在だ。

「続けて、攻撃力が半減している《アテナ》と、《天空勇士ネオパーシアス》で、2体の《勝利の導き手フレイヤ》を攻撃します。」

《勝利の導き手フレイヤ》が2体とも蹴散らされた。
応援するだけのか弱い少女、戦闘職には勝てるはずもない。

膾有雨:LP3400→3000→1200



膾有雨:LP1200、手札1(DNA改造手術)
場:
場:コート・オブ・ジャスティス(永続魔法)

黎川零奈:LP8000、手札0
場:アテナ(攻2600)、アテナ(攻2600)、アテナ(攻1300)、堕天使スペルビア(攻2900)、天空勇士ネオパーシアス(攻2300)
場:



「全、滅・・・。」

5体のモンスターを展開したにもかかわらず、同じく5体のモンスターを展開し、全てを戦闘で破壊し尽くした。
13600あったライフポイントは1200まで減らされた。《神秘の中華なべ》を使っていなければ、このターンで焼き尽くされていた。

そして、逃れようのない敗北が待っていることにも気付いてしまった。


施す死の巣(マリーラッシュ) レベル2能力(所有者:膾有雨)
各ターンの開始時に、自分の手札・デッキ・墓地・除外ゾーンから、
《堕天使マリー》を可能な限り特殊召喚し、同時に種族を天使族に変更する。



有雨のデュエリスト能力は強制効果であり、強制的に天使族に変更する。
このターンのエンドフェイズに《アテナ》のうち1体は墓地に送られるが、それでも2体残る。
次のターンの開始時、ドローより前に能力が発動し、ライフは丁度ゼロになる。

「ターン終了です。」

「・・・私の、ターン。」

膾有雨:LP1200→0



《DNA改造手術》を伏せておけばよかったとか、そういうレベルではない。
引っかかっていたことの3つ目、それは、一番最初に思ったことで、一番最初に考えるのをやめたことだ。

“勝てない”ということ。
絶対に勝てない。この女には勝てない。

恐怖の正体は至って単純。弱者が強者を前にして、怯えていただけだ。

自分のライフポイントを1ポイントも減らさず、無駄のないプレイングでモンスターを展開し、戦闘でフィールドを一掃し、デュエリスト能力を利用して勝利を捥ぎ取っていく。何の因果か、綺麗にジャストキルだ。

しかも、それを、手に入れて間もない他人のデッキでやってのける。迷わず、澱みなく。
そんな芸当はカンサーでも数人しか出来ないだろう。
いや、言ってしまえば有雨は、それが出来るデュエリストを、上司を置いて他に知らない。


「どきなさい。」


「・・・っ!」

反射的に体が動いてしまった。
いや、デュエルモンスターズの契約的性質だろうか。
どちらでもいい。自分は負けたのだ。

有雨は、けだるい気分で長椅子の上に体を横たえた。
水白施波が運ばれていく様子が視界に映るが、もう止めたいとは思わなかった。

(これでいい。私は所詮こんなもの。務めは果たしたから、もういいや。)



◆ ◆ ◆



「あーりーうーちゃーん♪」

気が付けば、目の前に可愛らしい笑顔があった。
いつの間にか眠っていたのだろうか。
「シィハちゃん、どこ行ったのー?」
「黎川零奈とかいう怪しい女に連れて行かれたけど。私は闇のデュエルで負けて。」
ゲーム効果を最弱にしておいたから、あまり痛みも無いし、疲れるだけで済んでいた。
「みゅ〜、それじゃあ罰ゲームだね♪」
困ったような顔から、一転して楽しそうな顔へ。
上司は唇に人差し指を当てて、可愛いポーズを取る。

「次は、どこを食べて欲しい?」

「ふ・・・」
有雨は達観したような笑みを浮かべた。

それから30秒もしないうちに、獣のような叫び声が響き渡った。



◆ ◆ ◆



その翌日、車椅子に乗った有雨はオセロ病院を後にした。
膝から下は無く、近いうちに義足がつけられるのだという。
(そう言えば、律儀に名乗ってくれてたなぁ。)
危険が及ぶことを恐れていないのか、デュエリストとしての矜持なのか。
きっと両方だと思った。たとえ片方だけでも、やはり彼女は名乗るのだろう。
(あれから彼女のことばかり考えている。)
有雨は日頃あまり物を考えないタイプだ。特に、ひとつの物事に集中して考えることはない。
(惚れたかな。)
生粋のかどうかはわからないが、有雨は同性愛者だった。
男に優しくされたことはないが、女に冷たくされたことはない。そのせいだろうか。
男には、見下され、鼻をかむように抱かれてきた。だから男は嫌いだった。少なくとも、惚れることはない。
有雨は誰かに惚れること自体が珍しいのだが、恋愛感情が無いわけではない。上司の暴食遊戯に逆らえないのも、そのあたりが絡んでいるのかもしれない。
(もっと早く出会っていれば私も・・・・・・なんて考える私、まだまだ未熟。)

「な〜に考えてるのかな?」

車椅子を押す上司が、小首をかしげながら尋ねた。
「もしも、カンサーを抜けたいとか言ったら何されんの。」
「みゅ? いいよ別に、抜けてくれても。それで幸せになれるんなら、私は喜んで応援するよ。私は、いつでも、人々の幸せを願ってるんだから、ね。」
いつもの上司だった。
「私わかんない。お前みたいなのが強いのがわかんない。」
言いながら有雨は、零奈が何の為に水白施波を連れ出したのか、考え始めていた。

(いったい何の為に? 私わかんない。)




つづく

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