佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   Act 66 胡乱な確率

<<   作成日時 : 2017/05/20 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



箱の猫は生きている?

箱の猫は死んでいる?


デッキトップは決まっている?

デッキトップは決まってない?


この世界はデジタルで?

この世界は確率で?

真理の扉は何処にある?




◆ ◆ ◆



ティラノ剣山:8000
ピトス・パン:LP8000



「オレの先攻ザウルス! ドロー!」

闇の瘴気が無いことを確認して、剣山はカードを引いた。
手札は悪くないが、ピトスのセリフが気になる。

そのピトスは大きな口を開けて、2つ目の握り飯を呑み込んでいた。
頑丈に生えそろった歯と、太く厚い舌。幼児くらいなら食べてしまえそうだ。


「《俊足のギラザウルス》特殊召喚ザウルス!」


俊足のギラザウルス レベル3 地属性・恐竜族
攻撃力1400 守備力400
(1):このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードの(1)の方法で特殊召喚に成功した場合に発動する。
相手は自身の墓地のモンスター1体を選んで特殊召喚できる。



「このカードを生贄に、《大進化薬》発ドン!」


大進化薬 (魔法カード)
自分フィールドの恐竜族モンスター1体をリリースしてこのカードを発動できる。
このカードは発動後、フィールドに残り続け、
相手ターンで数えて3ターン目の相手エンドフェイズに破壊される。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
自分はレベル5以上の恐竜族モンスターを召喚する場合に必要なリリースをなくす事ができる。



「手札から《ダークティラノ》を生贄なしで召喚ザウルス! ターンエンドン!」


ダークティラノ レベル7 地属性・恐竜族
攻撃力2600 守備力1800
相手フィールド上に攻撃表示モンスターが存在しない場合、
このカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。



ティラノ剣山:8000、手札3
場:ダークティラノ(攻2600)
場:大進化薬(魔法カード)

ピトス・パン:LP8000、手札5
場:
場:



「おれっちのターンだあ、ドロー。」

このターン、剣山は奇妙なものを目にすることになる。
デュエルしながらもレベッカの安否が頭から離れなかった彼が、わずかの間、それを忘れた。

「お、魔法カード《強欲な壺》発動だあ。2枚ドローだあ。」

「禁止カードン!?」

「おれっちの能力に、禁止・制限は無いんだあ。《サンダー・ボルト》発動だあ。」

《ダークティラノ》 (破壊)


「・・・っ」

デュエルの前に言ったことは嘘だったのかと、剣山は顔を険しくした。
禁止カードを好き放題に投入できるなら、ほぼ勝ち目は無い。

だが、ピトスはそれ以上の追撃を行わなかった。

「おれっちは、これでターンエンドだあ。」

「・・・!?」

剣山はドローゴー戦術を思い浮かべたが、禁止カードを自在に投入できるなら、割に合わない。
舐められているのか、あるいはまさかの手札事故か。様々な可能性が頭をよぎる。

「どっちにしろ、全力でぶつかるザウルス! オレのターン、ドロー! 《大進化薬》の効果で、《超古代恐獣》を生贄なしで召喚ドン! 墓地の《俊足のギラザウルス》と《ダークティラノ》を除外し、天地に轟く、恐獣の鼓動! 究極の暴君、覚醒!!」


ティラノ剣山:8000、手札2
場:究極伝導恐獣(攻3500)、超古代恐獣(攻2700)
場:大進化薬(魔法カード)

ピトス・パン:LP8000、手札6
場:
場:



「たまげたなあ。」

「2体の恐竜さんたちで、直接攻撃ドン!!」

ここで何か仕掛けてくるかと思ったが、ピトスは手札を窺う素振りすら見せず、あっさり攻撃を通した。


ピトス・パン:LP8000→5300→1800



「魔法カード《速攻召喚》発ドン! 《幻創のミセラサウルス》を召喚して、追撃ザウルス!」

ミセラサウルスの攻撃力は1800ポイント。
これを凌がないはずはない。


ピトス・パン:LP1800→0



だが、あっさりと攻撃は通ってしまい、デュエルは終了した。
ただの1ポイントもライフを失わず、剣山は完全勝利を収めた。

「どういうことザウルス!? 手加減したドン!?」

あまりに納得いかない勝利。
食ってかかる剣山だが、ピトスは悲しげに笑って手札を公開した。

それを見て、剣山は唖然とした。


〜ピトスの手札〜

《バーサーク・デッド・ドラゴン》
《タイム・イーター》
《ライトロード・ビースト ウォルフ》
《ソード・ハンター》
《瀑征竜−タイダル》
《カオス・ソーサラー》


全てが上級モンスターか、通常召喚できないモンスター。
そこそこ強いカードが揃っているのに、何も出来ない。

「おれっちのデュエリスト能力は、強いとか弱いとかじゃないんだあ。あらゆる可能性が同時に存在する。

「・・・まさか、そういう能力ザウルス!?」

「おれっちには“自分のデッキ”が存在しない。それがレベルX能力“揺蕩う闇”(シュレディンガー)なんだあ。」


“揺蕩う闇”(シュレディンガー) レベルX能力(所有者:ピトス・パン)
自分がデッキから手札に加えるカードは、世界に存在するいずれかのカードになる。



「ランダムでカードを引くからなあ、禁止カードだろうと使えるが、使えないカードも多いんだあ。」
「なんて常識はずれの能力ザウルス・・・。」

自在ではなかった。禁止カードを扱えても、むしろ弱い能力に分類されるのではないだろうか。
いや、弱いとも言えない。引きの強さによっては、構築力を無視してカードを持ってくることも出来る。

「今は負けたが、これがガチンコ勝負なら、おれっちは強いぞお。初手にエクゾディアを揃えたこともある。」
「・・・っ、その確率は桁が違うドン! どういう引きをしているザウルス!?」
「月島さんに言わせれば、おれっちは“擬似・掌握の力”だそうだあ。」
「掌握・・・そうだ、その能力を使えば、もしかしたらレベッカさんを助けることが出来るかもしれないドン! もう一度オレとデュエルしてくれザウルス!」
「なるほどなあ、おれっちの能力でハクアのデッキを全て削り取れば、もしかしたらというわけかあ。可能性は低いが、ゼロじゃない。やってみる価値はありそうだあ!」

剣山とピトスは再びディスクを構えた。



- - - - - -



「おーい、ピトスさん!」

夕暮の近いジャングルに、ピトスを呼ぶ声がこだまする。
昼食を食べて、すぐに戻るはずだった彼を心配して、誰かが呼びに来たらしい。

「おっとお、連絡忘れてたなあ。」

ピトスは既にデュエルディスクを畳んでいた。
のっしのっしと歩いて、呼びに来た人物に手を振り、無事を告げる。

彼の傍では、剣山が無言で膝をついていた。

遺跡から脱出して、既に数時間。
レベッカを助けるタイムリミットが過ぎていることは、誰の目にも明らかだった。

「剣山、付いてくるんだあ。レベッカとやらを助ける方法があるかもしれない。」
「・・・っ、それは本当ザウルス!?」
「おれっちには、よくわからない。だが、この男なら何とか出来るかもしれないんだあ。」


「やあ剣山、久しぶりだな!」

そこには全裸の青年がいた。


「だ、誰ザウルス!?」
「おいおい、先輩の顔を忘れたのか? ラー・イエローと言えば、この俺、三沢大地を知らないとは言わせないぞ!」
「・・・全く覚えがないザウルス。」

少なくとも剣山の記憶には、全裸で仁王立ちするような先輩は存在しない。
こんな変態と一度でも会っていたら、忘れるはずはないと思った。

「それよりも、レベッカさんを助けてほしいザウルス!」
「レベッカというと・・・もしかしてホプキンス教授のお孫さんか! 彼女がピンチなのか?」
「ハクアってヤツとデュエルで・・・多分もう、今頃は・・・・・・」
「A級三席、ハクア・サンジュラーか。確かに強敵だな。」

謎の先輩は、以前からピトスと知り合いな雰囲気なだけあって、話が早い。
だが、全裸で陰茎と睾丸を風に揺らしている。それを隠そうともしない。

「・・・ひとつ訊いてもいいドン?」
「何でも訊いてくれ。」
「どうして裸ザウルス・・・?」
「俺は閃いたんだ。自分を更に輝かせる方法をな。その為、常にネイキッド・三沢大地として過ごしている。」
「・・・・・・。」

話が通じなかった。
なまじハンサムで逞しい体つきだからこそ、残念さが際立っている。
古代ギリシャからタイムスリップしてきたのかと、剣山は一瞬思った。

「嫁には大好評なんだけどな・・・。」
「結婚してるザウルス!?」

さらっと衝撃の事実が告げられた。
こんな男でも結婚できるのかと思うと、剣山は何だか悔しかった。

「ホプキンス教授のお孫さんを助けたいと言ったな。」
「そうザウルス! エディも助けるドン!」

ダークネス事件を経験している剣山は、闇に呑まれた者が戻って来れることも知っている。
ハクアに闇のデュエルで勝てば、レベッカとエドモンドを助け出すことも可能だと考えていた。

「ならば剣山、お前の実力を見せてみろ! 俺とデュエルだ!」
「・・・! 望むところザウルス!」

今までの数時間、ピトスとデュエルをしていた剣山は、体力と精神力を消耗している。
だが、消耗した今だからこそ充実している気力もある。


「「デュエル!」」


剣山:LP8000
三沢:LP8000



「オレの先攻ザウルス! ドロー!」


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