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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (50) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2017/07/31 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



絶対偶像進化計画。

それは能力者の新たなる可能性の模索である。


前にも述べたように、異なる人間の価値感を揃えるのは極めて難しい。
文化や風習の違いは言うに及ばず、同じ文化のもとに育っても
男女観、恋愛観、学問への姿勢やスポーツへの興味、思想信条、
それらは差異を生じていくし、密接なほどに浮き彫りになる。
歴史や領土問題に至っては、もはや相互理解などは不可能だ。

個々の人間は、全ての項目においてマジョリティーであるはずもなく、
そして人類そのものが生物種として畸形であり、逸脱である。
フリークスたる人類が、統一的な価値観を持つなど、所詮は幻想に過ぎない。

だが・・・

・・・“アイドル”なら?

歴史や領土問題が、最もナショナリズムを煽り、対立を深め、
価値観の断絶を浮き彫りにするものだとしたら、
その逆・・・“アイドル”は、そうした争いから最も遠いものではないか?

かつて、とある音楽家は言った―――「音楽に国境は無い」―――
かつて、とある小説家は言った―――「文学に国境は無い」―――
かつて、とある棋士は言った―――「ゲームは平和を作る」―――

それら全ての要素を満たす共通部分、それこそが“アイドル”だ。

平和を愛すると、口で言うのは容易い。
しかし、その言葉を発する者によって、印象は違う。

素敵な男性や、可愛らしい女の子が言えば、それは力となるはずだ。
ユゴーの小説や、ゲバラのTシャツのように・・・。





・・・・・・という、酒の席の冗談が採用されて、天井亜雄は
頭を抱えながらステージを見つめていた。

(どうしてこうなった!!?)

研究者の間では「あのアイドル計画の天井亜雄」と
尊敬と嘲笑と讃嘆と侮蔑が入り混じった噂をされ、
街を歩けば同じく、敬意、軽蔑、生温かい視線。

ある意味で学園都市に居場所が無い。恥ずか死ぬ。



◆ ◆ ◆



食蜂 「派閥のみんな〜♪ 見てるかしらぁ?」

ステージから手を振る食蜂に、
客席から常盤台の生徒たちが黄色い歓声を発する。

それを見て一方通行と御坂は、
自分たちの認識の甘さに気付いた。

一方 (なるほどなァ)

御坂 (上手いわね。)

確かに食蜂は、同性から嫌われやすいタイプだ。
しかし、タイプがそのまま現実になるとは限らない。

食蜂は敢えて同性に嫌われる媚態を押し出し、
その後で同性からの支持をアピールすることで、
認知的不協和とギャップ萌えを狙った。

能力を使わずとも、精神のエキスパート。
ファンの心理を、掌握できずとも操ることは出来る。


上条 「なるほど、勢力が絡んでくるってことか。」

インデックス 「日ごろの行いは大事なんだよ。」

上条 「でも組織票ってアリなのか?」

土御門 「決定打にはならないぜよ。有利ではあるけどにゃー。」


アックア 「4人目は、頼れる女上司、麦野沈利なのである。」

麦野(バニー) 「オマエらのハート、融かし尽くしてやるぜえええーーー!!」

テッラ 「罪深い・・・罪深すぎますねー!」

テッラ 「むっちりと成熟した肉体を包む黒いバニースーツ、網タイツ、ウサミミ・・・」

テッラ 「ぴっちりした衣装が艶めかしい曲線を描いて罪深いですねー。」

アックア 「まさに神の衣装なのである。」

観客たちも大賑わいで、食蜂は危機感を覚えた。

食蜂 (敢えて露出力を下げることで、武器を強調する・・・)

食蜂 (しかも麦野さんは男勝りな性格で、女性ファンからの人気も高いわぁ。)

自分の戦略が、今できる最大限のものであるという自負はある。
しかし素材そのものが持つ性質までは変えられない。

中学生が好きというファン層には自分の方がアピールできているはずだが、
それが勝利に直結するかどうかは別である。

御坂 「どうしたの食蜂、顔色悪いじゃない。」

食蜂 「御坂さんのせいよぉ。」

御坂 「なんで私のせいなのよ。」

食蜂 「私のファン取らないでよぉ」ナミダメ

御坂 「・・・っ」///

不覚にも「可愛い」と思ってしまった。
もしもステージでの掛け合い勝負だったら、恐ろしい威力を発揮していただろう。

思えば、日頃から派閥関係で突っかかってくるのは、
友達を取られるかもしれない不安感が根底にあるのかもしれないと、御坂は思った。


浜面 「ば・・・バニー!」

病院のベッドで、浜面はテレビに釘付けになった。
覗きがバレて半殺しにされ、こうして入院しているわけだが、
どうやら横にいる滝壺のアイアンクローで退院は伸びそうである。


アックア 「5人目は、性別不明アイドル、一方通行なのである。」

一方(セーラー) 「え゛?」

テッラ 「ふむー、先程の2人とは打って変わって清純ながらも」

テッラ 「背徳感の漂う罪深い放課後ですねー。」

アックア 「スレンダーな体格がそそるのである。」

一方(セーラー) 「いや、ちょっと待てよオマエ。」

一方(セーラー) 「性別不明って冗談だよなァ?」

アックア 「ではここで、他のレベル5に尋ねてみるのである。」

御坂 「アンタの性別? もちろん知ってるわよ。」

御坂 「学園都市のデータベースにハッキングして調べたもん。」

垣根(冷蔵庫) 「一方通行の性別? んなもん服を透視すれば一発だろ。」

垣根(冷蔵庫) 「俺の“未元物質”の前に隠し事は通用しねえ。」

麦野 「ああ? 知ってるに決まってんでしょ。言うまでもないわ。」

食蜂 「えーと、そうねぇ、言うまでもないわねぇ。」

青ピ 「性別なんて些細なことや。ボクはどっちでも構わへんで?」ハァハァ

削板 「気にするな! お前が漢の中の漢であることは知っている!」ハッハッハ

一方(セーラー) 「・・・・・・イイ仲間に恵まれて、俺は幸せだァ・・・」(目が死んでる


木原 「いやあ、犯したいわあ」

木原 「メチャクチャ犯したいわー」

木原 「天井、よくやった。お前には感謝しても足りない。」

天井 「・・・・・・」

その不気味なほど優しげな笑顔は
とても人の命を雑草を抜くように葬る“猟犬使い”とは思えない。

もっとも、まともに人の顔も見れない挙動不審なインテリとも
重なるイメージが見当たらないのだが・・・。

猟犬部隊の長を務める前までは、刺青はあったが、眼鏡をかけて
おどおどした様子で、俯きがちだった。

天井 (どれが木原さんの素顔なんだろう・・・)


アックア 「6人目は、常識の通用しないメルヘン、垣根帝督なのである。」

垣根(冷蔵庫) 「俺の“未元物質”に常識は通用しねえ。」

垣根(冷蔵庫) 「テメェらに“帝国”(エンパイア)を魅せてやるぜ!」

テッラ 「どういう意味ですかねー?」

アックア 「冷蔵庫のコスプレとは斬新である。」

垣根(冷蔵庫) 「冷蔵庫のコスプレ? 違うな―――」


その途端、ステージに12人の垣根が出現した。

ホスト風の垣根、殺し屋な垣根、ブーメランパンツの垣根、エプロン姿の家庭的な垣根、
野球のユニフォームの垣根、サッカー、バスケ、テニス、くつろいでアイスを咥えた垣根、
真っ白のドレスを着た女垣根、ガイアがもっと輝けと囁いている垣根、光り輝くカブトムシ。

これこそ垣根の、垣根にしか出来ない戦術。
異物の混じったエンパイアに、ファンたちは驚き圧倒されるばかりだ。

テッラ 「罪深すぎますねー。罪深い。」

テッラ 「しかし」

テッラ 「これはルール違反ではないですかねー?」

垣根(冷蔵庫) 「こいつらは分身ではなく」

垣根(冷蔵庫) 「あくまで俺の肉体と繋がっている一部だ。」

垣根(冷蔵庫) 「だったらルール違反じゃねえよな?」

アックア 「曖昧ではあるが、不正ではないので認めるのである。」


上条 「流石は垣根だな。数撃ちゃ当たる戦術、上条さんは嫌いじゃないですよ。」

インデックス 「・・・えっちな本の話?」

上条 「ななな何を言ってるんですかインデックスさん!?」///

土御門 「リア充は爆発するぜよ。」


アックア 「取りを飾るのは、常盤台の電撃姫、御坂美琴なのである。」

御坂(ゲコ太) 「みんな〜、がんばれ〜るがん♪」ビリッ

アックア 「・・・・・・」

テッラ 「・・・・・・」

テッラ 「・・・フリルの衣装じゃないんですねー?」

御坂(ゲコ太) 「えと、それは、くろk・・・プロデューサーに反対されたので」エヘヘ


舞台袖で黒子は、己の過ちを悔いていた。

黒子 (どぎついフリルの方が遥かにマシでしたわ。)

甘く見ていた・・・御坂美琴の、ゲコ太への拘りを。
群れるのは嫌いと言いながら、ついにはゲコラー同好会を派閥として登録し、
“システム”の機材すべてにゲコ太マークを刻印した彼女の
ゲコ太に対する執念を、黒子はわかってなかった。

日頃から呆れていることもあり、頭ではわかっていたが、
まさか着ぐるみを勝負服として持っているとは想定外だった。


しかし、物事は主観と食い違いながら進行すると相場が決まっている。
ほとんどの場合、それは悪い意味だが、今回は違った。

軽装を基本とする風紀委員とは縁遠い世界なので、黒子は疎いが、
世の中には着ぐるみフェチが意外と多い。

砕いた言い方をするならば、
「着ぐるみで動き回って汗だくになった女の子は最高やで!」
ということになるだろうか。

暑くて動きづらいのを頑張る、苦しさと充実感の混ざった顔、
着ぐるみを脱ぐときの、はっついた髪の毛、汗の匂い、
長時間の着ぐるみ活動で蒸れている想像を掻き立てる立ち振る舞い。

それは、スポーツに勤しむ女子を愛でる健全さと、
情事を思わせる不健全さを兼ね備えた、フィジカルなフェティシズムだ。

アックア 「なるほどなのである。」

テッラ 「奥深いですねー。」

最初は唖然としていた人々も、次第に気付いていく。
懸命に動き回る汗だくの美少女に、健全さと不健全さの
双方の萌えが刺激されて、いつしか見入ってしまった。


黒子 (お姉さま・・・黒子は、まだまだでしたわね・・・)

透視能力など持ち合わせていない黒子だが、
その脳裏には、着ぐるみの中で蒸れた御坂の裸身が正確に浮かんでいた。



- - - - - -



アックア 「では、投票するのである。」

テッラ 「不正したら殺しますよー。」


結標 「誰が勝つと思う?」

美山 「意外と微差になりそう・・・」

結標は、とてつもなく健全な肉体開発を行いながら、
ついでに美山の予知能力を開発している最中だ。

しかしながら、その答えは結標としては予想外だった。
年齢が低めの少年に多大な興味を持つ彼女だが、
それ以外のことに淡泊なわけではない。

結標 「第六位も?」

美山 「うん。」

退場させられた青髪ピアスだが、失格になったわけではない。
となると面白半分で投票する者や、熱弁に感銘を受けた一部の者、
他の6名が甲乙つけがたいので青髪ピアスに入れる者が結構いて、
退場させられたインパクトや可哀想さからのアンダードッグ効果も合わせて、
意外や意外、他の6人と変わりない票を集めることになってしまった。

削板は硬派な男たちから熱い支持を受けている他、
これまでに助けた人々からの票が地味に底上げしている。

食蜂は自信が揺らいでいたが、
やはり同じく、これまで人助けをしてきたことが、地味に効力を発揮していた。

麦野は言うに及ばず、幅広く票を集め、垣根も別の意味で幅広く票を得た。

一方通行と御坂の安定した人気も、やはり言うまでもないことだろう。


アックア 「それでは、結果発表なのである。」

アックア 「有効投票1万4510票のうち、」

アックア 「4444票を獲得した―――」



アックア 「上条当麻! 壇上に来るのである!」



上条 「・・・・・・え? ・・・え?」

インデックス 「おめでとうなんだよ、とうま。」

上条 「いやいやいや、どういうことでせうか!?」

土御門 「権利ぜよ。」

上条 「いつ上条さんにそんな権利が!?」

もちろん上条の権利ではない。
ステージを見ると、御坂と一方通行が顔を見合わせて笑っていた。

御坂 「アハハ、アンタも私と同じこと考えてたんだ。」

一方 「ギャハハハ、気が合うなァ第一位!」

一方 「オマエを許したわけじゃねェが」

一方 「上条へのベクトルは同じ方向を向いてるみてェだなァ!」

上条 「ま、まさか・・・」

一方 「あァ。俺らが手に入れた票を、どう使おうと自由だろ?」

上条 「やっぱりーーー!?」

青ピ 「その手があったか・・・。」

麦野 「やられたわね・・・。」

削板 「自分の票を削るとは凄まじい根性だ!」

食蜂 「私も上条さんに捧げれば良かったわぁ」(票を)

垣根(冷蔵庫) 「単独じゃ勝てねえから逃げたのか?」ニヤニヤ

一方 「あン? 俺も第一位もオマエより獲得票数は多いンですけど?」

垣根(冷蔵庫) 「なん・・・だと・・・?」

ショックで冷凍庫の扉が開き、蒼白の冷気が漏れ出す。
しかしすぐに、垣根は頭が冷えた。

垣根(冷蔵庫) 「・・・フッ」

垣根(冷蔵庫) 「おめでとう、上条。」

上条 「いやいやいや、そこはもっと食い下がってくれよ垣根!」

上条 「これはレベル5の進化計画ではなかったんでせうか!?」

上条 「そうだ、今からでも俺の票を返還して・・・」

アックア 「既に投票は締め切ったのである。」

テッラ 「不正は駄目ですねー。」

上条 「そんな馬鹿な・・・。」

アックア 「喜ぶのである。4444人もの人間が、貴様を認めたのである。」

上条 「その大半から今にも殺されそうなオーラを感じるのですが!?」

アックア 「これからフィアンマと戦おうという男が」

アックア 「そんな弱気では困るのである。」

テッラ 「フィアンマの“悪意”は」

テッラ 「こんなものではありませんからねー。」

上条 「不幸だ・・・。」



◆ ◆ ◆



ローマ正教、その最深部。

??? 「上条っ、上条っ、上条っ・・・・・・・うっ・・・・・・ふぅ・・・・・・」

そこでは燃えるような赤い髪の男が
虚空から出現した巨大な手で、自らの逸物を扱いていた。

??? 「さて」

??? 「この俺様、“右方のフィアンマ”は果たして」

フィアンマ 「何をやっているでしょうか?」

べっとりと吐き出された白濁は、“聖なる右”を汚していた。
その光景は、彼が十字教徒であることを疑わざるを得ない
冒涜的なものだった。

だが、それを指摘すべきマタイ・リースは
既にフィアンマの悪意じみた白濁に染まっていた。

フィアンマ 「アイドル・・・ね。」

“聖なる右”の効力―――それは
右腕を振るだけで、試練や困難に合わせて最適な出力を出す、というものだ。

フィアンマ 「ふざけやがって。」

姦淫を罪とする十字教徒にとって、性的な欲望は試練であり、
それを正しく発散することは困難を極める。

フィアンマ 「どうやら俺様が根性を注入してやるしかなさそうだな。」

だが、“聖なる右”は、その試練を容易く解決する。

フィアンマ 「邪魔する奴はブチコロシカクテイだ。」

右手を振るだけで、天の国へ到達したような心地で浄化され
溜まっていた白濁を一滴残らず放出できる。

これは通常の自慰行為では決して到達できない境地であり、
“聖なる右”による快楽は、褪せてしまうこともない。
いつでも新鮮な気持ちで白濁を放つことが出来る。

フィアンマ 「待ってろよ、ヒーロー。」

その効力は当然ながら他人にも及ぶことが出来る。
ただ右手を振るうだけで、どれほど敬虔で禁欲的な教徒だろうと
殉教者の被虐的な絶頂へ導いてしまう。

フィアンマ 「その“幻想殺し”を」

フィアンマ 「ぶち犯す。」

ゆえに彼は、単独で一勢力と同等の力を有している。
更には“聖なる右”の奇跡によって、精力を即座に回復することも出来る。
(病人を回復した力の応用、あるいは受胎の奇跡の変形)

フィアンマ 「そして俺様の力を完全なものにする。」

フィアンマ 「限界なんて知らない。意味が無い。」

フィアンマ 「俺様の“聖なる右”に、常識は通用しねえ。」

レベル5の悪意すらも束ねた、闇の闇の闇の闇の闇の闇の闇の闇の闇の闇の―――・・・
・・・その先にある、聖なる光。せいなる、ひかり。

フィアンマ 「学園都市まで直線距離で・・・幾らだっけ・・・」

フィアンマ 「・・・まあ、カンケイねえんだが。」

フィアンマ 「俺様と上条当麻の距離を」

フィアンマ 「ゼロにする」

かつてない敵が上条当麻を狙ってくる。その尻の“幻想殺し”めがけて・・・。



束の間の平穏は、これにて幕を閉じる。

悪意の渦が世界を巻き込み、戦争が始まる。







   第一位・御坂美琴 〜インターバル〜   了

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