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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (七一) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2018/07/06 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



「ありふれた能力」

いったい何度このフレーズを耳にしただろう。


垣根帝督の“未元物質”は常識外れだ。
演算能力の許す限り、無尽蔵の選択肢を加算し続ける。

一方通行の“ベクトル操作”は、全てを支配し得る力だ。
この世界を捻じ曲げ、思うがままに向きを変える。

麦野沈利の“原子崩し”は、使い勝手の悪い能力かと思えば、次元を微分して化けた。
コノ世ノ全テを支配する力さえも、ゼロから貫き打ち砕く、最強の矛。

食蜂操祈の“心理掌握”は、精神系の十徳ナイフと称される。
万能兵器でありながら、一点においてさえ他を凌駕する破格の力。

藍花悦の“AIMネームレス”は、劣化版とはいえ全ての能力を行使し得る。
多重能力の研究を、別な角度から無意味にしかねない名状しがたき力。

削板軍覇の“宝石”は、馬鹿げた耐久力と回復力。
それも極限という本質の一端に過ぎない。


これらに比べれば、御坂美琴の能力は、なんとささやかなことだろうか。



◆ ◆ ◆



御坂 『そうそう、“残骸”を狙ってた奴って、アンタの知り合い?』

御坂 『シルビアとか言ってたけど・・・』

へらへらと笑いながら少女が投げたのは、
“レムナント”ではない、肉体の残骸。

オッレルス 『―――っ!?』

御坂 『ここで問題です。その肉片は一体、誰のでしょうか?』

御坂 『正解者には・・・』

オッレルス 『 』

“北欧玉座”は、攻撃範囲すらも定かでない。
どこまで距離を取れば回避できるかも不明の、
全身を均等に貫く魔術だ。

これを食らって、削板軍覇は今、
意識すら刈り取られたまま路上に体を横たえている。

まして頑強さの欠片もない少女など
ひとたまりもない。


御坂 『恐い顔ねー』

しかし、けろりとした顔で、御坂は溜息を吐いていた。

御坂 『そーゆうの良くないと思うわよ?』

オッレルス 『 』

ひとたまりもない。はずの。

オッレルス 『なぜだ』

御坂 『あー、別に難しいことじゃないわ。』

御坂 『説明できなくても、とりあえず最適な出力を繰り出すことは出来るだけよ・・・・・・』

禍々しい右腕が、少女の背後から
虚空を突き破って蠢いていた。

御坂 『私に言わせれば、“説明できない力”なんてのは、説明を投げ出してるだけに過ぎない。』

御坂 『それがアンタの限界。』

オッレルス 『・・・シルビア?』

直感的に理解できた。シルビアは取り込まれて
あの禍々しい右腕の一部になっている。

御坂 『私は“次”へ進む。』

危険。キケン。

ひょっとすると“彼女”とタメを張るほどに―――

御坂 『アンタの力を説明できれば、■■■■■に会えるかしら?』

それがオッレルスの聞いた最後の言葉だった。



◆ ◆ ◆



御坂 「オッレルスとの戦いで理解したんだけどさ」

御坂 「私って、“聖なる右”の扱いが得意みたいなのよね。」

フィアンマ 「・・・・・・?」

御坂 「でなけりゃ流石に、魔神に近いヤツなんて相手に出来ないわよ。」

御坂 「百聞は一見にしかず」

御坂 「一万の腕を総べる私に、アンタの救いは届くかしら?」

フィアンマ 「これも試練ってやつか。」

フィアンマ 「リドヴィアの=ロレンツェッティの口真似をするようだが」

フィアンマ 「断崖は絶壁であるほど、乗り越え甲斐があるな。」

御坂 「・・・・・・」

そのセリフで一瞬、御坂は自分の胸に目をやる。

しかしすぐに笑みを浮かべて、“聖なる右”を振るった。

フィアンマ (馬鹿な)

拮抗する。何故だ。不完全な“聖なる右”が
どうして“幻想殺し”を取り込んだ完全版と拮抗できる?
生と死の境界に存在するからか。
いや違う。それで補足しにくいことはあっても拮抗できるはずもない。
ならば何だ。

その疑問は、すぐにでも氷解する。

御坂 「私の能力は、電撃じゃなくて、電磁気力を操作する。」

結局、フィアンマは骨の髄まで十字教徒だった。

御坂 「だから私は強いのよ。」

それは“聖なる右”の、正真正銘どうしようもない性質。

“幻想殺し”を取り込み、“前兆の予知”を得たことで、
どうしようもなかった致命的な弱点の数々は、全て解決できた。

対象の補足も、出力の後出しも整った、
パーフェクトな力に突き刺さる一撃。




     御坂 「“光あれ”」




それで全ては終わっていた。

御坂 「たかが十字教の範囲内で考えたことが、アンタの失敗よ。」

十字教のあらゆる奇蹟を実現する、
それゆえに決して覆すことの出来ない性質。
旧約聖書の第一歩にして、天地創造の決め台詞。

電子でもなく、未元物質でもない、ありふれた光子を操る少女は、
フィアンマ自身の力によってフィアンマを滅ぼした。
最大の敵は己の中にあるとは、よく言ったものだ。

フィアンマ 「おあっ・・・」

フィアンマ 「・・・おうっ」

成人の肉体を以ってしても耐えることの出来ない
とてつもない性的快楽が、
射精と共に彼の脳髄を焼き切った。


純情も邪悪も矛盾なく彼女の中に同居する。
片方だけを続けていては、バランスを崩す。

崩れたバランスは、一瞬でバケモノの皮を剥がす。

御坂 「ねえ、当麻」

バケモノから少女に戻った御坂は、
泣きそうな顔で叫ぶ。

御坂 「いつまでも寝てんじゃないわよ。」

御坂 「“助けて”」

崩れゆく“聖なる右”から、ずるりと少年が這い出てくる。

??? 「・・・美・・・琴・・・・・・」

呼ばれたから?
助けを求められたから?

それ以前だ。
呼ばれなくても、助けを求められなくても、
少年は自分の意思で帰ってくる。

帰ってくる。

上条 「・・・」

上条 「えーと、その・・・・・・ただいま?」

御坂 「遅いのよ、馬鹿っ!」///

堰を切ったように、御坂は上条に縋りついた。


御坂 「・・・おかえり、当麻」///


しかし重傷の上条は、
とびっきりの笑顔を見ることなく失神して煙を吐いていた。

つくづく不幸な男である。




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