佐久間と山田のけだるい日常 第七十話 ~喪失~(その6)
「ま、舌戦はさておき。」
佐久間の姿が視界から消えた。
「ぐ!」
「が!」
「げ!」
「ぎ!」
一瞬のうちに4人は薙ぎ払われた。
「遅えよ。せめて悲鳴くらい統一しろ。」
「おっぱいグラビドン!」
K介が重力波を放つ。
「馬鹿め。」
佐久間は重力波の中を平気で突き進み、K介を殴り飛ばした。
「1人。」
「よくもオヤジを! ミルクカッター!」
しかし佐久間は母乳を余裕でかわし、Q介を握った。
「あぐああああ!」
巨大な手で握られて、Q介は全身の骨が砕け、タコのように床にへばった。
「2人。」
「ホーリーダイナマイトミラクルデンジャラス・・」
「3人。」
ホーリーシャイニングライトスパークワンダフルは、技の名前を言い終わる前に佐久間の拳骨で気絶した。
「ふ・・・真打ちロバート、新技発動。“魂のふるさと、響け正義と堕落と退廃の輪舞”!」
「何それ。」
全く通用しなかった。
ロバート・スミスは佐久間の平手打ちを食らって吹っ飛んだ。
「4人。」
あっという間に薙ぎ倒されてしまった。
この展開に山田は溜息をつくしかなかった。
「以前はもっと強かったような気がするが・・・。」
「何だ、戦ったことがあるのか? 昨日の敵は今日の友ってか? 昨日の敵は今日の肉だろうが!」
「やはり佐久間だな。」
「くだらん邪魔が入ったが、今度こそ消し飛ばしてくれる。」
再び闇エネルギーが右手に集約する。
その一瞬、佐久間の視線が右手に向く。それと同時に山田は走って佐久間を抱きかかえようとした。
しかし佐久間の姿が消えた。
と思ったら背中に激痛がはしる。
病院の自動販売機に激突した山田は、噴き出したファンタまみれになった。
「ぐ・・・は・・・!」
「単純な誘導に引っかかりやがって。愚か者が。」
「くそ・・・すまねえ、死根也・・・みんな・・・・・!」
「頑張った、頑張った、よく頑張った。お前は頑張った。死んで楽になれ。」
佐久間が歩いてくる。
「ぐ・・・!」
山田は死を覚悟した。
どれほどの手段を尽くしても、それを踏み躙ってくる。
味方とすれば頼もしいが、敵に回せばこれほど恐ろしい相手もいない。
「佐久間・・・!」
そのとき、佐久間の動きが止まった。
「・・・!」
奇跡が起きたのか。山田は顔を上げた。
「ぐ・・・・あう・・・・・!」
佐久間は体を抱えて苦しんでいた。
「死根也の剄か・・・? いや・・・?」
「馬鹿な・・・・・この程度で・・・・・・」
そのセリフで山田はピンときた。
「・・・どうやら、慣れない体で動きすぎたようだな。」
「何ぃ?」
佐久間は苦悶の表情を浮かべながら睨みつける。
「異なる身体感覚で動き続けるのは、意識してる以上に、異常に消耗するんだ。足の指一本もげたくらいでも、歩行は困難になる。お前の場合、10歳と19歳では身長が30センチ近く違うし、体型だって違う。それでも圧倒的な戦いぶりを見せたのは流石としか言いようがないが、迂闊だったな。」
「く・・・・あ・・・・・・」
今にも倒れそうになる佐久間。そこへ1人の男が歩いていく。
「形勢逆転のようだね。」
自己再生が完了した八武死根也だった。
「さぁ、オシオキの時間だ。いつもの佐久間じゃないということは、楽しいということだ。」
「やめろ・・・・! 人間ごときが・・・・・私に触れるな・・・っ!」
佐久間は全身で拒絶を示して八武を睨みつけた。
「触れません、触れませんよ。君が勝手に倒れこんでくるだけです。」
つづく
佐久間の姿が視界から消えた。
「ぐ!」
「が!」
「げ!」
「ぎ!」
一瞬のうちに4人は薙ぎ払われた。
「遅えよ。せめて悲鳴くらい統一しろ。」
「おっぱいグラビドン!」
K介が重力波を放つ。
「馬鹿め。」
佐久間は重力波の中を平気で突き進み、K介を殴り飛ばした。
「1人。」
「よくもオヤジを! ミルクカッター!」
しかし佐久間は母乳を余裕でかわし、Q介を握った。
「あぐああああ!」
巨大な手で握られて、Q介は全身の骨が砕け、タコのように床にへばった。
「2人。」
「ホーリーダイナマイトミラクルデンジャラス・・」
「3人。」
ホーリーシャイニングライトスパークワンダフルは、技の名前を言い終わる前に佐久間の拳骨で気絶した。
「ふ・・・真打ちロバート、新技発動。“魂のふるさと、響け正義と堕落と退廃の輪舞”!」
「何それ。」
全く通用しなかった。
ロバート・スミスは佐久間の平手打ちを食らって吹っ飛んだ。
「4人。」
あっという間に薙ぎ倒されてしまった。
この展開に山田は溜息をつくしかなかった。
「以前はもっと強かったような気がするが・・・。」
「何だ、戦ったことがあるのか? 昨日の敵は今日の友ってか? 昨日の敵は今日の肉だろうが!」
「やはり佐久間だな。」
「くだらん邪魔が入ったが、今度こそ消し飛ばしてくれる。」
再び闇エネルギーが右手に集約する。
その一瞬、佐久間の視線が右手に向く。それと同時に山田は走って佐久間を抱きかかえようとした。
しかし佐久間の姿が消えた。
と思ったら背中に激痛がはしる。
病院の自動販売機に激突した山田は、噴き出したファンタまみれになった。
「ぐ・・・は・・・!」
「単純な誘導に引っかかりやがって。愚か者が。」
「くそ・・・すまねえ、死根也・・・みんな・・・・・!」
「頑張った、頑張った、よく頑張った。お前は頑張った。死んで楽になれ。」
佐久間が歩いてくる。
「ぐ・・・!」
山田は死を覚悟した。
どれほどの手段を尽くしても、それを踏み躙ってくる。
味方とすれば頼もしいが、敵に回せばこれほど恐ろしい相手もいない。
「佐久間・・・!」
そのとき、佐久間の動きが止まった。
「・・・!」
奇跡が起きたのか。山田は顔を上げた。
「ぐ・・・・あう・・・・・!」
佐久間は体を抱えて苦しんでいた。
「死根也の剄か・・・? いや・・・?」
「馬鹿な・・・・・この程度で・・・・・・」
そのセリフで山田はピンときた。
「・・・どうやら、慣れない体で動きすぎたようだな。」
「何ぃ?」
佐久間は苦悶の表情を浮かべながら睨みつける。
「異なる身体感覚で動き続けるのは、意識してる以上に、異常に消耗するんだ。足の指一本もげたくらいでも、歩行は困難になる。お前の場合、10歳と19歳では身長が30センチ近く違うし、体型だって違う。それでも圧倒的な戦いぶりを見せたのは流石としか言いようがないが、迂闊だったな。」
「く・・・・あ・・・・・・」
今にも倒れそうになる佐久間。そこへ1人の男が歩いていく。
「形勢逆転のようだね。」
自己再生が完了した八武死根也だった。
「さぁ、オシオキの時間だ。いつもの佐久間じゃないということは、楽しいということだ。」
「やめろ・・・・! 人間ごときが・・・・・私に触れるな・・・っ!」
佐久間は全身で拒絶を示して八武を睨みつけた。
「触れません、触れませんよ。君が勝手に倒れこんでくるだけです。」
つづく
この記事へのコメント
>「昨日の敵は今日の肉だろうが!」
大真面目に言い放っている辺りが更に笑いを誘う。しかし、笑っている場合ではない。絶体絶命…もう駄目だ…そう思った時にこそ道は開かれる。もちろん、それまで全力を尽くしてきたからですが。
しかし、八武さんの楽しそうな(邪悪な)笑顔が目に浮かびます。
プリスター「オシオキー!オシオキー!」
白龍「はい、そこ、はしゃがない。」
プリスター「ティシヒヒヒ!これがはしゃがずにはいられないわ!今まで散々暴れてきた魅力的な女体が自ら倒れ込んできたら、やることは一つよねえ、八武死根也ー!拘束、筋肉弛緩剤は当たり前。もちろん何重にも固定した上に結果を張っておくの。それから怪しげな闇の力が発動したら、頭に電流!それを快楽神経につないでおけば(集中力が)乱れて技が出せないって寸法よ。」
白龍「よくもまあそんな外道作戦をスラスラと。」
プリスター「いーえ、これぐらいじゃ生ぬるいわ!ここまでの世紀の怪物、考えつく限りの手立てをしておかないと今度こそ命を取られるわ。これは正当防衛よ。さあ、オシオキー!オシオキー!」
コング「やはり4人はほとんど敵ではなかったか」
火剣「しかし山田太郎が抱きつく暇もないか」
コング「いよいよ最終兵器リーサルウエポン。八武院長の登場だ!」
火剣「佐久間んを押さえられるのは八武医者しかいねえか」
コング「いよいよドSの真骨頂を見せてくれい」
ゴリーレッド「東の横綱・ドクター八武の技は通用するか」
火剣「バイオレンスでは絶対に勝てないのだから秘技しかない」
コング「勝気な19歳の少女は、官能的に責められるなんて死んでも嫌だと拒絶する」
火剣「それを超えて屈辱攻撃か?」
コング「あのサンだって、アシタカが迫って来た時、来るな! とナイフで刺したくらいだ。抱き締められたら自分が女の子だということを認識してしまいそうで絶対に避けたかった」
ゴリーレッド「不朽の名作もコングにかかったらそういう解説になるか」
火剣「佐久間闇子19歳。27歳の佐久間んよりはまだ純情な部分が残っているはずだ」
コング「乙女心と肉体の感度だけは、人間である以上弱点になる。八武院長の腕の見せどころだ」
火剣「しおりんが加わると確実に勝てるか」
コング「佐久間んを屈服させるのか? それもちょっと想像できないが」
火剣「しおりんが返り討ちに遭い、あんなこととか、こんなこととか」
コング「そのシナリオに変更しよう。作戦失敗で八武院長が吹き飛ばされ、逃げ遅れたしおりんが激怒した佐久間んにリョナの洗礼。リョナリョナリョナー!」
ゴリーレッド「コブラツイスト!」
コング「冗談、冗談!」
火剣「正直、何のために戦っているのかわからなくなってきたが」
昨日の敵は今日の死体どころか、食料!(ひでぇw)
敵と手を組むことを嫌がる、つんつんモードの佐久間さんらしいセリフだと思います。
こんな状況でも笑いを忘れない、ただし獲物を狩るときの嗜虐的な笑顔。しかしそれは、ドクターの方も同じことでした。
トル・マリンも時間制限がありましたが、今の佐久間も・・・。
八武「ふはははは! いかに佐久間といえども、攻撃一辺倒では限界が来るのは当然!」
神邪「これが結束の力・・・。」
八武「その通りだ。だが我々の結束はこれからだよ。残念ながら佐久間に薬物は効かないのだが、それならそれでやりようはあるさぁ。」
維澄「つんつんモードというと、でれでれモードもあるの?」
八武「うん・・・? 何だか今、とてつもなく恐ろしいことを思い出しかけたような・・・?」
維澄「まだ何かあるみたいだね。ここから反撃される?」
八武「そうはイカの姿焼き! 快楽の剄を死ぬほど撃ち込んでくれるわ! 泡を吹くほど悶え狂うがいい!」
パワーアップしてきたはずが、むしろパワーダウンしてしまっているようにも見えます、珍奇四人衆。
やはり頼みの綱はドクターですが、段々と戦いの目的がブレてくる、いつもの展開になってきました。(←?)
八武「何の為に戦うのか? もちろんエロスの為だ。ヒロピンだ!」
神邪「ドクターはそれでいいんですが、だとすると山田さんは何の為に戦っていることになるのか・・。」
八武「知れたこと、奴もエロスの為に戦っている。何しろ暴力皇帝、リョナエンペラーだからな!」
維澄「暴力というよりツッコミだけどね。」
八武「ツッコミ・・・すなわちレイプ。」
神邪「常日頃の暴力は、あれが2人の愛の表現なんですね。」
維澄「一方的ならDVだけど、互角の場合はドツキ漫才・・。」
八武「山田は惜しかった。抱き締めたら性交していたかもしれない。」
神邪「成功です。」
八武「同じ意味だよ。」
維澄「やっぱりキスがどうの言ってたのは、それをされない為の予防線だったか。」
神邪「乙女心ですね。」
八武「うふふ、それを踏み躙るのが私の心意気! 乙女の純情を嬲る為に生きてるぅーーーー!!」
神邪「栞さん、気をつけてくださいよ。」
維澄「うん、わかってる。」
八武「しおりんで抱き締めとキスの効果を試してみよう!」
維澄「アクションマジック、回避!」