佐久間と山田のけだるい日常 第七十一話 ~空腹~(前編)

「腹が減ったな。そのへんの人間でも捕まえて食ってやろうか。」
佐久間は物騒なことを言い出した。
レンガの花壇に腰掛けて、交差点を一望する。
男物のシャツからは、スラリとした手足が伸びている。スカートも履いているが、上半分はシャツで隠れている。
腹は減ったが、同時に裸足であることも思い出した。
(靴下も貰っておけばよかった。)
山田の顔を思い浮かべて、佐久間は胸にかすかな疼きを感じた。
「・・?」
(浮かんでいれば裸足でも関係ないが。)
(あまり余計な力を使いたくない。)
するとそこへ、頭の軽そうな男が声をかけてきた。
「おねーさん、何してるの?」
「あ?」
佐久間は闇エネルギーの刃で男の首を斬り飛ばした。
「思った側から余計な力を使わせやがって。」
悲鳴と騒ぎ声が響く中、佐久間は車をよけながら赤信号を渡った。

「余計に腹が減った。」
そこへ怪しい男が2人、佐久間の前に立ちはだかった。
片方は全裸、もう一方は上半身のみ裸でネクタイ、そしてメガネを逆さにかけて本を読んでいる。
「佐久間闇子だな?」
裸の男が言った。
「何だ貴様らは。」
すると裸の男は、いきり立たせてポーズを取った。
「わたしは“怪人れいぷ男”。偉大なるBBBの切り込み隊長だ。」
そして本を読んでいた男もメガネをまともにかけ直してポーズを取った。
「僕は“怪人どくしょ男”。崇高なるBBBの科学者さ。」
「組織の改造人間どもか。相変わらず露出の多いことで。」
「わたしを露出が多いと言える格好か?」
全裸の怪人れいぷ男が馬鹿にしたような顔で言った。
「・・・。」
ちなみに佐久間は、黒いミニスカートに、ぶかぶかの白いシャツ、そして裸足だ。開いた胸元から、純白の下着に包まれた丸みが垣間見える。
「科学者である僕に言わせれば、その格好はチラリズムだ。全裸より危険と分析する。」
怪人どくしょ男がメガネを光らせて言う。
「やはり組織が一枚噛んでいたか。どうやって私を地球に連れてきた?」
「ふ・・・何か勘違いしてるようですが、知りたいことがあれば力ずくで聞き出してみてはいかがかな、佐久間女史。しかし僕たちは、先程の“怪人なんぱ男”などとは格が違うと、親切にアドバイスしてあげましょう。」
「ご親切にどうも。」
「奴はBBBの怪人だということが信じられないほどの雑魚・・・BBB警察の面汚しだ。わたしが貴様をレイプして、汚名を挽回してやるとしよう。」
次の瞬間、怪人れいぷ男の姿が消えた。
「!」
佐久間は即座に反応して、左側に闇エネルギーの刃を放つ。それを怪人れいぷ男は紙一重でかわし、佐久間の腹部に蹴りを入れた。
「かはっ!」
「遅い。」
怪人どくしょ男がメガネから破壊光線を放つ。爆発が起こり、佐久間は道路まで吹っ飛ばされた。クラクションが鳴り響き、その直後に鈍い音がして、佐久間の細い体が鮮血と共に宙へ舞う。
「ぐっ・・・」
佐久間は電線に激突し、電流を浴びた。
「くああああっ!」
「計算どーり。これぞ科学。」
怪人どくしょ男が得意気な笑みを浮かべながら電柱の上に跳び上がり、体勢を立て直した佐久間の背中へ蹴りを入れる。更に怪人れいぷ男がクラウチング・スタートから空中ダッシュと二段ジャンプで佐久間に体当たりし、回転しながら彼女を巻き込んでアスファルトまで急降下。
アスファルトが砕けたところへクラクションと共に自動車が走ってきた。柔らかな体をタイヤが駆け抜ける。

「おのれ・・・。」
佐久間は急いで車を切り刻んで薙ぎ払い、別の車の屋根へ跳び移った。
(腹ペコ状態でBBBの怪人2人は流石にキツい。)
(腹立たしいが、逃げながら戦うか。)



つづく

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この記事へのコメント

2014年07月31日 13:56
コング「声をかけただけで処刑は酷い」
火剣「それより月島泰斗にも負けてない変態男が現れたぞ」
ゴリーレッド「最後は惨殺という結末だと思うが、見せ場は作りそうな予感」
コング「何だ、ナンパ男も怪人だったのか。佐久間んは見抜いて処刑したのか?」
火剣「怪人れいぷ男? 名前がほとんど、いたぶる星人のノリだ」
コング「ストレート過ぎる」
ゴリーレッド「BBB?」
火剣「チラリズムと全裸はどっちが危険か」
コング「やはりスッポンポンには敵わない」
ゴリーレッド「個人差はあると思う」
コング「素っ裸でも胸と股を隠す恥じらいポーズは、全裸でチラリズムだから最強だ。犯したくなる」
火剣「佐久間んは彼シャツだけど下着とスカート着用か」
コング「邪道だ。それは彼シャツではない。彼シャツは彼シャツ一枚だろう」
ゴリーレッド「普通下着はつける」
コング「しかしタフだ。リョナも通用しないか」
火剣「少しは通じている」
コング「もしかして秒殺できるのに楽しんでいるのか。うろつき童子の天野恵のように」
ゴリーレッド「そういう話はいいから」
火剣「雑魚妖怪にわざと襲わせて全身を嬲られ楽しんでから葬る」
コング「しかしある時、雑魚だと思ったら強敵妖怪でメチャクチャに犯されて大ピンチの恵たん」
ゴリーレッド「延髄斬り!」
コング「があああ!」
ゴリーレッド「止めないと喋り続けたな」
火剣「佐久間んはどうか。わざとではなく本当に苦戦しているようにも見えるが」
ゴリーレッド「・・・何分もつか」


2014年07月31日 22:40
どうやら我々は佐久間さんと一緒にとんでもない世界に迷い込んだようです。なんだこの怪人軍団…!ネーミングセンス、戦闘力、そして言動。色々危険というか、何と言うか…。一見大したことなさそうなのに、きっちり強い。人は見かけによらない…?
とにかく、この怪人達は退治大決定。BBBなどという怪しげな組織の怪人(ショッカーみたいなものか?)に我らが佐久間さんが負けるはずがない!ここで山田さんが駆け付けて…と思いましたが、今は気絶するように眠っているところですかね。
とにかく、怪人達のおかげ(?)で純粋に佐久間さんを応援出来る。頑張れ、佐久間さん!
2014年07月31日 22:50
>火剣さん
まだ手の内は色々あるものの、苦戦しているのは確かです。先の戦いで消耗した分を回復したわけではないので、実はドクターの撃ち込んだ剄も効力が残っていたり・・・。
雑魚妖怪のような雰囲気に見えて、ショッカーの怪人くらいのランクはあります、この2人。彼シャツのターンは終わりまして、次なるチラリズムは?

八武「もちろん戦いの中で服が破けていくやつだよ! 最初から全裸よりも、戦いの中で服を剥ぎ取られていくからこそ興奮するのだ!」
神邪「ドクターは、破れた服の隙間から切り傷が見えるのと、殆ど全裸で服の切れ端が残っているのとでは、どちらが好きですか?」
八武「いい質問だ・・・! それは途中と結果なのだよ。最後に全裸を晒して、恥じらいの顔で胸を隠して座り込む。これで完成だ!」
維澄「そろそろ本題に入ろうよ。BBBって何なの? “組織”の正式名称?」
八武「その通りだ。まあ、白龍氏の言うとおり、ショッカーみたいなものだと思ってくれればいいよ。“BBB”は“ブラッド&ブラッディ・ボンバーズ”の略称・・・“血と血まみれの爆弾魔”さ。」
神邪「ドクターが対立している組織も、そのBBBなんですよね?」
八武「そうだとも。私と佐久間も並々ならぬ縁があるのだねぃ。それを知ったのは95年のことだったが。」
維澄「人に歴史あり・・・。いずれ詳しく。」
八武「しおりんなら今晩にでもベッドで語ってあげるよ?」
維澄「小説化されるまで気長に待とう。」
八武「ちっ・・」
神邪「それにしてもBBBの怪人って、佐久間さんが語っていた“組織”のイメージとは随分と違いますね。」
八武「言葉を選んだね?」
アッキー「他にも怪人でんしゃ男とか、怪人ぼいらー男とか色々いるよ!」
維澄「・・・佐久間も大変だ。」
2014年07月31日 23:04
>千花白龍さん
ツッコミどころ満載の危険人物たちが登場し、話はますますヒートアップしてまいりました。名前はアレですが、けっこう強いです。(それに佐久間さんは先の戦いの消耗があります)
これまでは人類VS佐久間闇子という構図でしたが、ここからは佐久間さんがヒーローっぽい雰囲気です。本人は世界を全く思いやっていませんが。

八武「ヒロインの弱体化は王道! 卑怯でもなんでもない!」
神邪「確かに今のところ、卑怯な戦い方はしてませんが・・・。」
維澄「うん、卑怯ではない。卑怯ではないけど・・・。」
八武「ククク、こんな連中に負けたくないという思いが、負けたときの悔しさを高めてくれる。」
神邪「でも実際、消耗しててもダメージは回復してるんですよね?」
八武「そうだよ。そうでなければ、私が捕らえ直していたからね。」
維澄「戦闘面では好カードか。」

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