佐久間と山田のけだるい日常 第七十二話 ~満腹~(その3)

「怪人あかんぼう男・・・恐ろしい相手だった・・・。」
もしも怪人あかんぼう男が、単独ではなく仲間と組んでいたらと思うと、佐久間は身震いした。
怪人なんぱ男はともかく、怪人れいぷ男や怪人どくしょ男と戦っているときに乱入されていたら、怪人せんきょ男に加勢されていたら、苦戦は必至だっただろう。
(もう打ち止めか? いや・・・)
天空より爽やかな笑顔で男が突撃してきた。
ハンサムな笑顔で白い歯を光らせて、怪人ぱらしゅーと男は佐久間めがけて突撃してきたのだ。
「っ!」
佐久間はテレポートで30メートルほど移動し、納豆パワーでビルの壁に張り付いた。
すると怪人ぱらしゅーと男は形容しがたい表情になり、そのまま涙と鼻水を噴き出しながら地面に激突。死んだ。
「・・・・・・。今のは、怪人かわせみ男というやつか?」
冷汗をかきながら、佐久間は怪人の名前を推測してみた。
しかし怪人かわせみ男は別にいる。
今しがた地面に激突して死んだのは、怪人パラシュート男であった。彼の敗因は、得意のパラシュートを装着していなかったことだろう。攻撃力を高める為に、防御力を犠牲にしてしまった結果であった。
「これで6人。今日は怪人が多いな・・・。」
やれやれと息を吐きながら、佐久間は最後の怪人に備えた。
7人目は、奇をてらいもせず、堂々と道を歩いてきた。
筋骨隆々の肉体は様々な傷跡が目立ち、上半身裸の簡素な格好をしている。
髪は白いが、老人ではない。見たところ20代くらいに見える。
ボサボサの白髪は後ろで束ねられており、挑戦的で野生的な瞳が眩しい。
「待たせたな、佐久間闇子。これまでの怪人は前座に過ぎん。真打ち登場ってわけだ。」
「お前は、怪人かくとう男か?」
「そいつはオレに殺された老いぼれの名前だな。ちったぁ歯応えがあったが、オレの敵じゃない。そしてお前も、オレにひれ伏してヒィヒィ言うようになるぜぇ。」
「やってみろ。お前は悲鳴を出す間も無いだろうが。」
「じゃあ行くぜ!」
最後の怪人は猛々しく笑いながら、佐久間めがけて突撃した。
佐久間は闇の刃を放つ。
よけるだろうと思ったが、正面から突っ込んできた。
「!?」
「おらあっ!!」
体当たりを乗せた肘打ちが、佐久間の腹を強打した。
「ぐふうっっ!?」



つづく

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この記事へのコメント

2014年08月09日 11:51
出オチ怪人、ぱらしゅーと男。得意技を披露せず名乗る前に死ぬとか、なんぱ男とどっちが悲惨なのか…。そもそも、佐久間さんが避けなくてもこれって神風特攻だから、結局死んでた…?BBBはシュールギャグの一大組織を作るつもりだったのか?
ついに最後の怪人(本当か?)の登場。一応、佐久間さんに一撃入れましたが、最後には切り刻まれそう…。そう言えば、なんでBBBは佐久間さんの命を狙っているんでしょうね。組織の目的はテロ行為?その果てにある目的は悪の組織的に世界征服?その際に佐久間さんが邪魔になるのか…?しかし、佐久間さん一人に戦力を失い過ぎな気が…。この調子でいけば、組織壊滅も近いか。
2014年08月09日 16:59
火剣「怪人ぱらしゅーと男は何がしたかったんだ?」
コング「見せ場なく撃沈。悲惨」
ゴリーレッド「怪人かくとう男は今までと違って強敵。これが真打ちなのか」
コング「いきなり殺すのではなく、ひいひい言わせるつもりということは、期待してもいいのか?」
火剣「期待薄だ」
コング「19歳の美少女ヒロインが敵に屈するところを見てみたいとは思わないカネゴン?」
ゴリーレッド「それは不可能という概念がどうしても消せない」
コング「佐久間んは度重なるバトルで疲れているかもしれない」
火剣「佐久間んは疲れを知らない」
コング「でもボディは効いた。まあ、勝つのは無理としてもスッポンポンにしたら英雄の称号を授けよう」
火剣「無理だな」
コング「佐久間ん自身がヒントを呟いた。大勢でかかればきついと」
ゴリーレッド「ショッカーか」
コング「蜘蛛の巣のようなモノで四方八方から手足の自由を奪い、怪人かくとう男が腹パンチ連打」
ゴリーレッド「電流で全員死亡」
火剣「電流? ミクモウか」
2014年08月09日 19:55
コング「強い善人を作ろうのパート4は授業のように勉強になったな」
ゴリーレッド「ほう・・・れんそう」
火剣「打てば響くような反応は大事だ。革命といっても大それた行動だけじゃねえ。地道な積み重ねが大事だ。何かを頼まれた時、電光石火で動いて、『え、もうやってくれたの?』と。ギャグでもダジャレでもそれに即反応するということは、人の話をちゃんと聞いているということだ」
ゴリーレッド「愚痴や弱音の中に本音アリ」
コング「アリアリアリアリヴェデルチ!」
ゴリーレッド「やめなさい」
火剣「マンガを読めない人って、マンガをバカにする大人と思ったら、本当に読めないのか」
コング「3Dは未体験だが、やめたほうがいいか」
火剣「タバコは吸わなくても別にいいというか、今は吸うほうが大変だと思う。でも酒は飲めると便利だな」
コング「竜馬は東奔西走して多くの重要人物と対話する非暴力闘争を貫いた。現代でもそういう行動を取る時、やはり酒の席が多くなる」
火剣「コミュニケーション能力、社交性はやはり大事か」
ゴリーレッド「メンバーに疎外感や『私、浮いているな』と感じさせる組織やグループは、リーダーが失格だ。一人ひとりを見ていないんだ」
火剣「幹部で決まる。組織は難しいんだ。どんな会社組織でもグループでも、上下関係で縛るんじゃなく、共通の目的とビジョンを共有し、常に話し合い、皆が納得する円卓会議のノリで進んでいく。誰でも意見を述べることができ、それに真摯に答える幹部がいる」
ゴリーレッド「これは続くな」
2014年08月09日 20:08
火剣「組織が苦手という人でも参加できるほどの『生きた組織』を構築するには、やはり幹部の人間的魅力が大きい」
ゴリーレッド「フィデル・カストロ議長の卓越したリーダーシップと人間的魅力。誰もが認める波乱万丈の体験と実力。理想の組織とは、優れた力ある指導者がいて、皆がそのリーダーを尊敬しているという形が望ましい」
火剣「そういうリーダーが続くというのもまた困難だ。だからカリスマ性だけじゃなく、幹部の力量を向上する継承の流れというか、これはもう官僚主義とは正反対の革新的な学び舎のノリだな」
ゴリーレッド「明治維新は知れば知るほど褒められない。西郷隆盛も、これは信長、秀吉、家康もそうだが、偉人と呼べるか否かは賛否両論だと思う」
火剣「竜馬と晋作が途上で死んでしまったことも、見えない魔の力を感じる」
コング「唯一の救いは勝海舟が長寿だったことだ」
ゴリーレッド「コングが真面目なので話が進んだ」
コング「僕はいつも真面目だ」
ゴリーレッド「民衆といっても自己中も含まれている。だから民衆を正しく導くリーダーが必要なのだ。董卓を倒しても曹操が王座に就き、董卓以上の独裁者になってしまった。これでは意味がないんだ」
2014年08月09日 21:29
>千花白龍さん
得意技はパラシュートで降下しながら、パラパラを踊りながら鉄球をシュートするというものでした。踊る必要性はあるのか。
佐久間をクッションにして落命を免れるつもりだったようですが、気付かれて回避されました。シュールな死に方ですね。
ようやく(今回の)最後の怪人が登場しましたが、これまでの怪人たちと同じように切り刻まれてしまうのでしょうか?
BBBの目的には世界征服も含まれていますが、いずれにしても佐久間闇子を“脅威”と認識しています。このときの10年以上前には、もっと多くの怪人を佐久間に殺されていたり・・。

維澄「確かに佐久間の胸囲は脅威だ。早く何とかしないと。」
八武「いやいや、しおりん! 美脚なら互角だよ!」
2014年08月09日 21:41
>火剣さん
ぱらしゅーと男も戦ったうちに含めていいものかどうか。殆ど自爆したようなものでした。
だいぶ疲れは回復した佐久間ですが、今度の怪人は強敵・・・のはず。これで最後の真打ち怪人。
ちなみにこの怪人は、かくとう男の名前を継承したわけではなく、別に固有名があります。

八武「しかし佐久間が気付くのが遅れていれば、危なかったかもしれない。」
維澄「どう考えても気付かないことは思えないけどね。並の人間ならともかく、佐久間は勘が良い。」
八武「感度も良い。怪人のセリフは期待していいのかな?」
神邪「これまでの流れからすると、佐久間さんが負けることはないと思われますが。」
八武「流れに逆らえ!」
維澄「これで最後なら、応援は期待できないはず。」
八武「まあ、そうなんだけどね。BBBって何故か、下っ端戦闘員みたいな連中がいないんだなぁ。」
神邪「怪人が下っ端なんですかね?」
八武「そう言えなくもない。」
2014年08月09日 22:09
>火剣さん(続き)
自分の言うことにどう反応するかで、その人への信頼性や感覚が決まってきますね。組織の理念よりも。
仕事が早い活動家は結構いるのですが、人の心に機微な方面は今ひとつな者が多い・・・というのが、組織を渡り歩いてきた印象です。

維澄「反応が鈍い原因の1つに、ジェネレーションギャップがある。」
八武「ふーむ、私はあまり感じたことは無いが。小さい頃は大人と話すのが楽しかったし、60近くになっても世代を越えて話が出来る。」
維澄「特殊な人間は、その特殊性で繋がっているからね。ジェネレーションギャップは、あまり関係ないかも。」
神邪「逆に言えば、たとえジェネレーションギャップを感じても、それを楽しめるくらいの関係なら安心というわけですね。」
維澄「そう。ギャップが疎外感になってしまうのが問題。例えば、昔の話になったとき、『今の若い人は知らないでしょ』と、余計なことを言う。これが駄目ね。言ってる方は軽い気持ちだけに、余計に嫌な気分になる。」
神邪「知らない話をしてくれるのは、ためになるんですけどね。」
維澄「知らないことを揶揄するのは、小学校で芸能人の話題についていけない児童を迫害するのと同じだと知るべき。」
八武「多数者と感覚が合わないというのが、問題の本質か。」
神邪「しかも、疎外された人同士が、必ずしも感覚が合うわけでもないですからね。」
維澄「どれだけ注意しても、疎外感を無くすことは出来ない。運動の利益と少数者の尊重を両立させるのは、とても難しい。・・だが、やらねばならないのも確か。それが幹部というものだろう。」
2014年08月09日 22:49
>コングさん
勝海舟は穏やかなイメージがあります。無血開城は、彼だからこそ出来たと思っています。
無血革命より優れた革命は無い。これは絶対です。フィデル・カストロも、流血の時代より非暴力の時代を長く過ごしている。貧困の中で民衆が暴動を起こしかけたときに、武力で制圧することも出来たのに、単身で説得に向かった。これが本物の平和主義者ですね。

神邪「尊敬できる平和主義者って、本当に少ないですよね・・・。最近よく聞く論調に、反戦とか平和を語りながら、二言目には軍事にカネを回せってのがあるんですよ。そういう人たちの言うことにも一理あるのかなぁと思ったりしますが、どうも萎えるんです。尊敬できない。」
維澄「ああ、そういうのは昔からいるよ。自分たちは現実を見てると思い込んでる人たち。別に珍しくもない。」
神邪「やっぱり、そこなんですよ。ああいう人たちが好き勝手に怒鳴り散らしている社会って、平和とは思えないです。誰だって現実の一部を見ているし、現実の全ては見ていないんですけどねぇ。」
維澄「反戦平和なんて掲げずに、殺し合いが好きだから戦争賛成っていうなら、むしろスカッとするんだけどね。いじめに鈍感な事象平和主義者も、くさる程いてるから。」
神邪「それも思います。いじめを放置して、何が平和かと。正直、戦争を望む気持ち自体は、わかってしまうんですよねー。」
維澄「それも当たり前の感情。いじめ加害者が平和に暮らせる社会が実現するくらいなら、戦争で人類が死に絶えた方がマシだと思っているのは、何も君だけじゃない。・・・そういう激情を、きちんと受け止められる人こそが、平和主義者を名乗れるんだ。」

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