佐久間と山田のけだるい日常 第七十二話 ~満腹~(その4)

(闇の刃が弾かれた・・・!?)
腹部を強打され、佐久間は内臓が破れていた。
すぐに修復しようとするが、溜まった血を吐き出した瞬間に、怪人に詰め寄られた。
「おらあっ!」
怪人は佐久間の髪の毛を引っ掴んで持ち上げ、残る手で佐久間の顔を殴る。
「おらっ、おらっ、おらっ、女のくせに生意気なんだよメスが!」
「・・・“メ・サイド”!」
強大な闇のエネルギーが怪人に向けて放たれた。
その余波は背後のビルを数十も吹き飛ばし、街を破壊した。
「はははっ、そんなものがオレに通用するか!」
怪人は、けろりとしていた。
「っ・・・!」
佐久間は自ら髪を切って逃れ、距離を取った。
「おうおう、ショートヘアも似合うじゃねえの、佐久間闇子ちゃ~ん。そうやって逃げ回ってるのがお似合いだぜ?」
「・・・。」
佐久間は青白く怒って額に青筋を立てた。
「怒れ怒れ! どうせ女なんて、怒ったところで何も出来ないがな! 今の世の中、男より強い女は大勢いるが、オレみたいな本物の強ぇ男には、どんな女も勝てないってことよ!」
「・・・怪人になる前は、女で痛い目に遭ったクチか、お前?」
「バーカ、女ごときで痛い目なんか見るかよ! むしろ食い物にしてきたぜ! 生意気ぶったところで、オレにかかればみんな可愛くなっちまうのさ!」
そう言って怪人は再び突進。
佐久間は跳躍しながら距離を取る。
(闇の刃どころか“メ・サイド”まで通用しないのは、どう考えてもおかしい。通用しないことがおかしいのではなく、それだけの力を持ってるなら、今の私など瞬殺できる。わざといたぶってる可能性はあるが・・・)
しかし、そうではないと確信した。
距離を取る戦法に切り替えると、怪人は途端に追いつけなくなったのだ。
「ちょろちょろと逃げやがって! やっぱり女だな!」
「女オンナと、そんなに女が恐いのか?」
「はっ、現実を知らねえ女は、これだから困る。いいか、女なんてのは、男を喜ばせる為の存在なんだ。ところが勘違いした女どもが、男と対等ぶろうとしてくる。そういう生意気女に、自分がか弱い女の子だってことを教えてやるのがオレなのさ。あー、ただしブサイクは殺す。賞味期限の切れたババアも死刑。それがオレ流。どう?」
「そのへんの勘違い男と大差ないな。」
沸々と湧きあがる怒りが、佐久間の肌から立ち昇っていた。
その一方で。
(奴の能力・・・読めた!)



つづく

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この記事へのコメント

2014年08月10日 10:26
火剣「ヒロピンには違いないが」
ゴリーレッド「もう能力が読めたか」
コング「待て。瞬殺できるのにわざといたぶるのは怪人の流儀だ。戦隊ヒロインを捕まえてもすぐには殺さない。腹パンチ連打でヒロインの苦悶の表情を楽しんだり、電気拷問でギャーギャー叫ぶ姿を満喫したり」
ゴリーレッド「何が言いたい?」
コング「この怪人もその口か。わざと女を蔑み、罵り、怒らせておきながら嬲れば屈辱も倍増」
火剣「普通の女子には効くが、佐久間んもSだからあまり効力なさそう」
ゴリーレッド「この怪人は動きが遅いのか」
コング「ヒロインが無念にも敵に屈服し、観念する姿は美しい」
火剣「佐久間んが相手なら100%望めない」
コング「夢も希望もダイエットも諦めた瞬間に終わるんだ」
ゴリーレッド「諦めなさい」
2014年08月10日 11:10
火剣「テロリストか。重いテーマだ」
コング「いきなり名言炸裂。恐れるな。出口の無いトンネルは無い」
ゴリーレッド「テロがいけないのは当たり前。大事なことはどうやってテロを撲滅するかだ」
火剣「諸悪の根源である貧困をなくすこともその一つだ。餓死寸前に追い込まれた人間は普通の精神状態ではない。世界全部が敵に思えるかもしれない」
ゴリーレッド「自爆テロがあるから、ひとたび戦争が始まれば、たとえ国と国が和睦しても、復讐の鬼と化した者たちが自爆テロで応戦する。一人で敵に多大な死傷者を出せる自爆テロがある限り、終わりなき戦争が永遠に続く」
火剣「だから武力衝突は危険。100%正当防衛でもやられたほうはそうは思わない」
ゴリーレッド「悲しいのは通り魔もそうだが、何の罪もない人を巻き込むのが許せない」
コング「自分を虐げた者だけに復讐するならまだしも」
火剣「戦争だけではない。人間生きてりゃ一度や二度殺意が湧いたことがあるはずだ」
コング「僕はないが」
ゴリーレッド「だから無縁ではなく、誰もが被害者、加害者になり得る。その現実を直視し、暴力の根絶を目指すのだ」
火剣「テロの一歩手前の暴力を撲滅すれば、人殺しまで行かない」
ゴリーレッド「それには原因を取り除く必要がある。テロが極悪なのは当たり前だから、それを何遍唱えても変わらない」
火剣「テロには屈しないと正義感を表明するだけでなく、テロ根絶を本気で考えるのが本当の正義だ」
コング「ジャスティス!」
ゴリーレッド「恐れるな。出口の無いトンネルは無い」




2014年08月10日 20:44
佐久間さんが押されている!?待て、これは何かの罠…じゃなくて、怪人の能力のはず。“女性からの攻撃を無効にする”能力、というのが頭をよぎりましたが、流石にそんな定義系能力は強力過ぎる。ていうか、そんな怪人がいたなら最初から出てきているに違いない。ということで“闇の力を無効化出来る”能力と予想。
佐久間さんが沸々と怒ってらっしゃる。いつもならこんな失礼極まりない怪人なんぞ一瞬で切り刻んでしまうところが、謎の能力で邪魔されて余計に苛立つ。しかし、能力を見切ったということは、次回は怪人惨殺回になる訳ですね。ロクな死に方をしないんだろうなあ。
2014年08月10日 22:47
>火剣さん
紛れもなくヒロピンですが、王道の展開になるかどうかは謎ですね。怒ってはいるけれど効いているかどうか。
能力を見抜き、ここから反撃開始?

八武「待て、まだ早い。ヒロインたるもの、もう少しいたぶられなければ!」
維澄「どういう人生哲学。」
神邪「その“もう少し”が長いんですね。」
八武「具体的に言うと、8時間40分くらいかな。」
維澄「どこのアノンか。」
八武「佐久間はタフだから、少々いたぶっても壊れない。」
神邪「逆に壊されそうですが・・。」
八武「そうなんだよ。」
維澄「しかしショートヘアの佐久間とは貴重。」
八武「ロングヘアの美女が、自ら髪を切ってショートに。萌えシチュエーション。」
2014年08月10日 23:36
>コングさん
かつてレーニンは、「出口の無い危機は無い」と言いましたが、それは「なんとなかる」というわけではなく「出口へ向かって走り続けなければ脱出できない」という意味合いに近いものだと捉えています。
激動の時代、心に爆弾を抱えながら生きている人は少なくない。走る中で、つまづき、あるいは力尽きて、倒れてしまったとき、爆発してしまうかもしれない。軍人でなくても命懸けです。

維澄「最も大きなテロから撲滅していかなくてはならない。空爆を見過ごして自爆テロを無くそうたって、それは無理な話だ。」
神邪「経済封鎖とか、国を挙げてのいじめですよね。被害者がキレたら、それをあげつらって更なる攻勢をかける。加害者の常套手段です。」
維澄「そうすることで、加害者は自らの行為を正当化する。中には本気で自らの行為を正義だと思ってる人もいるし、・・・そういう人の方が多いだろうね。」
神邪「しかも、それが多数の支持を得ている。それが悔しいんです。中立だとのたまう人でも、僕から見れば随分と加害者寄りですし、“罪も無い市民”と目されている中にも、平然と加害行為を当たり前だと思ってる人はいるんでしょうね。」
八武「そもそも自爆テロの標的って、けっこう軍人も多いんだけどね。それはあまり報道されてないかもしれん。捕虜が爆弾呑んでたこともあったなぁ。あれは危なかった。」
維澄「無辜の人民が殺傷されたと聞けば、まともな人間は怒りや悲しみを覚えずにはいられないだろうが、自分たちを殺しに来る軍人を殺し返すなら、それに正当性を感じる人も少なくないだろうね。だから隠すんだ。」
2014年08月10日 23:46
>千花白龍さん
それが実は、そのまさかだったり・・・?
むしろ闇の力を無効化する方が難しいです。どこかの作中で説明されていたかどうかは記憶が怪しいですが、闇の力は“効かない”ということが殆ど無く、ミクモウの“深闇の力”なら効かない相手はいません。
佐久間さんの場合は、ミクモウほど深い闇の力は使えない(使うと肉体がもたない)のですが、それでも無効には出来ないでしょう。やるとすれば、Q介たちがやったように“相殺”することですね。
さて、腹立たしい怪人ですが、早くも惨殺されるのでしょうか。能力を見切っただけでは勝てるとは限らないですが・・。

維澄「でも佐久間なら、能力を見切れば、イコール勝利みたいなものじゃない?」
八武「否定できない。」

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