佐久間と山田のけだるい日常 第七十二話 ~満腹~(その7)

果てしない陵辱は続いていた。
「あうっ、あうっ、ああ~っ!」
佐久間は目が虚ろになりながら、ついに腰を振り始めた。
「おおっ、ようやく堕ちたか!」
怪人まくべす男は佐久間の華奢な体躯を両手で掴み、更に激しく力任せに揺らした。
「へへっ、まだまだこれから、たっぷり可愛がってやるからよ!」
「んんっ!」
佐久間は男の首に手を回し、細く白い脚で男を掴んだ。
「くへへ、完全に堕ちたな。・・・っ、オレも7回目だ。そらっ!」
ビュルビュルと精液が流れ込む。
だが、7回目の射精は今までとは違っていた。
「おおっ、おおっ、おおううううう!!?」
吸い込まれる、と表現するのが最も適切だろうか。
底の見えない穴の中に、体全体が吸い込まれていくような感覚。
実際にブラックホールに吸い込まれるときは、こんな感じなのだろうか?
「おおおおおおううううううううああああああああいいいいいいいいいえええええええええ!!!???」
止まらない。
止まらない。
永遠に続くような放出、奔流、巻き込まれる濁流、出る、出る、出る!
そして怪人まくべす男は意識を失った。


- - - - - -


気絶していたのは短い時間だった。
怪人まくべす男は、すぐに起き上がり、しかし体のバランスを取れずに、よろけた。
「なあっ、佐久間闇子・・・! どうっ、いう・・・!?」
男は痩せ細っていた。
いや、縮んでいたという表現が正しい。
2メートル近くもあった巨躯は、1メートルほどに縮んでおり、逞しい筋肉も殆どが消え失せていた。
ガリガリの亡者、死にかけの痩せっぽち。こぼれそうな眼球から、わずかに意思が放たれている。
「・・・? お前、自分の弱点に気付いてなかったのか?」
佐久間は既に服を着ていた。
黒いシャツとジーンズが、健康的で扇情的だ。
傷も、髪の毛も、元に戻っていた。
「気分がいいから聞かせてやろう。といっても別に大したトリックじゃない。闇の力で染色体をXYに書き換えただけだ。つまり今の私は、外見がどうあれ男ってことだな。肉体は何もかも女だが・・・。」
「そんな、ことが・・・・・」
「真剣に怒って悪かったよ。実のところ、自分が女であることに、そんなにこだわってるわけじゃないんだ。自分はどちらかというと“女”だとは思うが、闇モンスターと人間では性別の概念からして違うしな。」
そう言って佐久間は、小さくなった怪人まくべす男を引っ掴んだ。
「そろそろ殺そうと思うけど、言い残すことはある?」
「・・・・た・・・・・助けてくれ・・・・・・」
「え?」
佐久間は不思議そうに首をかしげた。
「命乞いなんて、相手にメリットが無ければするもんじゃないよ?」
「・・・!」
「じゃあ、お別れだ。最後にプライドを踏み躙って悪いけど、私は男とセックスするとき、誰が相手でもああなる。お前が特別に気持ちよかったわけじゃないし、どちらかというと下手くそだったよ。」
映画の感想でも話すかのように、佐久間は爽やかな笑顔で告げた。
「じゃあ、ご馳走様でした。」
佐久間の影が伸びて、大量の牙が地中から飛び出した。
怪人まくべす男は、悲鳴をあげる間もなく、咀嚼された。
「あー、美味し・・・。お腹いっぱい・・・。いつの世も女は男の道具に過ぎないが、男は女の食料に過ぎないんだ。」
ぐちゃぐちゃと咀嚼される音が響いていたが、やがて静寂が訪れた。




   第七十二話   了

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この記事へのコメント

2014年08月13日 21:10
コング「・・・むごいいい」
火剣「ゴリーレッドの推理が的中してしまったか」
ゴリーレッド「何年佐久間んと付き合っている?」
コング「付き合ってはいない!」
ゴリーレッド「力説するな」
コング「付き合っているのは山田太郎だ」
火剣「その付き合いじゃねえ」
ゴリーレッド「死に際は難しい。咄嗟に出るのは命乞いだ」
コング「男は無理だな。女子の命乞いはかわいいから聞く価値があるが。『待って! 言うことは聞きますから、命だけは・・・一生のお願いです』」
火剣「トリプルSは女に甘いから許すだろうが、佐久間んは甘くない」
ゴリーレッド「基本精神はミクモウなのか」
コング「美少年だったらどうだった?」
火剣「食われるのは間違いないが、日本語にも二通りの意味があったりする」
コング「食いてえ、食いてえ、ジャスミン食いてえ」
ゴリーレッド「そろそろブラックホールへ行くか?」
コング「行かない」
火剣「了か。まあ、見せ場なく秒殺された怪人よりはまだマシだったということで」
ゴリーレッド「敵の実力を知らずに戦うからだ。軍師官兵衛と諸葛孔明は勝算がないと戦わない」
火剣「それも必勝の秘訣か」
コング「僕も美女としか戦わない」

2014年08月13日 22:04
ああ、やっぱり…。というか、大したトリックじゃないって…。やっていることが随分遺伝子工学的というか、まくべす男の能力は染色体判断なんですね。それを正確に見破れる眼力と訳の分からないトリック。まさに佐久間さん。

プリスター「おめでとう、怪人まくべす男。人生の最後に気持ちいい思いが出来たわね。」
白龍「怖っ…。」
プリスター「サキュバスに狙われると、男は皆、最後にはああなるわ。佐久間とサキュバス…なんとなく語呂が似てるわね。そうか、佐久間闇子は悪魔の生まれ変わり!」
白龍「闇モンスターですって。」
プリスター「まあ、悪魔側の人間であることには変わりないわ。ルビデもそこまで敵視しなくてもいいのに。世界中がこんな人間で溢れたら、もっと世界は悪魔にとって住みやすくなると思わない?」
白龍「え…。」
ルビデ「止めとけ…。」
プリスター「…?」
2014年08月13日 22:08
>火剣さん
安定の残酷、佐久間闇子! 予想され過ぎていた展開でした。
普段の彼女ではないにしろ、やはり佐久間は健在です。
そんな具合で、元に戻らないまま72話も終わりましたが、果たして元に戻る日は来るのでしょうか?

維澄「戻ってもらわないと困る。」
八武「このまま戻らない方がいいんでないの?」
神邪「命乞いは、相手にメリットが無ければ通用しない。流石は佐久間さん、素敵な哲学です。」
八武「これが美女の命乞いなら、生かして楽しむメリットがあるんだけどねぃ。」
神邪「佐久間さんは、殺して楽しむ派ですからね。」
維澄「しかし染色体だけを変えるとは、器用な奴。」
八武「肉体が何もかも女なら問題なし! 男になって勝利する案を聞いたときには蒼白だったが、杞憂だったな。」
神邪「染色体とヤるわけじゃないですからね。」
八武「人間でなくても構わん。天使でも悪魔でも美女なら守備範囲。好みであれば、美味しくいただく。ガラガラヘビの如く!」
維澄「終わってみれば、佐久間の圧勝だった。それだけに、元に戻すのは難しそう。」
八武「だから元に戻さなくていいんだよ!」
神邪「ドクター、何か思い出しません?」
八武「・・・っ、良くない記憶が蘇りそうだ。終了!」
2014年08月13日 22:33
>千花白龍さん
まあ、こうなりますよね。ちょっとしたトリック(佐久間基準)で、余裕を残しての勝利となりました。むしろツヤツヤしてらっしゃる?
まくべす男の能力も十分に奇天烈でしたが、相手が悪かった。全てを見透かす佐久間の、もといミクモウの眼。

維澄「全てを見通す瞳♪口には嘆きの言葉♪耳には悪意のざわめき♪心に人と神♪」
神邪「ある意味、男のロマンかもしれないですね。」
八武「サキュマ子(ス)・・・。」
維澄「男を魅了し、食らう悪魔。萌えるーわ。」
神邪「悪女の深情けって、名言ですよね。」
維澄「それがルビデと敵対する理由なのかな?」
神邪「そうそう、僕もルビデさんが佐久間さんをあれほど敵視しているのが意外だったんですが、どういうことなんですか?」
八武「こっちの世界の白木翼と仲間だから。」
維澄「それだけ?」
八武「まあ、それだけと言えばそれだけなんだけど。佐久間闇子という人物を思い浮かべて、それから“仲間”という意味を考えてくれればわかる。」
神邪「・・なるほど、何となく察しました。」

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