佐久間と山田のけだるい日常 第七十三話 ~意識~(その7)

「離れろっっ!」
突然(B)が叫んだ。
山田と八武は即座に飛び退き、その鼻っ面を闇の刃が掠めた。
佐久間(B)は蒼白で、全力で(A)を殴り飛ばしていた。
「・・・ほぉ~ら、こうやって、私にも密かに反撃の力を蓄えてるだろ・・・・・!」
やはり(B)の言うことは正しかった。
子宮を何発も殴られても、今の佐久間(A)は平然とした顔で構えている。
「ちっ、頑丈な・・・いや、私が力を使い果たしていると言った方が正しいか・・・。」
万全の力で殴っていれば、既に(A)は死んでいたかもしれない。
だが、今の佐久間(B)の力は、全開時の10分の1程度。
それでも並の人間を殴れば一撃で内臓を粉砕できるが、同じ佐久間には気絶させるにも至らない。
とはいえ実は、全く効いてないわけでもない。平然とした顔をしているが、ズキズキと痛んでいた。
「よくも人の腹をボカスカ殴りやがって・・・! 殺してやる!」
「気持ちよかっただろ?」
「誰が!」
「私は気持ちよかったぞ。内臓が痛みを覚えるときこそ、生きてる感じがしないかァ?」
そのとき佐久間(A)は、佐久間(B)の口から血が滴っていることに気付いた。
「べほっ、げほっ、だから言っただろ・・・お前と私は元は同じ、ダメージも共有してるのさ。」
「見え透いた芝居を・・・!」
しかし、“観目”(アンネルク)で内部を探ってみたところ、本当に内臓に深刻なダメージを受けていた。
「・・・・・・。」
「ククッ、芝居と言えば芝居だが、平然としてる方が芝居なのさ。」
佐久間(B)は血をダラダラ流しながら、青い顔で笑った。
その様子を山田と八武が、心配そうに見ている。(八武はあまり心配してないが)
隙があれば攻撃するところだが、佐久間(A)は、なかなか隙を見せない。
「どうやら奥の手を使うしかないようだな。」
佐久間(B)は何か言い出した。
「そんなものがあるのか? 下品な言葉を連発するくらいしか脳が無いだろう?」
「ククク、私の攻撃技が下品なものばかりだと思うのが浅はかだ。行くぞ・・・」
緊張感が高まる。
山田も八武も、固唾を飲んで見守っていた。

「あ、あんなところにUFOが!」

場の空気が冷えた。
佐久間(A)は隙を作らない。
しょうもない作戦は失敗した。・・・と思った次の瞬間、UFOのビームが佐久間(A)を撃ち抜いた。
「きゃあっ!?」
そこへ間髪いれず、山田がラリアットを放つ!
「くぶっ!?」
そして八武が剄を撃つ!
「あああああっ!」
佐久間(A)は倒れた。意識は残っているようだが、指一本動かせない。
「どうだ、これが私の4001の特殊能力の1つ、UFO召喚だ。もちろんお前がUFOに対応しても、山田と八武の攻撃を食らう。隙を作る技ではなく、戦力を増やす技なのさ。」
「・・・っ、ぐ・・・・・・・」
「さぁて、ようやく元に戻るときが来たな。」
佐久間(B)も限界が近い。ドロリと肉体をスライム状に変化させて、佐久間(A)に覆い被さる。
「・・・・・っあ・・・・やめ・・・・・ろ・・・・・」
流石に回復力が高い。もう喋れるようになっている。
これは急ぐ必要があると、佐久間(B)は全身に這わした。




つづく

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この記事へのコメント

2014年08月22日 21:49
火剣「よく躊躇なくラリアットの徑撃ちができるな」
コング「あとで覚えていたら泣かされないか?」
ゴリーレッド「殺される。まあ、殺されても死なない二人だから大丈夫だと思うが」
火剣「昔のマンガみたいに、爆発しても服がボロボロになって星が回るくらいか」
コング「そしてついにスライム。半分目的を理解できてないのは私だけではあるまい、カンラカラカラ」
火剣「でも分裂のままじゃ良くないだろう」
ゴリーレッド「無事に統合できるのか?」
コング「それより子宮直撃拳を誰にやろうか」
ゴリーレッド「無意味な発言だ」
コング「僕ならX字磔にしてからやるね。子宮直撃拳! あーん!」
ゴリーレッド「イエローカード」
火剣「でもダメージの共有は辛いな」
コング「そうなるとやはり元に戻るしかない」
ゴリーレッド「戻ったあとドクター八武と山田太郎殿がBに協力したことをどう思うか」
火剣「佐久間ABの判決は?」
コング「無関係のしおりんを磔にして子宮直撃k」
ゴリーレッド「でこっぱち!」
コング「があああ!」
火剣「・・・死んだな」
2014年08月22日 22:15
>火剣さん
躊躇したら駄目だということを思い出したようですが、ドクターはともかく山田さんにとっては、華奢な女性にラリアットは辛いものがあると思います。よく耐えました。
いよいよ元に戻りますが、スライムである必要性はどこにあるのか。明らかに趣味に走っています。

八武「スライムに犯される美女。まさに芸術! 確かに磔にすれば、なお良かった。ちょっと準備不足。」
神邪「それより、後が恐いですが・・・。B面が前に出ても、理不尽な理由でボコボコにしてくる気がします。」
維澄「金的とか平気でやりそう。」
八武「まだまだ甘いね君たち。佐久間なら、そのへんの無関係な人間に八つ当たりしておかしくないのだよ。」
維澄「そうだね・・。」
神邪「栞さんが来たら、本当に子宮直撃拳を食らいかねないわけですか・・・。」
維澄「まあ、男女限らず下腹部は弱点だね。恐ろしい技。」
八武「そんなわけで、このときは山田を盾にしておいた。」
神邪「卑劣なのか賢明なのか。」
八武「君子危うきに近寄らずと言ってくれたまえ。」
維澄「なんて説得力の無い・・。」
八武「子宮マッサージ拳!」
維澄「きゃあっ!?」
八武「こら、よけるでない。」
維澄「よけるよ、そんな危ない技。」

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