佐久間と山田のけだるい日常 第七十二話 ~満腹~(その1)

「玉納豆!」
暗黒のエネルギーを内包する納豆が、怪人れいぷ男と怪人どくしょ男に命中した。
「ぐがあああ!?」
「ぐおおおお!?」
べたつく納豆が放つ暗黒エネルギーが、無視できないダメージを与えていく。
佐久間闇子は、破れたミニスカートと純白の下着姿で、笑いながら次なる攻撃に移った。
ポニーテールが凜と揺れ、暗黒の破壊光線が放たれる。
「“メ・サイド”!」
戦車が吹っ飛んだ。
更に暗黒の刃が、彼女の肢体に伴って追撃する。
「死ぬがいい、怪人ども。」
満腹になった佐久間は早かった。あっという間に怪人れいぷ男に追いついて、その巨体を切り刻んだ。
返り血を舌で舐めて、彼女は笑みを浮かべた。
そして怪人どくしょ男をも切り刻もうとしたが、そこへ選挙カーが突進してきた。
「なにっ?」
慌てて選挙カーを真っ二つにすると、中からスーツ姿の中年男性が跳躍した。
「清き1票を!」
彼は鶴のポーズを決めながら舞い降り、同時に佐久間に名紙を渡した。
「えー、BBBの洗濯屋こと、怪人せんきょ男です! 世の中を洗濯! 良い選択で、心の洗濯を!」
「只者じゃないな。こうも容易く私の間合いに侵入してくるとは?」
「あなたの肉体も、隅々まで洗濯してあげます!」
怪人せんきょ男は、目にも止まらぬ速さで佐久間の両胸を掴み、そのまま跳躍。空中で回転しながら、空気中の水分を集め出した。
「んんっ・・・いやらしい真似を・・・!」
佐久間の顔が歪む。
「はっはっは、これが洗濯です! ついでに戦車も洗車してくれます!」
強い力で両胸を掴んだまま、怪人せんきょ男は猶もダジャレを繰り広げる。
「女などというのは、子供を産む機械に過ぎないのです! 子供を産む為に、体を掃除します!」
猶も回転が速くなる。
アスファルトの道路で、水の竜巻が発生していた。
だが、次の瞬間、怪人せんきょ男の首は吹っ飛んでいた。その胴体は暗黒の納豆まみれだった。
佐久間は地上に降り立って、濡れた体を振った。
「馬鹿め、回転させすぎだ。」
「なっ・・・?」
怪人どくしょ男は口をあんぐりと開けた。
「私の間合いに入ってくるような奴だ、普通に攻撃しても、まず当たらん・・・。だが、回転を強めることで、奴自身の動きも制限されてしまうのだ。後は言わずもがな・・・。」
ぐっしょりと濡れたスカートを腰で結びながら、佐久間闇子は残る敵へ双眸を向けた。



つづく

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

驚いた

この記事へのコメント

2014年08月07日 12:43
コング「佐久間闇子19歳。やはり究極のSだな」
火剣「なぜそう思った?」
コング「もしもMだったら『あなたの肉体も隅々まで洗濯してあげます』なんて言われたら、期待感に胸を高鳴らせる」
火剣「でもバトル中だぞ」
コング「しかし洗濯されても死にはしない。全裸にされて、洗濯機のように空中で大回転されながら全身を洗濯されてしまう。これはMにとってはたまらない。思わず身を任せてしまうだろう」
火剣「なるほど、視聴者が興奮する間もなく佐久間んは反撃に出た」
コング「Sなんだ」
火剣「怪人せんきょ男。いいキャラだと思ったがあっという間に葬られたか」
コング「では代わりにしおりんを洗濯しよう」
ゴリーレッド「洗濯機に頭から突っ込みたいか?」
コング「敗れたミニスカートに純白の下着姿。まさにチラリズムマジック」
火剣「それなのに誰も手を出せないか」
コング「怪人シリーズ。れいぷ、どくしょ、ねっとう、せんきょ。まだまだ出るか?」
2014年08月07日 13:22
コング「ゴリーレッドのタイムマシンで2010年へレッツGO!」
火剣「しおりんのマシンガントークで800文字以内にまとめるのは無理だな」
コング「まともな人に聞く。これ大事。女のことは女に聞けが黄金律。女のことを自惚れた勘違い男に聞いたら最悪な答えしか返ってこない」
ゴリーレッド「革命の話から遠ざかるな」
火剣「刑事ドラマ観てていつも思うが、家庭を顧みないなら始めから結婚しちゃダメだ。両立する自信があるならすればいい」
ゴリーレッド「家族で団結すればどんな苦難でも乗り越えられるが、家庭不和になったら脚を引っ張られる」
火剣「あとは家族は弱点になる。人質に取られたらアウトだ」
コング「悪党は囁くからな。君には、年頃の娘がいたねえ」
火剣「テメー、娘に手出したらただじゃおかないぞ」
コング「ハハハ。私は紳士だよ。何もしないさ。でも、私の部下はイカれてるからねえ」
ゴリーレッド「悪党の脅しや警告に屈するか。ここは本当に難しい」
火剣「結論は出ないな。で、団結の話だが、羊の群れじゃ狼一匹を見て逃げ惑う。大事なことは一人で戦う気概だ。『俺一人いれば全部ひっくり返してみせる!』という関羽や張飛のような強い善人が集まって団結したら、獅子の団結になる」
コング「一般庶民の中には自己中もいる」
火剣「自己中など革命とは無縁の人間だ。かといって排除の理論は良くない」
コング「俺はみかんじゃねんだ!」
ゴリーレッド「そろそろ800文字か。つづく」


2014年08月07日 13:45
コング「善良な市民と悪い権力者という図式ならわかりやすいが、実際は違う」
火剣「国民のために365日休まず東奔西走し、路地裏を駆けずり回っている政治家もいれば、セクハラ、パワハラが日常の一般市民もいる」
ゴリーレッド「だから何かを打倒するノリは違うような気がする」
火剣「革命で一番難しいのは自己変革だ。これは大正時代から現代まで変わらないが、若き革命家が敵視しているものへの批判は凄いが、自分たちが変わるという話になると、『いや、俺らは・・・頑張ってるし・・・』と歯切れが悪い」
ゴリーレッド「自分の弱さを見れるから人にも優しくなれる。幻を追いかけるような流血革命は、反対意見を『貴様、今何て言った!』と力で押さえる。そうなると、弱者が虐げられない社会を築くという崇高な目的を達成できるわけがない」
火剣「日本に革命のモデルケースはないか。キューバは凄いと思うが、ある意味『指導者革命』の成功例で、我々のようにたぶん指導者にはならない人間の革命とは何か?」
ゴリーレッド「革命家になったら家庭も顧みない覚悟を決めなくてはならないとしたら、ごく一部しか革命家になれない。普通のOLが、サラリーマンが、キャバクラ嬢が、主婦が、学生が、ありのままの姿で、目を血ばらせることなく、日常生活を送りながら革命に参加できるようにしなくては、裾野は広がらない」
火剣「過去のモデルケースがないなら、新しい形の革命を起こすのか」
コング「萌えポイントの守備範囲が広いのと知的好奇心が旺盛なのは武器になる。僕のような人間を変態と脇に追いやる革命など嘘ぱっちの革命だ」
火剣「ペンこそ武器だ。ペン一本で世界は変えられると国連で演説した革命少女がいたではないか。あの勇気のレベルに達するのは無理としても、書くことが今のところ一番現実的な実践ではないか」
ゴリーレッド「組織論については(3)で語るか」
2014年08月07日 20:00
満腹になった佐久間さんの強いこと強いこと。今までの苦戦が嘘のようです。食べた物をあっという間に消化・吸収してエネルギーに変換し、鬱陶しい新手も粉砕。残るはどくしょ男、ただ一人。しかし、街中で散々暴れてますけど、警察とか救急とかその辺りはどうなっているんでしょうね。
何気に佐久間さんが納豆技を多用。なっとう男の意思を確実に引き継いでいるようです。けれども、まだBBBの刺客が出てきそうな予感が…。
2014年08月07日 22:27
>火剣さん
ここで退場させてしまうのが勿体無いほどのキャラでした、怪人せんきょ男。漢字で書くと、洗挙男。手の早い男です。ダイナミックな技を見せてくれましたが、勝負を急ぎすぎました。
水浸しになって、いよいよ危ない格好ですが、果たして次なる怪人は・・・?

八武「惜しい。豊かな胸を掴めるだけの速さがあるなら、ちまちまとヒット&アウェイで戦えば、いい線いってたはず!」
神邪「どっちの味方ですかドクター。」
八武「BBBの敵ではあるけど、佐久間の味方でもないからねぃ。」
維澄「まあ、捕獲するなら弱らせる方がいいけれど。」
八武「そうなんだよ! もっと大回転が続いて、息が苦しくなった佐久間が『ん~』と悶える光景が見たかった!」
神邪「しかし佐久間さんなら、30分くらい余裕で無呼吸いける気がするんですが。」
八武「それどころか、右手の異次元ポケットから空気を吸えばいいから、何時間でも余裕。」
維澄「掴まなければならなかったのは、胸よりも右手だったのか。」
八武「まぁ、佐久間を濡れ濡れスケスケにしただけでも功績だ。確実にレイプに近付いている。」
神邪「そうでしょうか・・・? むしろ怪人も減って、遠ざかったのでは?」
八武「いやいや、まだ怪人は出るはずだ。」
2014年08月07日 22:56
>コングさん
実際、家族を人質に取られて仲間を売ってしまった活動家の話を、聞いたことがあります。
それでなくても、家族の安全や生活の為に、活動を自粛してしまう人は多いですね。あるいは、自粛させられてしまう。私も・・・。

維澄「何か事を起こすとき、家族に反対されて気持ちが萎える。そういうことは度々ある。」
八武「私も軍医として赴くとき、部下に反対されたことがある。親しい間柄だけに、覚悟が揺れたね。」
神邪「家庭不和でも、養われている以上は大きなことは出来ないって負い目があります。ひとりで生きていこうにも、渡る世間は鬼ばかり。」
維澄「そうなぁ、渡る世間に鬼は無いって諺は、嘘っぱちだね。鬼や悪魔は無いのかもしれないが、人を傷つけながら偉そばってる奴は大勢いる。」
神邪「自己中を排除していけば、排除される側の方が多数派になりそうです。」
維澄「それが革命の難しいところ。実際そうやって排除を進めていった先が、仲間同士の殺し合いだったから。」
神邪「かといって、無神経な人を排除しないというのは、それ自体が繊細な人を排除することになります。」
アッキー「私も自分から組織を出たけど、それも排除されたようなものかも。」
維澄「そうだね。嫌気が差すような扱いは、排除と同じ。」
八武「肝に銘じよう。」
神邪「ドクターは大丈夫すぎると思いますが。」
八武「いやいや、こういうことは不安なくらいで丁度いい。たとえ今が大丈夫でも、維持する為に気を配らねばならないのは確かだからね。」
2014年08月07日 23:38
>ゴリーレッドさん
打倒するとすれば、人間の“誰か”ではなく、システムの欠陥ということになるでしょうか。やはり、人間を力で押さえるというのは、どうにも不穏です。
無神経な連中を野放しにしてはいけないとは強く思いますが、意見の多様性まで封殺されるようでは、社会は崩壊しますね。

維澄「まだまだ真面目な政治家はいる。時間的なことを言えば、最初から駄目な政治家は少数派だろう。」
神邪「志を保ってると自称しながら、領土問題を引っ掻き回している馬鹿もいますけどね。」
維澄「まあ、一面的に見るものではないよ。尊敬できないにしても・・・。」
神邪「そうですね。他方では優れた面もありますし。それに僕は思うんですよ・・・確かに駄目な政治家は山ほどいるけれど、個人的感情で言えば、最も嫌いな政治家よりも嫌いな庶民が山ほどいますからね。いじめ加害者っていう。」
維澄「いじめられてきた人間、広く言えば、多数者と反りが合わない人間は、革命の指導者たりえない。それは悔しいけど現実だと思う。しかしキューバでも、指導者でない人の方が圧倒的に多い。日本革命は全く新しいケースではあるけれど、成功例から学べることは多いはずだ。」
八武「キューバ革命も、既存のモデルケースが無かったんだっけ?」
維澄「ゼロから作ったわけじゃないけど、ソビエト系列とは異なる、独自性が強いね。その独自性、オリジナリティーこそがキューバの強みだ。多様性の話が出たけど、その国や地域ごとに、いろんな革命があっていい。画一的な革命が駄目なのは、ソビエトの失敗で明らかだ。」
神邪「今は南米が盛り上がりを見せてますが・・」
維澄「私の胸も盛り上がるといいなぁ。」
神邪「え?」
維澄「なんでもない。南米はキューバが率いていたかと思えばベネズエラ、そして今はボリビアと、バラエティー豊かだ。」
2014年08月07日 23:48
>千花白龍さん
これまで空腹だったので、病院での戦いほどのポテンシャルは出せませんでしたが、満腹になったことで7割がた回復といったところでしょうか。納豆技を駆使しながら、怪人れいぷ男、怪人せんきょ男と、撃破していきます。
流石に戦車が出てくるとなれば、警察も救急も行きづらいですが、それだけではなくBBB首領が手を回しているという裏設定があります。戦車が通過した後の場所では、警察や救急が駆けつけているものと思われます。

八武「怪人びより。」
神邪「いつも複数出てくるんですか?」
八武「怪人クラスが4人も出てくるのは珍しいね。ふざけた連中に見えるが、それなりに強く、開発コストもかかっているはずなんだ。」
維澄「もうちょっとマシな怪人は作れなかったものか。」
八武「中には恐ろしい奴もいたよ。」

この記事へのトラックバック

2020年08月
                  1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31               

過去ログ

テーマ別記事

最近の記事

最近のコメント

QRコード