「サトリン」 第九話 人の子 4

「できるのかニャア!?」
根津老人がリュックの男の服を掴んだ。
リュックの男・鈍郎は、自信なさげに言う。
「・・・・・ええと・・・あなたたちが協力してくれれば、多分できると思う・・・。」
「協力? 僕はもちろん。」
まだお礼を言ってないんだ。
「ええ。」
「もちろんだニャア。」
お母さんと根津老人も賛同する。
「・・・そうですか。では、絶対に逃げないでくださいよ。・・正直、私だって恐いんです。あなたたち3人が一緒に戦ってくれて、それで私もギリギリ逃げ出さないでいる勇気が湧いてくるんです。」
「・・・・・・・・。」
そりゃそうだ。僕だって恐い。誰だって恐い。あんな荒くれが何十人。
「で、どうやって助けるんだニャア!?」
根津老人が詰め寄る。
僕も同じ気持ちだ。普通に戦ったら勝てない。
「だから落ち着いてくださいって。あと2時間くらいは雨が降ろうが槍が降ろうが大丈夫ですから。」
「なぜニャ?」
「・・・彼には“ガーディアン”によって電子力場プロテクトがかけられていましてね、衝撃を緩和できるんです。」
「はあ。」
「・・・えー、要するに、殴られても蹴られても平気。銃で撃たれても大丈夫らしいです。ただし、そのプロテクトも残り2時間くらいで効果が切れますけどね。だから私が迎えに来たんですが・・・」
「ふむ。」
「あの、九古さん。」
お母さんが心配そうに言った。
「火をかけられたらどうなるんでしょう。」
「えーと、手足を縛っている縄が焼ききれて脱出できる、ですかね。プロテクトは断熱効果もあると聞いてます。」
「そうですか・・・。」
「まあ、なるべく急いだ方がいいのは、その通りです。ですが、焦りは禁物です。」
そうか、BL本を持ってきている彼こそ焦ってるんだろうな。
「大柄な人間には無理そうですが、私たちなら柵の隙間から入れるでしょう。そしたら後は、私は敵を殲滅します。」
「できるの!?」
「確実に殲滅する為に、心郎くんたちの協力が必要なんだ。いいね。」
「・・・う、うん。」
そのときの彼は、さっきまでとは別人に見えた。
僕は唾を飲み込んだ。


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この記事へのコメント

2015年01月19日 21:47
火剣「多分できると思う?」
コング「頼りない。ぐふふふ」
ゴリーレッド「荒くれ男が何十人。普通の人はまず暴力を恐れる。殴る蹴るの暴行に遭い、もしかしたら殺されてしまうかもしれないと想像し、躊躇するのが人間だ」
コング「女子なら回されたらどうしようと考える。うひひひ」
ゴリーレッド「いちいち変態笑いはいらない」
コング「誰がウインダムや」
ゴリーレッド「言ってない」
火剣「あと2時間?」
コング「電子力場プロテクト。仮面ライダーみたいなものか。♪迫るっ、ショッカー、地獄の軍団テーテレッテー」
ゴリーレッド「800文字」
コング「♪我らを狙う黒いかげー」
ゴリーレッド「ライダーキック!」
コング「のおおお!」
火剣「敵を殲滅? できるのか」
ゴリーレッド「もしかしてBL本は特に関係なかったとか?」
コング「鈍郎がわからん。殲滅できる強さがあるにせよ、どうして協力が必要なのか」
火剣「女子といえば39歳の若い母は危ないぞ」
コング「そうか、忘れていた、ヒロピン候補がいるではないか。荒くれ男何十人が見たら危険であるぞ」
ゴリーレッド「笑顔」
コング「でも子どもの前で回すのはトリプルSの四原則に反してしまう」
火剣「律儀だな」
コング「子どもをどこかへ連行せよ」
ゴリーレッド「もっと真剣に展開を推理しなさい」
火剣「どうやって殲滅するのか、そして協力とは。そもそも火刑に耐えられるのか」
ゴリーレッド「火刑が2時間もつかどうか怪しい。自信なさげな鈍郎」
コング「僕に名案がある。若い母を磔にしていいから、その男を許せ。どう? どう?」
ゴリーレッド「ドロップキック!」
コング「どおおお!」

2015年01月19日 22:39
>火剣さん
イマイチ頼りなさげな鈍郎ですが、しかし殲滅できると豪語する・・・割には、協力が必要と言う。
のらりくらりとしているようですが・・・?

佐久間「迷いなく突撃する山田が、いかに異常かわかる。」
山田「いや、迷いも躊躇もあるからな? 考えなしに突撃するのは佐久間の方だからな?」
佐久間「考えなしとは失礼な。面白いから突撃するんだ。」
八武「敵が可哀想。」
維澄「ともかく普通は二の足を踏む。死ぬかもしれないと考えたなら、それは概ね当たっている。」
佐久間「そう簡単に死なないというのは嘘だな。嘘みたいに簡単に、人は死ぬ。」
八武「嘘みたいに簡単に、女子は犯される。」
山田「おい。」
八武「非道を承知で訊くけど、トレードは成立するのかね?」
佐久間「するかもな。」
神邪「するんですか?」
佐久間「荒くれたちは、あくまでカネで雇われてるだけだからな。」
八武「ヒゲの男より若い主婦。当然の論理的帰結だ!」
神邪「確かにそうですが・・。」
山田「おい、同意するな。」
佐久間「ちなみにBL本は、テンションを高める意味では役に立ってるかもな。」
維澄「テンションを高めると何かいいことが・・・そうか、勢いをつけて立ち向かおうというわけか。」
佐久間「まあ、大体そんな感じだ。」
山田「大体?」
佐久間「というわけで次回は更にテンションを高める準備を行う。」
八武「恥ずかしいことをするとテンションが高まるよ。」
山田「何となく嫌な予感がする。」

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