「サトリン」 第十話 縦の破壊 14
「・・・・・・・・・。」
銃を持っているのは自分なのに、恵須実は気後れしていた。
「・・・・・・。」
対して鈍郎の方は、相手の次の一手を待ちわびている対局者のような表情で黙っていた。
そして先に口を開いたのは、恵須実の方だった。
「撃ってみないとわからない・・・。あなたの能力の性質上、確かにそのようね。十中八九ハッタリだとは思うけど、十中の一が埋まらない。見事な戦略ね。・・・でもね、これならどうかしら?」
銃口が富良実に向いた。
「・・・っ!」
鈍郎の顔が凍りついた。
「フ・・・フフ・・・ハハハ!」
恵須実は勝ち誇ったように笑い出した。
しかし鈍郎は、すぐに表情を戻して言った。
「いや、ちょっと待てよ・・・君にそれが撃てるのか?」
「どういう意味?」
「殺してしまっては元も子もないはず・・」
ドンッ
「ああっ!?」
銃弾が富良実の右腕を貫通した。
「・・・・・!」
「勘違いしないでよ。殺す気は無いけど、死ななければ何をしてもいいのよ。」
「なんてことを・・・!」
鈍郎はゾッとした。
「ふん、そこで指を咥えて見てなさい。切り札の能力がありながら動きもしないってことは、動かないことが発動条件なんでしょ。違う?」
「・・・!」
「フフ、図星のようね。」
「・・・・・・。」
鈍郎が黙っていると、恵須実は富良実のところまで歩いてきた。
「立ちなさい、富良実。」
「ううっ、うう・・」
富良実は右腕を押さえて呻いていた。
「立たないと、もう一発ブチ込むわよ。」
「ううっ・・・!」
富良実は腰が抜けて立てないのだ。
すると鈍郎が目を見開いた。
「もうやめとけ。」
「ハッ、そこから動けないあなたに何が出来るの?」
「馬鹿め、後ろを見てみろ!」
「なにっ!?」
恵須実は思わず後ろを見たが、誰もいない。
そのことを彼女が認識する前に、鈍郎の背後の繁みから、毛布を被った冴木氷介が飛び出してきた。
「がっ・・・!?」
持っていた銃を蹴り飛ばされ、恵須実は体勢を崩して転んだ。
「謀ったわね!」
彼女は起き上がって鈍郎を睨んだが、しかし先程の位置に鈍郎の姿は無い。
「・・・子供がこんなもの持ってちゃいけないなー。」
鈍郎は銃を拾っていた。
「なあ、邑甘恵須実。銃口を向けられるって、どんな気分だと思う?」
銃口が恵須実に向けられた。
子供と言いながら、子供扱いしていない。敵と見なして本気だ。
「ひっ・・・!」
「・・・・・・。」
鈍郎は無言のまま、不気味な笑みを浮かべた。
銃を持っているのは自分なのに、恵須実は気後れしていた。
「・・・・・・。」
対して鈍郎の方は、相手の次の一手を待ちわびている対局者のような表情で黙っていた。
そして先に口を開いたのは、恵須実の方だった。
「撃ってみないとわからない・・・。あなたの能力の性質上、確かにそのようね。十中八九ハッタリだとは思うけど、十中の一が埋まらない。見事な戦略ね。・・・でもね、これならどうかしら?」
銃口が富良実に向いた。
「・・・っ!」
鈍郎の顔が凍りついた。
「フ・・・フフ・・・ハハハ!」
恵須実は勝ち誇ったように笑い出した。
しかし鈍郎は、すぐに表情を戻して言った。
「いや、ちょっと待てよ・・・君にそれが撃てるのか?」
「どういう意味?」
「殺してしまっては元も子もないはず・・」
ドンッ
「ああっ!?」
銃弾が富良実の右腕を貫通した。
「・・・・・!」
「勘違いしないでよ。殺す気は無いけど、死ななければ何をしてもいいのよ。」
「なんてことを・・・!」
鈍郎はゾッとした。
「ふん、そこで指を咥えて見てなさい。切り札の能力がありながら動きもしないってことは、動かないことが発動条件なんでしょ。違う?」
「・・・!」
「フフ、図星のようね。」
「・・・・・・。」
鈍郎が黙っていると、恵須実は富良実のところまで歩いてきた。
「立ちなさい、富良実。」
「ううっ、うう・・」
富良実は右腕を押さえて呻いていた。
「立たないと、もう一発ブチ込むわよ。」
「ううっ・・・!」
富良実は腰が抜けて立てないのだ。
すると鈍郎が目を見開いた。
「もうやめとけ。」
「ハッ、そこから動けないあなたに何が出来るの?」
「馬鹿め、後ろを見てみろ!」
「なにっ!?」
恵須実は思わず後ろを見たが、誰もいない。
そのことを彼女が認識する前に、鈍郎の背後の繁みから、毛布を被った冴木氷介が飛び出してきた。
「がっ・・・!?」
持っていた銃を蹴り飛ばされ、恵須実は体勢を崩して転んだ。
「謀ったわね!」
彼女は起き上がって鈍郎を睨んだが、しかし先程の位置に鈍郎の姿は無い。
「・・・子供がこんなもの持ってちゃいけないなー。」
鈍郎は銃を拾っていた。
「なあ、邑甘恵須実。銃口を向けられるって、どんな気分だと思う?」
銃口が恵須実に向けられた。
子供と言いながら、子供扱いしていない。敵と見なして本気だ。
「ひっ・・・!」
「・・・・・・。」
鈍郎は無言のまま、不気味な笑みを浮かべた。

この記事へのコメント
コング「拷問も常に次の一手を考える」
ゴリーレッド「よし黙れ」
コング「目が覚めた時にいきなり素っ裸も精神的ダメージは大きいか、服を着たまま磔というのも高度な流れであーる」
ゴリーレッド「恵須実は能力を見抜く力があるのか。動かないことが発動条件か」
火剣「てことはハッタリじゃなかったってことか」
コング「いたいけな少女の腕を撃つなんてむごい。僕にはとてもできない」
ゴリーレッド「冴木氷介。間に合ったか」
火剣「今度は恵須実のヒロピンか」
コング「この次の一手はわかる。恵須実。撃たれたくなかったら全裸になりな」
ゴリーレッド「言わない言わない」
コング「脱がないなら股に撃っちゃうぞ」
ゴリーレッド「絶対に言わない」
火剣「15歳は立派な大人だ。しかも銃で富良美を撃った。容赦されることはない」
コング「恵須実の助かる方法はただ一つ。裸になりますから命までは取らないd」
ゴリーレッド「ボディースラムからのジャンピングエルボードロップ!」
コング「ぎゃあああ!」
火剣「鈍郎は脅しか。氷介のほうが危ない気もするが」
ゴリーレッド「七美たちはまだか」
氷介の登場で形勢逆転! 攻守逆転で、恵須実がピンチです。
確かに鈍郎よりも氷介の方が危険。銃で脅しているというよりは、注意を引きつけている意味が大きいでしょうか。
佐久間「この余裕が鈍郎の大人なところだ。戦いは常に余裕を忘れてはいけない。」
神邪「見習いたいところです。」
山田「いや、あんまり見習わない方が・・・特に佐久間を見習ったら駄目だ。」
八武「恵須実は能力を見抜いているのかね?」
佐久間「知識プラス推測だな。果たして当たってるかどうか。」
維澄「鈍郎の能力は、どこまで有効なのか・・。」
神邪「凍りついたのも演技ですかね?」
山田「だとしたら大した演技力だが。」
八武「ともかく、恵須実を脱がして・・・ああ、やらしい意味じゃない。何を持っているかわからないからね。イケナイお嬢ちゃんは、おぢさんがオシオキしてあげるよ。痛くない痛くない。」
山田「お前は説得力という言葉の意味を知ってるか?」
八武「もちろんだとも。私の言葉に説得力があると思う人は少なくない。」
佐久間「何という説得力だ。」
神邪「ドクターの言葉には力があります。」
山田「お前ら・・・。」
維澄「とにかく恵須実を捕まえて、あとは七美の出番か。」
佐久間「まだ波乱あるよ。」
問題は複数人のコードネームが出て来たこと。ひょっとして、サトリン電脳戦士のメンバーは以前にもっとたくさんいて、その複数人が目指す世界の違い、目的の違いから裏切った、とか?
盛大な予想。(大外れの可能性大)
“マリオネイター”⇒人を遠隔操作出来る。
“ポイズン”⇒毒を吐く。
“パニック”⇒パニックを増幅させる。
“ポリス”⇒警官になりすまし、ジャスティスぅー!と叫びながら警棒で襲いかかってくる。
数日間は自由を満喫した富良実さんでしたが、それで終わるはずがなかった。しつこ過ぎだよ…警察…。と、なぜか姉二人。どう考えても安全な場所にいるだろう卑劣なる者達もやって来ている…?これは何か嫌な予感がする。
ついにチンパンジー…じゃなくて真犯人、恵須実登場。エスだけにサディスティック。仲間(?)と思われていた守名実すらもあっさり切り捨てた。なぜ、鈍郎の能力を知っているのか。これでは鈍郎が裏切り者がいるという説を更に濃厚にしそう。つまり、過去に裏切り者はもう出ていたということ。その時に情報が色々漏れてた?
さて、どうにも縁のある弓戸愛真知子さん。現金な人ですね。まるで峰不二子。
そして永須さんの名言。
>「敵に情けをかける余裕が無えやつは、味方も愛せねえだべさ。」
岬で続く攻防。サスペンス劇場の終盤は大体岬の崖。ついに恵須実の奴、撃ちやがった…!だが、撃つということは撃たれてもいい奴ということ、と言わんばかりに反撃に成功した鈍郎さんが銃を構える!氷介さんとの連携もバッチリ。何だかんだでやっぱり仲いい(?)ように見えるこの二人。
鈍郎さんは自分の超能力以外にハッタリや小細工を使いながらの戦い。実は、鈍郎さんのこういう戦い方の方が強力な武器なのかもしれません。さあ、銃を構えた鈍郎さんはどうするのか!?
いずれ七美の過去も、じっくり書いていく予定です。しばらくはネタバレ防止の為に詳しくは書けませんが、ご期待ください。
十戦士以外のコードネームについては、なかなか鋭いところを突いてきますね・・・能力の内容は盛大に外れていますがwwwしかし微妙に掠っているあたりが、またwww
そう遠くないうちに明かしていきますが、核心部分は第二部のラストあたりになるでしょうか。
山田「殺人鬼ジャスティス・・・。」
佐久間「懐かしい。」
八武「悪い子だぁ。」
山田「そっちもいたな。」
執念深く追ってくる2人は、自分たちがエスパーだからという自信から、自ら出向いてきました。鈍郎の能力を知っているあたりも、黒幕の匂いがする恵須実ですが、果たしてどうなることか。
真知子は確かに不二子のイメージがある気がしますね。お色気枠で、ライダースーツですし。色々と割を食いながらも、したたかにしなやかに生き抜いています。
永須も過去を書きたい人物。本編では書けそうにないので、書くとすれば番外編になるでしょうか。過激になりがちな七美に対して、良き中和剤となってくれています。
八武「不二子ちゃ~ん、真知子ちゃ~ん!」
佐久間「お前も分身できるのか?」
山田「やめろ。死根也は1人で十分だ。」
佐久間「私も2人で十分だ。」
神邪「スクライド?」
維澄「ふたりの佐久間・・・ごくり。」
佐久間「何だ貴様。」
さて、第十話も終盤、岬の攻防戦を制するのは・・・?
私も鈍郎については同じことを思っています。超能力よりも、チマチマと策を弄するあたりが何気に強い。自分が弱いことを知っているので、仲間と連携することにも抵抗感は無く、ばっちり連携。