「サトリン」 第十一話 丸十字の選択 6

こうして今回の依頼は終了した。
(結局、私が何もしなくても解決してたようなもんかなー。)
けれど徒労に終わったという気分ではなかった。
些細なすれ違いが不幸をもたらすこともあるのだ。それを確実に回避した。
(それでいい。細かくても人助けだ。)
人助け。それこそがサトリン率いる電脳十戦士の使命。あらためて瑠璃子は原点を思い返した。
(私、何してたんだろう。仲間を疑うのが恐くて、人助けの原点まで忘れてるなんて。)
何だか怒りが湧いてきた。
それは彼女にとって勢いとなった。
(使うわ、使ってやる。)
(九古センセーは裏切者か?)
瑠璃子は頬に手を当てた。
疼いたのは×の痣。
(やった!)
その調子で瑠璃子は続ける。
(“ジャスミン”は裏切者か?)
(“アプリケイション”は裏切者か?)
(“アインストール”は裏切者か?)
(“ガーディアン”は裏切者か?)
いずれの問いにも、疼いたのは×の痣。
“正否聖痕”は、潔白を証明した。
「やった、やったよ!」
瑠璃子は思わず叫んでいた。
(みんな、裏切ってなんかいない!)
嬉しかった。とてつもなく嬉しかった。
同時に自分に腹が立った。こんなことなら、もっと早く確認しておけばよかったのにと、悔しいくらいだ。
(ざまあみろ! 何者かは知らないが、私たちの結束を揺らがせると思うなよ!)
走る。
走る。
みんなのところへ向かって、瑠璃子は走る。
(どんなに卑劣な罠だろうと、どんなに狡猾な企みだろうと、私の痣の赤いうちは絶対ぜーったい―――)
「みんなをバラバラになんかさせないんだから!」
息を切らした瑠璃子は、立ち止まって深呼吸し、瞳を吊り上げて笑った。
「やったよ、サトリン!」
景色の向こうに、“E”の字の入った帽子が見えた。



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この記事へのコメント

豆戦士
2015年03月11日 01:30
色々と遅くなりましたが、感想をば。


>宮崎サチ VS 獅子目言彦

知らないマンガのキャラクターかな? と思った自分を誰が責められようか。
読者にさえ覚えてもらえなくてようやく本物。

綺麗に終わっといて無粋なことを言うけど流石に言彦が弱すぎなような気がしなくもない。
しかし、めだボの作風的に強い言葉を言ったもん勝ちな所があるのでこれはこれでいいのかも。


>決闘倶楽部

相変わらずの無々たんにまた新たな可能性が。

自分だったら、クライマックスデュエルの山場は「モリンフェン様以外のカードを入れる」にするだろうか。あえてモリンフェン様以外のカードを入れることによってモリンフェン様の御力を最大限に引き出す的な。
「デッキ・エクストラデッキのカードを全て《モリンフェン》様で構成することによって」という条件が、デュエル開始時にそうなっていなくてもOKなのかどうなのか。

マイナスのライフポイント……新しい。いずれ虚数のライフポイントとか出かねない。
豆戦士
2015年03月11日 01:31
>アークV

まるで勢い衰えず!

ぽっと出て1話で主人公にやられる勝鬨さんですら、前話のラスト1分で視聴者に強烈なインパクトを与え、1ターンにアクションカードを使いまくるというアクションデュエルのタブーに触れ、トドメは「何?レベルを持たないならレベル0ではないのか!?」の名言。
前年の大会で魔導使いに負けてる様子なあたり(神判かー! 神判なのかー!)、エクシーズ対策をしてきたという裏設定を想定してるっぽいあたりも作りが細かい。

そしてまさか、その名言によって「家族とはデュエリストではないのか!」という名言の威力をブーストしてくるとはね……。冷静に考えるとかなり重い設定(幼い頃からずっと軍人に囲まれて純粋培養されたがゆえに家族というものを知らず、侵略行為を全肯定)なはずなのにね……。
スタッフ頭いかれてやがる(褒めてる)。


>Rで天馬“夜行”、ハピフラで滝沢“鉄”、決学3で“唯我独尊”、掲示板で“魔王”天神と、けっこう揃ってきたので、もしかして全部埋めれるんじゃね?・・・というノリで、割と初期の頃にキャラだけは出来ていました。

大分そろってきたな……(真顔)
まさかのハピフラまでもが。
豆戦士
2015年03月11日 01:31
>釣り師

彼の戦略は誰よりも真っ当。

「熱血! デュエル塾」によると、「アンティルールのデュエルによって獲得したペンデュラムカードの枚数を競う(拾っただけのカードは数えない)」ようだが、だからといって、ペンデュラムカードを集めることによって得られるアドバンテージは莫大だ。

1枚ずつカードを賭けて10勝したところで、20枚のカードを賭けて1勝すればお釣りがくるのだから。どうもデュエルを断ることもできるようなので、権ちゃんの提案なんて断られて当然である。

相手にペンデュラムカードを譲渡することも可能なことから、相手にも20枚渡したうえで20枚賭けデュエルをすればいいだけなのだから。このバトルロイヤルがたった1人の優勝者を決めるものでない以上、負けたところでリスクはほぼない。

ペンデュラムカードの獲得枚数だけを見るのであれば、100枚のカードを拾っていれば、相手と協力してお互いのスコアを+50ずつにすることが可能。
獲得枚数マイナス奪われた枚数を見るのであれば、そこまで露骨なことはできないが、まず20枚賭け、負けたら次の相手と40枚賭け……という例の増やし方をしていけば、そのうち1勝でもすればOKだ。

……まあ、ミッチーに戦わせている所を見るに、拾ったペンデュラムカードを譲渡できることに考えが至っていない可能性は高いのだが。
何にせよ、短期間であれだけのカードを集めた釣り師は、下手するとこの大会参加者の誰よりも強いすらあるのである。
豆戦士
2015年03月11日 01:32
>隔絶障壁

>冬藍櫂麻:LP7958661109946400884391936

うぐぐぐぐ……。なんだこれは。なんだこれは。

能力をチラ見せしてじらす手法、何度やられても溜まらないです。福地先生もサイケ2巻でやってたしな! さすが福地先生分かってる。個人的には1巻ラストページのあのオチはテンション上がりまくりです。(サンデーで読まずにコミックスで読むことを前提とした大仕掛けよね)

話がずれた。
というかなんかもう、ライフポイントをアホみたいな数値にできるデュエリストが出まくってるせいで、あまり驚かなくなっている自分がもう駄目だね!
だいたいアッキーさんが悪い。


>ワン・デュエル

意外っ! 特にイカサマとかトリックとかない普通のデュエル!
まあ、原作からしてカード出してるだけなので、準拠といえばその通りなのですが。

これだけシンプルなルールでも手に汗握る面白いデュエルが描けるということは、
普段やってるノーマルなデュエルとは何なのか考え出すとアレ。


>総括

アッキーさんが色んなエピソードを同時進行させて風呂敷を広げるだけ広げて全然たたまないせいで、いいかげん覚えきれなくなってきた感があるよ!(褒めてる)
一度出たデュエリスト能力を忘れてるとか、普通にあるんだろうなあ……。

それでは、またしても大変濃密な1~2週間を、ありがとうございました!
2015年03月11日 14:42
>豆戦士さん

これが焦らしプレイか・・・(違


◎卓球対決

何という存在感の薄さwwwww
8告目のラストにゾクッときたのは私だけかなぁ。サイゾーとか社ちゃんが濃すぎるのかもしれない・・・。

私も言彦を弱くしすぎたかなーと若干。綺麗に終わらせることを優先したせいですね。まあアレですよ、多分この言彦は“残響”なんですよ。(たった今考えた言い訳)


◎決闘倶楽部

今度の無々たんはタッグモリンフェン様だ!(キャッチコピー)
発動条件に「デュエル開始時に~」が無いので、「今、僕の手札とデッキは、全て《モリンフェン》様が鎮座あそばされておられる! 降臨なさいませ!」みたいな展開が出来る・・・かもしれない?
いちおう想定ではデッキの構築時点なのですが、挑戦状だったら拡大解釈できる!?

>虚数のライフポイント
ぎくっ
2015年03月11日 14:43
◎アークV

なるほど、そういう背景が・・・。勝鬨さんのアレはホント名言でございました。「レベルが無い」と「レベル0」は違うという、実に数学的なシーン。いつから彼がシリアスキャラだと思いこんでいたのだろうか。
マンガ版ゴドウィンの「アルティマヤ・ツィオルキンはレベルなど超越した存在!」にも若干吹いた私です。

そしてセレナさんのデュエル脳も素晴らしいですね。
あのとき私も「え、そんなに大勢の非デュエリストが!?」と一瞬でも思ってしまったあたり、かなり毒されている罠w
あれですね、遊戯王アニメの世界はデュエリストが人口の大半を占めていると、いつの間にか思い込んでいたみたいです。

>神器デュエリスト
こう書くと「血の刻印」みたい。
ホント福地センセーには足向けて寝られへんでー。


◎釣り師

カマセに見せかけて実は強いという、オイシイ展開来るか!?
敵味方ともに参加者以外のデュエリストを投入しており、ストーリーの軌道としては大会どころではなくなってきたので、ますます彼のチャンスが広がっている感じがある今日この頃。
主人公のレールがキナ臭い方面へ向かうほど、健全な領域で脇役が活躍する可能性が高まるっ!

詳細ルールどうなってるのかと思いましたが、賭け枚数に上限が無い以上、そういう戦略が出来るんですね。
思えばベスト16までは実力で勝ちあがってきたわけですし、短時間で大量にカードを集めたということは、カードのありそうな場所を察知する能力においてズバ抜けて優秀。
この人、ガチで戦っても強いんじゃないだろうか・・・?

キナ臭い方面にも色々と期待しながら(デニスお前・・?)、大会では釣り師の優勝に期待しています。
2015年03月11日 14:43
◎いつもの零組

数値インフレは「プロジェクトSP」で度肝を抜かれてから多用するようになったので、あっぷるぱいさんのせいですね。うん。(責任転嫁)
まあ、どれだけのライフがあってもファンカス蛇神カタパルトや波佐間くんの能力があるからパワーインフレは起こしてないはず(殴

カイマ君の能力は、やたら派手ですが、発動条件が(レベル4にしては)厳しいので、やられるときはアッサリとやられます。
特に旅人との相性は最悪で、隔絶障壁はカイマ君の能力の殆ど完全なメタになってしまっていますねー。

能力チラ見せの手法は、言われてみると福地センセーの影響を大きく受けているような。
Dr.ミュウトンの能力は、「うえきの法則」でも出てきたのに、判明までわからなかった・・。演出を変えることで、能力チラリズムの可能性は幾何級数的に膨れ上がる!


◎ワン・デュエル編

正攻法で構えられるのが最も厄介だとか、どこかで聞いたことがあるような無いような。ジョジョでもシンプルなスタンド使いが意外と強い法則。
そしてこのルール下だと波佐間くんの性能は鬼畜。

若干迷走しつつあったのが、ワン・デュエルを書いたことで、上手いことリフレッシュできました。
・・・ところで、ノーマルって何でしたっk(ry


◎総括

私も読者に覚えてもらっているかどうか心配だよ!(ぇ
でも反省はしない。くよくよしない。再登場するときに、きっちり説明を入れれば、それで良し!

もうすぐアークVも1周年ですが、それに合わせて決闘倶楽部も1クール目を締め括りたいと思います。
第十一話は、3月15日あたりに掲載予定!
2015年03月11日 22:27
火剣「依頼完了。一件落着か」
賢吾「人助けが使命なんて凄いやないか」
ゴリーレッド「陵辱蹂躙が使命のどっかのコングとは大違いだ」
火剣「コングも人助けしまくっているような気がするが」
ゴリーレッド「最初から助ければいい」
賢吾「人を助けているようで自分を助けているということもある」
火剣「深いな」
賢吾「昔、電灯がなかった時代。自分よりも人の足元を照らしてあげようと灯りを灯したが、自分の足元も明るくなった」
ゴリーレッド「あと、人のために何かをしている時の心の充実感というのは、自己中には味わえない歓喜だ」
賢吾「瑠璃子はついに能力を使ったか」
火剣「裏切者はいなかった」
賢吾「ジャスミンはリーフの言うことを聞かずにクリーンチュルナイをやらなかったが」
ゴリーレッド「そういう話はいい」
火剣「Eの字の入った帽子?」
賢吾「まだ終わらんのか。それが物語ゆうもんや」
ゴリーレッド「油断は禁物」
火剣「そういえば仲間割れを企んだ罠なのか?」
賢吾「この世界や。あり得んこともない」




2015年03月11日 23:54
>火剣さん
短いエピソードでしたが、「サトリン」らしい任務でした。人の為に頑張るときに、実力を発揮できる・・・そういうタイプは決して少なくないと思っています。
残すところはエピローグですが、油断は禁物?

佐久間「そうか、コングも最前線で戦う同志。」
山田「だいぶ違うんじゃないかな!?」
佐久間「方法論は違うが、あながち外れているわけでもない。電脳戦士の救済対象が、どういう人間なのか、考えたことはあるか? いわゆる“大勢”を救いたいなら、政治家や官僚にでもなればいいんだ。」
山田「ふむ・・・。」
佐久間「少数の犠牲やむなしって思考の奴は、世の中を動かすポジションへ行きたがるんだ。私も似たようなものだがな。・・・しかしサトリンは違う。少数派を救うところから世の中を変えようとしている。」
神邪「コングさんがアウトローなのは、そういうわけですか。」
維澄「確かに権力や地位とは最も遠い場所にいる。」
八武「私も院長という地位に胡坐をかかないようにしなければ。」
山田「何故かいい話になってきたな。」
佐久間「必然だ。」
2015年04月06日 14:51
勝った…!信じる者は救われる!裏切り者などいなかったのだ!情報漏洩も相手の超能力によるものだったに違いない!全ては疑心暗鬼、仲間達を瓦解させる罠だったのだ!

ツヲ「覚悟の勝利だ。瑠璃子ちゃん、よく頑張ったね。」
白龍「残る問題は一つだけ。瑠璃子さんのこの言葉を鈍郎さんが信じてくれるかどうか。」
ツヲ「瑠璃子ちゃんを疑うとか有り得ない。」(キリッ
2015年04月06日 22:08
>千花白龍さん
長らく苦しい状況にあった瑠璃子ですが、任務を経て強い心を取り戻し、一気に裏切者の是非を問いました!
たとえ鈍郎が信じてくれなくても、今の瑠璃子なら挫けることはないでしょう。信じてもらえないならば、信じてもらうまで頑張るまでのこと。

八武「うむ、美少女の言うことは正しい。」
山田「お前それで医者が務まるのか?」
八武「患者の言うことを信じるのは医者の資質だよ。」(キリッ
佐久間「患者は本当のことを言わないらしいが、真実を見抜く為には信じるところから始まるというわけだな。」
山田「そんな高尚なことを言ってるようには聞こえないんだが。」

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