侵略海獣烏賊娘 プロローグ
烏賊の眼には、虹彩と焦点調整可能なレンズ、それに人間と同じ程度に色やパターンを認識できる敏感な細胞を十分に持つ網膜などが備わっている。つまり、可視光線が支配する周波数範囲内の電磁気的情報の探知及び収集が可能な、高度に発達した感覚器官なのである。
しかし、その信じられないほど複雑な眼球から得られた莫大な量の情報を処理する脳は、あまりにも原始的過ぎるのだ。まるで高価な望遠レンズをダンボールの空き箱の上に載せてるようなものだと言っていい。
ただし、海洋を「観察すること」において、烏賊に勝るカメラ台は無い。敏捷にして迅速、神出鬼没、昼も夜もあらゆる深さに、あらゆる水温に、あらゆる海域のあらゆる部分にも何十億と存在する。
それでは・・・もしも烏賊が、優れた知能を持つようになったら?
- - - - - -
海の中の誰かが、ふと思った。
『人間の数が半分になったら、どれほどの海が汚されずに済むだろうか・・・・・・』
海の中の誰かが、ふと思った。
『人間の数が100分の1になったら、捨てられるゴミも100分の1になるだろうか・・・・・・』
誰かが、ふと思った。
『許すまじ、人類。私がその腐った地上を侵略してやるでゲソ・・・!』
- - - - - -
海中を漂う「それ」の大きさは人間の少女くらい------
その生態は不明--------
蛇のように蠢く10本の触手が殆ど音を立てずに動き、鋼の如く絞り込まれた躰を前進させる。
「へ、へっへっ。待つでゲソ~。」
人間とは似て非なる表情をした捕食者は、哀れな獲物めがけて狙いを定める。その速さ、力、間合いは、並の生物の到底及ぶところではなく、好物の海老を確実に捕らえ、絶対に逃がさない。
「ぱふぁ。」
人間の少女に似た可愛らしい口が開き、獲物の肉体に齧り付く。
ガシュッと音がして海老の躯は潰れ、体液が海中へ飛び散っていく。
至福の表情を浮かべた怪物は、しばしの間、両の腕(かいな)で腹を押さえて満腹という名の幸福を享受した。
しかし、その信じられないほど複雑な眼球から得られた莫大な量の情報を処理する脳は、あまりにも原始的過ぎるのだ。まるで高価な望遠レンズをダンボールの空き箱の上に載せてるようなものだと言っていい。
ただし、海洋を「観察すること」において、烏賊に勝るカメラ台は無い。敏捷にして迅速、神出鬼没、昼も夜もあらゆる深さに、あらゆる水温に、あらゆる海域のあらゆる部分にも何十億と存在する。
それでは・・・もしも烏賊が、優れた知能を持つようになったら?
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海の中の誰かが、ふと思った。
『人間の数が半分になったら、どれほどの海が汚されずに済むだろうか・・・・・・』
海の中の誰かが、ふと思った。
『人間の数が100分の1になったら、捨てられるゴミも100分の1になるだろうか・・・・・・』
誰かが、ふと思った。
『許すまじ、人類。私がその腐った地上を侵略してやるでゲソ・・・!』
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海中を漂う「それ」の大きさは人間の少女くらい------
その生態は不明--------
蛇のように蠢く10本の触手が殆ど音を立てずに動き、鋼の如く絞り込まれた躰を前進させる。
「へ、へっへっ。待つでゲソ~。」
人間とは似て非なる表情をした捕食者は、哀れな獲物めがけて狙いを定める。その速さ、力、間合いは、並の生物の到底及ぶところではなく、好物の海老を確実に捕らえ、絶対に逃がさない。
「ぱふぁ。」
人間の少女に似た可愛らしい口が開き、獲物の肉体に齧り付く。
ガシュッと音がして海老の躯は潰れ、体液が海中へ飛び散っていく。
至福の表情を浮かべた怪物は、しばしの間、両の腕(かいな)で腹を押さえて満腹という名の幸福を享受した。

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