「サトリン」 第十四話 白羽の矢 4
「イヴィルさん。いつの間に、そこまで実体化できるようになったんですか?」
別の意味で驚きだというように、男は肩を竦めた。
「もちろん君の知らぬ間に。なんちて。」
イヴィルはニッと笑って帽子を取った。
闇が溢れ出るように毀(こぼ)れた黒髪が、華奢な肩と背中に流れる。
「とはいえ、そこまでといっても大してそこまでじゃないんだな、これが。動けるのは8分ってトコロテン。なーんでん、かーんでん、ところてーん。」
「8分も動ければ無敵ではないですか。」
「あれ、今のギャグつまんなかった? ウケない?」
「・・・・・・。」
「バトラーも笑わなかったし、いつもは愉快なアイシーも何か苦笑いしてたし、何だかな~。自信あったのにな~。」
「・・・・・・。」
「ヴァイラスまで笑ってくれないなんて、自分のギャグセンスの無さにヘドが出そうだよ。」
「イヴィルさんの頭の中では、僕は箸が転がっても笑い転げる年頃なんですか?」
「る・ら・ら・ら~、そのくらいの年頃から、君には目をつけていたけどね?」
イヴィルの雰囲気が闇を帯びる。
「・・・・・・。」
絶句しつつも、今度は呆れではない。寒気だ。ヴァイラスは恐怖さえ感じていた。
しかし読めないイヴィル。読めないのがイヴィル。すぐに呑気な調子に戻る。
「あ♪ん♪んあっん~、ひょっとしてショタコンって思ってる? それは当ったりィ。でも私は今の君の方が好きだけどね。大好きだけどね。」
「光栄です。」
「る・ら・ら・ら~、両想いだ~。」
「制限時間。」
「る?」
「8分など、あっという間ですよ。何か用事があるのではないですか?」
「あ~、忘れてた。あ~っと驚く超バニラ。」
「・・・・・・。」
ヴァイラスは、この日最大のジト目でイヴィルを見つめた。
「ん♪ん♪んあっん~、もしかして怒ってたりする? めんご、めんご。許してチョンマゲ。」
「怒ってないですから、用件をどうぞ。」
「る~、でもホントは怒ってるんでしょ?」
「・・・多少は。」
「やっぱりね。私は何でもお見通しなんだよ。探偵ガールなのさ。」
「・・・・・・。」
ヴァイラスは頭が痛くなってきた。
「それで本題なんだけど、邪戦士が5人も負けたの知ってる?」
「もちろんです。四、六、八、九、十が・・」
言いかけてヴァイラスはハッとした。
「すいません。イヴィルさんが僕のところへ来た時点で、何の用件か気付くべきでした。」
ヴァイラスの顔が、楽しげな笑顔で歪む。
「る・ら・ら・ら~、だからこそ今まで来なかったんだけどね。放っておいて、ごめーんね。」
イヴィルは舌先を出してウインクする。
「でも、"ガーディアン”には気をつけてね? 8年前に”アインストール”の方は再起不能になるまで痛めつけてやったけど、"ガーディアン”は6割くらいまで回復してるみたいだから。」
「イヴィルさんは、僕が6割の病み上がりごときに負けるとでも?」
ヴァイラスの顔が、今度は怒りと憎悪で歪んだ。
「ん♪ん♪んあっん~、その表情が欲しかった。濡れるね、抱かれたいね。それじゃあ頼んだよ、イヴィル・ヴァイラス。」
邪悪で妖艶な笑みを浮かべながら、イヴィルは姿を消した。
別の意味で驚きだというように、男は肩を竦めた。
「もちろん君の知らぬ間に。なんちて。」
イヴィルはニッと笑って帽子を取った。
闇が溢れ出るように毀(こぼ)れた黒髪が、華奢な肩と背中に流れる。
「とはいえ、そこまでといっても大してそこまでじゃないんだな、これが。動けるのは8分ってトコロテン。なーんでん、かーんでん、ところてーん。」
「8分も動ければ無敵ではないですか。」
「あれ、今のギャグつまんなかった? ウケない?」
「・・・・・・。」
「バトラーも笑わなかったし、いつもは愉快なアイシーも何か苦笑いしてたし、何だかな~。自信あったのにな~。」
「・・・・・・。」
「ヴァイラスまで笑ってくれないなんて、自分のギャグセンスの無さにヘドが出そうだよ。」
「イヴィルさんの頭の中では、僕は箸が転がっても笑い転げる年頃なんですか?」
「る・ら・ら・ら~、そのくらいの年頃から、君には目をつけていたけどね?」
イヴィルの雰囲気が闇を帯びる。
「・・・・・・。」
絶句しつつも、今度は呆れではない。寒気だ。ヴァイラスは恐怖さえ感じていた。
しかし読めないイヴィル。読めないのがイヴィル。すぐに呑気な調子に戻る。
「あ♪ん♪んあっん~、ひょっとしてショタコンって思ってる? それは当ったりィ。でも私は今の君の方が好きだけどね。大好きだけどね。」
「光栄です。」
「る・ら・ら・ら~、両想いだ~。」
「制限時間。」
「る?」
「8分など、あっという間ですよ。何か用事があるのではないですか?」
「あ~、忘れてた。あ~っと驚く超バニラ。」
「・・・・・・。」
ヴァイラスは、この日最大のジト目でイヴィルを見つめた。
「ん♪ん♪んあっん~、もしかして怒ってたりする? めんご、めんご。許してチョンマゲ。」
「怒ってないですから、用件をどうぞ。」
「る~、でもホントは怒ってるんでしょ?」
「・・・多少は。」
「やっぱりね。私は何でもお見通しなんだよ。探偵ガールなのさ。」
「・・・・・・。」
ヴァイラスは頭が痛くなってきた。
「それで本題なんだけど、邪戦士が5人も負けたの知ってる?」
「もちろんです。四、六、八、九、十が・・」
言いかけてヴァイラスはハッとした。
「すいません。イヴィルさんが僕のところへ来た時点で、何の用件か気付くべきでした。」
ヴァイラスの顔が、楽しげな笑顔で歪む。
「る・ら・ら・ら~、だからこそ今まで来なかったんだけどね。放っておいて、ごめーんね。」
イヴィルは舌先を出してウインクする。
「でも、"ガーディアン”には気をつけてね? 8年前に”アインストール”の方は再起不能になるまで痛めつけてやったけど、"ガーディアン”は6割くらいまで回復してるみたいだから。」
「イヴィルさんは、僕が6割の病み上がりごときに負けるとでも?」
ヴァイラスの顔が、今度は怒りと憎悪で歪んだ。
「ん♪ん♪んあっん~、その表情が欲しかった。濡れるね、抱かれたいね。それじゃあ頼んだよ、イヴィル・ヴァイラス。」
邪悪で妖艶な笑みを浮かべながら、イヴィルは姿を消した。

この記事へのコメント
コング「実体化? 前はできなかったのか」
ゴリーレッド「ヴァイラスとはどっちだ?」
コング「和真に決まっておろう。やはり愚鈍は世を欺く仮の姿だ」
火剣「イヴィルはギャグセンスがないのか?」
コング「8分ってトコロテンは笑ってもいいと思うが」
火剣「あ~っと驚く超バニラは意味がわからない」
コング「めんごはウケてもいい」
ゴリーレッド「ガーディアンか」
火剣「ヴァイラスは相当強いのか」
ゴリーレッド「自信があるんだな」
コング「和真は役者か。自信のある男が自信なさげな男を演じるのは難しい。醸し出すオーラは演技では隠せないからな」
ゴリーレッド「ではやはり才場か」
火剣「そうなるか」
コング「理事長説が完全に消えたわけではない」
火剣「佐久間んの話だと瑠璃子が出る」
コング「瑠璃子が校庭プレイされるところを全国2300万人のヒロピンファンが待望している」
ゴリーレッド「口に大砲を撃ってほしいと?」
コング「言ってません」
第十二話で暴れたイヴィルですが、早くも再登場です。相変わらず独り別次元のテンションですが、死語使いでしょうか? 超バニラも古いCMのネタだったりします。
佐久間「ああ、所ジョージか。」
山田「わかりにくい! イヴィルはお前の親戚じゃないだろうな?」
八武「佐久間の親戚には変な人が多いからねぃ。」
維澄「第十一話の頃は、実体化できるようになったばかりなの?」
佐久間「もう少し前から出来る。この年の1月からだ。」
山田「3人のうち誰なのか。やはり才場が怪しいが。」
八武「いやいや、八谷和真だ。」
神邪「一人称は才場さんと一致しているようですが。」
八武「うーむ、瑠璃子が皇帝プレイか・・・。」
山田「おい、字が違うぞ。」
佐久間「何だい、暴力皇帝。」
山田「暴力の期待に応えてやろうか?」
維澄「嵐の前の静けさ。暴風雨は確実に来る。」