「サトリン」 第十四話 白羽の矢 33
学校の外では、大西警部と小森巡査が驚いた顔で上空を眺めていた。
「い、今のは・・・」
「まさか・・・」
その2人の背後から、男の声がした。
「第四の邪戦士“イヴィル・アタッカー”ですよ。僕が牢から出しました。」
おそらく40代半ば・・・スラッとした中年の男が立っていた。
夏だというのにコートを着ているが、それより驚くべき点が幾つもある。
「何者だ。」
「僕が何者か、あなたは知ってるはずですよ、大西さん・・・それとも戦士名の方で呼びましょうか?」
「まさか君は、ヴァイラスか!?」
「“ガーディアン”です。」
「・・・っ!」
大西の顔に焦りの色が浮かぶ。
「心配しないでください。あなたのことは敵だとは思っていません。二重の意味で。」
「・・・なるほど。ホログラムか。」
よく見れば、男には影がなかった。立体映像相手では、戦いにならないし、戦っても負けるだろう。
「しかし、わからんな。目の前にいる敵を、ふん、たとえ話にならない相手だとしても、見逃すとはな。」
「うちの姫君の方針ですから。僕としても、邪戦士というだけで十把ひとからげに敵と見なしているわけではありません。その点は“アインストール”とは意見を異にしていますが。」
「ふん、命拾いしたというわけか。」
「け、警部。」
「命はともかく、見逃したつもりはありませんよ。いや、僕も含めて、“奴”は誰も見逃しやしない。わかっているのでしょう?」
「どんぐりの背比べか。ふん、確かに“奴”は底知れん。」
「そうです。ヴァイラスも所詮はB級に過ぎませんし、A級戦力のアイシーやバトラーですら、“奴”にとっては海辺で遊んでいるようなものです。」
「パチャパチャパチャパチャ水遊びか・・・。ふん、低い次元で敵とか味方とか言ってる場合ではないな。それが“イヴィル・アタッカー”を出した理由か。」
「け、い、ぶ!!」
耐えかねた小森が叫んだ。
「すまない、小森くん。後で順序だてて話す。とりあえず今は、“イヴィル・アタッカー”は味方だ。」
「し、司法取引でもしたんですか!?」
「それに近い。問題は、彼の実力で、パワーアップした邪戦士に対抗できるかどうかだが・・・。」
阪口の開けた穴を見るが、内容の読み取れる距離ではない。
「んんっん~♪ 心配しなくても大丈夫。この学校には凄い奴がいるから。」
“ガーディアン”の側に、いつの間にか少女が立っていた。やはりホログラムだ。
ボーイッシュな服装だが、隠しきれない女の曲線。綺麗なEの字が入った帽子を目深に被り、彼女は期待と希望を唇に浮かべる。
「姫様! 負荷の方は・・」
「の・の・の・の~、容量が増えたから8分は万事OKだよ。それは向こうも同じことだけどね。」
帽子の下の眼が、険しく光った。
つづく
「い、今のは・・・」
「まさか・・・」
その2人の背後から、男の声がした。
「第四の邪戦士“イヴィル・アタッカー”ですよ。僕が牢から出しました。」
おそらく40代半ば・・・スラッとした中年の男が立っていた。
夏だというのにコートを着ているが、それより驚くべき点が幾つもある。
「何者だ。」
「僕が何者か、あなたは知ってるはずですよ、大西さん・・・それとも戦士名の方で呼びましょうか?」
「まさか君は、ヴァイラスか!?」
「“ガーディアン”です。」
「・・・っ!」
大西の顔に焦りの色が浮かぶ。
「心配しないでください。あなたのことは敵だとは思っていません。二重の意味で。」
「・・・なるほど。ホログラムか。」
よく見れば、男には影がなかった。立体映像相手では、戦いにならないし、戦っても負けるだろう。
「しかし、わからんな。目の前にいる敵を、ふん、たとえ話にならない相手だとしても、見逃すとはな。」
「うちの姫君の方針ですから。僕としても、邪戦士というだけで十把ひとからげに敵と見なしているわけではありません。その点は“アインストール”とは意見を異にしていますが。」
「ふん、命拾いしたというわけか。」
「け、警部。」
「命はともかく、見逃したつもりはありませんよ。いや、僕も含めて、“奴”は誰も見逃しやしない。わかっているのでしょう?」
「どんぐりの背比べか。ふん、確かに“奴”は底知れん。」
「そうです。ヴァイラスも所詮はB級に過ぎませんし、A級戦力のアイシーやバトラーですら、“奴”にとっては海辺で遊んでいるようなものです。」
「パチャパチャパチャパチャ水遊びか・・・。ふん、低い次元で敵とか味方とか言ってる場合ではないな。それが“イヴィル・アタッカー”を出した理由か。」
「け、い、ぶ!!」
耐えかねた小森が叫んだ。
「すまない、小森くん。後で順序だてて話す。とりあえず今は、“イヴィル・アタッカー”は味方だ。」
「し、司法取引でもしたんですか!?」
「それに近い。問題は、彼の実力で、パワーアップした邪戦士に対抗できるかどうかだが・・・。」
阪口の開けた穴を見るが、内容の読み取れる距離ではない。
「んんっん~♪ 心配しなくても大丈夫。この学校には凄い奴がいるから。」
“ガーディアン”の側に、いつの間にか少女が立っていた。やはりホログラムだ。
ボーイッシュな服装だが、隠しきれない女の曲線。綺麗なEの字が入った帽子を目深に被り、彼女は期待と希望を唇に浮かべる。
「姫様! 負荷の方は・・」
「の・の・の・の~、容量が増えたから8分は万事OKだよ。それは向こうも同じことだけどね。」
帽子の下の眼が、険しく光った。
つづく

この記事へのコメント
ゴリーレッド「ホログラムか」
コング「うちの姫君?」
火剣「奴とは誰だ?」
ゴリーレッド「誰も見逃しやしないか」
コング「少女?」
ゴリーレッド「Eの字の帽子ということは」
火剣「の・の・の・の~ということは」
コング「瑠璃子を素っ裸にした」
ゴリーレッド「それはイヴィルではないか」
コング「サトリン?」
火剣「普通の人間はホログラムで登場できねえ。スターウォーズじゃないんだから」
コング「ボーイッシュでも隠しきれない女の曲線。ぐひひひ、やっぱり女子はいい! 女の子なしでは生きていけなーい!」
火剣「女が、男なしでは生きていけないというのと、ちょっとニュアンスは違うが」
ゴリーレッド「あとはヴァイラスか」
コング「役者が揃ったが邪戦士軍団は大丈夫か。凜は今半裸なのか、全裸なのか」
火剣「激しくなってくるな」
コング「全裸の凜を盾にすれば根が優しいイヴィル・アタッカーは躊躇する。その一瞬の隙を狙って倒し、邪魔が入る前に凜を♪後ろから前から~どうぞ~、後ろから前から~d」
ゴリーレッド「ドロップキック!」
コング「NO!」
物凄く久々の登場です、主人公サトリン。・・・主人公?
しばらくイヴィルが猛威を振るっていたので、めっきり影が薄くなっていましたが、ようやく登場。彼女が実体として出てくることはあるのでしょうか?
佐久間「主人公って誰だっけ。」
山田「サトリンは語り部っぽい。」
佐久間「語り部ではないんだが。」
八武「ヒロインがいれば、それでいい。もとい、ヒロインがいなければ生きる気力が湧かない!」
維澄「Eでドキッとしたけど、綺麗な文字で安心した。」
神邪「久々に綺麗なEを見た気がしますね。」
佐久間「いやまったく、本当に久々だよ。タイトル『電脳戦士』で良かったんじゃないか?」
山田「ポリゴンかっ!」
神邪「綺麗と言えば、動画の女スパイの腋が綺麗だと思ったものです。」
八武「くすぐってみたい腋。」
山田「君たち。」
八武「そうか、テンタクルは凜の腋を攻めるべきなんだ!」
山田「よし、死根也は殴る。」
八武「何故!?」
佐久間「しかしコングは冴えている。」
山田「まさか阪口が倒されるのか?」
八武「うひひ、テンタクルの勝利だ!」
山田「いつもの心理誘導だろ?」
佐久間「それはどうかな。」