「サトリン」 番外編 秋の空 6

七美と鈍郎が、再び育生と会ったのは、病院の集中治療室だった。
そこには瑠璃子も来ていて、すがりついて泣いていた。
「お父さん・・・お父さん・・・!」
事件は、2人が帰った直後に起こったらしかった。
如月は真っ二つにされて殺され、育生は窒息して昏睡状態。今も意識は戻らない。
医者からは、男性器が原形を留めないほどに潰されていたと説明された。

「隆子さん、じゃないですよね?」
「ええ。十島隆子のアリバイは確認しているし、何より彼女に、ここまでのことが出来るとは思えないかしら。」
病室に瑠璃子を残して、七美と鈍郎は別室で意見を出していた。
「十島育生も重力使い。たとえパワーアップした隆子が相手でも、引けを取らない戦いが出来るはず。だからこそ、わたしは鈍郎と一緒に行くことにしたのよ。あんな男に襲われたくはないから。」
「心理的にはともかく、物理的に無理ということですか。」
「殺害自体は可能でも、人間を真っ二つにするようなことは無理ね。検死の結果、生体から切断されたとのこと。」
「エスパーの仕業、それも邪戦士の仕業と考えるのが妥当ですか。」
「そうね・・・。だけど、あんな真似が出来るとしたら――」
七美は口をつぐんだ。
その目には、はっきりと怯えの色が浮かんでいた。

空模様は崩れ、遠くで雷が鳴っていた。
台風の接近で、鈍郎の偏頭痛もキリキリと酷さを増していた。





   秋の空   了

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2015年09月21日 16:36
火剣「ダメだったか」
コング「むごいい・・・」
ゴリーレッド「コングはみんなに生姜焼きをゴチ」
コング「そんな賭けはしていない」
火剣「瑠璃子は育生を父として慕っているのか」
ゴリーレッド「真っ二つ。残酷過ぎる。どうしてそんなことができるのか」
コング「あんな男に襲われたくはないから。このセリフから想像の翼を果てしなく広げるのは私だけではあるまい。♪このおーぞらにー翼をひろげー飛んでーゆきたーいーよー」
ゴリーレッド「よし、木星まで飛ばしてあげよう」
コング「やめろ鬼畜」
火剣「それにしても残忍だな。Sの域を超えている」
コング「夜月実も言葉では股を切り刻むと脅しながらナイフでペタペタ股を叩くが、その場所をホントにやっちゃうのはちょっと」
ゴリーレッド「七美が怯えた表情になるのだからよほどだ」
火剣「育生のレイプを心配するあたり乙女の部分を見る」
コング「育生にそこまで嫌悪を感じるなら、七美が磔にされているところに育生登場というシチュもエキサイティング」
ゴリーレッド「木星行きの準備は済んだか?」
コング「暴力皇帝はこうして言論の自由を暴力で威圧するのです。よって別名を違憲トリオ」
火剣「了か。イヴィルを含めてあの3人は無敵か」


2015年09月21日 22:36
>火剣さん
むごたらしい結果になりました。風雲急を告げる、嵐の訪れ。
次なる第十五話は、11月から開始する予定です。更なる暴風が吹き荒れることに・・・!

山田「生きていたか。だが・・」
八武「うむむ、これは痛々しい。何とか元通りにしてみせよう。」
山田「死根也が真面目なことを言ってる?」
佐久間「Sの血が引いて医者の血に目覚めているか。」
神邪「しかし瑠璃子さんの態度は僕も意外でした。」
維澄「母親からの虐待で、相対的に父親を美化した、かな・・?」
佐久間「まあ、表向きには。」
山田「七美からすれば育生も警戒すべき相手だが、邪戦士トップスリーは桁が違うな。実力だけでなく、残酷さも。」
佐久間「育生に対する警戒は、一般的な意味の域を出ない。七美は男たちの慰み者にされていた過去があるから、それが強く出ているだけでな・・。」
維澄「しかし邪戦士に対しては、鈍郎を襲ったときの狂乱ぶりを考えれば、感情レベルの違いがよくわかるね。」
八武「ちなみに、育生が狙われた理由は?」
佐久間「無差別ではないと言っておこうか。」

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