「サトリン」 番外編 折れた十字架 5

自分の役割を理解していても、羨ましいと思う気持ちは消せないものなのだろうか。

《いくら零一くんの手助けがあったとはいえ、いきなり能力覚醒するなんて、凄いんだ。七美ちゃんの見る目は確かだね~、よ、見る目のある女!》
「光栄です、サトリン様。・・・ですが、もう少し早ければと思わずにはいられないかしら?」
《・・・そうだね。ぐすっ・・・―――ねえ、どうして世界は、優しいだけじゃいられないんだろうね?》
「姫様、今は。」
《うん・・・わかってる。被害者への補償と、補助を。》
ズキリと胸が痛んだ。オレのしでかしたことの、尻拭いをしてくれているんだ。
満足に独り立ちも出来ない青二才。どうしようもなく恥ずかしい。
こんなオレなんかが、七美に釣り合うはずはない。
「変なことは考えるなよ、永須くん。今は俺たちに任せてくれ。永須くんが出たら、被害者感情を逆撫でしてしまう。」
「う・・・はい・・・。」
桐札さんの言う通りだった。オレに出来ることは何も無い。
「その分だけ、他で人助けをしてくれればいい。」
「・・・はい。」
涙が出そうだった。桐札さんの優しさは、オレを勇気づけてくれた。
なのにオレは、そんな彼に嫉妬している。最低だ。
“正否聖痕”(スティグマータ)で目にした未来は、オレを少なからず動揺させていた。
その動揺を出さないように頑張るのが、せめてもの努力だった。

「ねえ、零一。明日は空いてるかしら?」
「七美より優先する都合なんて無い。」

熱っぽく尋ねる七美と、照れながら答える桐札さんを見れば、2人の関係は一目瞭然だった。
七美は綺麗で、桐札さんは出来る男だ。お似合いの2人・・・なのに、つらい。心が苦しい。
これもオレに対する罰なのか。生きて苦しめとは、こういうことか。胸が焼けるようだ。苦しい。




つづく

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2016年04月11日 17:13
火剣「羨ましいという感情はあまり抱かないことにしている」
コング「うらめしやー」
ゴリーレッド「この頃の七美は素直だった?」
コング「見る目のある女。見た目もいい女。七村七美23歳。脱げー!」
ゴリーレッド「延髄斬り!」
コング「NO!」
火剣「光栄です、サトリン様か」
ゴリーレッド「償いは人助け。反省後悔しているならその分たくさんの人助けか」
コング「♪愛をーつぐなーえばー」
ゴリーレッド「歌わなくていい」
コング「どうして世界はやらしいだけじゃいられないんだろう」
火剣「優しいだけの世界ならば、みんな善良な市民になっちまうな。赤ちゃんの時から悪人はなかなかいない」
コング「永須の七美を思う心は本物と見た。サトリンのような美少女が現れても七美一筋」
火剣「七美と零一はそういう関係なのか。これはジェラシーが湧くのが当たり前だ。嫉妬心は良くないと言うが、好きな度合いとジェラシーの度合いは比例していると思う」
コング「嫉妬が湧かないというのはそんなに好きじゃないんだ。そんなセリフをどこかで読んだ記憶がある」
ゴリーレッド「人間には感情があるから理屈だけでは計れない」
火剣「図る、計る、測る、量る。毎回どの漢字が正しいか悩む」
コング「はるか、遙香、遥香、春花、晴香、春香。誰を犯そうか悩む」
ゴリーレッド「ハイキック!」
コング「があああ!」
火剣「ジェラシーパワーをいい方向に向けたら凄いエネルギーになるんだが」
2016年04月11日 21:11
>火剣さん
子供の頃から、羨む気持ちや嫉妬心は、自己鍛錬に活かそうという心がけをしています。しかしそのせいか、イマイチ恋心が湧かなくなってしまった私です。
そんなわけで、嫉妬に身を焦がす人が羨ましくもあり・・・あれ、堂々巡りになっているような。

佐久間「羨む気持ちを消去することは不可能だが、方向を変えることは出来る。」
山田「羨ましいと思うのではなく、自分を磨こうと思うわけか。」
八武「七村七美23歳!」
山田「・・・エロペンギンの罪は重い。」
八武「罪ではない、功績だ。」
維澄「世界は残酷。いつから“悪”や“罪”というものが生まれたのかは興味深いね。」
神邪「ひとりひとりの力は小さくても、集まれば暴虐になる。そのことを学校で学びました。」
佐久間「『個人の力は微力だが~』という、お決まりのフレーズの、正しい使い方。」
山田「ひとりひとりが強くあらねばならないよな。永須も自分の中の弱さに負けてしまったが、強くなれる素質がある。」
佐久間「一途だしな。」
八武「男だねぃ。」
山田「そう思うなら死根也も妻一筋で行こう。」
八武「私は最低男なので、これからも浮気するよ。」
山田「本当に最低だ!」
八武「妻が嫉妬で暴力を振るってくると、ああ私は愛されてるんだと実感できて感動。」
維澄「相変わらず歪んでるけど、わからないでもない・・。」
八武「ほう。」
佐久間「“はかる”は確かに悩む。平仮名で書くこともある。」
神邪「こんなに漢字が多いのは何故なんですか?」
八武「似たような意味なのだよ。美女であれば誰を犯そうか迷うように。」
山田「蛇足やめい。」
八武「大切なことだ。」

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