「NEKTAR」 十九、神酒

ニューヨークのアンティローグ本神殿には、七罪巫女が4人と“再生”のパラメッタ、それと下位巫女15人。
この20名が、現在生き残っている巫女の総員であり、今までに16人が死んでいる計算になる。
そこへしばらくぶりにクリエ・ソゥルが現れた。若々しく逞しい体に、白く輝く法衣。堂々の帰還である。
「「クリエ様!」」
「「クリエ様ぁ!」」
「ただいま、諸君。」
クリエは巫女たちを引き連れて、神殿の奥へ向かった。
そこで彼は一糸纏わぬ姿になり、堂々と直立の姿勢を取った。
サイコキネシスによる肉体強化で限界まで絞り込まれた筋肉は、決して自己主張が激しくなく、それでいて確かな存在感を放っている。逆立つ黒髪は瑞々しい精気に満ち溢れており、野生的な男臭さを漂わせている。
顔つきは端整であるというだけでなく、人を魅了してやまない輝きを放っている。
怒張してそそり立つ男の逸物は、禍々しくも美しい芸術品のようであった。
クリエはサイコキネシスで20人を一斉に愛撫し始めた。
「あアん・・・やあ・・・」
「・・・いい・・・いいわあ・・・!」
「ひゃっ、そこ・・・感じるの・・」
「あっ・・・ダメ・・・!」
「ひァ・・・もう、イっちゃうのー!」
「・・はァん・・・ソコは嫌あ、ああっ!」
「・・・ハアッ・・・イイッ・・・」
「あンっ、ハァむっ・・・!」
「・・・感じっ・・・すぎてっ・・・もう・・・!」
悦び悶える女たちの中から、クリエは1人ずつ接していく。
サイコキネシスで女の体を宙に浮かせて引き寄せ、そそり立つ逸物に着地させる。
奥まで挿し込んだで体を固定したら、嵐のような激しさで上下に左右に揺さぶっていく。
サイコキネシスで全身の性感を同時に刺激し、テレパシーで快楽を共有する。
女の顔は恍惚と苦痛の狭間を巡り、わずかな時間で何度も絶頂に達する。
1人が気絶すると、クリエは次の巫女を相手する。それを繰り返して19人までが邪淫の夢に沈んだ。
そして最後の20人目は、“再生”のパラメッタ。
「ひあっ! ひあっ! ひああっ! ひぎいいっ! イグううう~!」
雨のように汗と涙を流し、愛液を噴き出し続けるパラメッタ。
テレパシーの応用で、強制的に覚醒状態にあり、何度気をやっても気絶せずに絶頂し続ける。
膨大な無意識の領域で、色欲一色に染まった19人とリンクしているのだ。全身の感覚は爆発し続ける炎熱の光球のようであり、苦痛と快楽は同じものであり、地獄と極楽が同時に降りてきた。
クリエはパラメッタ1人に何度も精を放出し、その度に神殿全体が大きく揺れ動いた。
精神が体感する衝撃は、マグニチュード9の大地震クラス。並の人間なら一瞬で崩壊してしまう。
この凄まじい交合は実に3時間にもわたって続けられた。


- - - - - -


国連の常任理事国のうちイギリスが、ニューヨークに向けて爆撃機を発進させていた。
それまでにも幾つかの国家が、国連本部を奪還すべく軍を送っていたが、ことごとく壊滅させられていた。
イギリスがそれらの国と違ったのは、国家そのものが大規模な超能力者の組織を保有しているということだ。
その組織“スペシャルタスクフォース”は19世紀末から存在し、超能力に関する研究が盛んである。
研究の成果として、サイコバリアーを擬似的に再現した「RBフィールド」、テレパシー衝撃波を擬似的に再現した「マズルノーザー」、超能力を弱める「ESPリミッター」を所持している。
アンティローグ神殿へ向けて発進した20機の爆撃機には、それら全てが備え付けられてある。
1つのESPリミッターがB級を完全封殺できる出力なので、20機合わせれば巫女20人のサイコバリアーを突破できるという計算だ。
《何だ・・・神殿が揺れている・・・?》
若いパイロットがそれを目視したとき、突然爆撃機のうち3機が粉々になった。
《!?》
それを皮切りに、神殿が震えるたびに爆撃機は何機ずつか粉々になり、ミサイルもナパーム弾も粉砕された。
20機は何もかも粉砕され、30秒も経たないうちに全滅した。
アンティローグ第一位クリエ・ソゥルの力を、まざまざと見せ付けられる結果に終わった。


- - - - - -


クレアは千里眼でニューヨークの様子を見ていた。
「力の差がありすぎるのだ、馬鹿め。」
毎度のことだが、各国の政府首脳はエスパーの力を見くびりすぎている。
今回も余計なことをするなと列強に忠告しておいたにもかかわらず、それに従った国家は、ほぼ皆無だった。
「はあ・・・。みんなニューヨーク奪還ではなく“神酒”を狙っているからな。」
国連本部を奪還するというのなら、アルカディアに任せておけばいい。無駄に兵力を使うのは得策ではない。
しかしアルカディアに任せておけば、“神酒”は回収されてしまう・・・。
「アンティローグの所持する“神酒”も残り少ない。どこの政府も焦ってんだ。苦しんでる人民を放ったらかしにしておいて、数ccの液体を手に入れる為に何人も無駄死にされるとは、何の為の政府だ?」
溜息をつくクレアだったが、ひと呼吸してから表情を作って向き直った。
「ジョナル、そろそろ回復しただろう。2発目いくぞ。」
「はい。」
白組と黒組の8人が、再び集合した。
「次の目標は“休息”のレスト・プロミネだ。」
そう告げながらクレアは、千里眼でレストの位置を捕捉した。

しかしそのとき、予期せぬ10人目の声が聞こえてきた。
「そんなことされちゃあ困るなあ。」
「「「!?」」」
「誰!?」
そこに立っていたのは1人の青年。幼い顔立ちと華奢な体つきで、少年にも見える。
春なのに夏のような露出の多い格好をしている。バスケットボールのユニフォームのような紫色のシャツに、薄いピンク色の短パン。靴下も履いてない裸の足は、地面から数センチ浮いている。
「クックック、お初にお目にかかる。僕は“リバース”(7)のティム。クレアは僕のことは知ってるよね。会うのは初めてでもないし、忘れてないよね?」
「忘れるものかよ。」
クレアは濁った目でティムを睨んだ。
「ハハハハ、睨まれたって全然恐くなーい。」
「どうやってここに入った?」
「ククク、予知能力ってのは未来を知る、ある意味最強の能力ではあるけどね・・・未来の全てを知ることが出来るわけじゃない。意外と失念しやすいことだけどね。今のクレアはアンティローグとの戦いで手一杯だから、その隙を突けば侵入は難しくないよ。」
「・・・・・・。」
クレアは表情を歪めた。目の前にいる人物は、ある意味でアンティローグよりも厄介なエスパーだ。
ジョナルたちも軽々しくは動けなかった。このティムという男は得体が知れない。
「・・・そうだね、こんなに人が多いと話もしづらいし、クレア以外には眠っていてもらおうかな。」
ティムがその言葉を言い終わる前に8人は一箇所に集まり、ジョナルは指先に念力を集中した。
「よせっ!」
クレアの制止よりも早く、サンライズホワイト・サイコイレイズは放たれた。
太陽よりも強く輝く白い光が辺りを包み、放たれた方向へ大地が大幅に削られた。

「クククク。」

「「「!?」」」
8人は揃って驚愕に顔を歪めた。
ティムは無傷。服にすらも傷ひとつ無い。
「馬鹿な・・・」
「ほら、これじゃあ落ち着いて話も出来ない。」
ティムはクスクス笑った。
「化物・・・!?」
「ハハハ、化物ってほどじゃないさ。ただ、君たちの必殺技よりも僕の空間干渉能力の方が、ぜんぜん凄いってことだよ。ピークは少し過ぎたけれども、まだまだA2級の攻撃じゃあ、びくともしないさ。」
桁が違う。
「おやすみ。」
ティムはテレポートで間合いを詰め、1人ずつに触れていった。
「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド♪」
8人は意識を奪われ、その場に倒れてしまった。
「・・・・・・。」
「そんなに睨むなよ。殺したわけじゃないんだから。」
「何が目的だ。」
「もちろんクレアに会いたくて。」
「ふざけは無しだ。」
「ふざけてなんかいないよ。」
「・・・・・・。」
「ハハハ、そんなしかめっ面しないでよ。ほら、笑って笑って。」
しかしクレアは笑わない。
「今回の騒動の首謀者はお前だろう。アルカディアが管理している“神酒”が目的か?」
「首謀者ってのは、そう外れてもいないけど、“神酒”が目的じゃないよ。僕の目当ては研究資料の方さ。」
「は?」
「・・・僕は強大な力を持つけど、引き換えに衰えが激しい。あと2,3年もすれば“眠神”(ドラッグ)も連続で使えなくなるだろう。10年もすれば生きてはいまい。でもね、だからといって“神酒”に頼る気は無いのさ。あれに頼る危険ってやつを、みんなわかってない。」
「そこまで知っていて今更、研究資料なんかが欲しいのか?」
「ククク、欲しいね。理由は言ってもいいけど、クレアには理解できないと思うよ。」
「言ってみろ。」
「研究資料はグランパが作った部分が多いからね。」
「遺産相続とでも言いたいのか?」
「ほら、やっぱり理解できないって顔だ。わざわざアルカディア本部まで来て、それだけかって思ってるんでしょ?」
「・・・・・・。」
「そこは僕とクレアの価値観の相違というやつだと思うけど、なるべく早めに資料を渡して欲しいな。さもないと、こいつら殺しちゃうよ。」
「わかった、ついてこい。」
クレアが長い黒髪を掻き揚げてから歩き出した。
「罠じゃないだろうね?」
「今更お前に通用するか。」
「アハハハハ。」
2人は無人の廊下を長々と歩き、資料室まで辿り着いた。
「へえ、こんなところにあったんだ。」
「探したのか?」
「いや、今来たばっかだし。」
「・・・・・・。」
クレアは渋い顔で資料室の奥の扉を開けた。
「ククク、この部屋に入れただけでも、わざわざ本部まで来た価値があるなあ。選ばれし者だけが入れる、静謐な空間って、ときめくよね。」
「持ってけ。」
分厚い紙束をファイルに挟んで、クレアはティムに渡した。
「わあ、嬉しいな。ちゃんとこういう形で残ってたんだ・・。」
そう言いながらティムはファイルを床に置き、空間干渉でクレアを引っ掴んだ。
「・・・何のつもり?」
「ククク、だから最初に、クレアに会いに来たって言ったろ。自分が出してるフェロモンを、もっと自覚するべきだよ。」
「よせっ!」
その言葉を押し潰すように、ティムはクレアの体に触れた。
「っ・・・」
「フィルター・オブ・サタンとかいう媚薬で、敏感になってるはずだよね。だからこんなことしちゃうと・・」
ティムの細く白い指が、胸の膨らみを這い、服の中に滑り込んでいった。
「うくっ!」
「これだけ泉から湧き出ているのに、凄い自制心だね。何時間もガマンして戦の指揮を執ってたんでしょ。そのゴホウビに、濃いのをタップリとあげるからね。」
ティムは服を破らないように剥がして、クレアを床に押し倒した。
「あ!」

これより27時間、アルカディア側は司令官を欠いた状態で戦うこととなった。
3週間以上も不眠不休で千里眼を使い続け、秘薬に頼ってまで心身を維持し続けたクレアは、限界まで強く張られた糸に等しかった。
ティムはその糸を容赦なく断ち切り、溜まりに溜まった自分の分身をクレアの中へ注ぎ込んだ。
クレアの意識は20数日分の疲れを癒すが如く、深く深く沈んだ。
体は小刻みに震えながらも、精神は完全に闇一色となり、無意識の邪神に溶け込んだ。
「■■■■、■■■■■。」
ティムが何か言ったが、それもクレアには届かなかった。


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この記事へのコメント

2016年06月10日 22:21
コング「ティム君。君は英雄だ。素晴らしい功績だ! b」
ゴリーレッド「バックドロップ!」
コング「何をする!」
火剣「クリエ・ソゥル。やりたい放題のハーレムだ」
ゴリーレッド「パラメッタが鍵になる」
コング「気絶せずに絶頂し続ける。色魔界のドエス魔人ができないことをやってのけた。しかし巫女のハーレムとは背徳感満載でエキサイティング」
火剣「洋画でも巨大UFOがレーダーに感知されることなく都会の真ん中に出現したら普通は敵わないと判断するが、国家は軍隊を出動させてミサイルを撃ち込むんだ。そして全滅」
ゴリーレッド「2発目はレスト」
コング「ティムとクレアは知り合いか」
火剣「アンティローグよりも厄介なエスパー」
ゴリーレッド「研究材料が目的?」
コング「いんや、もう一つの目的はクレアだ。フィルター・オブ・サタンを使わないといけないほどクレア一人に比重が行った結果が屈辱の陥落。まさかクレアのヒロピンシーンが見られる日が来るとは」
火剣「恐るべしティム・タロニス」
コング「服を引き裂かないで素っ裸にするとは紳士だ」

2016年06月10日 22:49
>火剣さん
あまりにも強大なクリエの前に、軍隊は歯が立ちません。
頼みの綱はアルカディアですが、クレアにティムの魔手が!

八武「クレアのヒロピンだと!?」
山田「どうやって侵入したんだ・・・。」
佐久間「ティムのテレポートは跳躍ではなく座標交換だからな。」
神邪「やはり軍隊では歯が立たないですか。お約束の展開とはいえ、クレアさんが憤るのもわかります。」
八武「歯を立てたらいけないんだよ?」
維澄「何の話になってるの。」
八武「巫女みこハーレム! 巫女みこハーレム! 生麦生米みこみこナース!」
佐久間「ナースはいないぞ。」
神邪「そういえば昔の巫女は、場合によっては娼婦を兼ねていた場合もあるそうですね。」
佐久間「人間同士の不倫は駄目でも、巫女は神の妻だから不倫ではないという名目らしい。」
八武「背徳的な風習ではないか。生まれる時代を間違ったか。」
山田「お前は何時代に生まれても間違ってる。」
佐久間「何気にレストは命拾いしたな。」
八武「ふふふ、クレアも巫女になるのだ~。巫女になるのだ~。」
佐久間「ある意味アルカディアの巫女とも言える。」
八武「それでは早速、巫女服を着なければなるまい!」
神邪「服を剥いだからには、別の服を着せるべきだということですね。」
八武「それが紳士たる者の義務。」
山田「紳士は服を剥がない。」
八武「ほう、君は“着たまま”か。通だねぃ。」
佐久間「なるほど・・・。」
山田「待てコラ。」
神邪「僕も着衣プレイは好きですよ。半裸が好きです。」
山田「・・ともかく、まずいことになってきたな。せっかくアルカディアが勝ちそうだったのに。」
維澄「ティムはバランス調整が目的なのかな。」

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