屍の街 6

その瞬間だった。
少女の全身から無数のトゲが乱射され、八武に降り注いだ。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!??」
天高く聳えるバベルの塔に、稲妻が降り注いだ。
バベルの塔からは人々が飛び散り、泣き叫んだ。
「美しいわ。」
壊れたテープレコーダーのように、佐久間は同じ言葉を繰り返した。
「ぬおおおおおお!!」
八武は気合一発、全身に深々と刺さったトゲは、ぴゅぴゅっと音を立てて抜け落ち、からんころんと床に転がった。
全身から血を流しながら、八武は痛みで泣いていた。
しかし痛みだけではない。
怒りが彼の涙腺を刺激していた。
「奇病のやつめ、私を怒らせおったな。」
八武は医師としての使命感から、この謎の病気に対する怒りを表明した。
そして服を着ると、佐久間に向き直った。
「ええと佐久間、今更なんだが、根本的な質問いいかね?」
「はい、何なりとどうぞ。」
八武の目つきは胡乱で、佐久間の表情は澄ましていた。
「どうして君は、体にも服にも傷ひとつ無いのかね?」
「闇の力で、しっかりガードしましたから。」
「ほう、あのスピードで飛んでくるトゲを見切ったのかね。そりゃあ大したものだ。それとも、予期していたのかな。」
「それは勿論、あらかじめバリアーを張っておりました。」
「ふむふむふむ、ほうほうほう。よろしい、実によろしい。いやはや、今になって言うのもアレなんだが・・・」
八武は腕を組んで、佐久間を睨んだ。
「“初めまして”。お前はいったい誰なのかね?」



つづく

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