傀儡師は夜に眠らない 4

それから3日が過ぎた日の朝、わたくしが仕事場へ向かう途中のことでした。
知り合いの1人が血相を変えて走っているのが視界に入ってきました。
「おい、どうした。」
「おお、アモン。やべえことが起きた。人が死んでる、いや、殺されてるって。」
「なにっ?」
治安の悪いところです。人が死んだり殺されたりするのは珍しくありません。
けれど、重大事であることには変わりありません。それに、どうも単なる殺人とは違うニュアンスを感じました。

石切り場では人だかりが出来ていて、わたくしは人を押しのけて前に進みました。
そこに広がっていたのは、凄惨な光景でした。やたらめったらな力で人間を振り回したならば、もしくは切り刻んだならば、このような状態になるでしょうか。わたくしは正直なところ、どうやったら人間がこうなるのか、皆目見当がつきませんでした。
眩暈をこらえて死体を観察してみると、ねじ切ったような跡と、切り刻んだような跡が見つかりました。
しかし、それよりも目を引いたのは、死体の皮膚や体毛でした。わたくしは、彼らに見覚えがあったのです。
その予感は正しく、石切り場の仲間を集めてみたところ、わたくしの睨んだ3人は、どこにもいませんでした。
胸中に濁りを覚えながら家を点検し、それらを照らし合わせた結果、やはり死んでいたのは、あの3人でした。3日前にギルを殴っていた男たちでした。
空を飛んでいく鳥の声を聞きながら、わたくしは言い知れぬ不安定感に襲われていました。

人形師の、ギル。
赤い人形。
青い人形。
黄色い人形。
赤い道化は、怒りと、憎しみと、殺意。
青い道化は、哀しみと、苦しみと、絶望。
黄色い道化は、浪漫と狂気を。

「まさか・・・な。」
口では否定したがっていましたが、その時には確信していたのでしょう。
後で起こったことを考えれば、そのときに他の何を置いてでもギルを探すべきだったのです。



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