傀儡師は夜に眠らない 5

それから1週間ほどは何も起きませんでした。
わたくしは浮かない気分を吹き飛ばそうとするように、酒を飲みました。
「なあアモン、例の事件・・」
「その話はよせ。」
「わ、悪い。」
どこへ行っても、あの事件の話が付いて回っていました。まざまざと見てしまったせいか、事件の話を聞くと、あの凄惨な光景が蘇ってくるのです。
「ギル・・・。いや、まさかな。」
この期に及んでも、わたくしは口では否定していました。何も行動を起こさなかったわたくしは、何も知ることは出来ませんでした。
そのとき既に、ギルは準備を整えていたのです。

あくる朝、街は壊滅していました。
一夜にして人々は、惨殺されていたのです。ねじ切られ、切り刻まれ、物体になっていたのでした。
そして、もはやギルの仕業であることは、疑いようがありませんでした。あの人形が、3種類の人形が、あちこちに何体も転がっていたのです。
「ギル・・・どこだ・・・・・・」
ふらふらと街を彷徨いました。行けども行けども死肉ばかりで、静まり返っていました。
はたと気付いたわたくしは、ギルと出会った酒場に向かいました。

そこに、はたして彼は居ました。
「待っていたよ、アモン。」
ぎらぎらと黒水晶の瞳を輝かせて、ギルは体を揺らしていました。
「何故だ、ギル。何故こんな・・」



つづく

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