決闘祭! Act 138 ピースメーカー(Ⅵ)
◆ ◆ ◆
ま、言ってしまえば、わたひは何者でもない。
闇坂紐里。冥堂超弦。そして今ではメメント・モリン。
ホントの名前なんて、あるわけない。
わたひは、わたしは、未だに時間が止まっている。
あの日から何も変わらない。
風森無々、君と出会ったときから。
風森無々、あなたの成長を間近で見たときから。
あなたを追って、この時代へ来たときから。
寄る辺なき身で、慰み者にされたときから。
救い出されて、この時代の人として生きたときから。
子供を産んで、二児の母になって。
無堂無有と再会したときから。
モリン・モリンと共にあるときから。
わたしは何ひとつ変わらない。
モリンフェン様の肋骨のように。
尖った心と少女の躰。ずっとずっと君の傍。
◆ ◆ ◆
「カール、これはどういうこと?」
わたしの口から冷たい声が漏れた。
硝煙を漂わせているのは、わたしを救い出した男の笑み。
カール・ヘキサゴン、または六角狩人。
「それともアドニス?」
以前カールが言っていたことが、ずっと心に引っかかっていた。
わたしと殺霧敷衍に会うまで、カールの精神は危うかった。
ゲームでアドニスを殺したと、意味のわからないことを言っていた。
生きて一緒に暮らしているというのに。
でも、わたしには、わたひには、その意味がわかる。
“あいつ”は、この時代から生きているはずだから。
『アドニスは帰ってきた。帰ってきたんだ。』
喜ぶカールには、とても言えなかった。
耐え切れなくなって、わたしは六角の家を出て幽堂に身を寄せた。
「それとも吸血鬼?」
“カンサー”S級焔席、白眼凶姫の作り出した怪物。
彼女の血液と、ベースとなる人間のDNAを混ぜて生み出された、模倣の決闘者。
後に彼をベースとして作られた乱造品が、彼を殺す。
この15年後だったかしら?
「だとしたら、わたしは勝てないのかしら。」
この時代に来たとき、ほとんどのカードを失っていた。
年齢制限で、デュエリスト能力は失われている。
150年を生きた怪物と、まともに戦える力は無い。
けれど既に、わたしの知っている歴史とは違っている。
今は2月21日ではない。
「闇のゲームを始めましょう。負けた方が死ぬわ。」
「・・・いいとも。」
怪物が口を開いた。
「私の先攻、《吸血ノミ》を召喚。カードを1枚伏せる。」
「わたしのカードは《モリンフェン》よ。そして2枚のカードを伏せるわ。」
あっさりと《モリンフェン》は、巨大ノミを引き裂いた。
フィールド・パワーを得られない代わりに、闇坂一族共通の“継承される闇”(クレジット)が復活する。
闇属性モンスターの攻撃力と守備力は、200ポイントアップだ。
「ははっ、伏せカードに臆せず攻撃してくるとはね・・・。私は《命の綱》で《吸血ノミ》を蘇生しよう。」
「・・・・・・」
しまったなあ。
「そして私のターン、《吸血コアラ》を召喚する。」
「加えて《ハーフ・シャット》を発動しよう。破壊耐性つき《収縮》ってところかな。」
「えげつない真似をするわ・・・。」
この時代ならではの戦術ということね。
「吸血モンスター2体で、《モリンフェン》に攻撃!」
「けれども、きっと、わたしの方が・・・・・・えげつねえよ。ひひひひひ!」
わたしは伏せておいた魔法カードを発動した。
「もひとつオマケに合体! 勝利まで何マイルかかるかな・・・? 《クリバビロン》召喚!」
「返り討ちよ、どこかの誰かさん。」
「これで私のフィールドは殲滅かい。」
「様子見とでも言いたそうね。」
嫌な予感が消えないなあ。
「ふふん、様子見というには高い代償だったかな。《守護天使ジャンヌ》を召喚しよう。」
「・・・!」
「ガーディアン・エンジェル・・・7つ星の超レアカード・・・」
「そう、その通り。さあ、次々とモンスターを出してみよう。私の養分になる為に。」
ま、言ってしまえば、わたひは何者でもない。
闇坂紐里。冥堂超弦。そして今ではメメント・モリン。
ホントの名前なんて、あるわけない。
わたひは、わたしは、未だに時間が止まっている。
あの日から何も変わらない。
風森無々、君と出会ったときから。
風森無々、あなたの成長を間近で見たときから。
あなたを追って、この時代へ来たときから。
寄る辺なき身で、慰み者にされたときから。
救い出されて、この時代の人として生きたときから。
子供を産んで、二児の母になって。
無堂無有と再会したときから。
モリン・モリンと共にあるときから。
わたしは何ひとつ変わらない。
モリンフェン様の肋骨のように。
尖った心と少女の躰。ずっとずっと君の傍。
◆ ◆ ◆
「カール、これはどういうこと?」
わたしの口から冷たい声が漏れた。
硝煙を漂わせているのは、わたしを救い出した男の笑み。
カール・ヘキサゴン、または六角狩人。
「それともアドニス?」
以前カールが言っていたことが、ずっと心に引っかかっていた。
わたしと殺霧敷衍に会うまで、カールの精神は危うかった。
ゲームでアドニスを殺したと、意味のわからないことを言っていた。
生きて一緒に暮らしているというのに。
でも、わたしには、わたひには、その意味がわかる。
“あいつ”は、この時代から生きているはずだから。
『アドニスは帰ってきた。帰ってきたんだ。』
喜ぶカールには、とても言えなかった。
耐え切れなくなって、わたしは六角の家を出て幽堂に身を寄せた。
「それとも吸血鬼?」
“カンサー”S級焔席、白眼凶姫の作り出した怪物。
彼女の血液と、ベースとなる人間のDNAを混ぜて生み出された、模倣の決闘者。
後に彼をベースとして作られた乱造品が、彼を殺す。
この15年後だったかしら?
「だとしたら、わたしは勝てないのかしら。」
この時代に来たとき、ほとんどのカードを失っていた。
年齢制限で、デュエリスト能力は失われている。
150年を生きた怪物と、まともに戦える力は無い。
けれど既に、わたしの知っている歴史とは違っている。
今は2月21日ではない。
「闇のゲームを始めましょう。負けた方が死ぬわ。」
「・・・いいとも。」
怪物が口を開いた。
| メメント・モリン:LP2000 吸血鬼?:LP2000 |
「私の先攻、《吸血ノミ》を召喚。カードを1枚伏せる。」
| 吸血ノミ レベル4 地属性・昆虫族 攻撃力1500 守備力1200 血を吸う巨大ノミ。攻撃はかなり強い。 ノミとあなどると危険。 |
「わたしのカードは《モリンフェン》よ。そして2枚のカードを伏せるわ。」
| 《吸血ノミ》 (破壊) 吸血鬼?:LP2000→1750 |
あっさりと《モリンフェン》は、巨大ノミを引き裂いた。
フィールド・パワーを得られない代わりに、闇坂一族共通の“継承される闇”(クレジット)が復活する。
闇属性モンスターの攻撃力と守備力は、200ポイントアップだ。
「ははっ、伏せカードに臆せず攻撃してくるとはね・・・。私は《命の綱》で《吸血ノミ》を蘇生しよう。」
「・・・・・・」
しまったなあ。
| 命の綱 (罠) 戦闘破壊されたモンスターを 攻撃力を800ポイントアップして復活する! |
| 《吸血ノミ》 (攻1500→2300) |
「そして私のターン、《吸血コアラ》を召喚する。」
| 吸血コアラ レベル4 地属性・獣族 攻撃力1800 守備力1500 このカードがモンスターとの戦闘によって 相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、 与えた戦闘ダメージの数値分だけ自分のライフポイントを回復する。 |
「加えて《ハーフ・シャット》を発動しよう。破壊耐性つき《収縮》ってところかな。」
「えげつない真似をするわ・・・。」
この時代ならではの戦術ということね。
| メメント・モリン:LP2000、手札3 場:モリンフェン(攻975)、伏せカード、伏せカード 吸血鬼?:LP1750、手札3 場:吸血ノミ(攻2300)、吸血コアラ(攻1800) |
「吸血モンスター2体で、《モリンフェン》に攻撃!」
「けれども、きっと、わたしの方が・・・・・・えげつねえよ。ひひひひひ!」
わたしは伏せておいた魔法カードを発動した。
| ティンクル・ファイブスター (魔法) 自分フィールド上にレベル5モンスターしか存在しない時に発動する事ができる。 そのモンスターを生け贄に捧げて、クリボー5兄弟を1体ずつ特殊召喚する。 (生け贄召喚のための生け贄にはできない) |
| 《クリバー》 (攻300→500) 《クリビー》 (攻300→500) 《クリブー》 (攻300→500) 《クリベー》 (攻300→500) 《クリボー》 (攻300→500) |
「もひとつオマケに合体! 勝利まで何マイルかかるかな・・・? 《クリバビロン》召喚!」
| 《クリバビロン》 (攻?→2500→2700) |
「返り討ちよ、どこかの誰かさん。」
| 《吸血ノミ》 (破壊) 《吸血コアラ》 (破壊) 吸血鬼?:LP1750→1350→450 |
「これで私のフィールドは殲滅かい。」
「様子見とでも言いたそうね。」
嫌な予感が消えないなあ。
| メメント・モリン:LP2000、手札4 場:クリバビロン(攻2700)、伏せカード 吸血鬼?:LP450、手札3 場: |
「ふふん、様子見というには高い代償だったかな。《守護天使ジャンヌ》を召喚しよう。」
「・・・!」
| 《クリバビロン》 (破壊) メメント・モリン:LP2000→1900 吸血鬼?:LP450→2950 |
「ガーディアン・エンジェル・・・7つ星の超レアカード・・・」
「そう、その通り。さあ、次々とモンスターを出してみよう。私の養分になる為に。」
| 守護天使ジャンヌ レベル7 光属性・天使族 攻撃力2800 守備力2000 このカードが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、 破壊したモンスターの元々の攻撃力分だけ、自分のライフポイントを回復する! |

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