ザ・ニュー・マスター! (囲碁)

タイトルというものは、取る方が難しいのか、
それとも維持する方が難しいのかは、
一介のアマチュア碁打ちである私には分かりません。

しかしながら、奪取だけでなく防衛してこそ・・・とは、
それこそホルダー自身が最も強く思っていると思います。

ある意味、我々アマチュアは呑気でしょう。
どちらを応援するにしても、
名人戦に相応しい激戦が観たい、というのが本心であり、
そういう意味では勝敗に拘っているとは言い難い。

とはいえ無論、人間に無関心というわけでもなくて、
張さん、芝野さん、それぞれに対して
いろいろと思うところはあります。


というわけで、5局目!

挑戦者ぐっすりだったという1日目、
アッキーは興奮して碌に眠れなかったのですが、
どのみち低気圧による頭痛で眠れなかったので
精神衛生だけでも好調だったのは幸い。

並べていて最初に違和感を覚えたのは、白60の固接ぎ。
展開を追っていくと、この時点で白は
左辺を捨てる決断をしていたと思われる。
(河野さんの解説でも、そのように言われていた)

なるほど確かに、ざっくり取られても攻め取りの形だし、
地合いを数えても、外勢を取ったのは好判断だった。
ただし黒模様が広く、そして黒の手番なので、
これは黒有利ではないか・・・と思っていたが、
そこで第二の違和感、黒89の掛け接ぎ。

河野さんの解説によると、ここが分水嶺だったという。
黒89は、嫌な味を消して、堅実な手だと思ったものだが、
しかし・・・?

2日目の焦点と言われた白168の意味が、
すぐには理解できなかった・・・が、
そこで思い出したのが前日の違和感。

直結するファクターは少し手前にあるが、
順繰りに因果を辿っていくと、分水嶺に行きつく。

あの時点では悪い手ではなかったはずだが、
それから数十手かけて、芝野さんは、
黒89を咎めたということになる・・・!

なんというスケール、なんという我慢強さ。
初のタイトル戦で、相手が張栩、
それでいて落ち着き払える平常心たるや。


対する張栩は、平常心でなかったように見えた。
シリーズ通して、ぼやきが多かったらしいが、
聞くまでもなく盤面から動揺が伝わってくる。

有り体に言えば、先の井山戦ほどの気迫が
出せていないように感じた・・・などと言うと
偉そうなんだけれども、
43期名人戦の最終局の冴えを見ているだけに、
今期は“迷い”のようなものが感じ取れた。

本来なら張栩の得意とする戦術を、
そっくり挑戦者に返されていたのが印象的だ。
(やや畑違いだが、ぷよぷよのネット対決、
くまちょむVSまはーら戦が、近い印象)

河野さんの解説にもあったが、
第三の違和感を挙げるとすれば、
なるほど確かに、それらなんだよなあ・・・。
早々に決めてしまうと、劫材が減るというのは、
言われてみれば、あからさまなミスよな・・・。
後で張さんが悔やんでいたのが、頷けすぎて、つらい。
(168以降の展開から逆算しての、下辺の寄せ)

黒89は、「堅実」ではなく「萎縮」だったのだろうか。
希薄が仕草に漏れていると、
盤面では逆に、弱気になるものだが・・・。

わからない。

劫材を減らしてなければ、寄せ勝負で
張さん有利との声が多かったようなので、
たとえ黒89が委縮だとしても、悪手だとは言いづらい。

詰め寄るか尖むかしたら(特に詰め寄った場合は)
ぜんぜん違う展開になった、という話なのだし・・・。


なんにしても、名人戦に相応しい激闘であったのは確か。
なんとなく張栩が不調だったとはいえ、
全ての対局で本調子の棋士なんて存在しないし、
芝野虎丸の強さも本物だと実感した。
なんてったって、あの張栩に劫勝負で競り勝っており、
振り返ってみれば戦績も4-1なのだ。

気弱で仕草は大人しく、闘志は盤面に特化する。
おそらく、こういうタイプが最も強い。
スカイラインではないが、羊の皮を被った狼。
誰もが思っていただろうが、井山裕太と似ている。

次の王座戦では、井山さんと芝野さんが激突する・・・!
これまた楽しみなカード。




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