歯科技術の躍進

時は19世紀、フリードリッヒ・エンゲルスという男がいた。
資本家を”もうけ主義の畜生”と罵り、
男同士の性愛を”おぞましい行為”と吐き捨てた彼だが、
それ以上に嫌がっていたものがある・・・。
彼にとっての最大の苦痛は、虫歯治療、であった。

共産主義者としての、彼のラディカルさは言うまでもない。
かくも果敢な男が、ゲイフォビアと結託したことは
甚だ残念でたまらない・・・が、
虫歯治療に関しては、仕方ないと思わざるを得ない。

当時の治療は、ペンチのようなもので引き抜くという、
まったくもって原始的な作業であったという。
文明が進歩し、共産主義を体系化しようという時勢に、
歯科技術の方は原始共産制から変わり映えしない、
それが19世紀という時代であったのだ。

セクシャリティーに関する彼の意識が凡庸なのも、
あながち無関係ではあるまい。
全面性の要求は、レーニンの四大原則の筆頭だが、
決して容易くはないのである・・・。


19世紀当時の抜歯が、どれほど痛かったかは、直接は知らない。
だが、推し量ることは出来るかもしれない。
私が子供の頃、すなわち20世紀の後半だが、
エンゲルスの頃よりも格段に技術は進歩しているはずである。

それでも痛いこと痛いこと。
抜歯には麻酔を使うが、使っても痛い。
麻酔自体が痛いし、それを何本も使われる。
それが20世紀後半の状況であった。


21世紀になり、歯科技術の発達には目を見張るものを感じた。
痛みの減衰、治療の早さ、歯磨き指導、いずれも別物。
小さな虫歯であれば、樹脂で塞いでしまえるとか、
従来の技術の進歩だけでなく、新しい技術を目の当たりにして、
これが最先端なのかと、少なからず感動を覚えたものだった。

そして現在、技術は更に進歩している。
少し前であれば、抜くのが困難だった角度の虫歯でも、
「もう抜いたの?」と驚くほどに素早く、
麻酔も、痛くない、苦くない、痺れが残りにくい。

問診の丁寧さも述べておきたい。
もたもたしているようでいて、丁寧に情報を得ているからこそ、
患者にとって苦しい時間を極めて短く出来るのだ。
かつての一方的で高圧的な時代ではない、
安心と安定のQOLに、あらためて感じ入った。


街を歩いていても感じるが、地図を見ると、
歯科医院の頻度が劇的に増えていると感じる。
近所にも4~5軒ある。

お医者さんにとっては競争相手が多くて大変だが、
患者にとっては有り難いことだ・・・。





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