劉備徳子は静かに暮らせない

「劉備徳子は静かに暮らしたい」
本誌の方で最終章突入しているので、
4巻の感想とかラスボス予想とか色々。

作者が産休とかで、しばらく間が空いてたけど、
10か月ほどして復活だぜー、ミューテーション!

休載直前が保育園の話だったのは、
やはり作者の興味関心が反映されてるのかな?
ひと段落つけてから休載する良心。
前の感想も16話まで書ければ良かったんだけどね、
ララ1月号を読み逃していたからね、仕方ないね。


・・・で、趙雲こと、趙川出雲さん、保育士!
相変わらずのネタっぷりだが、それが良い。
ちょっとヤンデレ入ってる?
三国志モノって、だいたいは
孔明の方が病んでたり変態だったりで、
趙雲、黄忠、魏延あたりは
真面目で謹厳実直なことが多いんだけど、
この趙雲は微妙にヤバいかも。
何かしでかすヤバさではなくて、
なんというか・・・「天は赤い河のほとり」での
ユーリに対するルサファ、みたいな?

ヤバさを先に語りましたが、孔明と趙雲から見て、
義兄弟ズの絆に入り込めないっていうのは
なかなか良いなあ・・・。
関羽と張飛が、劉備と孔明の仲に嫉妬するのは
よく描かれてるけど、その逆って意外と無い。

シリアスムードとは裏腹に、
「長坂ごっこをはじめる」の破壊力wwwww
そんなんだから小2グリズリーが否定できないんだよ!




・・・で、連載再開! 水着回!

飛虎「がぜん見たくて名乗り出たんですけど??」

やっぱ飛虎いいなー。
何気に徳子一辺倒でなく、肉体美を誇ったり、
関兄ぃの腹筋も好きだったりと、良いキャラだ・・・。
同好会結成のときもそうだけど、
熱血脳筋だけでなく、飄々としてる部分がね、イイよね。

実際問題、張飛って本当は頭いいんだよなあ。
政治を含めた総合力では関羽に劣るけど、
軍略で言えば、むしろ一歩勝る。
関羽の義弟自慢は、お世辞ではない。
長坂でも、橋を落としたのは早計などではなく、
確実な時間を稼ぐ、セオリーとしての行動。

酒癖が悪いと言われるが、
正確には、酒で致命的な失敗をすることが多かった。
城を取られたりとか、末路も酒乱パワハラが原因。
酒癖そのものは孫権の方が酷かったりする。
諸葛謹をロバ呼ばわりしたりとか色々。


・・・それにしても操ちゃんは、人を嘲笑うとき、
死んだ魚みたいな目で、物欲しそうな顔をするのですか、
そうですか・・・。

権ちゃんが普通に泳ぎ上手なだけで笑うw
いや確かに、酔っ払って川に落ちても生還したほど
前世でも泳ぎが上手だったわけですが・・・。
普通は死ぬ。

孫権は、アフタヌーンな休憩時のみ
「酔っ払って川からダイブするぜwww」なノリで、
普段は自制を利かしている。
それは、やはり親父と兄貴が、
無謀なことして早死にしたからだよなあ。

いやまあ、孫策の頃でも
実態は海賊さながらの寄り合い所帯であり、
のこのこと大将が前線に出るのも致し方ない。
無謀だ愚かだと言うのは簡単だけど、
生きて帰っていたら勇敢だと称賛されたと思うと
低評価は死体蹴りという感じは否めないかも。


とにかく現代では生きてて良かった・・・

優しい世界・・・


・・・・・・
・・・



袁屋術子



・・・・・・!????

せ、正統派美人キタコレ!
だが・・・物凄く残念な感じだ・・・!
腰までゲロまみれ、どう考えてもだいじょばない。

というわけで、4巻最大のネタキャラ、
袁術こと袁屋術子さん。残念美人。
市尉とかやってそうな美人さんだあ。

どんだけ蜂蜜wwwwwwwwwww
確かに酒で吐くのも脱水症状だが・・・。

相変わらずネタがキレてるなあ。
ここ数話ほどは穏やかで、良くも悪くも普通でしたが、
袁術の前フリだったか・・・。

・・・しかし実際、袁術って相当ハンサムだったと思う。
なんだかんだ名門だし、兄貴は袁紹だし。
(袁紹の息子は確かハンサム揃いで有名だったはず)

読者に向けた(?)スピーチも、決して間違ってない。
ゲームでの性能は、Ⅴでは魅力が多少ある以外は
ぶっちゃけ玉璽の保管所に過ぎないが(←ひどい)
Ⅵは官職で部下の率いる兵士上限が決まるので、
皇帝と化した袁術は、Ⅵだとガチで有力群雄。
そこそこ武力が高く、統率も高いので、兵力を増強しやすい。
ショートシナリオと同じ戦略が有効。
帝都建設の必要も無いので、通常シナリオだと余裕がある。
有能な部下が1人増えるだけで、
たちまち2万近い兵力を持たせることが出来る。

他にはⅤでは雑魚キャラの李傕も、Ⅵでは丞相なので、
なかなかに強かったりする。
いずれも諸侯との敵対度が高いので、楽ではないけど。
歴史とSRPGでは、かなり違いはあるが、
敗者が悪し様に描かれる傾向にあると考えると、
実際さほど無謀でなかったのでは・・・と思わなくもない。


歴史考察(という名の術子さんファンクラブ)はさておき、
最終章すっごい不穏な感じになってますねえ!!

情報を総合すると、やはり献帝かなって・・・。

まず、三国志演義の登場人物で、
この物語のラスボスとして相応しい人が誰かというだけで
かなり絞られるんですよね。

・三国いずれにも怨みを抱いている
・武人ではない
・理事という権力者
・三国志の有名人物

これはもう、献帝の他には考えにくいなあ・・・。
歴史イベントに准えても、曹操暗殺未遂って、
筆頭に来るのは献帝の勅だと思うんですよ。

いちおう、勝呂布男の存在からして
三国時代は武人でも現代では武人でないとか、
怨みが本命とブラフを織り交ぜてるとかも
考えようと思えば考えられますが、
それでも候補は限られてきますねぇ。

かろうじて対抗馬になれるのは袁紹くらい?
いちおう孫堅とも因縁があることや、
ガチの武人とは言い難いこと、
術子さんの登場やセリフが前フリである可能性、
策の存在から群雄女体化の例外その2、
そして総統の有力群雄でもあったので。

・・・うん、やっぱ仮定が多すぎて無理めなあ。
張角や董卓、司馬炎に至っては、更に無理がある。
血縁以外で苗字の被りを避ける法則、
現代で武人でないことや、君主女体化法則、
怨みの件など、どんどん無理が増えていく。
暗殺未遂なら張繍もあるけど、どうもなあ。

柱スペースで孔明ファンと書いてあったので
反射的に魏延も浮かびましたが、まあ論外だな。
まず武人という時点で違うし、
たとえ孔明を怨むことはあっても、
劉備には厚遇されていたし、
操ちゃんを突き落したり花壇を荒らしたりの
陰湿な行動の数々は、ぜんぜん魏延じゃない。


・・・・・・いや、別に私は
特に魏延ファンってわけではないし、
孔明も普通に好きだけどね?
それぞれのシンパの対立が嫌いなだけで。

そもそも私、孔明と魏延の不仲説自体、
眉唾ものだと思ってますからね・・・。
仲が良かったわけではないだろうけど、
カーターとカーナボンだって不仲だったし、
ブラーエとケプラーに至っては、もうね・・・。

なんてったって大昔の話だ。
後世の人々が煽り、話を盛った結果、
不仲の一面だけが誇張されていても不思議ではない。
ベートーベンがナポレオンの即位に激昂したのも、
弟子や周囲の人々が、大袈裟に捉えてる可能性は高い。
癇癪持ちで、何かと悪態をつく性格からして、
ナポレオンに対しても、親しみを込めた罵倒をしたのは
想像に難くない。
「僕だけがいない街」の、26話回想と
40話冒頭が思い浮かんでくるんだ・・・。


手塚治虫の実態とか聞いてても思うけど、
噛み合わせが悪いなりに頑張っていくのが
最前線の現実という気はする。

これは個人的な実感としても、頷ける話でな。
誇れるほどに修羅場を潜ってきたとは言い難いが、
私に見えるのは、最前線のベテランの姿。

劉備肝入りの武将たちが、次々と亡くなっていく中、
(趙雲、黄忠、馬超も亡くなっていった中)
イマイチ頼りない若造どもを、
オッサンのツートップで引っ張っていくという
なかなかに萌える光景が見えるんだ・・・。

孔明が魏延を重用しなかったって話もあるけど、
それもどこまで真に受けていいものかどうか。
たとえ扱いが悪いとしても、それは魏延だけではない。
新人にして重責を負わされた挙句に
敗戦の責任も取らされて、
問答無用で処刑された子もいるわけで。
ホント司馬田の言う通り、
こいつらの中に恐くない人なんていないなあ・・・。

お伽話シリーズ(柳原望)にもあったけど、
しんがりって、最も信頼する部下に任せるものだし、
孔明が何度も北伐に失敗しても生還してるのって
それこそ魏延の頑張りが大きいよなあ。
司馬懿にとっては、魏延の方が厄介だったかもね。
どれだけ華々しく勝利しても、
ピンクの悪魔ではないけど、魏延で止まります状態。

孔明と魏延、各々では司馬懿に勝てないとしても、
組んだときは互いの弱点を補い合って、
強力なシナジーを発揮するのが私好みジャマイカ。
謹厳実直、鈍重戦車の魏文長と、
派手好きハッタリハイリスクの諸葛孔明。
良いコンビだ。

というか、まあ、BL妄想のネタでもある。

君主女体化と、恋愛相手が男子なのを
割と自然に受け入れた理由の1つが、
三国時代の中華では、男色が普通に文化として
存在していたという点なんだよね・・・。

なんで登場してもいない魏延の話を延々としたかって、
この話に繋げる為なんだけど、
「ホモセクシャルの世界史」を読むまでもなく、
劉備と孔明、孫策と周瑜って、そういう仲だと思うよね。
私達をどうしたいの・・・!?(萌

義兄弟の契りって、まあ普通そういう話だし、
桃園の誓いなんてモロに尻の暗示だし、
考えてみれば16話での飛虎のセリフは意味深なあ。
このご時世でなければ、つまり前世だったら・・・。

もちろん、それぞれに女性も好きではあるので、
同性愛者ではなく両性愛者ということですね。
英雄として名を馳せるような人物が、
およそ片方の性別しか愛せないはずもないよなあ。
(出張編では百合ん百合ん)


・・・まあ、それは裏の理由であって、
転生者は“前世の記憶を持った現代日本人”である、
というのが、真っ先に出てくる理由ではあるはず。

あくまでベースは現代日本人であり、
だからこそ普通に日本語で喋っているわけで。
記憶を失くしたときの操ちゃんは
なんか普通の女子だった。

・・・まあ、それでも名前は普通じゃないな。

「一騎当千」みたく、そのままなら
そういう世界として捉えることが出来るけど、
ギリギリ実際ありそうな感じが、かえって・・・なあ?


まー、アレだ、ギャグ方面でも真面目方面でも
流石は仲野さんだよ!

読み始めた頃は、また三国武将女体化とか
現代転生モノかと思っていましたが、
いやはや色々と緻密に作られていて面白い。

演技と原作を織り交ぜてるのも
むしろ緻密さを追求するがゆえだよなあ・・・。
それが現れてる箇所の1つは、
9話での操ちゃんの回想で、
敢えて敵将の名前を出してないとかね。
華雄を討ち取ったのって、原作では孫堅なんだけど、
多くの猛将を抱えている董卓だけに、
こういう場面が実際あったとしても矛盾ないように
作られてるのがね、芸が細かいよね。
紀霊が出てくる話で、華雄の名前が伏せられてるのは
敢えてそうしたんだと思うわけで。

途中で、ああそうか、「めがねのインキュバス君」や
「帝の至宝」の人かと、記憶が繋がったわけですが。
ええ、御存じ、花ゆめロリコン四天王の1人です。
あと3人は誰かって?
うん、そろそろ叱られそうなので沈黙しておくよ!


小中学生でも通用しかねない
童顔の女子高生を描く作者の嗜好はさておき、
これが私にとっての三国志決定版になる予感があるほどに
今となっては嵌まってますねぇ。

考えてみると私って今まで、
我が身を置いてるような作品って無かったんですね・・・。
最初に触れたのは多分、吉川英治かKOEIのシリーズ1、
あるいは少年少女世界の名作文学シリーズですが、
思い出補整が多分に入ってるからなあ・・・。

んー、例えば「蒼天航路」の作者が、
吉川三国志の冒頭で挫折したって話を聞いたときも、
それなりに悲しくはあったけど、
まあそうだよな、とも思ったわけで。
当時は活字に飢えていたのもあって読み進めたけど、
序盤は退屈だよなーと思うと、無理もない。
文章は綺麗なんだけどね。

ちなみに最近その「蒼天航路」を読み返してたわけですが、
そうか、劉備徳子のノリって、これか!!
初めて読むはずなのに、何故か懐かしい気がしてたんだよ!
あー、絵柄が全然違うから思い至らなかったアッキーの不覚。

蒼天の孔明は、男性器を見せつけたりとか、
露出狂で色欲の変態野郎ですが、諸葛くんも大概でなあ。
密室に男女ふたりを閉じ込めるとか、
正直トイレどうすんの?って思った。
絵柄がソフトだから錯覚しがちだけど、
まあ控え目に言って変態だな。

かといって、いずれの作者も、孔明を嫌ってるわけではない。
蒼天の作者は、既存の孔明像への違和感を
自作の孔明に凝縮した、と述べていたが、
それこそ本当の孔明ファンであると思う。
がっつり自己解釈、上等なんだぜ。

蒼天では徹底的に曹操に無視されている孔明ですが、
実は「劉備徳子は静かに暮らせない」でも、
操ちゃんが諸葛くんと絡んでる場面って、
意外と少なかったりするんですよね・・・。


「蒼天航路」は、三国志モノの中で
最も曹操をカッコよく描いた作品であると同時に、
最も曹操がコケにされている作品でもある。

カッコよさ方面も突き抜けているが、
情けない部分も同じだけ突き抜けている。
女色に溺れて息子を死なせてしまい、
そのことで妻たちから総スカン喰らったりしてたんだ。
そんなんだから、人妻大好きおじさんって言われるんだよ!

赤壁に至っては、得体の知れない川魚を食べて、
食当たりで死にかけていた・・・。
あまりに酷い。もはやフォロー不可能。
カッコ良さとカッコ悪さの落差が凄まじいよ!
私たち読者をどうしたいの・・・!?

なので、操ちゃんは、ちゃんとカッコいいし、
アレな部分も含めて、ああ、曹操だなあって思うんだ。


「蒼天航路」と「劉備徳子~」の共鳴は果てしない。
劉備に関しても、蒼天と徳子で、よく似ている。
なんか志の高そうなことを言うが、
なかなか実が伴わないハッタリ野郎で、
だけど単なるハッタリ野郎でもない、
まことに鬱陶しい男な劉備、そして孔明の、
あの感じなんだよなあ・・・。

「だからと言って、どうしていいかぜんぜんわからんがな!!」

この手の情けない発言を、蒼天の劉備も
繰り返しやっていたわけですが・・・。

いや、アレな部分だけではなくて、
蒼天の曹操が言ってた“闇”こそが、
「劉備徳子~」の真骨頂だと個人的には思うわけで。
序盤から片鱗はあるんだけど、
12話の権ちゃんとのやり取りはホント恐い。

蒼天の曹操が、“心の闇”の何たるかを語るとき、
許褚を少女に喩えていたのが印象的でした。
なかなかに示唆的というか、予言めいていますねぇ。
リアルタイムで読んでた頃は、
あんまり意味わかってなかったんですよ。
劉備徳子を読んでいる今だからこそ分かる。

万里の長城と始皇帝に対する曹操の評価を
再帰的に考えるならば、
「蒼天航路」は、雄力に満ち溢れていると同時に、
それが限界であるとも言える。

悪い意味ではない。
男性的価値観は、決して不要ではない。
私にとって「蒼天航路」は、三国志の決定版ではないが、
しかし演義に偏重していた三国志の、
均衡を元に戻したという意味で、金字塔である。

さっきシンパの対立が嫌いと書いたが、
しかし参考になるのも、また確かなことだ。
参考にした分は敬意を払うべきでもある。
歴史書の「三国志」も、それが絶対的とは限らない。
蒼天は史書寄りだが、自己解釈にも怯えがない。
幾つもの説や解釈を立体的に俯瞰することで、
仲野さんの言うところの“俺三国志”を構築できる。

蒼天の作者は、なるたけ演義をシャットアウトし、
吉川三国志も途中で切ったが、それで良かったと思う。
それでも、どうしても演義の影響があるのを
まことに鬱陶しく、忸怩たる思いだったようだが、
では演義の影響どっぷり浸かっている我々は
どうしたらいいのか?

最終巻の作者コメントに、その手掛かりは示されていた。
相反するところに新しい表現が待っている・・・
・・・すなわちアウフヘーベンであるが、
その具体的な答えが登場するまでに
我々は10年を待たねばならなかった。

「劉備徳子~」こそは、「蒼天航路」の、“次”である。
蒼天で曹操が万里の長城を越えたのは、
“中華”と“異民族”の境界を越えるメタファーだった。
仲野さんの試みは、“史書”と“演義”の違いを認識しつつ
その境界を越える挑戦であると考える。
何の影響を受けているかは、さしたる問題ではなく、
心の闇を描き出してこそ、蒼天を“殺せる”んだ。





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