テーマ:エスパー奇譚 千里

「NEKTAR」 インターローグⅨ

あーもう、またいいとこで切れてらあ。 風組の前に現れたペックとか、土組の前に現れたレストとか、火組の前に現れたベインとか、そっちの方もまだどうなるか教えてくれないくせに、今度はアイド・カルトーまで出てきて~。僕もう怒っちゃうぞ。 それにしてもアルカディアの連中、意外とやるもんだねー。 ラプソディアは殺られちゃったけど、ラドルた…
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「NEKTAR」 十八、白光

アンティローグ第六位、“殺戮”のマーダ・アタルと戦うは、25名。 アトラト分隊、セト分隊、キム分隊、それに加えて“叩割空”モース・リーガル。 「はっはっは、巫女どもじゃあ駄目か。流石はアルカディアの精鋭部隊。」 マーダは不敵に笑っている。 「言っとくけどな、オレの痛覚増幅能力はMAXで10倍にまで上げられる。ひゃはは、人間っての…
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「NEKTAR」 インターローグⅧ

ありがとう、と言わせてもらおうか? いや、少し違うかな。 ハービスめ、余計な真似しやがって。あのまま逝けたら幸せだったのに・・・。 イブもキャンディナも死んでなくて、キャンディナは結婚して子供もいて・・・。 ついでにアトラトも加わって、みんなで誕生祝いか。 なんて理想的な幻じゃないか。 あの光景こそが・・・わたしが求めていたも…
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「NEKTAR」 十七、毒蜂の唄

夜の闇の中に、青白い月の光を浴びて、女が立っていた。 ふわりとした黄色い髪と、折れそうなくらいに細い首。 不気味に輝く瞳は暗い色をしていて、殺気も怒気も感じられない。 ハービス、ウロイ、リック、ゼルークが痛みを堪えて起き上がったとき、そんな光景が見えていた。 ラドルも目を丸くして、彼女の出現に驚いていた。 「・・・間に合ったが…
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「NEKTAR」 十六、差異

アンティローグ第七位“姦淫”のルード・アタルと戦うは、ラプソディア分隊、ハービス分隊、ラドル分隊、ウロイ分隊の、合計32名。下弦も過ぎて痩せ細る月の、かすかな光だけが降り注ぐ宵闇の中、空気が流れていた。 光を放つ人工物は無残に破壊されており、廃墟で戦いは始まった。 ルードの男の逸物は恐ろしく巨大で、長さ1メートルにも達していた。先か…
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「NEKTAR」 インターローグⅦ

アルカディア側も、なかなかやるもんだね。僕も忘れてたというか、意識してなかったけど、アルカディアの閉空金庫には、まだ“神酒”が5リットル以上は残ってるはずだったんだ。 ククク、僕としたことが思い違いをしてたなあ。ということは、これでシュシュ・オーディナークが出てこなくても、アルカディアの勝利は決まったようなものだね。この調子でどんどん…
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「NEKTAR」 十五、子供

さて、クレアが産んだ女の子は、どうなっていたか? アルカディア本部の奥の部屋で、名も無き赤子は少女の膝に抱かれていた。 少女はまだ10代前半で、たっぷり幼さを残している。美しい金髪は2年前よりも長くなっている。 クレアを母のように慕ってやまない、赤い目の少女スカーレット・マーチ。 魔犬と戦ったときに比べて出力が膨大になってお…
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「NEKTAR」 十四、嵐の前

クレア・クレッセントとフィー・カタストロは険しい顔をしていた。 これから行うことは、彼女らにとって気の進まないことだった。 “大雀蜂”の二つ名を持つヴェネシン・ホーネット、そして赤子のときに“神酒”を投与されたカーム・シュミット。 この2人にこれから“神酒”を服用させるのである。 「決心は変わらないか。」 カタストロが沈痛な面…
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「NEKTAR」 追憶Ⅲ

ダンツォルティ・アビリュステロス。 我らは、この名を決して忘れることはない。 邪神の名を冠する最悪の裏切り者ノットー・リ・アースの名と共に。 1940年はアルカディアにとって災厄の年となった。4月14日より、アルカディアは地獄の渦に巻き込まれた。 何千何万というエスパーが起こした暴動。空間を閉じて作っていたはずの金庫からは“…
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「NEKTAR」 インターローグⅥ

やあ、ティム・タロニスだよ。 巫女戦はアルカディア側の全勝。これにはちょっとびっくりだよ。風組や火組はともかく、土組までとはね。 でも、やばいんでないの。ついに上位陣がぞろぞろと出てきたよ。これはギガマイルの誤算かもよ。 妨害念波の影響は、まだまだ全然あるし、アンティローグ側も予知能力者の集団かだらね。 ・・・ギガマイルが彼らを…
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「NEKTAR」 十三、地を這うワーム

ノースカロライナ州は大西洋に面していて、煙草の生産が盛んである。 もうもうと立ち込めるヤニ臭い煙の中で、七罪巫女が1人“傲慢”のホーティネは立っていた。 威風堂々としたポーズで、両耳に2本ずつ、両鼻に3本ずつ、口に10本。合計20本。 両腕を広げ、仁王像のように立ち尽くしながら、ホーティネは20本もの煙草を同時に吸っていた。 こ…
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「NEKTAR」 十二、空からの火

オハイオ州は交通網の発達した地域であり、製造業が盛んである。しかし今はそれも殆どが停止状態にあった。 七罪巫女のうち“強欲”のグリンディーヌは方々から食料や衣服、宝石などを集めて我が物としていた。 「ワッタシは“強欲”のグリンディ~ヌ!」 既に駆けつけた火組の3人を相手に、グリンディーヌは威勢よく名乗っていた。 「お前らのエネル…
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「NEKTAR」 十一、鳥と竜巻

カンザス州は米国中部にあり、小麦やトウモロコシの栽培、肉牛飼育が盛んである。 しかし今はアンティローグが暴れまわっていて、畑も牧場も無残に荒らされていた。 その中に1人、オリエンタルな白い服を着た22歳の女がいた。七罪の巫女の1人、“嫉妬”のジェラシィ。 「あたしィに何か用?」 ジェラシィの前に現れたのは、アルカディア風組のベー…
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「NEKTAR」 インターローグⅤ

この戦いもフェイズ2へ進んだね。ノーティにアタル兄弟、巫女連中もぞろぞろと戦場へ出てきたな。 ギガマイル・クレッセントもカードをバンバン出してきた。何か調子付いてきてるし、反撃開始ってか。 ヴェネシン・ホーネットやカーム・シュミットをどう使うかってのも不明だし、白組と黒組をどこへ連れてく気だろう。 え、僕が誰だって? 僕だよ…
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「NEKTAR」 追憶Ⅱ

1939年のアルカディア。 “神酒”研究班の直面している課題は、いかにして副作用を抑えるかということであった。 会議室に男の声が響いている。 『・・・多くのエスパーは、肉体や精神の構造が常人と異なっています。生物である以上は自分の力で自分を傷つけないようにする工夫が成されていますが、エスパーも例外ではありません。念力使いやテレポー…
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「NEKTAR」 十、ニューカード

クレアの状態は相変わらずである。 胃は食べ物を受け付けない状態になっているので点滴で命を繋ぎ、肌は罅割れて血が滲んでいた。 目には隈が痣のようにかかっていて、鼻は奥まで炎症を起こし、口内炎が10箇所以上もあった。咽も荒れている。 「あ゛あ゛、レ゛ック゛ス゛・・・。」 鼻声になっていたので、スプレーを使ってから続きを話す。 「ち…
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「NEKTAR」 九、アタル兄弟

暴れているのはノーティだけではない。 大きな被害をもたらしているのは、他にもいる。 “姦淫”のルード・アタル。 “殺戮”のマーダ・アタル。 強姦魔の弟と、殺人鬼の兄。 この2人がそれぞれ同好の士を引き連れて、別々の場所で暴れまわっているのだ。 放ってはおけないが、それでは誰を差し向けるかとなると、皆が沈黙する。 死を覚悟し…
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「NEKTAR」 八、強奪

アルフレッド第一分隊、ラプソディア第二分隊、アージェ第三分隊、ラドル第六分隊、アトラト第八分隊。 総勢40名は、“強奪”のノーティ・バーグラーと遭遇していた。 「おう、美少年やないか。うらやましい。」 アルフレッドは呑気な感想を述べながらも、素早く隊列を展開させた。50に近いベテランならではの余裕だ。 アージェ隊とアトラト隊は普…
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「NEKTAR」 追憶Ⅰ

1938年のアルカディア。 “神酒”研究班の7名が集まって、赤黒い液体を眺めている。 量はビーカーに一杯、200cc程度。 『たったこれだけの量で、千人のA級エスパーが作れるというのか。素晴らしい、素晴らしい。A1級に限っても20人以上、1人に使うのならば超A級でも上々の・・・本当に、本当に、素晴らしいねえええ!』 三日月万…
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「NEKTAR」 七、パラメッタ

パラメッタは不幸な少女だった。 生まれてすぐに両親に捨てられたことなど、その先の人生を考えれば取るに足らないことである。 彼女が幼年時代を過ごした孤児院は口やかましい院長が支配していたが、それすらも入口でしかなかった。 近所の金持ちの息子たちに体をいじられることが頻繁にあった。 それでも孤児院へ帰れば、同い年の少年と6つ年上…
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「NEKTAR」 インターローグⅣ

はいはーい、ティム・タロニスだよ。 ディバウア・ネイバーに続いてパージャ・フォールスも死んじゃったねー。でも2人で随分と引っ掻き回したけど。 ディバウアにやられた24人も、パージャに唆されたって(4)から聞いたよ。パンデミック・ヒュプノシスなんて、面白い能力だね。流言蜚語を振り撒くには、もってこいだ。 さてと、ちょっと状況を辿…
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「NEKTAR」 六、暗鬼

副隊長コムザインの招集により、砕組の正規メンバー173名全てが一箇所に集められた。 1つの分隊に8名、それが25分隊。全滅した二十、二十二、二十四分隊と、3名を失った第四分隊を計算に入れて、200-27で173名。B1~C1までの念力使いが集まっている。 (こうして集めてみると・・・) 40代前半の若き副隊長コムザインは、表情を暗…
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「NEKTAR」 五、偽証

「はーい、ジョナル。」 20代前半の若い女性が白組隊長X・Q・ジョナルに話しかけている。 彼女も白組のメンバーであり、ジョナルの良きパートナーだ。 白組副隊長イウィー・ディークィル。ショートカットの銀髪がキラキラ光る。 「や、イウィー。機嫌いいな。」 「ふふーん、聞いたわよ。かっこよかったじゃなーい。」 イウィーはジョナルの…
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「NEKTAR」 インターローグⅢ

やっほっほ、やっほっほ。 ティム・タロニスだよーん。 早くも激突が始まってるらしいね。(4)が戦況を事細かに報告してくれるからさ、うずうずしちゃって仕方ないよ。 それと10人のクラスも教えてくれたよ。1人は死んだけどねー。 A3級・・・“貪婪”のディバウア、“偽証”のパージャ、“強奪”のノーティ A2級・・・“姦淫”のルー…
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「NEKTAR」 インターローグⅡ

わたしはヴェネシン・ホーネット。 アルカディア準幹部“準星”の1人で、B1級の念力使い。43歳になる。 20年前に妹を失い、2年前に姪を失った。 何度考えてもわからない。 どうしてイブは死んだのよ? どうしてキャンディナは死んだのよ? なんで。 なんで。 経緯ではなく理由が知りたい。 しかし。 しかし。 そんな…
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「NEKTAR」 四、攻撃と防御

「ひでえことしやがるねえ。」 京狐夜果里がディバウア・ネイバーのところに現れたのは、それから間もなくしてのことだった。 クレアの指示で動いたが、砕組の3部隊が壊滅するまでには間に合わなかった。 「重幹部クラスのお出ましか。だが、このディバウアには勝てない、ぜ。何しろ大勢からエネルギーをたらふく吸い取ってパワーアップしている。元はA…
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「NEKTAR」 三、貪婪

アルカディア本部内の病院で、ルナは眠っていた。 「んん・・・ん。」 「ルナ?」 「ふぁ~あ、リュウ、おはよ。」 「食べたいものはあるか?」 「みかんが欲しいな。」 「持ってくる。」 リュウが部屋を出て行くと、入れ違いにレックスが見舞いに来た。 「よう、ルナ。」 「あ、レックス。」 ルナの表情が和らぐ。 「調子はどう…
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「NEKTAR」 インターローグⅠ

はい注目、ちゅーもく。 また新しい情報が入ったよ。 しかし誰に向かって言ってるんだ僕は? まあいいや。誰が聞いていてもいなくても、話していいことは話したいものさ。そうだろう? いくら僕の口がダイヤモンドよりも堅いとはいっても、喋っていいことは喋っちゃうさ。 僕の名はティム・タロニス。“リバース”の(7)だ。 さてさて、あ…
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「NEKTAR」 二、神殿

「何て奴らだ!」 レックスは震えながらテレビを叩いた。 サムも歯を強く噛んで黙っている。 先程の殺人劇は、まやかしなどではなく、あの10人のエスパー・・・“アンティローグ”という連中の仕業。 クレアに呼び出されたのでなければ、スプラッター映画か何かと思ったかもしれない。 当然の如く、超能力の存在を知らない人々は冗談だと思ってい…
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「NEKTAR」 一、宣告

1972年3月14日。 月組隊長クレア・クレッセントは自室に部下4名を呼び集めた。 「レックス、サム、ルナ、リュウ。よく来てくれた。」 白い指で腹を撫でさすりながら、クレアは安楽椅子に座っていた。 妊娠のせいで、長い黒髪も艶が落ちているが、その代わりに、ただでさえ大きな胸は更に膨らみを増している。 「さてと、奴らが電波ジャック…
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