テーマ:エスパー奇譚 千里

「NEKTAR」 あとがき

◆ ◆ ◆ 第二十話から間が空きましたが、「千里」第二十一話「NEKTAR」これにて完結です。 この話だけで十一話~二十話までよりも多く、当然ながら第一部よりも多いわけですが、 分量のバランスが狂っているあたり、やはり自分は良くも悪くもアマチュアなんだと思います。 執筆していたのは、2008年末から2009年の初…
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「NEKTAR」 フィナーレ

ダンツォルティ・アビリュステロスは、いかなる人物だったか? 結論から言えば、限りなく空虚に近い人間だったということになる。憎悪、憤怒、色欲、殺意、虚栄心、慈愛、尊敬、仁義、憧憬、勇気、妄信、悲哀、嫉妬心、好奇心、探究心、献身、友愛、破壊衝動、羞恥心、後悔、優越感、劣等感、倦怠感、向上心・・・・・・いくら挙げ連ねたところで、彼の中に…
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「NEKTAR」 エピローグⅩⅡ

?????????? 前後も左右も上下も定かでない、果ての見えない暗黒空間。 そこで(1)なる契約に縛られた者たちが、向かい合うこともなく、てんでバラバラの姿勢で浮かんでいる。 「「ウロイ・ディムニスを殺してきたよ。」」 双子の姿で(7)は、その必要は無いと知っているが、言葉に出して報告する。 いわゆる様式美というものだと…
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「NEKTAR」 三十、悪魔

真夜中の空。 パラメーツォルティは、ふらふらと飛んでいた。 「はァ・・・はァ・・・ぐぞォ・・・いくら何でも、やられすぎた・・・。」 カタストロとコムザインに攻撃され続けただけではない。時間が経つごとに自分の力が減少していくのがわかる。 少しずつだが確実に、パラメーツォルティは弱体化していた。 「アンティソーマとか・・・計算…
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「NEKTAR」 二十九、重奏

太陽の輝きが赤みを増していく。 血のような光球を背にして、パラメーツォルティは笑っていた。 不幸な少女パラメッタの面影は微塵もなく、紫色に変化した髪の毛は風に振り乱されて空に広がり、その隙間から赤い光が差している。瞳の色も紫になり、肌の色も死人のように青白くなっていく。 「ぐひィひィひィ、“挽念化生”カタストロ! “壊滅大帝”…
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「NEKTAR」 二十八、幸福

5番目の神化系能力者ダンツォルティ・アビリュステロスは、“神酒”を搾り取られるだけの家畜として生涯を終えた。 彼が搾り取られたのは、血や肉片だけではない。良い家畜は増やしてこそだという、飼い主の言葉によって、彼は数え切れないほどの女と交わらされた。その多くが奴隷か、そうでなくとも身分の低い女だった。 ダンツォルティの子孫は多く生まれ…
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「NEKTAR」 エピローグⅩⅠ

アンティローグ神殿は大騒ぎになっていた。 巫女全員で捕捉していたはずの、クリエ・ソゥルの意識が、消失したのである。 この突然の事態に、巫女たちは揃って血の気を失った。 下位の巫女たちはオロオロするばかりで、何も出来ない。 「クリエ様!?」 「クリエ様!?」 「どうなされたのです!?」 「クリエ様! ご返事を!」 ホー…
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「NEKTAR」 エピローグⅩ

フィー、幸せか? お前は今・・・幸せか? 元気か? 痛いところは無いか? 最近は、フィー以外の人間に価値が無いように思えてくる。 彼女以外の景色が灰色に見える。 恋愛を楽しんでる奴らを見ると、胃の辺りが重苦しくなる。 はしゃいでいる子供を見ると、蹴飛ばしたくなる。 野に咲く花を見ると、全て毟り取ってやりたくなる。 …
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「NEKTAR」 エピローグⅨ

神様、わたしは罪深い女です。 男を誘惑し、堕落させる悪女です。 わたしにその気が無くても、男が次々と寄ってきます。 内なる邪淫の気が男を吸い寄せるのだと言われました。 あどけない顔して、何も知らない顔して、男を惹きつける天性の淫婦だと言われました。 わたしをチヤホヤしてくる男たちの中には、恋人を捨てた人も多くいました。…
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「NEKTAR」 エピローグⅧ

オレとデュース兄は、いつも仲良し。 周りの奴らは、双子でこんなにも出来が違うとか何とか言うけど、放っとけっての。 出来が良いとか悪いとか関係ないだろ。 デュース兄の出来が悪いってんなら、オレがフォローすればいいだけの話だろが。 この世にたった2人の、血を分けた兄弟なんだ。助け合うのが当然だ。 オレがデュース兄を助けてば…
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「NEKTAR」 エピローグⅦ

何も好き好んで、こんな人生を送ってやしない。 おれは普通の人間よりも疲れやすい分、思い通りにならないことも多かった。 人と遊ぶのも面倒で、家に引き籠もりがちだった。たまに遊んでも、すぐにしんどくなってしまう。 最初は友達だと思っていた人間も、すぐにおれを見下すようになりやがった。そんな少年時代を延々と過ごした。 長かった…
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「NEKTAR」 エピローグⅥ

はいはいは~、オスカー・ダブリンと申します~。 僕ほど親孝行な人間はいませんよ。 僕の母は、口やかましくて、いつも溜息ばかりでした。 学校の成績のことで30分も1時間も説教するし、僕が大切にしていたオモチャを平気で捨てたりもしました。 それはもう恨みました。何てことをするんだと。 しかし、大人になって、それは僕のことを…
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「NEKTAR」 エピローグⅤ

オレの残虐な性質ってのは、生まれつきのもんだったのかね。 弟のゴルドーも生まれつき色情狂だったが、2人揃って前世で何か悪いことでもしたのかもな。 あらゆる悲劇を試練で片付ける、神様ってやつは単純に出来ている。 幼い頃から、何かを壊すのが好きだった。 次第に、命を奪うという行為に悦びを覚えるのだと、経験的に理解した。 …
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「NEKTAR」 エピローグⅣ

何でこんなに自分は性欲が強いのかって悩んだことはありますか。 わたくしは物心ついたときから性欲が強く・・・その頃は性の概念も無かったわけですが・・・自分の男根を一日中いじっていたり、周囲の人々や動物の性器を触ったりしていました。 たわいない子供の悪ふざけだと思われていたのも束の間、大人たちは一転してわたくしを罰し始めました。 …
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「NEKTAR」 エピローグⅢ

力ずくで奪うってことは、しちゃいけないことなんだよね。 ぼくだって知ってる。 でも、その理由は知らない。 誰も知らない。 少なくとも、ぼくの周りの大人は誰ひとり知らないね。 おかしいよね。だめだって言っておきながら、その理由を教えてくれないなんて。 大人は何でもかんでも言うくせに、何でもかんでもやらないんだ。 …
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「NEKTAR」 エピローグⅡ

嘘は、いけないことだ。 嘘は、悪いことだ。 だから私は、今でこそ嘘つきだけど、子供の頃は正直な子供だったんだ・・。 ただし、頭に“馬鹿”がつく方のね。 正直というのは損をするということだ。 野球をしていて町長の家の窓ガラスを割ったことがある。 どうやらそこで高価な置物を割ったらしくてね。 皆で相談して・・・とい…
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「NEKTAR」 エピローグⅠ

いつだって、欲しいものは手に入らない。 子供の頃から飢えていた。 自分が持っていないものを、人は持っている。 それは、お金だったり、おもちゃだったり、友達だったり、食べ物だったり、とにかくいろいろあるけれど・・・。 何故なんだと、いつも考えていた。 生まれが貧しいからか。 容貌が醜いからか。 痩せこけて骸骨のような…
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「NEKTAR」 二十七、アンティローグ

アルカディア本部。 「クリエ・ソゥルの正体は、モース・リーガルだ。いや、我々の知るモースもまた偽物だったということになるかな。」 クレアの言葉に驚かない者はいなかったが、疑う者もいなかった。 たとえ千里眼の言葉であっても、仲間がアンティローグのリーダーだと言われたら、それ自体を疑ってかかりそうなものだが、そんな人間は誰ひとりい…
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「NEKTAR」 二十六、唯一神

今やすっかりアンティローグの本拠地と化している、ニューヨーク・シティ。 神殿では十戒上位陣の敗死で、さぞかし動揺していると思いきや、クリエ・ソゥルの存在がそれを抑えていた。 「皆の者、恐れるな。私がいる。」 クリエは白い法衣をはためかせて、人々の前に姿を現した。 テレパシーと二重になっている声なので、大きくなくてもよく通る。 …
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「NEKTAR」 インターローグⅩⅢ

暗い暗い地の底にいる。 俺の心は、いつでも暗い。 雨の日も、晴れの日も、昼でも夜でも、冷たい水滴の下垂る洞窟の中は、冷たい闇が支配している。 理解しているさ。俺の心は歪んでいる。錆びつき、傷つき、すり減っている。 50歳にもなると、体だけでなく心も衰えてくる。 情熱ってやつが、だらしなく漏れ出して、霧散していくような感覚に…
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「NEKTAR」 インターローグⅩⅡ

ああ~、なんだかな。 終わりが近付くと物悲しくなってしまうのは、僕だって普通の人間と変わらないんだよ。 アイド・カルトーがもっと盛り上げてくれると思ったんだけどさー、コムザインに圧倒的に叩き潰されちゃったー。 いや、盛り上がったことは盛り上がったんだけど。 “魅了”が効かなかったのが最大の誤算だよね。あの展開は流石の僕も予想…
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「NEKTAR」 二十五、E級

コムザインがアイドを撃破した頃、アルカディア本部では夜明けが来ていた。 光が差し込むと同時にクレアの目がカッと開き、朝日を反射した。 「クレア!」 「レックス・・・。」 クレアは顔を強張らせたまま、歯を軋りつつ起き上がった。 「・・・・・・。」 己の不甲斐なさに腹が立って仕方ない。 20時間以上のノンレム睡眠で体調の方は万…
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「NEKTAR」 二十四、壊帝

コムザインとカタストロが集合地点に到着したときには、既に日が暮れかかっていた。 東に向かって数千キロ、更に時差も含めて半日の行程。 「このあたりのはずだが・・・。」 コムザインは首をかしげた。 「・・・・・・。」 「フィー姉?」 「最悪の事態を覚悟せねばならないな。」 険しい顔のカタストロ。 「まさか・・・。“神酒”でパ…
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「NEKTAR」 インターローグⅩⅠ

ただいま、みんな。元気してた? “リバース”(7)のティム・タロニスだよ。 ハハハ、それにしてもギガマイル・クレッセント1人を欠くだけで、ここまで脆くなるものなのかねー? んー? 鬼畜? 外道? 女の敵? そんなに褒めないでよ、照れるじゃないか。 それはそうと、戦いも大詰めに入ってきた。 デュースは結局裏切り者…
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「NEKTAR」 二十三、魅了

ヴェネシンたちはカームと合流していた。 “大雀蜂”ヴェネシン・ホーネット。 “スピリタス”カーム・シュミット。 “柔泡花”ハービス・カチュラム。 “サイド・ワインダー”ラドル・スネイク。 “大鋏”リック・ビッグマン。 “剛腕”ゼルーク・ミーティア。 その他、50名。 本部待機のメンバーを合わせても、いよいよ砕組も少なくな…
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「NEKTAR」 二十二、偶像

デュースがベインと戦っていた頃。カンザス州において“嫉妬”のジェラシィを撃破した風組の5人は、アンティローグ第五位“双尊”のペック・ペアと対峙していた。 「さあ、さあ、さあさあさあさあ、は~ん!」 ペックは掛け声一発、サイコキネシスで軽く5人を吹き飛ばした。 B1級のカルゼッタは何とか防御と受身を取ったが、残りの4人は一撃で気を失…
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「NEKTAR」 二十一、虚栄

「ウオオオオォオオォオオオオオオ・・・!」 ベインは念力を全開にした。 周囲の全てが吹き飛んでいく中、デュースは炎で結界を張って防いでいた。 「かあああ・・・。どうしたクソ兄、防ぐだけで精一杯か。まあ仕方ない。オレは全てにおいて上回っていた。30年経とうが、その優劣は変わらない。環境がお前を選ぼうが、1対1になったときは個の力の戦…
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「NEKTAR」 インターローグⅩ

ベイン、お前いつからそんなだったかな。 幼い頃から、お前は何でもよく出来たよ。貧しい田舎の農村で、お前は神童だった。 家事手伝いは完璧にこなし、遊びでは常にリーダー、ケンカも負けたことはなかった。 そのせいかな。 何をやっても人より優れている、そんな環境が、お前を歪ませたのかな。 わたしはそんなお前を一番近くで見ていた。何…
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「NEKTAR」 二十、仮面

時間を巻き戻してオハイオ州。 火組の3人・・・ソドム、ジェスレイ、サカルは、アンティローグ第三位“虚栄”のベインと対峙していた。 「ベイン・ディーバー・・・?」 「デュース副隊長ノ弟・・・?」 「・・・マジ?」 “炎帝”デュースと同じ顔で、ベインは憎悪を3人に向けていた。 「お前らさあ、こう思ったことはないか? 手に入らない…
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「NEKTAR」 十九、神酒

ニューヨークのアンティローグ本神殿には、七罪巫女が4人と“再生”のパラメッタ、それと下位巫女15人。 この20名が、現在生き残っている巫女の総員であり、今までに16人が死んでいる計算になる。 そこへしばらくぶりにクリエ・ソゥルが現れた。若々しく逞しい体に、白く輝く法衣。堂々の帰還である。 「「クリエ様!」」 「「クリエ様ぁ!」」…
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