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日 時 |
悲喜出しの恋 8
(ハッ!)
先程からジョナルは面食らってばかりだったが、自分の恋心を指摘されたことに今更気付いて心臓の鼓動が強くなった。
「・・・・・・。」
それにも構わずヴェロニバルはしゃべり続ける。
「君が恋しているリュイという少女は、恋愛というものに大いに興味を持っている。何故自分は今まで恋の一つもしたことがないのだろうと考えている。興味本位で変な男に引っかかる前に、ちゃんとした相手を探してやろうと思ってね。」
そう言ってヴェロニバルはジョナルをしげしげと見つめた。
「ふうむ、地味だが見苦しく...
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2009/11/25 01:13 |
悲喜出しの恋 7
ジョナルが考え込んでいると、そこへヴェロニバルが現れた。
「こんなところにいたのかい、思春期少年(アドレスンスボーイ)!」
「は?」
突然現れた変な女にジョナルは戸惑いを隠せなかった。
「私はヴェロニバル・ゼティエルト・サンデモン! 今年で40歳になるヴェロニバル・ゼティエルト・サンデモンだ! 人は! 私を! ヴェロニバル・ゼティエルト・サンデモンと呼ぶ!」
そう言って大げさなポーズを決めたヴェロニバルは、陶酔した表情でしばらく動かなかった。
「あの、どこかでお会いしましたか?」
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2009/11/24 07:46 |
悲喜出しの恋 6
イウィーの姿が見えなくなってから、ジョナルは溜息をついた。
「はあー、何であんなに怒ってんだ?」
まだソロバンで殴られまくった傷が少し痛い。
「そーいや最近怒りっぽくなったよなー。いい奴なんだけど、何かわからんとこがあるからなあ。」
(まあ、友達っていったって、お互いに完璧に理解し合えるわけでもないしな。)
そう納得して、ジョナルはリュイのことを考え始めた。
(そうそう、系列が違うからどうやって接点を作るかという話。)
しかし、いくら考え込んでもアイデアが浮かばない。この広いアルカ...
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2009/11/23 00:39 |
悲喜出しの恋 5
さて、リュイは誰かに恋してるわけではないが、リュイに恋してる人間はいた。
16歳の青年ジョナルは月組傘下の「白組」の隊員である。数年後に若くして白組の隊長を務めることになる彼も、今は恋する少年だった。
若干体が細いが、身長が結構高いせいもあって余計に細く見える。茶色に近い黒髪と丸っこい目が可愛らしい。雰囲気もどこか中性的なものがある。
(どうやったらリュイと親しくなれるかなー。)
リュイとジョナルは組の系列が違うので接点が少ないのだ。
「何悩んでるの、ジョナル。」
声を掛けたのはイウ...
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2009/11/22 04:03 |
悲喜出しの恋 4
「それではさらば、思春期少女(アドレスンス・ガール)。ぬふう!」
ヴェロニバルは1人でしゃべって走り去った。
「・・・・・・。」
リュイは何だか溜息がつきたくなった。
(アルカディアは広いわ・・。)
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2009/11/21 00:00 |
悲喜出しの恋 3
リュイが悩んでいると、そこへ40歳くらいの女性が現れた。
(わあ、美人さんだあ。)
「その反応グッド!」
現れた女性は大げさに拳を突き出して親指を立てた。
「あなたは?」
「私はヴェロニバル・ゼティエルト・サンデモン! 報組(しらせぐみ)第80分隊長ヴェロニバル・ゼティエルト・サンデモン! 黙っていれば美人と評判のヴェロニバル・ゼティエルト・サンデモンだ!」
ヴェロニバルはとにかく大げさな身振り手振りで名乗った。“黙っていれば”というフレーズに、リュイは思いっきり納得した。
「恋に...
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2009/11/20 00:02 |
悲喜出しの恋 2
リュイ・クラウディアは当時14歳。後に「水組」の隊長を務めることになる彼女だが、この頃は単なる少女である。超能力も水色の髪も、ここアルカディアでは珍しいものではない。彼女の超能力は種類としては珍しいが分類としては珍しくなく、そう強力なものではない。ある意味では面白味のない能力かもしれないが、リュイは自分の能力が嫌いではなかった。安定していて歪(いびつ)さが少ない。それは、人を傷付ける恐れが少ないということだ。
水組の一員であるから当然の如く水に関係する超能力なのだが、今回の話ではこれまたあまり...
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2009/11/19 07:48 |
悲喜出しの恋 1
エスパーコミューン・アルカディア。その構成人数は約20万。そのうち半分の10万人がエスパーである。
超能力に関する事件に限らず、困っている人や苦しんでいる人を救済する。それがアルカディアの活動において重要な一端を占めていた。
それらを慈善でなく任務として行う機構を「組」と呼ぶ。首領ミセス・ジュエルの率いる「神組」(かみぐみ)を頂点とし、その下に「月組」(つきぐみ)、「獣組」(けものぐみ)、「砕組」(くだくぐみ)の3つがある。
主にサイコキネシス能力者で占められている「砕組」の傘下に、“属性...
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2009/11/18 02:02 |
悲喜出しの恋 まえがき
この頃はシリアスな話や不気味な話が続いているので、ここらで一丁パーッと明るいのをやろうかと。
『エスパー奇譚』短編集中連載の第3弾は、ほのぼのとした恋愛小説。そんなに変な人は出てきません。たまには王道を行かないとね。こういうまともな話も書けるということを示すのだぁ。
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2009/11/18 02:01 |
幹部で止まってすぐ官僚 〜狂気のスターリン〜
今までの革命シリーズの中で最も酷い。
「患部で止まってすぐ溶ける」で検索すると元の歌が出てきますが、これに負けず酷いです。
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2009/11/18 01:25 |
エレメントハンター(第18話、19話)
ちょっと登場キャラについて整理しとこう。
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2009/11/18 00:48 |
ゾーマのマーチ
「アンパンマンのマーチ」と「ドラクエV」のコラボ。
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2009/11/18 00:05 |
マルクステクニック
もう注意書きとか無くていいかな。
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2009/11/17 00:37 |
Fプリキュア(第39話、40話)
終盤も近付いてきたな・・・。
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2009/11/17 00:33 |
首と手 あとがき
とにかく次回への引きを意識して書いた作品です。
読者をいかに飽きさせないか。大事な要素だと思います。
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2009/11/17 00:14 |
首と手 15
「依頼とは、関係ないことだから、答えたくなければ、答えなくていい。」
シュシュ・オーディナークはそのように前置きして話を続けた。
「恋愛は、肉体関係が無くても、存続出来ると思うか。」
「・・・そうありたいと思っています。例え契りを交わし、子供が出来たとしても、必要以上に馴れ合うことなく人間同士の付き合いをしたいと思います。相手の男とも、子供とも。」
「その答は、私を満足させるに、十分だ。」
妙な言い方をするものだと思った。妙と言えばこの質問も妙だが、何か心中で思うところでもあるのだろう...
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2009/11/17 00:09 |
首と手 14
再び冷風の吹く廃墟にて。
約束の時間通り、ナルシスとシュシュ・オーディナークは手首と依頼料を交換し合った。
ナルシスは、やはり地味な服装に着替えている。
「ありがとう、怪盗ナルシス。」
シュシュはそう述べて、サイコキネシスで右手首を動かし、元あった位置にまで持ってきた。
「・・・!」
驚きはしたが、今更どうというものではない。依頼はやり遂げたし、依頼料は本物の金塊である。シュシュ・オーディナークがどういった人物であるかなどということは知る必要は無い。例え依頼者がエスパーだろうと、もら...
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2009/11/16 00:00 |
首と手 13
気がつくとナルシスはシュシュ・オーディナークの手首を持って“黒い博物館”の扉の前にいた。
依頼を受けてこの中へ入り、見事に目的の品を手に入れたことは覚えているが、具体的な内容が思い出せない。
違和感を覚えて頭を触ると、何故か髪の毛がばっさり切られている。
「?」
一体どこで切り落とされたのかわからなかったが、何となく不気味だ。
しかし今は脱出が先決である。
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2009/11/15 01:05 |
首と手 12
だらだらと血が流れるのも構わずに、“寝ずの見張り”は嬉々として自分の手首をケースの上に乗っけた。
すると瞬間的にシュシュ・オーディナークの手首と位置が入れかわり、彼女の右手首はケースの中に閉じこめられた。
「どうぞ。」
“寝ずの見張り”は左手でシュシュの手首を指し示す。
ナルシスは益々痛ましい顔つきで、それを手にした。代わりに一輪の白水仙、そしてメッセージを置くのは忘れない。
「それではお送りいたします。」
カツコツカツコツと1人分の足音を立てて、2人は階段を下りて扉の前まで来た。
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2009/11/14 01:19 |
首と手 11
「では、どうされますか。諦めてお帰りになられますか?」
“寝ずの見張り”は楽しげに笑っている。ナルシスの選択によっては自ら手首をちょん切るというのに、不自然なほどに明るい。何か裏があって本当は手首を切ることなどしないのか、ナルシスが諦めると確信しているのか、それとも単なる人格破綻者なのか。全くわからない。
心理が読めるなんて嘘だ。確かに人一倍その能力に長けているとは言えるが、先程の推論はカマを掛けただけのこと。“鍵”の在処を知ってるだろうと言われて「どうして?」と問うたのは「どうしてそう思う...
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2009/11/13 00:37 |