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zoom RSS 金魚の興亡盛衰 〜3つのフェイズと累乗の力〜

<<   作成日時 : 2009/01/19 00:35   >>

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最初はたわいない話だった。

「最初に金魚が100匹います。1日目に1匹死に、、2日目に2匹、3日目に3匹、4日目に4匹・・という風に、死ぬ数が一定の規則に従って増えていきます。金魚が全滅するのは何日目でしょうか。」

Σ公式を使えば簡単。それを知らなくても、たいして大きくない具体数なので、小学生でも出来る。
これを考えついたのは、知り合いの小学生。彼は算数がよくできる子だ。
それでも、やはり小学生だなあ・・と微笑ましい気分で聞いていた。
しかし、これには続きがあった。

「次の問題です。最初に金魚が100匹います。1日目に1匹死に、2日目に2匹、3日目に3匹、4日目に4匹・・という風に、死ぬ数が一定の規則に従って増えていきます。ここまでは前の問題と同じです。それに加えて、1日目に1匹増え、2日目に2匹増え、3日目に2匹増え、4日目に3匹増え、という風に、偶数の日に増える数が一つずつ増えます。金魚が全滅するのは何日目でしょうか。」

これは高校生でも手こずるのではないだろうか。実は、下手にΣを使って解いたら、罠に引っかかる可能性があるのだ。小学生が力技で解いた方が正解率高かったりして・・。
ちなみに最初の問題も含めて、私は暗算で解くはめになっていた。小学生の考えた問題くらい暗算で解かなければ・・という雰囲気が場を支配していたのだ。最初の問題は軽く解いたが、次の問題はうっとなった。何回か間違いつつ、数学専攻者の意地で暗算で正解に辿り着いた。
ちなみに、この問題は「死亡フェイズ」と「増殖フェイズ」のどちらが先に来るかによって、答が1日ずれる。あくまで、全滅するのは何日目かという問題なので、「死亡フェイズ」が先ならば、その時点で全滅するかもしれないのだ。罠というのはこういうことだ。





さて、本番はこれからだ。
小学生の考えた問題を暗算で答える。そこで終わってしまっていたら、この研究も無かった。
私が真っ先に思いついたのは、フィボナッチ数列だ。すなわち、「死亡フェイズ」「増殖フェイズ」に加えて、「産卵フェイズ」を考えようというのだ。
それに伴って、「増殖フェイズ」は「孵化フェイズ」に名称を変更。


それではルールを説明する。

◎「死亡フェイズ」・・・1日目には1匹、2日目には2匹、3日目には4匹、4日目には8匹、5日目には16匹と、死亡する金魚の数が倍々に増加する。

◎「産卵フェイズ」・・・その時点で生存している金魚全てが各自1つずつ卵を産む。

◎「孵化フェイズ」・・・前日に産卵された卵は、全て孵化し、金魚になる。



実験1:最初、金魚は100匹いる。フェイズは、「産卵フェイズ」「孵化フェイズ」「死亡フェイズ」の順に行われる。

Σを使って求めようとすると、おぞましいことになってしまったので、断念した。というわけで、小学生さながらの力技だ。すると、意外と早く結果が出た。やはり力技は馬鹿には出来ない。テトラ戦術だ。

日数   産卵数   孵化数   死亡数   生き残り数
 1     100      0       1       99
 2      99    100       2      197
 3     197     99       4      292
 4     292    197       8      481
 5     481    292      16      757
 6     757    481      32     1206
 7    1206    757      64     1899
 8    1899   1206     128     2977
 9    2977   1899     256     4620
10    4620   2977     512     7085
11    7085   4620    1024    10681
12   10681   7085    2048    15718
13   15718  10681    4096    22303
14   22303  15718    8192    29829
15   29829  22303   16384    35748
16   35748  29829   32768    32809
17   32809  35748   65536     3021
18    3021  32809   35830(※)     0

よって、18日目で終了となった。最初100匹だった金魚が数万匹にまで増えたのも驚いたが、最大で7万匹近くまで増えた(17日目の孵化フェイズ終了時)金魚が、その翌日には全滅してしまうことにもびっくり。
ちなみに孵化フェイズと死亡フェイズの順番を入れ替えると、15日目の孵化フェイズ終了時の35748匹が最大となり、17日目で全滅する。

フェイズをこの順番にしたのは幸いだった。後の研究でわかったことだが、フェイズの順番によっては、数十桁の足し算と引き算を100回以上繰り返すことになるからだ。
この計算は思考力はたいして必要ではない。一定の規則に従って、足し算と引き算を繰り返す。こういった地味で生産性の乏しい単純作業は、私の最も得意とするところだ。2の累乗を延々と計算したり、10桁以上の掛け算の筆算を嬉々としてやるような子供だった。しかし、最も増えるフェイズの並べ方にすれば、あの頃の私でも根気が続くかどうかという計算になるのだ。書く数字は数万。幸いにして、そのフェイズの並べ方では単純な規則性を見つけたから、こうして研究を発表できるわけだが・・。

飽くなき探求心は、私を更に加速させた。暴走とも言う。
フェイズは3つなので、順番は6通り考えられる。
6通りもやるのが面倒だったので、最初の金魚の数を10匹にした。これなら6通りでもすぐに終わるだろうと思ったのだ。しかし、思ったよりも時間を食った。それが次の研究に繋がっていたわけだが・・。


実験2-1:上記と同じように、「産卵フェイズ」「孵化フェイズ」「死亡フェイズ」の順。

日数   産卵数   孵化数   死亡数   生き残り数
 1      10      0       1        9
 2       9     10       2       17
 3      17      9       4       22
 4      22     17       8       31
 5      31     22      16       37
 6      37     31      32       36
 7      36     37      64        9
 8       9     36      45(※)     0


実験2-2:「産卵フェイズ」「死亡フェイズ」「孵化フェイズ」の順。

日数   産卵数   死亡数   孵化数   生き残り数
 1      10      1      0        9
 2       9      2     10       17
 3      17      4      9       22
 4      22      8     17       31
 5      31     16     22       37
 6      37     32     31       36
 7      36     36(※)


実験2-3:「死亡フェイズ」「産卵フェイズ」「孵化フェイズ」の順。

日数   死亡数   産卵数   孵化数   生き残り数
 1       1      9      0        9
 2       2      7      9       16
 3       4     12      7       19
 4       8     11     12       23
 5      16      7     11       18
 6      18(※)


実験2-4:「死亡フェイズ」「孵化フェイズ」「産卵フェイズ」の順。

日数   死亡数   孵化数   産卵数   生き残り数
 1       1      0      9        9
 2       2      9     16       16
 3       4     16     28       28
 4       8     28     48       48
 5      16     48     80       80
 6      32     80    128      128
 7      64    128    192      192
 8     128    192    256      256
 9     256


実験2-5:「孵化フェイズ」「死亡フェイズ」「産卵フェイズ」の順。

日数   孵化数   死亡数   産卵数   生き残り数
 1       0      1      9        9
 2       9      2     16       16
 3      16      4     28       28
 4      28      8     48       48
 5      48     16     80       80
 6      80     32    128      128
 7     128     64    192      192
 8     192    128    256      256
 9     256    256    256      256
10     256    512


実験2-6:「孵化フェイズ」「産卵フェイズ」「死亡フェイズ」の順。これが問題となったやつだ・・。

日数   孵化数   産卵数   死亡数   生き残り数
 1       0     10      1        9
 2      10     19      2       17
 3      19     36      4       32
 4      36     68      8       60
 5      68    128     16      112
 6     128    240     32      208
 7     240    448     64      384
 8     448    832    128      704
 9     832   1536    256     1280
10    1536   2816    512     2304
11    2816   5120   1024     4096
12    5120   9216   2048     7168
13    9216  16384   4096    12288
14   16384  28672   8192    20480
15   28672  49152  16384    32768
16   49152  81920  32768    49152
17   81920 131072  65536    65536
18  131072 196608 131072    65536
19  196608 262144 262144


いかがだろうか。エクセルを使えばもっと早く出来るんだろうが、生憎使い方をそこまで熟知していない。そもそも今のパソコンはエクセルが使えない。・・まあ、どうせエクセルを使っても15分はかかるだろう。それより10分か20分程度遅いだけだ。
私は2-4や2-5をやる前に2-6をやってしまった。後半の3つは簡単に一般化出来るのだ。
2-6をやっている最中、私は妙なことに気付いた。何故か死亡数以外でも2の累乗が出てくるのだ。また、9日目の生き残りは1280で128の10倍。10日目の生き残りは2304で、48の2乗。面白いこともあるものだと笑ってしまったが、11日目の生き残り数が4096であることがわかったときに、笑えなくなった。もしや、これって結構簡単な法則なんじゃないか・・と思い、後を予測してから計算してみた。すると、予測と結果が合致した。
そこで、一般化を試みた。それについては後で記す。

さて、それぞれかかった日数は8、7、6、9、10、19と、他が並んでいるのに対し、2-6は圧倒的に長く生存している。また、2-1と2-2の比較、2-4と2-5の比較から、同じ日に隣り合う死亡フェイズと孵化フェイズを入れ替えても、結果は大差ないことがわかる(死亡フェイズが先の場合の方が、1日早く全滅する)。
また、表には記していないが、2-2、2-4、2-6は、その後も全滅と孵化を繰り返しながら存続し続ける。それに対し、2-1、2-3、2-5は、絶滅する(2-3は1日だけ絶滅が遅くなる)。これは、孵化フェイズのすぐ後に死亡フェイズが来るからである。
後半の3つは簡単に導けるのと同時に、全滅するときに死亡フェイズのルールの数丁度に死んでいる。これらはみな、同じ日で孵化フェイズより産卵フェイズが後にあるタイプである。

実験名 全滅日数 最大数 存続 丁度死亡
 2-1   8日     73  ×   ×
 2-2   7日     37  ○   ×
 2-3   6日     23  ×   ×
 2-4   9日    256  ○   ○
 2-5  10日    512  ×   ○
 2-6  19日 262144  ○   ○

どれもこれも、最大数になってから2日以内に全滅している。






字数制限が怖いから、応用編は次で語ることにします。

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