佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘都市 69   Tiger−]V 死のゲーム (後編)

<<   作成日時 : 2014/06/27 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



俺はシンヤを憎んでいる。

胃袋を逆さにして反吐ぶちまけるほどに、どうしようもなくシンヤが憎い。
シンヤは俺を不安にさせる。恐怖させる。際限なく負の感情を教えてくれる。
俺が認識していたマイナスなど、殆どゼロであるかのように。

ああ、惨めだ。ちっぽけだ。俺は何者でも無い。
膨大に広がる黒い海に、真っ暗な霧の中に、漂っている。
マイナスの波に抱かれて、心が寒い。冷たい。かじかんだ手足が痛い。

シンヤが憎い。果てしなく憎い。

だが、それ以上に、かけがえのない友情を感じている。
憎悪と友愛が、絡み合って、ねじれている。



―――たまに、こんなことを考える。ごく稀に。



◆ ◆ ◆



タイガー:LP8800、手札5
場:
場:

チェルシー:LP×、手札×
場:
場:
除外:ダークネス・エイジ−残骸悪夢の邪鬼(攻28000)




灰塵に帰す闇の世界−ナイトメアワールド (フィールド魔法)
このカードはデュエル開始時に、デッキまたは手札から発動する。
このカードはフィールドから離れない。
フィールド上に存在するカードが破壊されたとき、1枚につき800ダメージを相手に与える。
相手の特殊勝利は無効になる。
このカードが墓地に存在するときに、相手の勝利が確定した場合、自分の敗北を無効にし、「ダークネス・エイジ−残骸悪夢の邪鬼」を除外ゾーンに置く。



ダークネス・エイジ−残骸悪夢の邪鬼 レベル33 闇属性・悪魔族
攻撃力X000 守備力X000
このカードはフィールドに出すことは出来ない。「闇の世界」と名の付くカードの効果でのみ、ゲームから除外することが出来る。ゲームから除外されたこのカードは、他の場所に移動しない。
このカードはゲームから除外された状態で、必ずバトルフェイズに参加する。
このカードの攻撃力と守備力は、コントローラーの年齢×1000ポイントになる。
このカードは守備表示モンスターに貫通ダメージを与える。
このカードがゲームから除外されている限り、自分は他のカードを使うことが出来ず、効果も無効になる。
このカードが戦闘で超過ダメージを受けたとき、自分は敗北する。それ以外の敗北条件を無効にする。
自分のエンドフェイズに相手のカードを全てデッキに戻す。




『やあ、キミがマサキってやつか。随分と可愛いね。僕はダークネス・エイジ。年齢の悪魔さ。』

目の前に現れたのは、28000もの攻撃力を宿してるとは思えねえ、あどけない子供だった。
だが、相手に油断を許さないほどの邪気が立ち昇っている・・・。こいつが、バーディーの・・・。

「・・・お前がドリーの言ってた奴か。ドリーの姉から若さを奪った、悪魔。」

『そうだよ。だけど僕は、願いを叶えたに過ぎない。僕は女の子の夢を叶えたいんだ。いつまでも若く美しく、永遠に愛される。それが女子の夢ってやつじゃない? 男のキミにはわかんない、かな?』

「・・・・・・。」

『睨まないでおくれよ。キミは親友にも、そんな目を向けるのかい? あのマガイモノに。』

「黙れ。シンヤを侮辱するな。」

凄んだほど怒っちゃいない。こいつがシンヤに勝てるはずもないからだ。
シンヤより弱い奴がシンヤを侮辱したところで、負け犬の遠吠えに過ぎない。

これは怒りではなく、侮蔑だ。

親友としての義理だと言いたいところだが、あいにく俺は、そんな高尚な人間じゃない。
いつでも不安だし、不安定だ。つまらないことで腹も立てるし、理に背く感情も次々と出る。


『僕は事実を述べてるだけだよぉ。死人に義理立てしなくてもいいじゃない。思う存分ぶちまけようよ、憎悪。』


はあ・・・? 死人って、何言ってんだ。
そんな古臭い手に、俺が動揺するとでも思ってるのかよ。

いや、そう言えばシンヤが言ってたな。自分は死んでるようなものだって。
なるほど、要するに侮辱の続きってわけだ。くだらない。


『あれ、聞こえなかった? ちゃんと言ってあげよっか。竜堂神邪はね、バラバラに吹っ飛んで死んだ。破壊輪のダメージを肩代わりしたんだ。馬鹿だよね、薫さんが無効化しているのに、無駄死ににも程があるよ。汚く血肉を撒き散らしただけマイナスだよね。あはははは、最後まで汚点だ。』


「虚言と侮辱も大概にしろって、ダークネスの親玉は教えてくれなかったのか? それとも幼稚園に礼儀作法を置き忘れてきたか? 逆に、長生きしすぎて現代の道徳レベルには付いてこれねぇか? ・・・ああ、悪い悪い。お前はダークネスだから哺乳類の言葉には不慣れなんだな。まずはカモノハシあたりに会話を習え。それから話をしよう。」


すると、今まで黙っていたチェルシーが口を開いた。

「エイジの言ってることは事実よ。地上を監視しているスタッフが、映像に納めたわ。現実から目を逸らしても何にもならないわ。親友が地獄へ行ったことを受け入れて、天国へ行きなさい。」

「馬鹿馬鹿しい。お前が嘘を言ってるようには見えないが、だったらシンヤに騙されてんだろ。あいつが死ぬくらいなら、その間に俺は5回は死んでる。ところが俺は生きている。何故だ?」

「現実を見てない人間は哀れなものだわ。わたしはチェルシー。“灰塵”のチェルシー。元カンサーA級9席にして、偉大なるクリムゾン・ドラグーン様の配下よ。」

「それがどうした。」

「もう一度言うわ。わたしは“灰天使”チェルシー・チェック。強大なるクリムゾン・ドラグーン様の配下よ。クリムゾン・ドラグーン様への敬愛は、他の3人にも負けていないわ。そのわたしが、クリムゾン・ドラグーン様を見失うなど、あってはならないわ。居場所を知らないで馬鹿にされるようなことは、あってはならないわ。わたしは半径30キロ以内にいるデュエリスト能力者の位置とレベルを把握できるようになったわ。この意味がわかる?」

回りくどい奴だ。
ラスボスってのは回りくどいと相場が決まってるけどな。

「半径30キロ以内にレベル6能力者はいないわ。ここから地上までは30キロもないわ。」

「ああそうかい。瞬間移動でもしたんじゃないのか?」

「ありえない希望にすがってるといいわ。あの“失敗作”が瞬間移動など使えるはずはないわ。」

「お前もシンヤを侮辱するのかよ・・・。やんなるなぁ。誰に訊いてもいいんだが、どうせならチェルシー、お前に訊いてやろうか? 何でそこまでシンヤを嫌う? 何でシンヤを侮辱する? それが自分の品位を下げてるってことくらい、わからないはずはねぇだろ?」

まともな答は期待してない。
だが、問いかけてしまった。
結局のところ、俺は怒りで心が震えてるのかもしれない。

「侮辱も何も、“失敗作”という言葉は、クリムゾン・ドラグーン様が仰ったものよ。」

「・・・何だと?」

思わず目尻に力が入った。
まさかと思うが、チェルシーに嘘を言ってる様子は無い。

「わたしも聞いたときは驚いたわ。クリムゾン・ドラグーン様は、とても子供を大切にしているもの。手元で育てていた5人には、優しさと厳しさを織り交ぜた極上の布地を与えていたわ。遠くに住んでるという娘のことを、案じていたわ。けれど神邪に対して言うことは1つだけ。あれは失敗作で、邪悪な存在だと。」

「・・・・・・。」

「会ってみてわかったわ。あれは壊れてしまっていたわ。やる気が無かったわ。覇気が無かったわ。どれだけ厳しい言葉をかけても、暖簾に腕押しだったわ。確かに失敗作だったわ。」

「・・・・・・。」

呆れて言葉も出ない。
ハナッから相手を侮辱して投げつける言葉が、どうやったら相手の心に届くってんだ?
桃を剥くときに爪を立てて、鋭いナイフで切りつけて、そうやってお前らは・・・・

「美しく誇り高いクリムゾン・ドラグーン様の子供として産まれてきた者には、義務があるわ。常に誇り高く生きる義務があるわ。あらゆる困難に立ち向かう意欲と、あらゆる障壁を粉砕する実力が無ければならないわ。そして人から愛されなければならないわ。いじめられるようでは駄目だわ。馬鹿にされるようでは駄目だわ。つまらないわ。」

「そうやって、お前らはシンヤを苦しめてきたんだな。ヘドが出るぜ、その罪悪感の無さ。」

「勘違いしないでほしいわ。そのあたりの、どうでもいいような子供なら、こんなことは言わないわ。クリムゾン・ドラグーン様を穢して産まれてきたからには、それ相応の義務があるということよ。」

「・・・お前・・・・・・」

その続きはダークネス・エイジが言った。

『そうだよ。チェルシーは竜堂眸に惚れてるんだぁ。キミってば、ホント女の子の気持ち、わかってないね。子供が望めなかった女同士、せめて愛する人の子供を立派に育てたいっていう女心なんだぁ。』

「惚れた腫れたと一緒にしないで、エイジ。わたしはクリムゾン・ドラグーン様を敬愛しているわ。クリムゾン・ドラグーン様は意味の無いことは言わないわ。失敗作と言ったのは、わたしに任せるってことだったんだわ。」

「・・・・・・。」

怒りより先に呆れるのは何故かな・・・。
それでも怒りは湧いてくるが。

「そこまでイカれてると感動すら覚えるぜ。よくもまあ、身勝手な欲望を、女同士の美しい愛情に変換できるもんだ。そこまで曲解するには相当な努力を重ねたんだろうな・・・凄い凄い。」

「だったら貴方は、クリムゾン・ドラグーン様の言葉を理解してるっていうの?」

「さぁて、俺も大してあの女のことを知ってるわけじゃねえが、ホントに失敗作と思ってるなら、部下に押し付けることなく殺すんじゃねえの?」

『おやおや、親友の命を軽んじてる発言にも聞こえるね?』

「そう思うなら思っとけ。話は終わってねぇ・・・。もしも言葉通りの失敗作だとかいうんなら、チェルシー、お前は失敗作を押し付けられる程度の部下だってことか?」

「押し付けられたわけではないわ。クリムゾン・ドラグーン様は、わたしに命令を下したわけではないわ。わたしがクリムゾン・ドラグーン様の心を汲み取って行動したのよ。」

『そうだよ。決して身勝手な欲望なんかじゃないよ。チェルシーの竜堂眸に対する敬愛は本物だ。』

「本物・・・? どこが・・・・・・。・・・今なら理解できるぜ、チェルシー。お前自身ではなく、お前の後ろに竜堂眸が見えた理由・・・。お前こそ竜堂眸の猿真似、マガイモノじゃねえか。」

「何だと・・・。」

チェルシーの口調が変わった。
顔つきも、どことなく険しくなっているように見える。

「ひとつ。」

俺は指を立てた。

「ひとつ教えてやる。いじめられる奴が弱いんじゃない。孤立を恐れて、いじめる側に回る奴が弱いんだ。」

俺は知っている。俺は弱くて、臆病で、卑怯者だ。
誰が知らなくても、誰が忘れていても、俺自身は知っている。覚えている。
あのときの教室の、木造建築の匂いまで、思い出せる。

俺は弱い。

周りの圧力に屈して、俺はシンヤに、ぶ じ ょ く の こ と ば を



許せるものか。それを強要した奴らのことを。そして何より俺自身を。一生涯、許せるものか。
シンヤを、いじけた弱虫と一緒くたにした、奴ら、殺してやりたい。殺してやる。殺してやる!
誰よりも俺自身を殺したい。弱い自分を殺したい。殺したかった。魂を削って、人生やり直したかった。
だが、そんな自己嫌悪に浸る権利すら無いと思った。浸ってるだけなら、何も反省してないのと同じだ。
零奈姉ちゃんが、黎川師匠が、いつか話してくれた。海馬コーポレーションの社長との、デュエルを。
あのとき俺は、零奈姉ちゃんに心酔すると共に、海馬瀬人を心から尊敬した。
《青眼の白龍》を手放した、その覚悟に、彼は本物のデュエリストだと思った。
何だかんだでブルーアイズを手放さないようなら、お涙頂戴の、よくある話で終わっていた。
ひねくれたガキだった俺は、どうせ手に入れたカードは手放さないんだろう、思いを背負っていくとか抜かして自分の所有物にしたままにするんだろうと、思い込んでいた。
度肝を抜かれた。ショックを受けた。自分が恥ずかしかった。あのとき俺は初めて“恥”を知ったのかもしれない。
どれだけの覚悟が必要だったんだろう?
海馬社長のブルーアイズへの愛着ぶりは、何十年か、それ以上連れ添った妻に対するものだと聞いている。
聞けば聞くほど、海馬瀬人はブルーアイズが大好きで、魂の半身で、だからこそ手放した決断に価値がある。
マザー・テレサじゃねえが、痛い思いをしない償いや善行は、マガイモノだ。欺瞞だ。
だったら俺はどうなんだ。そんな偉そうなことを言ってる俺は何様だ。痛い思いをしてるのか。自己嫌悪に浸ってばかりで何もしないのは、自分だけ気持ちよくなってるだけじゃねえのか。違うか大河柾!?
シンヤが俺に釣り合う人間になりたいと思ってるなら、それでいい。
俺もシンヤに釣り合う人間になろう。親友であると胸を張れるように、少しずつ日常を積み重ねていこう。
中学卒業と共に逃げ出した、シンヤへの償いを、湿っぽくない形でしていこう。・・・そう思ったんだ。
シンヤは誠実な人間だ。誠実には誠実で返し、不誠実にも出来る限り誠実で返す。だが、不誠実な対応を続けられたら、いつかはシンヤも不誠実な対応を返す。当たり前だろ?
しかしだ、不誠実な対応をする奴らが多いもんだから、すっかりシンヤも不誠実な、いじけた人間だと見られている。しかもシンヤ本人でさえ、そう思っている。ふざけんな。
我慢ならないことは、そう多くはない。いじけた人間を見ても、大して不愉快じゃない。
だが、シンヤが、そういう奴らと同類だと思われることは許せない。何というか、これが生理的に駄目だってやつなんだろうか。そこに触れられると、俺は歯止めが利かなくなる。マドカのときも、ドリーのときも・・・。
どれだけ親しかろうが、どれだけ心を通わせてようが、一瞬で崩壊する。最初から何も無かったかのように。
だからか? だから失敗作なのか? 竜堂眸は、それを見抜いていたのか?
ハッ、どうでもいい。俺がシンヤを憎んでいることも、好いていることも、どちらも真実だ。
シンヤが失敗作だというなら、成功作には何か価値でもあるわけ?
成功って何さ。100人のうち99人が成功だと言えば、それは成功になるのか?
鉛筆はダイヤモンドの失敗作か? 人殺しの兵器は成功作か?
自分は失敗作なんかじゃないと、胸を張って思える人間が、どれほどいるってんだ!
俺だって、ばあちゃんの思いに背いて生きてる、言わば失敗作だ。今でも申し訳ないと思う。
だが、申し訳ないってだけだ。自分の生き方に後悔していない。俺の生き方は俺が決める。
たとえ俺自身が失敗作だとしても、俺の生き方は失敗じゃねえ。今の俺が、どれほど充実しているか、誰も彼もに教えてやりたいぜ。俺はデュエリストだ!





デッキワンサーチシステム起動!!





「―――っ!!」

『―――っ!!』



「・・・どうした、2人とも。お前らが俺たちの動きを追ってたんなら、知らないはずはないよな? あのとき誰が誰に、何のカードを渡していたのか。そしてそれは今どこにあるのか。・・・カードを1枚伏せてターンエンドだ。」





「わたしのターン、ドロー! ダークネス・エイジの攻撃!」

「通さねぇよ。《ファイナルカウンター》発動だ!」


ファイナルカウンター(シフトワン適応) (カウンター罠・デッキワン)
カウンター罠が4枚以上入っているデッキにのみ入れることが出来る。
このカードはスペルスピード5とする。
発動後、このカードを含めて、自分の場、手札、墓地、デッキに存在する魔法・罠カードを全てゲームから除外する。
その後デッキから除外したカードの中から6枚まで選択して自分フィールド上にセットする事ができる。
この効果でセットしたカードは、セットしたターンでも発動ができ、コストを払わなくてもよい。



「そして罠カード《ガード・ブロック》! 戦闘ダメージを0にして、1枚ドローするぜ!」

『くっ・・・、だが、僕は自分のエンドフェイズに、キミのカードを全てデッキに戻す! 残念だったね、せっかくたくさんのカードを並べたってのに! たった1ターンを凌ぐが関の山とは、最強のデッキワンが泣いてるよぉ!』

「あァ、そうだ・・・。だからいいんじゃねえか。」

こうも計算通りに進むと、笑いが込み上げてくる。
どっかに落とし穴でも潜んでるんじゃないかってくらい、思い通りだ。

「ありがとよ、除外されたカードまでデッキにもどしてくれて。」

「何・・・?」

「ダークネス・エイジ。お前にも、ひとつ教えてやろう。」

俺は再び指を立てる。
これはシンヤのクセを真似たものだ。

「俺みたいな奴に1ターンを与えたら、どうなるか・・・てめぇの吐いた汚物に塗れて思い知れ!!

俺はカードを引いた。

「魔法カード《闇の誘惑》を発動、2枚ドローし《ネクロフェイス》を除外。そして除外された征竜の効果で4体のドラゴンをサーチ。速攻魔法《リロード》で4枚をデッキに戻して4枚ドロー。《手札抹殺》で4枚捨てて4枚ドロー。更に《おジャマジック》3枚の効果で9枚のおジャマをサーチ。《リロード》で入れ替え12枚ドロー! 《デビル・フランケン》を召喚し、5000ライフを支払って《サイバー・エンド・ドラゴン》特殊召喚だ!」


サイバー・エンド・ドラゴン レベル10 光属性・機械族・融合
攻撃力4000 守備力4000 「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。



『―――いっ!?』

ダークネス・エイジの顔が、面白いほど青くなる。
どうにも舐められたもんだ。

「どうした、俺が《邪神アバター》を使うと思ったか? 守備表示で戦闘すれば、超過ダメージを受けないと思ったか? お前の小狡さなんざ見え見えなんだよ。自分で貫通攻撃って、敵にヒントを与えてんじゃねえか・・・。てめぇに攻撃だ! 速攻魔法《オーバーブースト》、そして手札から《オネスト》発動!!」


オーバーブースト (速攻魔法)
自分フィールド上に表側表示で存在する機械族モンスター1体を指定する。
このターンのエンドフェイズまで、そのモンスターの守備力を攻撃力に加える。
指定されたモンスターはこのターンのエンドフェイズ時にゲームから除外される。



《サイバー・エンド・ドラゴン》 (攻4000→8000→36000)


『僕の力を舐めるなよ! 言っとくけどなあ、僕はチェルシーというパートナーを得て、最強のダークネスになったんだからなあ! ちょっと我慢してくれよチェルシー!』


チェルシー・チェック:年齢28→36

《ダークネス・エイジ−残骸悪夢の邪鬼》 (攻・守28000→36000)


チェルシーの顔に、少し皺が刻まれる。


「そう来ると思ったぜ・・・2枚目の《オネスト》発動だ!」


《サイバー・エンド・ドラゴン》 (攻36000→72000)


「お次は72歳にでもするのか!? やってみやがれ!」


『やってやるさ、やってやるとも!』

「ま、待っで・・・エイジ・・・・・」


チェルシー・チェック:年齢36→72

《ダークネス・エイジ−残骸悪夢の邪鬼》 (攻・守36000→72000)


チェルシーの全身に深い皺が刻まれる。
急激な老化に、明らかに肉体に負担がかかっている。


「だが、《リミッター解除》。」



《サイバー・エンド・ドラゴン》 (攻72000→144000)



『だったら144歳にするまでだぁ! バトルフェイズ中の数秒でも保てばいい! 限界を超えろチェルシー!!』

「ま・・・まっひぇ・・・・・・・」


チェルシー・チェック:年齢72→144

《ダークネス・エイジ−残骸悪夢の邪鬼》 (攻・守72000→144000)




「数秒? もたせねぇよ。2枚目の《オーバーブースト》だ。」



《サイバー・エンド・ドラゴン》 (攻144000→148000)



『あ・・・・』

「あ・・・・・」



破格の攻撃力を備えた《サイバー・エンド・ドラゴン》が、ダークネス・エイジを貫いた。


そしてデュエルは終了した。


タイガー:WIN!










その途端、俺は腹部に鈍い痛みを覚えた。
いや、これ、鈍いなんてもんじゃねえぞ。熱い、熱くて、何かヌルって・・・?


「あひゅああ!あひゅあああ!!! わたしが負けるなんて何かの間違いだ! わたしはクリムゾン・ドラグーン様のマガイモノなんかじゃないいいいいい! お前を消せばいいんだ! お前が邪魔だ、お前が消えろ!」


鋭い刃物で腹を刺されたことに、ようやく気付いた。

・・・おいおい、何だそれ。

それでもデュエリストかよ。

ああ・・・

くそ・・・


意識が沈む・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・






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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「最初の独白が誰のものかわからなかった」
ゴリーレッド「自分が迫害された経験も生涯忘れられないが、人は、結果的に人を傷つけてしまった経験はきつい。あるいはその時に気づかなくて、あとでとんでもないことをしたと思い起こすような」
火剣「迫害したことを忘れるバカがほとんどだが、それが迫害だったと気づく人間もいる」
コング「いじめは大人社会で日常茶飯事」
火剣「今回、日本の議員のレベルの低さを世界に発信してしまった」
ゴリーレッド「いじめと揉み消しの模範演技を披露してしまうとは」
コング「ところで女子はいつまでも若く美しく、永遠に愛されたいものか」
火剣「男が若いほうへ若いほうへ行くのもいけねえ」
コング「若い子を選ぶでしょう、普通」
ゴリーレッド「よし黙れ」
火剣「それにしても激しい口論だな。シンヤの話が大半だが」
コング「シンヤは失敗作なのか?」
ゴリーレッド「失敗作などない。人は意味もなく生まれて来ない。意味があるから生まれて来た。例外はいない」
火剣「クリムゾン・ドラグーン様か。チェルシーの敬愛の念は本物のようだ」
コング「竜堂眸の猿真似、マガイモノ・・・言っちゃった」
火剣「シンヤへの侮辱が酷かったからだ」
ゴリーレッド「誠実には大誠実で応える。傲慢には力を持って応える」
火剣「激村もそんなこと言ってたな」
ゴリーレッド「ダークネス・エイジ。年齢の悪魔」
火剣「恐ろしいことができるんだな」
コング「せいぜい36まででしょう。72はないでしょう」
火剣「144って、普通に死ぬ」
ゴリーレッド「刃物って・・・ホントにそれでもデュエリストか?」
コング「エイジが悪い。ぐふふふ」
火剣「笑いはいらねえ」
火剣獣三郎
2014/06/27 21:10
>火剣さん
人を傷つけた場合でも、深く苦しみ反省する人から、忘れてしまう人まで、ピンキリですね。痛い思いをする謝罪が出来る人は前者で、口先だけの謝罪や、謝罪すらしない人は後者でしょう。
会話フェイズが中心となった今回ですが、ラストも年齢ラッシュという異色の結末になりました。一気に老化したら当然その負担は計り知れません。よく生きていたものです。(デュエルが終われば元に戻ります)
しかし何と、デュエルに負けたら刃物を持ち出してくきたチェルシー。錯乱しているのもありますが、これがマサキとの器の差ですね。果たしてマサキは・・・?

山田「マサキはシンヤを憎んでいたのか・・・。」
佐久間「そうだよ。シンヤの言ってたことは被害妄想ではない。奴は認識力に長けているからな。」
八武「ふふ、それこそ苦み走った大人味の友情よ。」
佐久間「我々も互いに憎悪しまくりだしな。」
山田「それはそうか。むしろマサキやシンヤが潔癖というか、友情を清らかに考えすぎているのか。」
佐久間「そういう青さは嫌いじゃない・・。大体、その感覚が無くなったら友情も終わりだし。」
八武「最大の憎悪は最愛の人に向けるべし。そうすればきっと、幸せになれるよ。」
山田「それも何だかなぁ・・。しかしチェルシーの不幸ぶりを見てると、当たってる気がする。」
佐久間「自分より弱い奴にしか強気に出れないのが、チェルシーの弱さだ。強い奴を崇拝し、弱い奴を執拗に貶してイイ気になっている。それを竜堂眸は懸念し、このままではチェルシーが駄目になると思って、自分から遠ざけたわけだが・・・。」
山田「より悪化してしまったか。」
佐久間「そうなることも、折り込み済み。」
アッキー
2014/06/27 22:17
ついに出て来たチェルシーにとり憑いている悪魔、ダークネス・エイジ。こいつを…こいつをぶん殴りさえすれば…!!!
ちなみに
>このカードが戦闘で超過ダメージを受けたとき、自分は敗北する。それ以外の敗北条件を無効にする。
の一文を見た時、昔に自分で考えたオリジナルカードの効果と似ているなあと思いました。

このダークネス・エイジ、レベルが33というのもよく分からないけれども使用者の年齢で攻撃力が変わるというのも奇妙な効果。となるとチェルシーは28で、デュエリスト能力を持っているのか。ここら辺も年齢操作や逆刻とかの魔術操作で何とかしているんでしょうね。そうか、肉体の年齢と魂の年齢が違うということか。
いつまでも若く美しくありたい、という(チェルシーの)願いのために(ドリーの姉の)若さを奪う。ダークネス・エイジは自分で矛盾を言っているのが分かっていない様子。柾さんがダークネス・エイジを神邪さんよりも弱いと評したのも正しい。ただ、悪魔は常に身勝手なもの。
エイジとチェルシーで交互に精神攻撃。しかし、そんなことで動揺する柾さんではない。そもそも、神邪さんなら本当に何とかしてそうだし。
人間、どうしようもないものの一つに「生まれ」がある。自分が誰の子どもとして生まれるかは選べない。チェルシーは神邪さんに対して、どうしようもない「生まれ」に対して責任を取れと言っている。結局は、理由は何でもよくて、それっぽく見える理由だったら何でもよくて、それに周りが賛同する状況があったからそれがまかり通って、今に至る。その根源は、竜堂眸という憧れになれなかったチェルシー自身の生まれに対する悲観を他に転嫁する感情か。
千花白龍
2014/06/29 12:26
>「ひとつ教えてやる。いじめられる奴が弱いんじゃない。孤立を恐れて、いじめる側に回る奴が弱いんだ。」

きっと柾さんはこの言葉を神邪さんに言えなかったんでしょう。今でも言っていないのかもしれません。言いたかった、けれども飲み込んだ。言わなければいけなかった、でも飲み込んでしまった。本当は言いたかったたくさんの言葉の数々を飲み込んで飲み込んで飲み込んで…。この戦いが終わったら、飲み込んでしまった言葉のひとかけらでも神邪さんに言うことが出来たら…。
誰から生まれてくるかは決められないけれども、自分が失敗作かどうかは自分で決めればいい。周りが何を言っても、自分がそうでないというのならそれが真実。それが正しい。自分が生きている。失敗作なんかじゃなく、ちゃんと生きている。それが真実。たくさんの言葉で真実を歪めても、たくさんの悪意で真実を隠しても、今こうして生きる気持ちが体中に満ちているのなら、それが真実。

年齢操作でエイジが攻撃力を上げ始めた段階で、もうオチが見えてしまいました。このまま年齢を上げまくってチェルシーをエイジで殺すんですね。若さを求めること、美しさを求めること自体に罪はないでしょう。しかし、その若さを手に入れるために他の人を犠牲にした。たくさんの人を犠牲にした。ならば、老衰というのは、相応しい末路でしょう。
って、死んでなかったよ!老衰で死ぬかと思ってたけど、めちゃくちゃ元気に人刺してるよ!ヤバい!ここにいる柾さん側の人間はいない…!?
千花白龍
2014/06/29 12:26
>千花白龍さん
かつて結城十代が倒した悪夢の残骸、ダークネス・エイジ。いわゆるボスカードってやつですね。
このアイデアは他と被っているのは織り込み済み・・・何故ならこれ自体がダーク戦を意識しているから。
ぶん殴ったというか、攻撃力10万オーバーのサイバー・エンドで貫いて、流石の彼も・・・?
ちなみにレベルが33なのは、原作ゾーク城のトラップ参照です。

チェルシーも、並みの基準からすれば相当の魔術師です。実年齢28で、肉体年齢22、魂年齢18くらいでしょうか。
カンサーの中でも肉体や魂の年齢を操作できるのは百人もおらず、その中でもチェルシーは技術的に上位の方に位置します。竜堂眸の真四天王の中では間違いなくトップですね。
しかし精神年齢はどうだったか・・・。確かにチェルシーの中には、竜堂眸に生まれえなかったことへの絶望があると思います。竜堂眸の配下である自分は、相応の人間になることが義務だと思っていますが、その根本は竜堂眸そのものになりたいということか。それを突き詰めれば、竜堂眸の良き敵となって、喜ばれたかもしれません。実力はある子ですし。
ダークネス・エイジの立ち位置は、けっこう微妙なところです。契約した者に肩入れしますが、厳密に言えばチェルシーの味方とか仲間ではないです。ともあれ、誰かの幸せの為に別の誰かを不幸にする、歪んだ等価交換の悪魔には間違いありません。
アッキー
2014/06/29 19:39
迷宮に来てから、このときがマサキは一番元気な気がします。書いていて嬉しいというか、ようやくマサキらしくなったなぁと。
そうです、この言葉は神邪には言えてません。自分は弱くて惨めだと思っている神邪に、この言葉を言いたかった、けれど、言って何になる、そんなこと言っても仕方ないじゃないか、それで神邪が楽になるわけじゃない・・・と、色々な葛藤があり、今でも口をつぐんだままです。
私の感覚でも、こういう言葉は、被害者でも加害者でもない第三者が、加害者を責めるときに言うべきなんだろうなと、ぼんやりとですが、思います。
さて、失敗作なんかではないと、マサキは言いたいところでしょうが、果たして神邪はちゃんと生きているのかどうか・・・?

そしてマサキ自身も刺されるという!
エイジがチェルシーを144歳にしたのは数秒だけで、デュエルが終わったときに元に戻していました。
まあ、あれですね、このあたりの流れはシリアスの皮を被ったシュールギャグになってますね。(意図半分、予想外半分)
チェルシーが老衰で死んでデュエル強制終了、ダークネス・エイジとの戦いへ・・・という流れでも良かったのですが、我が身かわいさに契約者を犠牲にするのは、悪魔としての矜持に反するようです。
ただし当然、エイジにはマサキを助ける義理は無いというか、サイバー・エンドの攻撃を食らった直後なので何も出来ないというか。
いよいよ物語は終幕へ・・・。
アッキー
2014/06/29 19:39

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決闘都市 69   Tiger−]V 死のゲーム (後編) 佐久間闇子と奇妙な世界/BIGLOBEウェブリブログ
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