佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「ヤマジュンパーフェクト」が面白い

<<   作成日時 : 2014/11/30 00:05   >>

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う〜、やおいやおい。
日頃から頭の腐っている私は、ごく一般的な物書き。
強いて今挙げるとすれば、BLに興味があるってとこかナー。
名前はアッキー。
そんなわけで、ノンケにも愛されているというヤマジュンの作品集を買ってみたのだ。

・・・とまあ、道下くん的に。
くそみそフレーズは、少佐の長セリフ(ヘルシング)と並んで、応用性が高いと思うのだが、如何だろうか。


山川純一と言えば「くそみそテクニック」で有名だが、他にも名作があると聞いていた。
もしかして復刊してるかもと思ったら、どんぴしゃである。
かなりコアなものを予想していたが、普通に面白い。ゲイだけでなく、広く愛されているのも頷ける。

考えてみれば、ゲイを描いているからといって、内容がコアだと考えることこそ、浅はかだったのだ。
ハードでコアなBLを読み慣れているせいか、妙な偏見に囚われてしまっていたようだ。
いわゆる“男性向け”や“女性向け”と銘打たれる作品も、千差万別であるのだ。薔薇も然り。

世間一般におけるゲイのイメージと言えば、「女言葉」「凄い髭」「マッチョ」「レザー」あたりだろうか?
しかし私は、これまで交流を持ったゲイの中で、これらのうち1つでも当てはまる人間に出会ったことがない。
強いて言えば、髭とマッチョは掠ってるかもしれないが、女言葉を使うゲイなどテレビでしか見たことはない。
それは基本的に“ニューハーフ”の方だと思うし、おそらく大多数のゲイは男言葉で話すと思う。

大学時代の仲間にゲイの人もいたが、彼は男言葉だったし、マッチョとは程遠かった。服装も地味だ。
いわゆる世間一般におけるゲイのイメージは、関西人のイメージ並みに間違ってると言っていい。
ごく一部の特殊な例をスタンダードだとするのは、局地的に正しくても、イメージの置き方として間違っている。
こうした間違ったイメージが平然と垂れ流されていることが、多くのゲイに苦痛を与えていることを知らねばならない。

・・・・・・などと偉そうに啓蒙を垂れてきた私だが、今回のことで自分の不明をも思い知らされた。
いやまったく、いい薬になったネ。


ヤマジュン作品は、ゲイを描くという共通項の他は、物凄く自由で、エロの枠に囚われていない印象を受けた。
様々な物語やシチュエーションを描いており、ただエロいだけではない。

エロの枠に囚われないというのは、私の目指すものと一致している。
とにかくエロければいいという人もいるが、私はストーリー性が無いと興奮(≒感情移入)できないのだ。
知的を気取るわけでなく、むしろ痴的だと思うが、とにかく短編でもストーリーがあるエロが好き。

ストーリー性があるということは、ヘテロに媚びた言い方をすれば、同じネタを男女でもやれるという意味でもある。
私の場合は、むしろ他で見てきたようなネタが薔薇で凝縮されていて、濃密&新鮮だったわけだが・・・。

「くそみそテクニック」の他には、「男狩り」と「俺がいちばんセクシー」、そして「ぼくらのスゴイやつ」が好きだ。
前者3つについては有名なので、ここでは「ぼくらのスゴイやつ」について語りたい。
これは前作があり、そこでの“やられ役”な冴えない男が、「ぼくらのスゴイやつ」では逞しくセクシーな男性に変貌を遂げていて、ワクワクしてくる。

我ながらベタな好みだと思うが、「地味で暗い女が美人に大変身!」とか「弱くて冴えない男が悪魔に大変身!」とか、そういったものが、咽から手が出るほど大好物なのだ。

そして2巻の後書きを読んで、この“冴えない男”は作者の分身ではないかと思えてきた。
「服装はよれよれの白いシャツに、Gパン姿、やせていて、とてもゲイの人に好かれるタイプではない。」と評される他にも、人付き合いが苦手で世渡りが下手、いわゆる“ハッテン場”とも縁が無さそうなタイプだと見られていた。

おそらく、その分析は正しいだろう。
単に評者の伊藤氏が信の置ける人物であるというだけでなく、様々な作品から、人の輪に入ることの出来ない疎外感や孤独感を感じる。

「男狩り」の、レザーの男も作者の分身だ。
世間からのけもの扱いされ、趣味も持てない男。自分を鍛え、勇気を出してゲイの集まる“ハッテン場”に足を踏み入れ、そこでも受け入れられなかった男。
結末は伏せるが、ヤマジュン作品でも屈指の暗さで、そして屈指のエロさでもある。やはりレザーは良いなあ。

ちなみにヤマジュン作品に出てくる“イイ男たち”は、どうやら従来の(スタンダードな)ゲイの好みとは随分と違ったものだったらしい。
私はいわゆる少女マンガ的な絵柄のBLから入ってきたクチなので、「へえ、そうなんだ」と呑気な感想を抱いたわけだが、よく考えると渦中にいる作者は大変だったはず。
多数派とは違う好みを貫くということは、理解者がいても大変なことだ。

しかし今や、山川さんは薔薇マンガを代表する作家として広く知られている。
時代に存在を刻めるパワフルさが、彼の作品にはある。
活動していた期間の短さを考えると、ヤマジュンに秘められた熱量は、計り知れないものがある。
読んで元気の出る作品は、巨大な熱量なしには生み出されないものなのだ。




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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「これは800文字では語り尽くせないかもしれねえ」
ゴリーレッド「ゲイといっても考え方は百人百色。とにかく偏見や決めつけ、勝手なイメージは良くないと思う」
コング「なるほど関西人はこういう人種と関東の人間は勝手に決めている部分があるな」
火剣「関西人が何人いると思っている。全部同じわけがない」
ゴリーレッド「あるタレントは『ウチらオカマは・・・』とギャグにし、あるタレントは『オカマという言葉は絶対に許さない』と怒る。千差万別なんだ」
コング「BL作品は女子に人気が高い」
火剣「どんな作品でもストーリー性が大事だ。ストーリー性は興奮度を増し、キャラの魅力は感情移入を高める」
コング「感情移入するヒロインがピンチになるから萌える」
ゴリーレッド「ヒロイン?」
火剣「読んで元気の出る作品は、巨大な熱量なしには生み出されないか」
コング「作者本人がエキサイトしていることは重要」
ゴリーレッド「シビレエイの原理は文学にも生かせる」
火剣「自分が痺れてこそ相手を痺れさせることができる。自分が感動していなければ読者を感動させられない」
コング「近親相姦作品から理解力を学んだ」
ゴリーレッド「ほう・・・れんそう。長くなりそうなので続くか」
火剣獣三郎
2014/11/30 13:53
コング「ご存知の通り、僕はBL作品が苦手で、近親相姦作品については全く受け付けなかった」
火剣「男はBLをあまり読まない。百合のほうは読むが」
ゴリーレッド「大事なことは自分が嫌いだからといって批判してはいけない。それでは漫画を一切読まない政治家が漫画を排除しようとしている暴挙と変わらなくなってしまう」
コング「ある時、独りエッチをしていた姉。自分の部屋で全裸になり、両手首にオモチャの手錠を後ろ手に掛けたら自力で外せなくなり大ピンチ。そこへ弟がノック。『待って!』と言っているのにドアを開けられ、全部見られてしまった。死ぬほど恥ずかしいが観念して『外して』と哀願すると、両足首を縛られ、絶体絶命! 手足を拘束されて無抵抗の姉は『やめて、わかるでしょ、絶対ダメだからね』と言っているのに弟は襲いかかる! 『ダメ! ダメ!』慌てふためく姉。僕は不覚にも興奮してしまった」
火剣「ストーリーのアイデア次第では面白くなるんだ。娯楽だから目くじら立てるほうがおかしい」
コング「姉弟限定だったが考えてみたら火の鳥は母子・・・」
ゴリーレッド「何度も聞いたからいい」
火剣「『変』を読んだのはかなり昔だが、思わず毎週読んでしまったからな」
ゴリーレッド「ジャンルで批判するのは間違いで、作品は面白いかつまらないかだ」
コング「確かにリョナを頭ごなしに批判されるのは悲しい。可憐な女子の苦悶の表情は萌えるでしょう、普通」
火剣「SMも幅広い。集団リンチでヒロインがボコボコにされるのを期待するのは鬼畜か? 娯楽と現実の区別さえついてれば大丈夫だ」
ゴリーレッド「大事なのは信念だ」

コング
2014/11/30 14:09
>火剣さん
「小説の最初の読者は自分」という言葉が好きで、まずは自分を感動させるような話作りを目指したいですね。自分を作者と読者の目線に分けて、読者としての自分を意識することで、他の読者を意識できる。
よく、マイナス感情が創作には必要だと言われますが、それだけでは足りず、やはり熱意を込められるかどうかだと思っています。

佐久間「逆に、関東の人へのイメージも、間違ってるものが多い。都会と田舎の関係もそうかな。都会の人でも温かい人は多いし、田舎の人でもドライな人はいる。」
山田「ホモやオカマという言葉は、差別用語として使われてきた経緯があるんだよなあ。ニュアンスによっては使えそうな気がするんだが。」
維澄「使って欲しくない人の前では使わないのが基本になるかな。」
八武「イメージか。偏見を避けようと思うこともあるが、どうしても最初のイメージに引きずられてしまう。」
神邪「僕もです。しかし好みの場合でも、最初のイメージが大きいかもしれません。」
維澄「ある意味では、好みも“偏り”だからね。けれど、画一的な偏見と、豊かな好みとは、別物だ。」
アッキー
2014/11/30 20:49
>コングさん
敬遠していたジャンルでも、読んで面白かったりする。これだから新規開拓はやめられないです。逆に、好きなジャンルでも乗れなかったりすることはあるので、やはり具体的な内容で決まりますね。

佐久間「私も以前は百合が苦手だったが、最近は抵抗感も薄らいできたなぁ。」
維澄「それは私の影響かしらん?」
佐久間「考えてみれば、そうかもしれない。」
山田「そもそも佐久間には百合の素質があるんだよな。」
佐久間「そんな素質は無い。」
八武「決め付けは良くないね。美女の陵辱シーンでエキサイトしてるではないか。」
維澄「男性的な気質があるし。」
佐久間「さて、近親相姦の良さを語ろう。そうしよう。」
神邪「姉萌えは凄くわかりますね。母さんも殆ど姉みたいな感覚です。いつもムラムラしてますよ。」
八武「うむ、神邪は母子相姦のつわもの。やはりエロスへの道を歩む運命なのだ。」
佐久間「近親相姦は三大禁忌の1つに数えられているが、だからこそ背徳感も大きい。私も姉弟が好みかなぁ。」
山田「なぜ俺を見る。ちなみに俺の方が年上だからな。」
佐久間「ジャンルの枠は、作者の好みで変形させていい。『変』はジャンルに囚われない、自由な話だ。」
神邪「自由な組み合わせは、変なものもある。けれど、変だからこそ面白いものが生まれたりするんですね。」
佐久間「それこそが、良い意味での偏りってやつだろう。」
アッキー
2014/11/30 21:14

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