佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘倶楽部   インターローグ 暗堂の家

<<   作成日時 : 2015/05/05 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



けほっ、けほっ・・・ま、言ってしまえば、わたしはデュエリストだ。
そして今は風邪っ引きの病人でもある。はああ、早くデュエルしたいよお・・・。早く治らないかな。けほっ・・

こんなとき、家に1人でいるのって寂しいな。
お父さんがいてくれたら。お母さんが生きていてくれたら。そんなことを考えてしまう。気弱になってる。

まあ、厳密には弟がいるんだけどね。
下着は盗むわ、お風呂は覗くわ、とんでもない奴が。

まったく、中学三年生は煩悩に塗れてないで、受験勉強をしなさいよね。
あー、ホントこれ姉の常套句。
我ながら姉姉しいな。姉姉しいって何だ。思わず苦笑い・・・。

「比呂子、何か食べたいものある?」
「モモカン・・・。」

労わりの声で、弟の睦月(むつき)が声をかけてきた。
その手に持ってるカメラは何だ。

「あ、これ? 風邪ひいてる比呂子を撮影しようと思ってさ。」
「悪趣味すぎる・・・。」
「そんなことあるもんか。風邪ひいて色っぽくなってる比呂子、うーん、シークレットレア!」
「くだらないこと言ってないで、けほっ、モモカン持ってきてよ。」

この家には、お父さんが買い込んだ缶詰が大量に置いてある。
軍人らしい・・・のかな? 軍人と言っても、雇われの方だけど。

「お父さん、どうだった?」

モモカンを持ってきた睦月が、さりげなく訊いてきた。
こないだ帰ってきたときは、睦月は会えなかったのだ。

「元気してたよ。」
「そう?」

睦月は心配そうに顔を曇らせる。わたしの言い方が変だったかな。

「・・相変わらず、お父さんっ子だね睦月は。」
「お姉ちゃんっ子さ。」

そんな会話を交わしていると、チャイムが鳴った。
誰だろう。お父さんは、しばらく帰ってこないはずだし・・・。

「出るね。」
「あ・・・」

睦月が去っていくのを見て、わたしは胸騒ぎがした。
記憶には無いけれど、心が覚えているのかな。訪問者には良い思い出が無い。

だけど、それは杞憂だった。

「比呂子ちゃん、あの、えと、カノン先生に言われて、お見舞いに来たんだ。」

ムー君だった。
風森無々。かざもり・むむ。わたしの好きな人。

好き・・・?

「君は誰?」

睦月が露骨に警戒する。
まったく、お姉ちゃんっ子なんだから。今度バットでお尻を叩いておかなくちゃ。

「あ、僕は風森無々。えと、君は?」
「安藤睦月。比呂子の弟さ。」

何だか(睦月がムー君に対して一方的に)険悪になってきた。
かける言葉を思いつかないでいると・・・

「くひっ、丁度いいじゃねえか。お前らでデュエルして、あちしにエナジーを注ぎ込め。」

燈炉子ちゃんが交代してくれた。
あー、楽だわー。

「注ぎ込むっ!?」
「そこに反応すんじゃねェよ睦月ィ・・・。中坊か・・・いや、リアルで中坊だったな、てめぇは。」
「あ、もしかして人格交代してる? 僕の愛のコレクションを焼き払った裏人格?」
「なぁにが愛だ。盗撮じゃねェか。」
「盗撮・・・?」

ムー君が怪訝な顔をする。当たり前だ。

「ああ、むむたんは知らねェだろうが、このクソガキは要注意人物だぞ。姉に本気で欲情している危ねェ奴だ。」
「欲情じゃない、愛情だ。」
「ほざくな真顔で・・・。むむたんがいれば睦月いらねえ。お外へ遊びに行ってなさい。」
「そ、そんな!」
「いや待って、燈炉子さん。そんな無体な。」

ムー君が止める。
別に庇わなくていいんだけどな。

「僕もモリンフェン様の敬愛の仕方を間違えていた頃があった。中学生の頃どころか、つい1ヶ月前でも、思い返したら赤面ものだ。拒絶するのではなく、正しい愛し方を教えてあげるんだ。そう、睦月くんにとっての比呂子ちゃんは、僕にとってのモリンフェン様なんだよ!」

ムー君も相変わらずだなあ。

「まーた、わけわかんねえ独自理論が飛び出したな。まァ、わけわからない奴は嫌いじゃないが・・・。」

え、それってまさかライバル宣言!?

「はァ!? 比呂子てめぇ何言っちゃってくれてんですかァ!?」

燈炉子ちゃんが身を起こして叫ぶ。
冗談なんだから、そんな動揺しなくていいのに。

「冗談? あァ、冗談だよな、うん。わかってるって。」

燈炉子ちゃん・・・?

「くひっ、それよか話を戻すぞ。デュエルエナジーを注ぎ込むことで、風邪を治して・・・・・・あり?」

あれ・・・?

「「どうしたの?」」

ムー君と睦月が同時に尋ねてきた。
わたしは燈炉子ちゃんと交代して、主導権を戻した。

「うん・・・何か、風邪治ったみたい?」

何でだろ。もう治りかけてたのかな。

「これもモリンフェン様の御力か。」
「モリンフェン、様? 風森さんはモリンフェン使いなんですか?」

さん付けしてるし・・・。さっきまでの態度は、どこへ行ったのかな。

「そうだよ。恐れ多くも、モリンフェン様をカード化させていただいたものを、使わせていただいている。」
「おお、まさしくモリンフェミニスト! 僕の学校にもモリンフェン使いは10人くらいいるんだけど、風森さんほど徹底した人はいないです!」

睦月の学校は、どうなってるの?

「いや、僕はまだまだ井の中の蛙さ。果てしない道を歩き始めた、ひよっこに過ぎない。」
「マジですか・・・。何て奥が深いんだ、モリンフェン道・・・。兄貴と呼ばせてください!」
「えっ、あ、兄?」

ムー君の顔が赤くなる。も、もしかして、男の子が好きなの?

くひっ、何でそうなるんですかァ天然カマトト比呂子ちゃあああん!?

何でって・・・え、あ、そういう意味!?

「比呂子、やっぱ顔赤いよ。熱あるんじゃない?」
「そそそ、そう? 体温計、体温計。」

熱を測ったら、平熱だった。
やっぱり風邪は治ってるみたい。

でも、風邪なんかより厄介な病気に、かかっちゃってるみたいなんだ。



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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
コング「本日のテーマは愛情と欲情の違いだ」
ゴリーレッド「子どもの日に何を言ってる」
火剣「姉弟のきょうだいはこういうこともあんのかな。何しろ身近な女子だからな」
コング「特に比呂子みたいなときびきりにかわいい美少女なら、弟が下着を盗んだり、お風呂を覗くのは仕方ない」
ゴリーレッド「仕方ないでは済まない。姉弟でも犯罪になる」
火剣「けだるさは重要だ。乱れたパジャマの着こなしに乱れた髪が、男をドキッとさせる演出になることがある」
コング「ムーにジェラシーの睦月」
ゴリーレッド「中学生に中坊かと言う燈炉子。相変わらず激しい」
コング「ベッドの上でも激しい」
ゴリーレッド「見たんか?」
火剣「モリンフェン様への尊敬語に睦月も心の変化が」
コング「兄貴ということは比呂子の彼氏と認めたのか?」
ゴリーレッド「好きな人?」
火剣「相思相愛か」
コング「姉弟のヒロピンも捨て難い。悪質な性感マッサージベッドとは知らずに寝てしまった比呂子。操作するのは睦月。比呂子の運命は睦月の胸三寸。ぐひひひ」
ゴリーレッド「終了」
コング「まだ愛情と欲情の違いについて語り合っていない」
ゴリーレッド「おしまい」
火剣獣三郎
2015/05/05 10:08
>火剣さん
実際こういう姉弟がいるのかはわかりませんが、いないとも言い切れないはず。身近に可愛い女の子がいる、思春期の睦月は悶々です。

佐久間「こどもの日と言えば、子作りの日。」
山田「お前は何を言ってるんだ。」
八武「ダンゴのセックス。」
山田「端午の節句だ!」
佐久間「睦月は以前に比呂子を拘束したこともある、真性の犯罪者だ。」
山田「少年院へ送ろう。」
八武「そんな殺生丸!」
維澄「それでも同居しているあたり、警戒心が薄いのか、器が大きいのか。」
八武「何の器が大きいのかな?」
佐久間「いや、狭いだろ。」
山田「中坊かというツッコミは、今こそ相応しいな・・・。」
神邪「僕は母さんがバスタオル1枚で出てきたときにドキッとしました。」
佐久間「美魔女だから仕方ない。」
山田「まあ、覗いたわけじゃないしな。」
八武「そう言えば『決闘都市』で、燈炉子は男遊びをしている口ぶりだったが、そこんとこどうなの?」
佐久間「私も知らない。それっぽいことを言ってるだけかもしれない。」
山田「俺もそんな気がする。比呂子と共有している肉体だ、少なくとも、行きずりの男とってわけにはいかないだろう。」
佐久間「しかし主人格を尊重しても、遠慮する性格じゃない。ベッドインしない主義ではないのは確か。」
八武「ムフフ、そのグレーゾーンが、またそそる。」
神邪「愛情と欲情。重なる部分もあれど、別物ということでしょうか?」
佐久間「はっきり別物とも言い切れない。」
維澄「同じ意味で使われることも、たまにあるからね。」
アッキー
2015/05/05 22:09

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