佐久間闇子と奇妙な世界

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<<   作成日時 : 2015/11/11 00:05   >>

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◆ ◆ ◆



日本に帰ってきて以来、しばらくシンヤと会ってない。
混沌派の都市を落としていく戦いの日々も、お預けだ。
それもシンヤが20歳を迎えるまでの話だがな。
めんどくせえ親族会議を片付けたら、また一緒に戦えるぜ。

“堂一族”(シュラインファミリー)ってのは、マフィアと財閥の中間みてえなもんかな。
元々は、身寄りの無い子供を集めて家族にしたっていう、感動的な話なんだが・・・。
シンヤ曰く、「血の繋がらない親戚」だそうで、マフィアほどの結束力は無いとか。

初代総帥は、日本最古のレベル5能力者、幽堂神門(ゆうどう・しんもん)。
その妻で、絶対能力者の竜堂眸(りゅうどう・ひとみ)が、総帥になったのが20年前。
俺の親友、竜堂神邪(りゅうどう・しんや)は、3代目・・・・・・になる予定だ。

あの女が総帥になったときも色々あったらしい(そりゃそうだろって話だ)が、今回もな。
何しろ嫌われ者のシンヤだ、ファミリーの中には反対意見も多いようで、やんなるぜ。
涼香も含めて対抗馬が10人くらいいるって話・・・その全てが出馬するとも限らねえが。

俺が親友の応援に行かないのは、ちょっとした理由が・・・あ、俺?
おっと、すまねえ。自己紹介を忘れてたぜ。
俺は大河マサキ。デュエリストだ。タイガーマスクと名前が似てるからって、レスラーじゃねえぜ。

貧乏な頃は、働かずに暮らしていきてえって思ってたもんだが、いざカネを手に入れたら不安になってくる。
あー、まったく、この小市民的な肝の小ささ、嫌になってくるぜ。せせこましいったらありゃしねえ。
起業や投資には興味ねえし、ぶらぶら生きるプー太郎。熊のプーさん蜂蜜ちょーだい。・・・馬鹿か俺は。

ま、それなりに楽しくやってるわな。
例の豪華客船で、氷澄や涼香の他にも、何人か知り合いが出来た。
邦江(くにえ)って女の人は、もうすぐ成人するって娘がいるとは思えねえほど、若くて綺麗だった。
ああ、いや、決して手を出そうなんて思っちゃいねえ。オモチャにしたいとか全然考えてねえから。
ただ俺は、週2,3でデュエルしてるだけだ。不純なことは無い。
旦那にしてみれば、別の男と会ってデュエルするってのは気分いいもんじゃねえだろうから、わざわざ言い出すようなことでもねえけどな。

うん、まあ、怒鳴られる覚悟や殴られる覚悟は出来てる。覚悟完了。
スラッとした美人で、可愛くて、あわよくば夜のデュエルで体のシャッフル、肉体言語で会話フェイズを・・・などという下心なんか全然ねえんだけど、それはそれとして。
結婚前は、パートナーの方から熱心にデュエルに誘って、その情熱に負けて結婚したようなものらしいが、娘が生まれてから回数が減り、最近めっきりデュエルしてねえとか。
いるよなあ、子供が生まれたらパートナーを“子供の母親”としてしか見れなくなっちまう男。
デュエリストは、他の何者であるより前にデュエリストだってのに。

「これでフィニッシュだ!」
「ああっ・・・! 駄目っ・・・死んじゃう!」

邦江さんのライフポイントが0になり、健全なデュエルは終わる。
いやだから健全だってば。決して彼女のセリフに意味深なものを感じて血流が集まったりしねえ。

「マサキ君とのデュエルは最高よ。うちの旦那より全然イイわ♪」

だから変な意味なんて無え。無えったら無え。
潤んだ垂れ目に生唾なんか飲み込んだりしてねえ。
鎮まれ俺。これは罠だ。

いや真面目な話、俺は人妻に手を出す趣味は無い。
旦那が真面目に頑張って、ようやく手に入れた幸せだ。それを俺みたいな不良が横からってのは、やっぱ男としてこたえられねえ話・・・いやいやいや、何考えてんだ邪念よ去れ。
デュエリストとしての優越感だけでも、十分な罪悪感なのにさあ・・・。

そういや、シンヤと話したことあったっけ。

『アハハ、相変わらずマサキは真面目だなァ。そんなこと別に気にしなくてもいいんだけどね。』
『そうかあ? 罪悪感を覚えても、結局やるこたやってんだし、じゅーぶん不真面目だぜ。』
『オイシイことは素直に喜べばいいんだよ。優れた者が多くを手に入れるのは当然だろ?』
『だが、その裏で割を食ってる者がいるなら話は別だ・・・って、俺が言うなって話だが。』
『言いたいことはわかるよ。君が女にモテる分だけ、損してる男がいるってことだろ・・・だけどそれは、いかにも男の価値観ってやつだ。良い悪いは別にしてもね。』

男の価値観。そんなことを言ってたな。
つくづく俺は男だってことか。

『女の立場で考えれば、イイ男と交わる方が得だ。損得って言い方が良くないなら、相手を選ぶ権利は女の側にもある、と言おうか? 女は男の景品じゃねぇんだよ。』

昔からシンヤは、不思議なほどに女心がわかってる奴だったな。
シンヤ曰く、わかってるのは心ではなく立場だって話だが。

『それにさ、僕だってマサキがモテてると嬉しい。自分の好きな人が人気あるのは嬉しいことなんだ。何も綺麗事じゃなくてさァ、世の中は好きか嫌いかって話なんだ。』

好きか、嫌いか。
世の中は、正しいとか間違ってるとかでなく、好きと嫌いで出来ている。
そんなセリフは、俺が言うと陳腐だが、シンヤが言うと重い。

『マサキは、真面目にコツコツ頑張っている人が報われるべきだと言うけど、閃きや才能で努力を踏み躙る物語が、僕は別に嫌いじゃない。嫌うとしたら、そいつの人格だし、真面目な人に対しても同じことだよ。』

真面目に頑張ってきたシンヤが言うから重い。
真面目に頑張れなくなったシンヤが言うから、耳を傾けられる。

『僕は金持ちからも貧乏人からも嫌われた。真面目な人からも不良からも嫌われた。努力する人からも、努力しない人からも、才能ある人からも、凡人からも、等しく嫌悪を突きつけられた。平等って、そんなに良いものか?』

悪平等。
シンヤは確か、そんな言葉を口にしていた。

『貧困撲滅を唱える際、所得の平等を目指すのか、最底辺を引き上げれば、ある程度の不平等は構わないと考えるのかで、意味は違ってくる。』
『なるほど、現実的に考えても後者が正しいな。バリバリ働いてる人と怠け者が、同じ所得ってのも変だし。』
『極端な話をすれば、人類滅亡したって人類皆平等なんだ。そうでなくても、近い話ならある。男女雇用機会均等法ってあるよなァ、男も女も雇われない、失業者が溢れかえっても、男女の機会は均等だ。』
『平等にすればいいってもんじゃねえんだな・・・。』
『昔から言われていることだけど、平等を徹底することは、平等に出来ない部分の不平等を徹底するのと同じことだってなァ・・・他の何を平等にしたって、好き嫌いなんて平等に出来ないだろ?

ガツンとショックを受けた。

『自分の好きな人が、真面目に頑張って報われたら嬉しい。自分の好きな人が、上手いことやってオイシイ思いをしてたら、それも嬉しい。何をやっても嬉しいわけじゃないけど、得してたら素直に嬉しいよ。』

その言葉を、どんな気持ちで言ってたんだろう。

『裏を返せば、優れた男と無二の親友であるって優越感・・・そういう打算的で冷たい部分が無いわけじゃない。』

シンヤが言うなら、それは謙遜でなく本当のことなんだろう。
だが、それで構わねえ。
“見返りの無い友情”なんてものが、どれほど薄汚えクソかって、俺たちは嫌というほど知ってんだからな!

綺麗な友情で結ばれた奴らが、よってたかってシンヤを攻撃する。非難、中傷、弾劾。
ヘドが出るぜ、あいつらの臭い臭い友情ゴッコ。あっひゃひゃひゃひゃ! 笑ってやる。
言葉と一緒に吐いているのは、ツバか、ゲロか、クソか。汚物を撒き散らしながら熱血を気取る血便野郎ども。

あいつらの友情が偽物だったら良かったんだろうけどな。
いじめられていた女の子を助ける為に、大人たちと粘り強く話し合いを続けて、ついに彼女に笑顔を取り戻させた奴らを、どうしたって偽物とは思えねえ。

本物なんか知ったこっちゃねえ。
シンヤが偽物でも構わねえ。

・・・なーんてカッコイイこと言っておきながら、シンヤの応援には行かねえんだよな、俺は。

涼香ちゃんのことも応援してえとか、涼香ちゃんの前でシンヤを応援するのも気が引けるとか、それならいっそ行かねえ方が、俺もシンヤも気楽だろうって考えた結果だ。
それを言う前にシンヤは、「悪いけど、マサキが来ると平等じゃなくなりそうだから、今回は不参加よろ♪」なんて言ってたが、“平等”なんて、どんな気持ちで口にしたんだか。

まあいい、ごちゃごちゃ考えても仕方ねえ。
応援してるぜシンヤ。
エイプリル・フールが終わる頃には、次の都市を潰しに行こうな。



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内 容 ニックネーム/日時
コング「大河はタイガーも因んでいるのか」
火剣「なるほど猛虎のような荒々しさと逞しさ」
コング「男はみんなレスラーだ。レスリングに強い男はモテる」
ゴリーレッド「偏見」
火剣「夜のレスリング、夜のデュエル。同じ意味か」
コング「マサキは邦江をオモチャのように弄んだのか」
ゴリーレッド「一切してない」
火剣「脳内妄想では何をしても法に触れねえ」
コング「タイプの女の子をスッポンポンにして手足を縛って犯すくらいはみんないつも妄想している」
ゴリーレッド「みんなではない」
火剣「子どもが生まれた時が要注意か」
コング「違うチャンスだ。夫からも担任からも近所からも『お母さん』と呼ばれる人妻に邦江さん、千香さんと名前を呼び女の子扱いして心をくすぐるのです」
ゴリーレッド「家庭崩壊までしたくないというマサキが素晴らしい」
コング「いんや、女に『ああっ・・・! 駄目・・・死んじゃう!』と哀願するほどの愛撫をしてこそ男だ」
ゴリーレッド「偏見パート2」
火剣「なるほど男女平等にして困る人が出てきては無意味だ」
ゴリーレッド「貧困撲滅の一つの目標としては、最低年収が300万円だ。あとは1000万稼ごうが1億稼ごうが自由」
火剣「300万あれば餓死はしないと思う」
ゴリーレッド「餓死と経済苦による自殺がゼロになるまで経済大国とは名乗らないという決意が欲しい」
火剣「言葉は大事だ。特に指導者層のスピーチは大事なんだ」
コング「言葉責めは重要だ」
ゴリーレッド「いいからそういうのは」
火剣「正誤よりも好き嫌いか。人間には感情があるからそうかもな。『自分に対していい人』が『いい人』だからな」
コング「僕の基準はやはり美脚美ボディ、キュートなスマイルだ」
ゴリーレッド「平等は困難のようだ」


火剣獣三郎
2015/11/11 17:33
>火剣さん
性の営みをデュエルに変換しても、特に違和感ない不思議!
目指すべきは平等よりも、幸福の追求。それはデュエルモンスターズの理念とも通じていますね。

八武「うむ、マサキ君は相変わらず人妻マニアだ。善哉善哉。」
神邪「やはり人妻は最高ですね。佐久間さんも早く山田さんと結婚してください。」
佐久間「山田さえ良ければ今すぐにでも。」
山田「お前らは何を言ってるんだ。」
佐久間「よくあるパターンとして、パートナーが欲しいのではなく、召使いが欲しいという男。妻をベビーシッターとして見てしまう。」
維澄「貧困とも無関係ではないね。」
八武「ベビーシッターを雇えるだけの経済的余裕があれば、妻を女として見続ける精神的余裕も・・・美女に限るが。」
佐久間「美女でなければ子供が出来る前から女扱いされないさ。」
山田「嫌な現実だ。」
佐久間「それは男本位な意見だな。まあ山田は男だが。」
神邪「女扱いされるだけが幸せではないですからね。」
山田「ふむ。」
神邪「何が幸せかということが先にあると思います。」
佐久間「山田に女扱いされたら幸せだが。」
山田「してるしてる。」
佐久間「どこがだ!」
維澄「経済の先進国であることは、果たして幸福かどうか。経済的な豊かさが大事だからこそ、貧困が蝕む“経済大国”は、ハリボテでしかない。」
佐久間「学校に置き換えても同じだな。誰かを心のゴミ箱にすることで、大勢は“健全”に育っていく。迫害された者が幸せになろうと思えば、妄想を実行するしかあるまい。」
山田「犯罪の示唆はやめろ。」
佐久間「創作の勧めだ。ただし、実社会より創作にリアルを感じる頭でなければ、犯罪の勧めになるのかなァ・・・?」
アッキー
2015/11/11 21:56

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