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zoom RSS 「サトリン」 第十五話 約束のクリスマス 49

<<   作成日時 : 2016/01/06 00:00   >>

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超能力とか、そういったもの。
それは“超能力や魔法”という括りで言ったつもりだったが、別の意味でも捉えることが出来る。
超能力とか、そういった能力を有す―――超能力者、とか。
能力と人格は不可分ではあっても別物だ。当たり前の話だが、超能力というインパクトに目を眩まされて、忘れがちになってしまう。
少なくとも、話の通じない“バケモノ”ではない。
(ただし)(話の通じない“人間”であるかもしれない)
超能力者も人間だ、といったところで、それは安心材料にはならない。むしろ茶倉は、“人間”である方が恐い。
・・・人としての枠を超越した、高度な知的生命体。
・・・上位種としての使命感や、異能者としての孤独感に満ちた者。
そういった一種の“理想”ではない、俗で卑しさも抱えている“人間”だとしたら。
(きっと)(その方が恐い)

2003年の12月。
クリスマスの日、夫は帰ってこなかった。
今までクリスマスを祝ったことはない。すぐ帰ってくるはずの夫が帰ってこなかったことが問題なのだ。
(何か)(事故)(死)(まさか)(帰ってこない)(誰かに)
もしも鈍郎がいなくなったら、自分も生きていられない。
恋を知らなかった頃は、甘ったるい乙女心、ありえない一途さだと思っていたが、今なら理解できる。
この感情は甘くない。
自分が自分でなくなるような、崩れる恐怖。
心が病む。壊れる。
心の死。
たとえ肉体が生存してようとも、そこにいるのは別人でしかない。
茶倉と鈍郎は、ふたつでひとつなのだ。
魂の半身。
そんな言葉を、どこかで聞いた。
ぴったりだと思う。
左手をちぎられ、ぴゅーぴゅーと噴き出す鮮血ごと骨を砕かれ毟られ、顔の半分を持っていかれて歯がボロボロに落ちていき、心臓も肺も潰されて足が片方なくて立っていられなくなり脳が理知がぐしゃぐしゃに立って見くろくげだがじゃぐぎがころころぶえるびきああああああ
「あああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そのとき自分は、きっと正気を失っていた。
こんなに自分は弱かっただろうか?
いや、正気を失ったのではなく、別の正気に戻ったと言うべきか。狂気とは、こんな程度ではないと知っている。
そして自分は、確かに弱くなったかもしれないが、別の強さを身につけたのだ。
迷うものか。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「実は私、エスパーなんです、と告白されたら、どうなるだろうか」
コング「サインくださいと明るく色紙を出す。ここにコングさんへと」
ゴリーレッド「超能力者にもいろいろいる。善も悪も」
火剣「七瀬やトーマみたいに人に危害を加えないエスパーもいれば、にのまえみたいな魔法使い級の者もいる」
コング「エスパーは人間であり、魔女や宇宙人ではない。ここ重要」
火剣「以前、『あたし実は、ピンサロに勤めてるんだ』と言われた時、『それが?』と言ったら友達になったな」
コング「幸せなサラリーマンはなぜか芸能人と風俗嬢は人間じゃないと思っているからな」
火剣「同じ人間だ。何の違いがある。エスパーだろうが宇宙人だろうが、普通に接すると思う」
コング「美女及び美少女に変身してくれるとなお良し」
ゴリーレッド「考え方が根本的におかしい」
火剣「愛する人を失う恐怖。これは恋愛を経験した人間ならわかるだろう。嫌われるのも怖いし、黙って消えられたら一生追いかけそうで」
コング「いつからロマンチストになったんだ?」
ゴリーレッド「魂の半身か。でも二人はもっと本音で語り合い、安心感を得たほうがいい気がするが。性格なのか」
コング「男と女はレスリングをすると一気に心の距離も縮まるから不思議だ」
火剣「肉体と精神は繋がっている」
ゴリーレッド「そういう話なのか? とにかく人間強くなるしかない。強いほうが幸福だから」
コング「恋は人を弱くも強くもするか」
火剣「詩人だな」
火剣獣三郎
2016/01/06 22:02
>火剣さん
七瀬は使命感を持ったエスパーでしたが、西尾のように邪悪な視線を持ったエスパーも存在する世界。能力、職業の前に、やはり人間性が最も大きな判断材料ですね。
物語は2003年の12月まで来ました。勘違いした七美が、鈍郎を殺しかけた、あの頃です。

佐久間「健全な優越意識は使命感に繋がる。優れているなら、世の中の為に力を使おうと思うものだ。」
山田「しかし、それが出来る環境でなければならないか。超能力者が奇異の目で見られ、迫害される社会。七瀬は孤独だった。」
八武「美女に下心なしには近付けない! 私では七瀬の孤独を癒せないのだねぃ。」
神邪「ドクターは優しいですね。自分より先に、相手の孤独を癒そうと考える。」
八武「そう、私はやらしい。」
佐久間「照れんなよ。」
維澄「茶倉の孤独を、鈍郎は癒しきれてないか。あれだけ語り合っても、心の闇は一筋縄ではいかない。」
佐久間「山田は美少女の心の闇が大好物な変態。」
山田「否定しないでおこう。」
八武「しないのかね。」
神邪「山田さんが逃げたら、佐久間さんは追い続けますね。」
佐久間「むしろ、どこへ逃げても同じという状況を作り出すべく、世界を混沌の渦に・・」
山田「俺が佐久間と同居している理由だ。」
八武「それはもはや強さかもしれない。」
アッキー
2016/01/06 23:00

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