佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS ユイファあるいは火頭結花 エピローグ

<<   作成日時 : 2016/03/01 00:00   >>

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「瑞樹。迎えに、来たよ。」
真夜中のオフィスにユイファが現れたのは、2005年の、ある日のことだった。
その日、草薙瑞樹は残業で、1人で会社に残っていた。係長の葱島は、女性が1人で残るのは良くないと反対したが、瑞樹はムッとして反発し、こうして仕事を片付けている最中だったのだ。
「女を舐めてるのよ、あの係長。」
瑞樹は独り言のように呟いた。
「恋愛のサポートする会社で、どうなのよそれ?」
背筋を伸ばしながら、まだモニターから目を離さない。
「仕事をリードしたがる男は、恋愛もリードしたがるってね。女は犬っころかよ。」
そこで瑞樹は、ようやく振り向いた。

「ねえ、結花?」

「久しぶり。」
「最後に会ったのって、20世紀だった? 結花は変わらないわね。私は、すっかり会社員が板についちゃった。」
肩を竦めながら、瑞樹は疲れた顔で溜息を吐く。
「結花は、子供の頃の夢ってある?」
「・・・。」
「私はね、世界一の剣士になりたかったの。何でそれを、忘れちゃうんだろうな。」
「瑞樹は忘れてしまったの?」
「ホントは覚えてる。でも、忘れたふりをして大人になる。・・・結花は、私を殺しに来たの? イイよ。」
「あは・・・」
失望しかけていたユイファの顔が、恍惚で歪む。
瑞樹は、あのときのままだ。あの、暗い暗い路地で、出会ったときのまま。
「それとも私を、連れて行ってくれるの?」
「そう、迎えに来たの。色っぽい用事でなくて悪いけど。」
ユイファは、舌を出して唇を舐めた。

「瑞樹は、“サトリン”って都市伝説を知ってる?」


- - - - - -


仕事を終えたオフィスは真っ暗で、がらんどうだ。
瑞樹を心配して様子を見に来た葱島係長は、胸騒ぎを覚えながらも無人のオフィスを後にした。





   ユイファあるいは火頭結花   了

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「サトリン」 第二部目録 (2)
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2016/03/06 21:13

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「2005年か」
コング「真夜中のオフィス。女子が一人で会社に残るのは危険か。確かにこの世の中、僕のような紳士ばかりじゃないからな」
ゴリーレッド「コングが別の場所にいれば瑞樹も安全」
コング「八武院長がいる」
火剣「女を舐めてる係長」
コング「クンニが得意なのか?」
ゴリーレッド「そういうことではない」
コング「上司の舌がOLの全身を這うオフィスラブ」
ゴリーレッド「ただの痴漢だ」
火剣「瑞樹の夢は世界一の剣士か」
コング「剣士といえば『勝てば100万円、負けたら即輪姦』ゲームに出場できる」
ゴリーレッド「面胴突籠手!」
コング「NO!」
火剣「サトリンは都市伝説か」
ゴリーレッド「なぜ殺しに来たと思ったんだ」
コング「迎えに来た結花」
火剣「連れて行ってくれるの? このあとどうなったんだったか」
コング「色っぽい用事ではないということはSMプレイではないか」


火剣獣三郎
2016/03/01 10:35
コング「さあ、きょうもエロペンギンについて大いに語り合おう」
ゴリーレッド「荒らしか?」
火剣「エロペンギンの独特の間合い、真崎杏子16歳といちいち年齢まで言うセリフの数々。かなりハイレベルなエンターティナーだ」
コング「熊のプーさんのティガーにも負けていない」
ゴリーレッド「ティガーとティナー? 滑ったな」
火剣「エロペンギンが勝ったらどうなっていたんだ?」
コング「惜しい。あともう一歩で若い肉体を手に入れたのに」
火剣「杏子はどうなっていた」
コング「むふふふ、にひひひ」
ゴリーレッド「変態は変態を応援する」
コング「あたぼーよ。みんなエロペンギンを応援していた」
ゴリーレッド「みんなではない」
コング「全国2000万のヒロピンファンは失望したであろう」
火剣「増えてる」
コング「全身を氷拘束とは新しい」
火剣「R18じゃないからあそこまでが限界。16歳だし」
コング「真崎杏子16歳。魅力的なヒロインと手ごわいSヒール。完璧なシチュエーションだ」
火剣「セクハラデュエルの模範か」
コング
2016/03/01 10:45
>火剣さん
2004年の末が「サトリン」第十五話でしたが、ちょっとフライングして2005年の初頭。エピローグでありながら、素敵に不穏なプロローグです。
この頃は社会的にサトリンは都市伝説のまま。瑞樹が深く関わっていくのは、これからになります。

佐久間「瑞樹なら痴漢が来ても戦えるが、来たのは痴女だった。」
山田「上手いこと言ったつもりか?」
八武「相変わらず瑞樹は男に厳しいねぃ。」
佐久間「瑞樹の好みは、ゴツい男だからな。爽やかイケメンは、いけ好かないそうだ。」
八武「しかし未来の結婚相手。葱島の舌が瑞樹の肉体を這う日は遠くない。うひひ。」
維澄「ユイファは瑞樹を殺すつもりだったの?」
神邪「剣士は殺気を感じ取ることには慣れてますからね。」
佐久間「それに瑞樹は、“大人”に疲れていたんだ。子供の心を失ってしまうのは、死んだも同然。忘れたフリして大人になるのも同じこと。いっそ殺してもらいたいと、そんな気持ちを抱いて生きていた。」
維澄「ユイファは、瑞樹が“少女”から“大人”になったように見えて失望しかけたけれど、瑞樹は変わっていなかったんだね。」
佐久間「灰色の日常を離れて、鮮烈な非日常へ飛んで生きたい冒険心。」
アッキー
2016/03/01 21:26
>コングさん
杏子の肉体が手に入るというのはノアの嘘だったようですが、しかし杏子がデュエルに負けていたら、その場で餌食にはなっていたかもしれませんね。

八武「真崎杏子16歳!」
佐久間「むしろ“手に入るのは嘘”というのが嘘で、どうせ手に入らないなら最初から嘘だったことにしておく、ノアの温情だったのかもしれない。」
神邪「それにデュエルモンスターズの法則がありますから、ノアの力を超えて、本当に肉体を乗っ取られていたと思います。」
八武「魅惑の肉体を手に入れて、女の悦びを味わいまくりぃ! 恥丘に優しい女子高生の完成だ!」
山田「お前は最低だ!」
維澄「佐久間も高校生のとき誰かに乗っ取られたの?」
佐久間「うるせえよ。どうせ下品だよ。」
八武「真崎杏子16歳!」
山田「何度も言わなくていい。」
八武「声に出して読みたい日本語。エロペンギンのセリフは、教科書に載せてもいいくらいだ。」
佐久間「日本の教育、始まったな。」
山田「終わってるよ!」
アッキー
2016/03/01 21:43

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