佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 第十六話 十戦士集結! 1

<<   作成日時 : 2016/03/13 00:00   >>

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さて、どこから話したものかな。
あらかじめ決めておいたはずなのに、いざ話そうとすると迷ってしまうのは何故なのか・・・。
やはり、最初から話そう。

千里:そう、4万年前の惑星オーパから。
インビンス:この空間は?
千里:覚えは無いか。電脳空間だ。ディフォルトで真っ白な空間にしてある。
アインストール:落ち着かないわね。
千里:そうか。ならば設定を変えよう。
トランジスター:さっきの部屋に戻った? ・・・あれ、でも、この感じ?
千里:音声言語では7割ほどしか聞き取れないからな。発音が精神に直接届く方がいいだろう。
茶倉:これが千里さんの能力なの?
千里:半分は私の能力だ。精神を100万倍に加速させている。
レックス:つまり、ここで1年を体感しても、現実では1分も経ってねえってわけだ。
オールド:「デブの国ノッポの国」も真っ青ですね。
レックス:この女に手持ちの常識を当てはめない方がいいぜ。馬鹿を見る。
千里:仮にも妻に向かって、酷い言い草だな。レックス?
ジャスミン:え、ロリコン?
レックス:見た目に騙されんな。この女もうすぐ65歳だぞ。
オネスト:ろくじゅうご? ・・・あ、じゅうご、ろくですね。わかります。
レックス:本当だから。それと結婚してるのは嘘だから。
千里:そう照れるなよ。昔から変わらないな、お前は。
インビンス:先程とレックスさんの口調、違いますね。
レックス:え? ・・・・あ、やっぱ俺に教えた日本語おかしかったんじゃねえか!
千里:何もおかしくない。夫の敬語に萌えるのは妻の権利。これは常識だ。
レックス:どこの世界の常識だよ!?
千里:私が64歳なのは本当だ。首領は私を老いさせるどころか、大人に成長させる気すら無いらしい。
シュン:自然の流れに背く“意志の力”・・・その究極形ってわけだ。

そう、“意志の力”。
かつて惑星オーパに君臨していた、人工頭脳“マザー”が、それだった。彼女は周囲の物質やエネルギーを取り込み、際限なく増殖し巨大化する人口細胞であり、造物主たるオーパ先々史人類を怯えさせた。
ここ地球から8万光年の先にある惑星オーパ・・・といっても、たかが8万光年、同じ銀河の中にいることには変わりないが、そこで4万年ほど前、高い科学技術を持っていた文明があった。“マザー”は彼らによって生み出されたが、やがて恐れられ、殺されはしなかったが宇宙へ棄てられた。
親に棄てられた娘の恨みは、ふふ、想像するだに恐ろしいな。それも4万年の長きだ。4万年・・・彼女はオーパに戻ってきた。広大な宇宙空間、通常航行での帰還は絶望的で、テレポートも距離と質量に比例した出力を必要とする・・・が、“マザー”の執念は凄まじかった。ついに彼女は、より高度なテレポート能力を完成させるに至った。
テレポーテーションは、空間的高次元に干渉する能力だが、しかし我々は通常、三次元をベースに物事を考えている。他の次元を考えるにしても、自らが三次元空間の存在であるという認識を外すことは出来ない。三次元多様体の分類を考えれば、この三次元空間すら正しく捉え切れてない人間の方が多いというのが現実だ。生物全体で考えれば、猶更にな。たとえ超能力者であっても、三次元から逸脱した認識は困難を極める。
三次元空間は、多くとも8種類の基本構造から成り立っている。いかなる存在であっても、三次元の存在であれば、特定の8種類の多様体の組み合わせで構築できるということだ。だが、それは逆に言えば、その8種類とは別の多様体を内部構造に組み込んでいれば、それは三次元の“外”に属する存在ということになるのだ。
通常、どれほど高出力・高次元に干渉できるエスパーであっても、あくまで“干渉”であるから、相応に消耗する。しかし存在自体が高次元に跨っていれば、苦も無く空間を跳躍していける。それは例えば、二次元の存在からすれば我々は、苦も無くテレポートしているように見えるだろう。どうして我々が三次元の存在であるのか、疑問に思ったことはないか? ただ三次元に生まれたから、三次元が当たり前と感じているに過ぎないのではないか?
いや、余計な哲学はよしておこう。ともかく“マザー”は、自らの内部構造に9番目以降の多様体を持つことに成功した。それは気の遠くなるような試行錯誤の末の、偶発的な現象だったのだろうけれどもね。

シュン:バウフェークが使っていたのも、それだったわけだ。
パイク:私たちは、次元の違う怪物を相手に戦っていたってことだな。
ミュラ:ルマの能力は通常のテレポートの枠内だけど、超次元鏡もその技術が使われているわ。
舜平:バウフェーク?
ミュラ:オーパに何世紀も前から存在する怪物よ。その正体は―――

惑星オーパに帰ってきた“マザー”は、人類への復讐を開始した。オーパでは男性の出生率が徐々に、しかし確実に減少し、“大異変”と呼ばれるカタストロフィーの幕開けは、男性の極端な減少から始まった。生まれた男子も7割以上が5年以内に死亡・・・社会は大混乱に陥った。オーパの科学力でも原因がわからなかったということは、何世代も前から遺伝子改造ウイルスでもバラ撒いていたのだろう。
“マザー”を宇宙へ棄てた人々は、その文明ごと滅んでいたが、彼女から見れば4万年後の世界はどう映ったかな。本質的に同じであれば、相手が違ったところで些細なこと・・・その感覚は、あながち理解できなくもない。
かといって、大人しく滅びを待つ人類ではない。オーパの科学者は集められるだけ動員され、様々な研究が行われた。ひとつは、女性同士でも生殖を可能にすること。ひとつは、知能を低下させてでも繁殖能力を維持すること。ひとつは、女を襲う色情狂の怪物に改造してでも、“男”を残すこと―――その際に“マザー”と同じく第9以降の多様体も体構造に含めてな。それがバウフェーク、亜空間すら自在に行き来できる、スーパー生物だ。
とはいえ、その自由度の高さは逆に、近距離に転移しにくいという性質でもある。並みのテレポーターの最大ジャンプが、バウフェークの最短ジャンプだからな。喩えるなら、蟻の一歩と丁度同じだけの距離を進むのが難しいようなもの。力のサイズが大きすぎるがゆえに、細かい移動には適さないんだ。
それだけが理由ではないが、ポフォロムもバウフェークも失敗作には違いない。偉大なる失敗ではあるがね。女性同士で子供を作れるようにした背景も、人類すべてが同性愛者というわけでなし、人民から“男”という概念を抹消する教育の結果だ。それを成果と呼ぶのか、涙ぐましい歴史改竄の末の、累卵より危うい社会状況と非難するのかは別として、オーパの科学者たちの研究は他にも無数にあった。今の例など可愛く思えるような、とてもグロテスクな研究も多く・・・いや、それらを片っ端から並べていこうってわけじゃない。レックスに悪趣味だと言われてしまいそうだし、核心部分だけ語ることにするよ。何だレックス、本当だってば。脱線は無しだ。
研究の中には、怪物化せず人間のまま超能力を使えるようにしたものもあった。ルマも以前はテレポートが使えたが、断片的な技術だけで数百メートルが跳べるのなら、“大異変”当時の技術は押して知るべし・・・ああ、そうだよイワン、彼らがオーバーナイン・テレポーテーションで跳んだ先が、1万2千年前の地球ってわけだ。次元転移で時間のズレが生じることは確認されているだろう? 彼らこそが“古代超人類”・・・地球のエスパーたちの祖先だ。
そして超能力こそ発現していなくとも、現行人類の大半は、古代超人類の血を引いているのだよ。



つづく

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
火剣「待て。4万年前って・・・」
コング「界隈ではゴリーレッドしか生まれていない」
ゴリーレッド「やはり千里は底知れない」
コング「おおお! 茶倉ではないか。しかも水着姿」
ゴリーレッド「服着てる」
火剣「精神を100万倍に加速。千里はやはり異次元」
コング「レックスの妻? いつ結婚したんだ」
ゴリーレッド「結婚していない」
火剣「一瞬焦った」
コング「夫の警護に萌えるか。わかる気がする。守られている感覚が心地よい」
ゴリーレッド「敬語だ」
火剣「千里は64歳か。絶対見えねえ」
コング「桔梗も50歳の楓よりも年上。♪何とかしてくれる、うっちのごはん!」
ゴリーレッド「意志の力は人間の武器でもある」
コング「どんどん飛ばすのか。城の上から落とす作戦もある」
ゴリーレッド「東京タワーから落とそうか」
コング「暴力はいけない」
火剣「たかが8万光年って」
コング「8万光年はたかがじゃない。ぐひひひ」
火剣「確かにテレポートは軽くやってるイメージがあるな」
コング「エスパーじゃない人間でも瞬間移動を実現したどこでもドアは素晴らしい」
ゴリーレッド「毎年欲しい機械NO1」
火剣「女性同士でもOKは賛同者多そうだな」
ゴリーレッド「知能低下は人道的に反対だが」
コング「女を襲う色情狂の怪物は人道的に賛成」
ゴリーレッド「ふざけろ」
火剣「謎の石造などをつくったのも昔の人類か、宇宙人か?」
コング「モアイ、ウローイ」
火剣「三次元が当たり前という発想を消すのか。難しい」
コング「そういうことは人間同士でやりな」
火剣「神邪とマサキならわかるセリフ?」
ゴリーレッド「エスパーは人間。千里のように人間離れしているエスパーもいるが」
コング「50度でシャワーを浴びる少女」
火剣「それは違う人」




火剣獣三郎
2016/03/13 14:18
>火剣さん
いきなりスケールの大きな話から始まりました。外見年齢14歳の千里が語るのは、地球より彼方遠くの星、オーパ。「ラブ・シンクロイド」の世界です。

維澄「4万年といえば、地球では人類文明も怪しい頃。」
神邪「シグナーとダグナーの戦いも始まっていたかどうか。」
八武「なにっ、水着姿?」
佐久間「錯覚だ。しかしαは全裸だが。」
八武「描写が無いのが残念だ!」
山田「解説メインだからな。しかしビックリした。」
佐久間「ああ、まさか結婚していたとは。」
山田「そこじゃない。そもそも結婚してない。」
神邪「実際どうなんですか?」
佐久間「籍は入れてないが、これだけ長い付き合いなら事実婚のようなものだろう。」
山田「そうとは限らない。」
八武「違う2人の話になっていないかね?」
佐久間「8万光年はエスパーでも普通は跳べない。ドラゴンボールみたく距離以外の条件で跳ぶか、次元を超越した存在になるか。」
八武「千里は年齢を超越している。いつまでも若く美しく。それは男女共通のロマン。人ならざるものになっても、外見は大事。」
佐久間「千里は私より幼い状態で固定されているが。」
維澄「姉妹みたいで楽しいね。」
佐久間「オーパは栞にとっても楽園か。」
維澄「私は色情狂じゃないよ?」
佐久間「ならば人を剣呑な目で見るな。」
八武「熱いシャワー、懐かしい。」
佐久間「それとは別人だがサイボーグの話も出る予定。」
アッキー
2016/03/13 23:27

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