佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS シータあるいは入流小松 5

<<   作成日時 : 2016/03/07 00:00   >>

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「それは正義じゃありません。」
ある日、小松はユイファと話す機会があった。
正義は流血なしには存在しえないと言うユイファに、小松は反論したのだ。
「正義の名の下に、無辜の血が流されています。それは正義を名乗っているだけです。」
「それでは悪党の血を流すのはいいの?」
瞳の色こそ常態の緑だが、ユイファの言葉は愛らしい少女の外見とは裏腹に、毒に満ちていた。
「悪を滅ぼし、返り血で輝きを増すの?」
「そんな言い方は酷いです。」
「褒めてるのよ?」
ユイファの眼光は闇が深く、読み切れない。
小松が言葉に詰まっていると、ユイファは話を続けた。
「可愛いは正義で、美しいものが正義。私の思想と貴女の思想は、相反するものではないわ。」
いやらしく指を絡めながら、ユイファは笑みを浮かべる。
「可愛い女の子が、敵を倒す。美しい女が、敵を殺す。それは、とっても素敵なことだもの。」
「な、何だか話を限定してませんか?」
「いいえ、ちっとも? 貴女の唱える正義は、貴女が可愛いから正義なのよ。同じことを、厳つい軍人や屈強な警官、体育会系の論理で動く人々が唱えたら、今すぐにでも消し炭にしてやりたいわ。」
「・・・!」
小松は怯えるが、ユイファは優しく笑って手を取る。
「可愛いもの、綺麗なものが、真っ直ぐに狂うこと・・・それこそ美しい狂気・・・ふふ、ふふふふふ・・・」
「わ、わたしが狂ってると言いたいのですか?」
「人は誰でも狂気を持っているわ。大切なのは、それが美しいかどうかだけよ。」
「・・・・・・。」
「いいわ貴女、大事なこと理解ってる。正義という名の狂気は、貴女を決して裏切らない。」
「ユイファさん・・・おか、おかしいです。」
「犯して欲しい・・・?」
「言ってません!」
くにゃりと首を傾けるユイファに、小松は全力でツッコミを入れた。
しかしユイファは、なおも自分の指を咥えて言う。
「私は犯される側がイイな・・・」
「わー、もう、黙ってください!」
「綺麗は汚い、汚いは綺麗・・・汚いものを見てきたから、綺麗なものを愛しく思える・・・誰よりもね?」
小松は、ユイファとは仲間だが、決して相容れないものを感じた。
かつて彼女は大勢を焼き殺してきた、快楽殺人鬼だ。データでは更正したとなっているが、その精神構造を推し量るのは、人より多くの知識を持っていても、不可能なように思えた。



つづく

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内 容 ニックネーム/日時
コング「正義について語り合う美少女二人。素晴らしい」
火剣「少女なのか?」
コング「クラメーション目線なら少女だ」
ゴリーレッド「悪党は殺してもいいか。なるほどハリウッド映画はそうだな」
火剣「もののけ姫のように悪党も殺さない物語がある」
コング「可愛いは正義。美しいは正義。綺麗は正義。激しく賛同」
火剣「誰の胸中にも狂気は宿っている。それが美しいかどうかという思考は新しい」
コング「ユイファは深い。目の色の深さは心の深さか」
ゴリーレッド「大勢を焼き殺した快楽殺人鬼は治ったのか」
コング「綺麗は汚い。汚いは綺麗。どっかで聞いたことがある」
火剣「犬夜叉だ」
コング「最近かごめと会ってないな」
ゴリーレッド「前から会っていない」
火剣「汚いものを見てきた人間にとっては、綺麗なものを求める思いが人一倍強い。なるほど、それがユイファ」
コング「犯すより犯されるほうがいいのか。では八武院長の病院へ行けば解決」
火剣「ユイファの言っていることは道理に適っている気がするが、小松とは合わないか」
ゴリーレッド「身の危険は感じると思う」
コング「M同士では磁石のN同士のようなもんか」
火剣「小松はMなのか?」
ゴリーレッド「そういう物語ではない」
火剣獣三郎
2016/03/07 16:40
>火剣さん
倫理道徳を旨とする小松と、美醜を第一に考えるユイファ・・・相反しなくても、相容れない2人です。
考えてみると、クラメーションは程よく潤滑油となっていますね。

八武「クラメーションはSだったかな?」
山田「ノーマルだろう。」
神邪「ユイファさんのマゾ度に引いてましたからね。」
八武「私は歓迎。いつでもおいで。」
佐久間「クラメーションは、微Sというところかな。カタストロが、ややS。」
維澄「倫理道徳と美醜。古代中国でも、儒教的な倫理道徳よりも義理人情や筋を通すことを優先した人々がいたね。」
神邪「人殺しは倫理道徳に反しますが、迫害された被害者は、加害者を殺していいと思います。」
山田「それがユイファの思考か。」
佐久間「ちょっと違うな。コングの方が近い。美醜と筋を通すことも、やはり別物だ。」
八武「難解だ。しかし言えることは、美少女が語り合う光景は正義だということだ。」
山田「まあ否定はしないが・・。」
佐久間「大切なのは、自覚することだ。」
山田「お前の開き直りは、それはそれで大問題なんだがな。」
佐久間「無自覚に撒き散らされる汚さを、拒絶し続けた結果でね。」
山田「いつも闇モードなら好ましいのに。」
佐久間「疲れるんだよ。ユイファも常に普通の喋り方をしてたら、くたびれてしまうんだ。」
維澄「汚いものを見すぎたら、人は普通ではいられない。だけど本当に綺麗なものを見ることが出来る。」
アッキー
2016/03/07 22:22

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