佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「サトリン」 番外編 折れた十字架 10

<<   作成日時 : 2016/04/16 00:00   >>

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いつか、こんな日が来ると覚悟していた。
あるいは待ち望んでいたのかもしれない。
所詮オレは、楽になりたいとしか思っていなかったのか。

「加害者が立派な人物になったら、被害者は悔しくて仕方ないでしょうね。」

いつかどこかで聞いた覚えのあるセリフを、九古鈍郎の口から再び聞くことになった。
オレは咽が苦しくて声が出なかったが、駄目だ、勘違いするな。苦しいのは被害者の方だ。
この何倍も何倍も、被害者は苦しんでいるんだ。
「知りたいことは2つです。千里さんに訊けば教えてくれると思いますが、私は永須さんの口から聞きたい。」
冷静な口調と態度が、逆に恐い。
それだけ深く深く怒っているのだ。
「まず、どうして当時、すぐに謝罪なり償いをしに来なかったのですか?」
「・・・っ、・・・・・・恐かった、んだ。オレ、は・・・七美たちに、何もかもやってもらって・・・楽してた。」
「そうですか。」
責められなかった。だが、それは失望されたことを意味していた。
九古さんの声は冷たく沈んでいて、オレは窒息しそうな心地になっていた。
「もうひとつは、舜平が被害者の息子だということは、前から知っていたんですか?」
「・・・いや、この会議で知った。」
「そうですか。」
また失望の声が飛んできた。
被害者の素性すら知ろうとしなかった、そんな臆病者だと突きつけられている。
「・・・九古さんっ!」
「はい。」
「お・・・オレに、失望しまし・・・・」
「・・・・・・。」
九古さんは、視線を足元に落として言った。
「今更なんですよね。」




つづく

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内 容 ニックネーム/日時
火剣「これは重要な問題だ」
ゴリーレッド「加害者が立派になり、皆から改心したことを褒められ、被害者が置き去りにされる」
火剣「これは殺人事件だろうが粉飾決済だろうが詐欺だろうが同じことだ。事件に大きいも小さいもない。昔ワルだったのが改心して立派になるとドラマになるが、それはマイナスからプラマイゼロになっただけで、ほかの大多数の庶民は始めから犯罪を犯していない」
ゴリーレッド「テレビは被害者よりも加害者にスポットライトを当てる傾向にある。加害者の笑顔のスナップ写真をテレビで見て被害者がどう思うのか考えないのがテレビだ」
火剣「犯罪を簡単に考えてしまうと、刑務所にいても協力者のおかげで仕事を続け、大金を稼いでいた男もいた。何のための牢獄かわからない。そして出所後に獄中生活を売りにテレビ出まくりで被害者の心を破壊する。皆は関係ないからチヤホヤする」
コング「日本SHINEと言いたくなる人は多いかも」
ゴリーレッド「失望の声。当然だ。『今更なんですよね』という声がナイフになる」
火剣「謝罪しても許されないだけでなく、謝罪の仕方を誤ると返って神経を逆撫でする。だから加害者の特別手記なんて出版しちゃいけない。何万部も売れて被害者を二度殺すことになる」
ゴリーレッド「被害者は常に置き去りにされる」
コング「永須は死ぬほど反省しているように見えるが」
ゴリーレッド「警視庁のブラックリストに載っているヒールコングの意見を聞こう」
コング「でも永須は生きている。テレビに出るのはダメだが一生道の端っこを歩いていなさいというのもどうか」
火剣「さあ、どうする永須」
コング「それより七美が怪しい。拷問して隠し事を吐かそう」
ゴリーレッド「まずはコングに吐くまで腹パン」
コング「待て。男にやっても価値がない」
火剣「価値の問題か?」
火剣獣三郎
2016/04/16 11:08
>火剣さん
合計値が同じでも、途中式のプラマイが大きいほどメリハリがついて評価される傾向がありますね。どうせなら、プラス、より大きなプラスとメリハリをつけたいものです。
翻って境遇では、被害者がマイナスの海で苦しんでいる間も、加害者はプラスを稼いでいる。せめて永須のように死ぬほど反省し続けて欲しいですが・・・。

佐久間「まァ、加害者が反省とか苦労したところで、被害者の苦しみに比べたら楽している範疇だけどな。」
神邪「比べることすら出来ませんよ。加害者が死ぬほど苦しみ続けて、ようやくゼロですから。」
山田「うーむ、世の中が加害者に甘すぎる以上、それくらい言わないと駄目なのかもしれない。厳罰化には反対だが。」
維澄「厳罰化しても、罪を逃れる加害者がいれば意味が無いからね。悪いことをしたら相応の罰を受ける、これを徹底しないことには始まらない。」
神邪「“相応”ですか・・」
維澄「その“相応”の内実を巡って揉めるとは思うけれど、今の状況はそれ以前なんだよ。」
神邪「そうなんですよね。加害者の国、加害者の世界。」
佐久間「大多数の庶民も、少なくとも被害者に優しくないし、加害者に厳しくもない。」
山田「それは否定できないな・・。」
八武「この対決は目が離せない。どうする永須、どう出る鈍郎。」
山田「決裂の危機だが、しかし自分を曲げろとも言えない。」
八武「七美も怪しいし。」
山田「隠し事のひとつくらい誰でもある。」
佐久間「ひとつや10では済まないんだけどね。」
アッキー
2016/04/16 22:38

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