佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 【とある】 第一位・御坂美琴 (W) 【パラレル】

<<   作成日時 : 2016/04/30 00:09   >>

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◆ ◆ ◆



「さァて問題です、“一方通行”はナニをやってるでしょォか・・・ってな!」

正解は、通信回線からのハッキングと、そこからのクラッキング。
デフォルトでは“反射”に設定してある一方通行の能力だが、その真骨頂は“解析”と“操作”にある。
回線を電気的に操作するのではなく、電気の流れ自体の向きを変えることによる侵入だ。
生体電流を操作する要領で、回線の電気も操作している。
それは当然ながら困難を極める作業であるが、それが出来るから一方通行はレベル5なのだ。

「出来るさ、出来るに決まってンだろォが! 俺を誰だと思ってやがる!」

レベル6シフト計画の関連施設は二○を超えるが、それらは次々と機能停止に追い込まれていった。
研究者たちは、襲い来る同時多発テロの前に、混乱し狼狽する。
サイバーテロによるものだと突き止めたことで、通信を遮断し、シャットアウトした。

「チッ・・・思ったより早く気付かれたな。こっからは直接殴り込みか。」


- - - - - -


「―――昨晩の被害報告は、以上となります。」

「ふム・・・あとは消化試合だけだというのニ・・・」

「残存施設だけでも実験は続行可能です。」
「しかし・・・一体どこの組織がこんな・・・・・・」


- - - - - -


「昨晩新たに襲撃を受けた三施設ですが―――」

報告を聞きながら、カイツ=ノックレーベンは思考を巡らせていた。

「犯人が“彼”なのだとしたら、セキュリティなど役に足りませんネ。」

「彼・・・犯人の目星が?」

「しかし確たる証拠があるわけでなシ、そう思わせる為の対立チームの工作という可能性もありまス。」

むしろ、その可能性の方が高いと考えていた。
一方通行が8251号と接触したことは報告に上がっているが、
研究者サイドからすれば、対立チームが発電能力者を使って妨害してきたと考える方が自然である。
能力によるハッキングを考えた場合、学園都市ではありふれた発電能力者を疑うのが筋だ。

しかし実際問題、どちらでも構わない。
サイバーテロ対策をしたら直接乗り込んできたということは、迎え撃てるということでもある。
カイツは実験施設の引き継ぎと同時に、とある組織への“依頼”を申請した。



◆ ◆ ◆



麦野 「製薬会社からの依頼〜?」

麦野 「それってウチの管轄じゃなくない? まあ別に・・・・・・」

電話の女から仕事の話を受けながら、麦野沈利は怪訝な声を出していた。
しかし内心では、「ついに来たか」と胸が躍っていた。演技派である。
電話越しでは表情は見えないが、麦野は悪い笑みを浮かべて自らの髪をいじっていた。

黒夜 「いや、プールなら貸切りの豪華なヤツがあンだろォが。」ベキベキ

フレンダ 「でもさー、結局水着って人に見せつけるのが目的な訳だから」

フレンダ 「誰もいないプライベートプールじゃ、高いヤツ買った意味が無いっていうか。」

絹旗 「でも市民プールや海水浴場は混んでて、泳ぐスペースが超ありませんが。」ミシィ

フレンダ 「んー、確かにそれもあるのよねー。滝壺はどう思う?」ボキ

滝壺 「・・・浮いて漂うスペースがあれば、どっちでもいいよ?」

フレンダ 「そ・・・そお。」

麦野 「はーい、お仕事中に駄弁らない。新しい依頼が来たわよ。」パンパン

麦野 「不明瞭な依頼だけど、ギャラは悪くないし、やる事は単純かな。」

フレンダ 「やる事って?」

麦野 「謎のインベーダーからの施設防衛戦!」


- - - - - -


麦野 「発電能力者ねえ・・・。」

電話の女 《その可能性が高いって話ね。》

電話の女 《通信回線を使ったテロと、電気的なセキュリティに引っかからないところから推測されてるみたい。》

麦野 (一方通行じゃないのか?)

しかし麦野は、一方通行の能力なら同じことが出来るとも考えた。
研究者の感覚では理解できないことでも、麦野にはわかる。
十中八九、一方通行に違いないと思っている。

麦野 (・・・でも、他からも妨害が入ってる可能性もあるわね。)

絹旗 「どうしましたか麦野? 超考え込んで。」

麦野 「絹旗、アンタは黒夜とSプロセッサの方へ。」

絹旗 「? はい。」

麦野 「フレンダはこっち。ただし私らが合流するまで、足止めに徹すること。」

フレンダ 「オーケー。」

麦野 「私は滝壺と浜面を連れて遊撃。こっちにいるけど、相手によってはSプロセッサにも向かうわ。」

麦野 「これまで単独犯っぽい動きだけど、それ自体が陽動の下準備ってことも考えられるから」

麦野 「防衛組は、もう一方の施設襲撃の報告を受けても、対処は私たちに任せること。いいわね。」

黒夜 「この分け方には何か意味あンのか?」

麦野 「可能性の問題よ。侵入者が誰であっても、やることは同じ。」

引き継ぎ施設を増やしているのだから、わざわざ“アイテム”が出張ってくる、
その意味するところは、施設の防衛ではない。
残る二基を犠牲にしてでも、侵入者に威圧を与えることが目的である。

ただ引き継ぎ施設を増やしただけでは、量的な脅威でしかない。
しかし強力な能力者が防衛しているというだけで、その意味は質的に変化する。
対立チームであれば「割に合わない」と考えるだろうし、
一方通行など個人であれば、精神力を桁外れに消耗する。

しかしながら麦野は、そうした合理性を抜きにしても、一方通行と戦ってみたかった。
第四位と、第三位。最大の攻撃力と、最大の防御力。学園都市の盾と矛。
ぶつかり合ったらどちらが勝つのか、研究者でなくても興味深いテーマだ。

麦野 (その為の“準備”もしてきたしね。)

絹旗と黒夜を組ませたのは、
不完全ながら一方通行の“反射”を突破できるからだ。

俗に言う“木原神拳”は、極めてシビアなタイミングを要求される技術であり、
開発者の木原数多や、一方通行の演算を植えつけられた絹旗や黒夜、
そうした面々を含む数名くらいしか、実戦レベルでは使えない。

理屈だけなら能力なしでも出来るので、
デバイスに頼るなどして挑戦した者は数知れずだが、
その全てが、腕が砕けるなど悲惨な結果に終わっている。

もちろん麦野も、そんな技術を使う気は無い。
彼女が用意した準備は、別にある。

麦野 (ガッカリさせんなよ、あくせられえたあああ!)

暗部にいる理由は様々だし、ひとつでもないが、
自分は殺し合いが好きなのだと麦野は思う。

命を削ってるときの高揚感は、
ひとたび味わってしまうと麻薬のように抜け出せない。


- - - - - -


そしてフレンダは、殺すことが好きだ。

フレンダ (キタキタキタぁ〜!)ケッキョクヒゴロノオコナイナワケヨ!!

足音を聞いて、彼女は歯を剥いて笑った。
依頼のギャラは、侵入者を潰した者が半分、残りをメンバーに均等に配分する。
妥当ではあるが、フレンダにしてみれば、足止めでは1割にも満たない。

フレンダ (足止めに徹しろって指示だけど、足止めのつもりで相手が死んじゃうのは構わないって訳よね。)

おそらく“アイテム”の中で、一番がめついのはフレンダである。
殺しは好きだが、それは嗜好であって理由ではない。
暗部にいるのは、カネの為だ。
この残酷な世界で、妹を守る為。カネは幾らでも必要だ。

フレンダ (他にも時間かけて買いたいものがたくさんあるのに、ホント困りもんって訳よ。)クス

手のかかる妹は、なんて愛しいのだろう。
享楽的な楽しさを謳歌することに躊躇しないが、
それらとフレメアが天秤にかけられたら、
自分は迷いなくフレメアを選ぶ。

たとえ、もう片方に自分の命さえも乗っていたとしても。

フレンダ (とゆーわけで)

フレンダ (死んで♪)

テープ爆弾を起動し、天井が切り刻まれて瓦礫となる。
降り注ぐ瓦礫は、瞬く間に侵入者を埋め尽くす。

・・・だが、遠目にも侵入者が無傷なことは見て取れた。

フレンダ (やっぱ、そんなに甘くないって訳よね。)

どうも麦野は、侵入者の素性について、ある程度の予測が立っているらしい。
完璧主義の彼女だけに、確信の無いことを迂闊に口にしないだろうが、
その態度から、相手が高レベル能力者だということくらいは察せられる。

フレンダ (発電能力者だとすれば、磁力で瓦礫の軌道をずらしたか。)

フレンダ (でも結局・・・)

爆弾を駆使してフレンダは、侵入者を追い込んでいく。
しかしダメージを受けている様子が見られない。

フレンダ (うーん、磁力で回避されてるのか。)

フレンダ (いつものリモコン式なら殺れてたと思うけど、発電能力者相手なら逆に支配されかねないのよね〜。)

しかしフレンダは二重に考え違いをしていた。
相手は発電能力者ではなく、リモコン式を支配される心配は無い。
そして、たとえリモコン式であったとしても、爆弾で殺せる相手ではない。

麦野の指示を無視して突っ走ったことが、どれだけ危険なのか、
まだフレンダは正しく認識していないのだ。

フレンダ (今まで相手してきた能力者とはレベルが違うっぽいなァ。)

能力者もピンキリであり、同じレベル4であっても幅は広い。
今まで殺してきた、レベル4の下位クラスとは、実力が違う・・・そこまでは察していた。

フレンダ 「うわ、すっごい形相。」コワーイ

遠目からでもわかる、悪人面。
はっきりと人物を視認できるほどではないが、鬼気迫る表情だ。

フレンダ 「えいっ」

その人物が歩いている最中の階段が、バラバラになった。
落下すれば、ただでは済まない。

フレンダ 「にししし♪ この高さでも打ち所が悪ければ」

だが―――

フレンダ 「あれ・・・・・・?」

信じられないことに、その人物は空中の瓦礫を飛び移りながら、
フレンダのいるところまで跳躍してきたのだ。

フレンダ 「ヤバッ!」

逃げるフレンダだが、その先は袋小路だ。
侵入者は悠々と、彼女を追い詰める。

フレンダ 「結局ここまで追い込まれるとは思わなかったわ。」

一方 「今のうちに質問しておくぜェ。オマエらを雇ったのはどこの誰だ?」

フレンダ 「!」

一方 「義理立てなンざ考える必要は無ェぜ。この施設はイカれた実験の・・・」

フレンダ 「あー、いーからそーいうのぉ。」

フレンダ 「雇い主の目的とか、消す相手が善人とか悪人とか、そいつが歩んできた人生とか」

フレンダ 「結局そんなもんはどーでもいい訳よ。」

相手の正体まで知る必要は無い。殺せれば、それでいい。
それがフレンダ=セイヴェルンの人生哲学である。

フレンダ 「結局! 追い詰めていた方が追い詰められていたってのは、よくある話な訳よ!」

瞬間、退路は塞がれ、大量の人形爆弾が降り注いだ。
そしてフレンダは、発火ツールで爆破信号を送る。

フレンダ (自信満々の能力者を嵌めた、この瞬間が、最っ高ーに快感な訳よ!)

轟音と共に爆炎が盛り、フレンダは勝利を確信した。

フレンダ 「目標、完全に沈黙ってね。」

一方 「ざァーンねンっ!」

フレンダ 「!!?」

煙の中から、左手が出てきてフレンダを掴んだ。
相手も華奢な体格ながら、巨人に掴まれているように動かせない。
そもそも何故あの爆発で、無傷でいられるのか?

フレンダ (こっ・・・コイツ、レベル5級の能力者だ!)

学園都市には七名のレベル5が存在するが、
レベル5に匹敵する能力者が、他にも十数名ほど存在している。

最もレベル5に近いと言われ、最大重量四五二○キログラムを移動させる“座標移動”や、
自分との心的距離を操作する、その一点においては絶対の性能を持っている“心理定規”、
電圧だけなら御坂美琴を凌駕する一七億ボルトの発電能力者、馬鹿でかいだけの念動力の持ち主、
それに“アイテム”にも黒夜海鳥という、多数の“砲台”を備えたサイボーグが在籍しているのだ。

広い学園都市で、“万に一つ”にも及ばない希少な連中。
そんな相手に当たってしまうとは、何たる不運だろうか。

一方 「計画について知っている情報、洗いざらい吐いてもらおォか?」

今やっているのは、生体電流の操作。
これにより、フレンダは手足の筋肉を動かすことが出来なくなっている。

フレンダ 「い、言う、言うからぁ!」

しかし今度は、一方通行が油断していた。
焦ったフレンダのスカートから、ミサイルが飛び出してきたのである。

一方 「はァ!?」

そんなものは一方通行の“反射”の前には通用しない。
だが、“操作”に関しては別である。

一方 (しまった!)

あらゆる能力の中で、一方通行の“ベクトル操作”は最も扱いが難しいと言われる。
例えば、操作に全力を注ぎ込めば、銃弾ひとつ反射できないほどに神経を遣うのだ。
“反射”を展開していれば、脊髄反射は機能しないように設定してあるが、
それを切ってフレンダを掴んでいる手は別である。
咄嗟に引いた手は、フレンダを放してしまった。

ベクトル操作は“反射”も含めて、直接的な能力範囲は極めて狭い。
手を放してしまえば、フレンダに再び自由を許してしまう。

しかもミサイルは煙幕弾だった。
どこに収納していたのかも気になるが、
この状況を想定していたような準備の良さ。

一方 (チッ・・・まずい!)

危機感を覚えた一方通行は、咄嗟にプラズマを作り出した。
相手が“反射”を貫通してくる手段を持っていても、
反対に焼き尽くせばいいだけだから。

だが、煙幕の正体は気体爆薬“イグニス”。
フレンダの切札に、プラズマは呆れるほどに絶好な発火となる。

一方 (!!)

轟音が鳴り響き、しかしすぐに煙は晴れる。

一方 「・・・・・・」

そこにあったのは、胴体が真っ二つになり手足も散らばった、金髪少女の骸だった。

第8251次実験を思い出して、一方通行は吐き気がしてきた。

一方 「うェっ・・・げェえ・・・」

防御ではなく、離脱を考えるべきだったと、一方通行は後悔していた。
その気になれば高次元ベクトルも操作できる一方通行は、
奥の手として自身をテレポートさせることが出来る。
テレポートで体内に打ち込まれる物体を“反射”した経験から、
それを“解析”することで身につけた。

だが、本職のテレポーターならぬ身だ、発動までに深刻なタイムラグがある。
咄嗟に得意のプラズマ生成を選んでしまったことを責められない。

一方 「げェええ・・・・・・ぐぷ・・・」

込み上げてくる吐き気を堪えて、一方通行は目的を思い出した。
ここに来たのは、イカれた実験施設を破壊する為だ。

壊す壊す壊す・・・
全て壊す。

ベクトル操作を使えば、施設を倒壊させることなど造作も無い。
それを今までやらなかったのは、力を温存していたからだ。
壊さなければならないものは多い。力は効率的に使わなければならない。

しかし今の一方通行は、そんなことは考えたくなかった。
一刻も早く施設を壊して、休みたかった。
ここに侵入した時点で、二晩を徹夜しているのだ。疲労が限界に近い。

一方 「壊れろ」


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