佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 「黒子のバスケ」を読み解く!

<<   作成日時 : 2016/08/02 00:01   >>

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私は運動が苦手だが、スポーツのマンガはよく読んでいる。
多少リアルを犠牲にしてでも、フィクションとしての面白さを追求したタイプが好きだ。
物語としてのリアリティがあれば、その方が面白い。

「巨人の星」、「LOVE」、「モンキーターン」、「ワンナウツ」・・・と挙げて、共通項がわかるだろうか。
どれも、“場面の時間が引き延ばされている”作品である。
現実では極めて短いはずの時間に、モノローグやセリフ、動作が入る。
これを、リアリティを損なうと感じる人もいるし、それはそれで理解できるが、
私にとっては物語に入り込める要素として、肯定的に捉えている。


近年はスポーツだけでなく、創作物が全体的にリアル指向に寄っていると思う。
それ自体に文句があるわけではなく、少なくとも絵柄としては好ましい。
ディフォルメの過ぎた絵はあまり好きではなく、私としては“劇画とコミックタッチの中間”くらいが丁度いい。

しかし、運動が苦手なせいだろうか、特にスポーツに関しては、リアル指向が苦手だ。
現実の煩わしいものや、嫌なことが入ってくるのが、度が過ぎると読む気が失せるというのも多少あるが、
「現実ではまず有り得ない要素が排除される」のが、私の好みと合わないのだと思う。

もちろん現実を全く無視したものは面白くない。特にスポーツはそうだ。
「黒子のバスケ」の作者は、およそ現実では有り得ないとわかった上で、
フィクションとしてのリアリティを損なわないように描いているから、面白い。
「スラムダンク」とは別の方向性を目指したとのことだが、それが私の好みに合っていた。


そして「黒子のバスケ」は、読んでいて、ほとんど不快なキャラが出ない。これも魅力の秘訣である。

作者には嫌われているが、灰崎もそんなに嫌いじゃない。(好きか嫌いかで言えば嫌いですが)
中学時代の彼が割と可愛くて、虹村先輩にボコられていたシーンなど、愛嬌があった。
桃井さんの勘と合わせて考えると、灰崎は“ちゃんと決着をつけたかった”のだと思う。

“黒子の実力をを認めている”という点で、雑魚不良連中と違って、ちゃんと見る目があるのは評価に値する。
それって結局は黒子が好きということじゃねーの?と言われたら、その通りなんですが。

花宮も“良い意味で嫌い”という作者の言葉がよくわかる。
このゲスっぷりが、正々堂々とした試合の魅力を引き立ててくれる。


少年マンガで主人公が好きと思えるのは久々かもしれない。
基本的に私は、少年マンガで主人公を好きになることが少ない。
例外は、風助、剣心、才賀勝、ポケスペレッド・・・・・・違う私はショタコンではない。ほら、剣心とか28歳だし。
いや28歳に見えねーよ短身痩躯だしショタだよと言われたら反論できないが・・・・・・はい、私はショタコンです。

桃井の言うギャップ萌えに凄く共感する・・・。
ショタな高一とか小林大和もそうだけど、豹変するのが良いよね・・・。
可愛い顔して百戦錬磨って、素晴らしいよね・・・。

・・・と、黒子の魅力について語っていたら徹夜することになるので先へ進もう。


キセキの世代は、それぞれに魅力があり、そして共感ポイントがある。
ただ凄いだけではなく、説得力を備えた強さだ。

赤司の“勝利とは基礎代謝”というポリシーは、決して傲慢や自惚れではない。
言葉そのまま、基礎代謝だからこそ“それが出来なくなったら生命が危ない”。
ゾーン状態を破られたときの狼狽は、決して大袈裟ではない。
私は呼吸をするように小説を書くが、それは小説を書くのが呼吸をするように楽なのではなく、
小説を書けなくなったとき、冗談抜きで呼吸困難に陥るという意味である。
ちなみに気に入ってるセリフは「すべてに勝つ僕は、すべて正しい」です。

いっとう好きなのは赤司だが、仲良くなれそうなのは緑間。
(赤司や黒子は、“好き”よりも“共感”が勝る気がする)
苦手がられることが多い緑間だが、真面目な性格は好感が持てるし、面白い。
なんといっても長距離シュートがインパクトあるのだが、その背景に“人事を尽くす”ことがある。
キセキの中では唯一ゾーンに入ってないが、それは普段から出せる力の割合が最も大きいからだろう。
(妖狐に変身できなくても、普段の南野秀一のままで妖狐の力を幾らか使える、みたいな)

黄瀬の共感ポイントは、バスケのスタイルだ。
コピーして、それを束ねるというのは、小説における私のスタイルでもある。
流石に全て同じとはいかないが、あるものを組み合わせて再現するという部分も大いに頷ける。
パーフェクトコピー状態が強すぎて、ラスボス戦が控えていても全く霞まない試合だった。

紫原は、“人としてはむしろ好きです”という黒子のセリフが頷けるキャラクターだ。何気に成績も良い。
「向いてるからやってるだけじゃダメなの?」というセリフが凄い好き。紫原の名言。
私も小説を書いていて、あるいは数学をやっていて、好きでやってるのかは実のところ疑わしい。
囲碁や将棋にしろ、楽しいとか面白いとかより先に、向いていたから始めた。反戦運動や塾講師は特にそうだ。
向いているから、合っているから、それで始めても良いと思う。

ゾーンといえば青峰、青峰といえばゾーン。ゾーンの使い手にして解説者。
「ゾーンに入るためには、ゾーンに入ろうとしたらだめなのさ。」このセリフはハッとさせられた。
小説を書いていて、凄く集中力が増すときがある。精神疾患の症状も抑え込めていて、頭がクリアーだ。
それだけに普段の、ひっきりなしに病気の症状が襲ってくる状態は、まさにゾーンに縋っていた火神と同じ。
そして、入ろうと意識しなければ、いつの間にか入れている。青峰のアドバイスで今日も生きていける。


キセキ5人は、それぞれに黒子と共通点がある。

赤司と黒子の共通点は、ひとつは勝利に対するスタンスだ。
ただの勝利では満足できない“贅沢”な黒子と、勝利が基礎代謝である赤司。
インターハイのインタビューで述べたセリフも合わせて考えると、よく似通っている。

プレイヤーとしての性質でも、似通っている部分は多い。
赤司は標準的なプレイヤーよりは身体的に恵まれているが、さほど背丈もなく、基本的には中の上だ。
しかし特殊能力と、それを活かす戦い方、高いスポーツIQによるゲームメイクが抜群である。

黒子も、特殊能力に頼った雑な戦い方はしない。
黛の一件でも黒子の器量について述べられているが、黒子はミスディレクションを使えるから強いのではない。
黒子がミスディレクションを使うからこそ強いのである。

それは存在感の薄さや、自分を律する精神力だけの話ではない。
火神や赤司が述べていた、黒子の性質が関係している。

黄瀬は最高速で青峰に劣るが、最低速を下げることで、同じだけの緩急を実現した。
だが実は、最高速と最低速の差では、黒子も恐るべきものがある。
最高速では全く敵わないが、その代わり最低速が極めて遅い。“遅いまま”だ。
普通は練習すれば、最高速だけでなく最低速も上がるし、上がってしまう。
しかし黒子は、おそらく自然に最低速が遅いままなのである。
緩慢な動きからの高速タップパスは、スピードの落差という点で青峰と似ている。
そして、バスケへの愛も。

では、“向いているからやっている”とのたまう紫原とは似てないのだろうか。
青峰にも、“正反対のバスケット人生を歩んできた”と言われているが、そうだろうか。
苦い思いをして、バスケを辞めようとして、それでも辞められなかった黒子の姿は、
本編における紫原の姿と重なるものがあるだろう。
感情を内側に秘めるという点において、この2人は決して遠くない。

むしろ正反対のバスケット人生は、黄瀬のような気がする。
小学生からバスケを始め、努力しても人並み以下である黒子と、
中二になってから始め、異常に飲み込みが早い黄瀬。
しかしながら、観察力の高さという点で、かなりよく似ている。
それを直接自分の強さに出来るのが黄瀬で、勝利の為の戦術に出来るのが黒子だ。
このあたり、黒子が他の誰でもなく、黄瀬をライバル視する意味がわかる気がする。

緑間とは、なんといっても“人事を尽くす”点が同じだ。
ミスディレクションも、長距離シュートも、安定して機能してこそ脅威となる技である。
黒子は毎試合、当たり前のようにミスディレクションを使っているが、
それを為しえているのは、相手チームの戦術やクセをよく研究しているゆえ。
あの長距離シュートも、入るのが当たり前という感じで見ているが、実に恐るべき精度だ。
入るのが“当たり前”などという域に至り、それを維持するのに、どれほど修練を積んでいるのか想像に絶する。
これら、バスケというゲームの有り方を変えてしまえる技術は、それだけ難しい技術でもある。

選手ではないが、桃井とは“勝負と情を分けている”ことが共通項だろうか。
この切り替えは、多かれ少なかれ誰でもやってはいるが、徹底できる人間は、そう多くない。
ただ、黒子が桃井になびかないのは、同種の人間だからといよりは、青峰のことを考えているからだろう。


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