佐久間闇子と奇妙な世界

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zoom RSS 決闘祭!   Act 37 教師

<<   作成日時 : 2017/01/23 00:00   >>

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◆ ◆ ◆



どうしてこんなことになっているのだろう―――・・・と、秋野連珠は思わなかった。
無堂幻大に呼ばれて来た時点で多少の厄介事は覚悟していたし、今の事態は想像未満でしかない。
忌々しい同僚が“制圧凶師”と共に現れたのを見て、ひと波乱あると思わない方がおかしい。

ただ、覚悟していたからといって動揺しないわけではなく、厄介事はどこまで行っても厄介事でしかない。
せめてもの救いは、あの変態兄妹が都合よく不在であることだろうか・・・。



- - - - - -



「秋野先生〜、来たで〜。」

快活な笑顔と共に、ジャージ姿の女教師が現れた。
秋野は忌々しい内心を隠し、おしとやかな笑顔で挨拶する。

「あら、干支川先生。おはようございます。」
(呼んでもいねえのに来やがったよ、この脳筋体育教師は。)

しかも隣に見えるのは、おとなPTA決闘査察部隊“制圧凶師会”の、女教師だ。
青みがかったショートヘアに、胸元を強調した服装。スリムだがメリハリのある体つき。

「そちらは確か、蒼乃先生でしたか?」
「はい、蒼乃削減(あおの・さくげん)です。」
「前は幽堂高校にいたんやて。エリートやな〜。」

秋野は日頃の干支川を知ってるだけに、気に障る。
褒めてるようで言外に小馬鹿にしていると、わかるのは自分と無堂くらいだろうか。

(エリートって何よ、脳筋雌豚。)

心の中で唾を吐き捨てて、秋野は無堂を見る。
もしや彼が2人を呼んだのかと疑っているのだ。

「なはははは、眼福、眼福。ねえ括屋くん。」
「美人教師が3人も集まると壮観ですね。上品な秋野先生に、明るい干支川先生、気の強そうな蒼乃先生。」

括屋は涼しい顔で3人を眺め、秋野に視線を戻した。

「この2人は、秋野先生が呼んだので?」
「いえ、無堂さんが呼んだのでは。」
「なはは、違うよ。」

言いながら無堂は、やおら優しげな目つきを鋭くし、干支川と蒼乃を睨んだ。

「情報が早いね、おふた方。・・・ん、んん、偵察と、場合によっては制圧? 捕縛?」
「偵察・・・?」

怪訝な顔で、秋野は干支川を見た。
“制圧凶師会”の蒼乃ならともかく、干支川は会いに来ただけではないのか。

「ち、違・・・秋野先生、違うんや。」
「・・・!」

動揺する干支川の態度が、かえって秋野に疑念を抱かせた。
ただ会いに来たのなら、意味がわからずポカンとするだけだろう。

「・・・私が会場に来ていることはともかく、無堂さんに呼ばれていることは、知っている人は限られています。どういうことか説明していただけますか?」

気にも留めなかった疑問が、大きく膨れてきた。
責めるような目つきで、あくまで秋野は上品な口調で問いかける。

「違う・・・違うねん、あ、秋野先生がデュエリスト能力を取り戻したっていうから・・・。」
「なるほど。“情報が早い”ですね。」

半泣きになっている干支川を、秋野は軽蔑するような目で見つめた。
いつもは大きな声の干支川が、か細い声になっている。

「私たちが、取り戻した能力を使って、良からぬことを企んでると疑っているんですね。」
「違う・・・違うねん・・・秋野先生が、何か悪いことに巻き込まれてるなら、助けなあかんって、思って・・」
「干支川先生の助けが必要なほど、私は弱くありませんよ。」

軽蔑の冷たい視線が、干支川を射竦める。
ますます声が小さくなる干支川に代わって、蒼乃が前に出た。

「気を悪くされたのなら謝ります。実際のところ、悪巧みをしているとしたら、そちらの男2人だと思ってますから。」

疑念に満ちた目で、蒼乃は無堂と括屋を見る。
無堂は表情を変えないが、括屋は肩を竦めて笑った。

「おやおや、蒼乃先生は少々、男性不信の気があるようですね。」
「茶化さないでもらえます?」
「わかりました。オレの潔白はデュエルで証明しましょう。」

どの道、デュエルで勝てないようなら制圧も捕縛も出来ない。
括屋の提案は、至極真っ当である。

「わかったわ。あなたには教育的指導が必要みたいね!」

括屋と蒼乃は互いにデュエルディスクを展開した。

それと同じく、秋野もディスクを広げる。

「では、私の潔白は私自身で示しましょうか。干支川先生、相手お願いします。」
「あ、秋野先生・・・。」

半泣きでもデュエリストだ。干支川は慣れた動作でディスクを起動する。


「「デュエル!」」


秋野連珠:LP8000
干支川火元:LP8000



「私の先攻、ドロー。手札から《スカイ・コア》を召喚するわ。」


スカイ・コア レベル1 風属性・機械族
攻撃力0 守備力0
このカードは1ターンに1度だけ、戦闘では破壊されない。
このカードがカードの効果によって破壊された時、自分フィールド上に存在するモンスターを全て破壊する。
その後、自分の手札・デッキ・墓地から
「機皇帝スキエル∞」「スキエルT」「スキエルA」「スキエルG」「スキエルC」をそれぞれ1体特殊召喚する。



「そして魔法カード《ハンマーシュート》で、《スカイ・コア》を破壊。」


ハンマーシュート (魔法カード)
フィールド上に表側攻撃表示で存在する
攻撃力が一番高いモンスター1体を破壊する。



「破壊された《スカイ・コア》の効果により、機皇帝と愉快なパーツたちを特殊召喚するわ。」





その瞬間、極彩色の閃光が干支川を切り裂いた。
これが闇のゲームであれば、干支川は体を真っ二つにされて死んでいただろう。


干支川火元:LOSE



「・・・な、なんでやねん!?」


「レベル5能力“五連葬色”(フラッシュバック)。同じ種類のカードが5枚一列に並んだら勝利する。」


秋野の透き通るような冷たい声が響く。

「魔法カードでも、罠カードでも、モンスターカードでも。相手の場であっても。同じ種類5枚が一列に並べば、その時点で私の勝利が確定します。」

「・・・っ、そ・・・そんな能力・・・アリか・・・?」
「これでもレベル5としては弱い方ですよ。“時計技師”(クロックワークス)相生朽葉に比べれば、格が落ちます。」

「なっははは、秋野くんは謙遜が好きだねえ。」
「謙遜ではありません。比べる相手が“時計技師”な時点で、傲慢が過ぎるくらいでしょう。」

デュエルディスクを折り畳みながら、秋野は椅子に腰を落ち着けた。
干支川は自分の不甲斐なさに落ち込みながらも、蒼乃に後を託した。

「流石は“連星棋士”(バンブーパレス)の異名を持つ、秋野連珠ですね。ですが・・」
「おっと蒼乃先生、君の相手はオレですよ。」

興味を秋野へ向けかけた蒼乃を、括屋が呼び止めた。
余裕の笑みが蒼乃を苛立たせる。


「「デュエル!」」


括屋束:LP8000
蒼乃削減:LP8000



「オレの先攻かな。・・・おや?」

「あなたのドローフェイズは私がもらったわ。」

「オレのドローフェイズを!?」

「ドローフェイズだけじゃない。スタンバイフェイズ、メインフェイズ1、バトルフェイズ、エンドフェイズ・・・相手のレベルと同じ数までフェイズを奪う・・・・・・レベルE能力“星略血痕”(バーグラー)!



“星略血痕”(バーグラー) レベルE能力(所有者:蒼乃削減)
相手のターン開始時に発動し、相手の能力レベルの数までフェイズを奪う。




「・・・なるほど、しかし奪われるのがフェイズのみなら、オレの能力は封じられない。」

括屋は長髪を掻き揚げ、眼光を光らせた。

「デュエリスト能力、発動!」


蒼乃削減:LP8000→7000



「なっ・・・!」

「これがオレのデュエリスト能力。デッキを崩してライフを崩す、“カラプショット”さ。」



“崩落する山札”(カラプショット) レベル5能力(所有者:括屋束)
自分のデッキを上から10枚墓地に送ることで、相手は1000ライフを失う。




「だけど、フェイズを奪っている以上、最大で5000ライフしか―――」

言いかけて蒼乃は、ハッとして青くなった。
その不安は的中してるとでも言いたげに、括屋は笑みを浮かべる。


「レベル5能力者を舐めるなよ?」





蒼乃削減:LP7000→6000→5000→4000→3000→2000→1000→0






デュエルは終了し、括屋は15枚のカードを提示して見せた。

それは蒼乃が予想した通り、自動的にデッキを再生していくカードだった。



執念の剣 (装備魔法)
装備モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする。
このカードが墓地へ送られた時、このカードをデッキの一番上に戻す。


コカローチ・ナイト レベル3 地属性・昆虫族
攻撃力800 守備力900
このカードが墓地へ送られた時、このカードはデッキの一番上に戻る。


迷犬マロン レベル1 光属性・獣族
攻撃力100 守備力100
このカードが墓地へ送られた時、このカードをデッキに加えてシャッフルする。


魔界発現世行きバス レベル3 闇属性・悪魔族
攻撃力1000 守備力1000
このカードが墓地へ送られた時、「魔界発現世行きバス」以外の
自分または相手の墓地のモンスター1体を選択し、持ち主のデッキに戻す。


フラボット レベル3 地属性・植物族
攻撃力1500 守備力800
このカードが墓地へ送られた場合に発動する。
自分はデッキから1枚ドローする。
その後、手札を1枚持ち主のデッキの一番上に戻す。




《執念の剣》、《コカローチ・ナイト》、《迷犬マロン》は言わずもがな。
使い捨ての下位互換として《魔界発現世行きバス》があり、これらが初期手札にある場合は《フラボット》が補う。

相手にフェイズを奪われても、ターンそのものまで奪われても、能力だけでライフを削り切ってしまえる。
“火中道化”(ピエロマスター)括屋束の能力は、かつては大味な火力でしかなかったが、今は極悪そのもの。

たとえ《D.D.クロウ》があったところで、気休め程度にしかならない。

蒼乃は手札を落とし、がっくりと膝をついた。

「気に入りました。」

括屋は笑顔で蒼乃に手を差し伸べる。
それを蒼乃が振り払おうとすると、そのまま掴んで抱き寄せる。

「何をするの!」

平手打ちが飛んだ。

しかし括屋は怒るどころか、嬉しそうな顔。
蒼乃の細腕を握り、背後からロックする。

「あっ・・」
「オレと結婚を前提に付き合ってくれませんか?」
「馬鹿なこと言わないで! ・・・っ、放して!」
「嫌です。」

括屋は片手で蒼乃の両手を捻りあげ、もう片方で胸のボタンを外した。
流れるような手つきで、蒼乃のブラを外し、豊かな美乳を晒した。

「嫌あああっ!?」

ここまで僅か数秒。

「や、やめえや!」

干支川が制止しようとするが、デュエルに負けたばかりで弱々しい。
思わず秋野を、すがるように見る。

「・・・あ、秋野先生も、見てる場合やなくて、やめさせ・・」


「ピーチクパーチクうるせえんだよ、この脳筋雌豚教師。」


「・・・っ!? え・・・・・・?」

その汚い言葉が、おしとやかな秋野の口から出たものだと、にわかには信じられなかった。
干支川は言葉もなく、すがるような目つきで秋野を見つめたまま口を開けている。

「・・・あら、すいません。つい本音が漏れてしまいましたわ。」

秋野は上品な笑みを浮かべたまま、乾いた目つきで干支川を見つめ返した。

「能力が元に戻ってるせいか、気持ちも10代に戻ってるみたいです。ホントうるせえな、体育会系の低脳は。」
「・・・あ、秋野先生は、そんなこと言わへん!」
「本人を前にして何を言ってるんだ、この肉塊は・・・。」
「・・・あ、あんたホンマに秋野先生か? そもそも、何で10代で消えるはずのデュエリスト能力が・・」

すると扉を開けて、胡散臭い笑顔の青年が現れた。

「あ、美人が3人に増えてる! ・・・って、お取り込み中でした?」
「なっはっは、子猫がじゃれあってるだけだよ神邪くん。」

無堂は場を和ませる冗談なのか、本気なのかわからないことを言う。
おそらく本気だろうと思いながら、竜堂は部屋に入る。

「あれ、もしかして蒼乃先生じゃないですか。お久しぶりです。貴女の教え子、竜堂神邪です。」

その蒼乃は震えていた。
血の気が引いた顔で、泣きそうになりながら、括屋の袖を掴んでいた。

「あー、蒼乃先生ってば、男の後ろに隠れることを覚えたんですか? もとい、新しい彼氏が出来たんですか。おめでとうございます。これで僕も安心です。」

竜堂は爽やかな笑顔で澱みなく言う。
それに対して蒼乃は屈辱と恐怖を煮込んだ顔で、腰が抜けそうになっていた。

「いやあ、心残りだったんですよ。蒼乃先生が前の彼氏と別れてしまったことは。」
「・・・っ、・・・!」

蒼乃に物凄い形相で睨まれながら、竜堂は意に介さず続ける。

「ああ、知らない人の為に説明しておきますと、蒼乃先生は僕の高校時代の恩師なのですが、熱血指導を彼氏に誤解されてしまったようでして。」
「何が恩師よ、いけしゃあしゃあと・・・! おまえの、おまえのせいで、私とカイは・・・!」

耐え切れなくなった蒼乃が、震えながら怒気を発する。
しかし竜堂は動じない。

「え、誤解ですよね。蒼乃先生は僕のことを、いち生徒としか思ってなかったですし、そのように僕も懇切丁寧に説明しました。残念ながら、風見先生はわかってくれなかったみたいですけどね・・・。」

芝居じみた悲しそうな顔で、竜堂は目薬を差した。
目薬が彼の頬を伝って流れる。

「だけど僕は嬉しいです。こうして蒼乃先生が過去のトラウマを乗り越えて新しい恋人を作ったことに。」

今度は霧吹きを目に向かって噴く。
シュコーシュコーと罪深い音がして、竜堂の目は泣いてるかのように濡れた。

「・・・あ、それともまさか、実は僕に惚れてたりしたんですか?」
「そんなわけないでしょ!」
「ですよねぇ。だったら何も問題は無いじゃないですか。問題ありますか? 僕は無いと思います。」

段々と竜堂の目つきが澱みを帯びていく。
しかしそこで干支川が横槍を入れた。

「あ、あんたなあ、黙って聞いてれば・・」
「黙って聞いてれば何ですか?」
「よくわからんけど、蒼乃先生いじめんなや! なんか知らんけど、いじめはカッコ悪いで!」

「そのセリフは言う相手が違いますよ。というか誰ですか、この・・・いかにも、生徒に無神経な暴言を吐き続けて、それを“目をかけてる”と勘違いした挙句に、耐え切れなくなった相手に『くたばれゴミ教師』とかキレられたけれど、何の反省もせずに日々を過ごして、同僚にも愛想を尽かされたような・・・体育会系の美人教師は。」

「―――っ、何で・・・それを・・・」

みるみるうちに干支川の顔も青くなり、再び泣きそうになっていく。

「どうかしました? あ、もしかして本当にそんなことがあったんですか? いやあ、見たまんまの印象で判断してみたんですが、ホントすんません。何だか知らないけどスンマセン。」

奇妙なアクセントで謝りながら、竜堂は腰掛けた。

「えーと、それで何でしたっけ。そうそう、秋野先生に何したんですか? おとなPTAの蒼乃先生もいるってことは、まさかとは思いますが、秋野先生に変な嫌疑でもかけたんですか?」
「・・・っ、そ・・・それは・・・」

口ごもる干支川に、竜堂は目を見開いた。

「え、これも当たってるんですか。まさかでしょう。そんな、真面目で善良な秋野先生に、不確かな情報で疑いをかけ、彼女の傷つきやすい繊細な心を、悪意で汚すなんて・・・普段から人を信じることの大切さを説いている干支川先生が、そんな人として最低なことをするわけないですよね? 嘘だと言ってください!」

再び霧吹きが眼球を濡らし、水滴が頬を伝う。
ふざけているのは明白だが、言ってる内容が干支川を抉る。

「違うねん・・・違う・・・・そんなつもりやなくて・・・わたしは・・・ただ・・・」
「“そんなつもり”ではない? ・・・」

ふざけていた顔の竜堂は、一瞬だけ鋭い目になった。
しかしすぐに笑顔になって、霧吹きを再開する。

「・・・ああ、清楚で上品な秋野先生が、あんな汚い言葉を口にするなんて、よっぽどのことがあったのだと思いましたが、そうでしたか・・・。信頼していた同僚から疑いの目を向けられるなんて、さぞかし傷ついたことでしょう。悲しみのあまり汚い言葉を吐いてしまっても不思議ではありません。しかも傷つけた本人は、この期に及んでも言い訳ばかりして、謝ろうともしない。人として最低です!」

あさっての方向を向いたまま、竜堂は言い放つ。
干支川は何も言えない。言えないまま泣きじゃくる。

「う・・・うう、うええええん! ひいいいいん! そんな・・・そんなつもりやなくて・・・」
「おや、傷つきましたか。だけど秋野先生の方が、もっと傷ついてるんですよ。ついでに僕も。」

優しい声で竜堂は、励ますように干支川の肩を叩く。

「いいですか干支川先生、あの秋野先生の暴言は、貴女の悪意による汚れそのものなんです。『秋野先生はそんなこと言わない』って、当たり前じゃないですか。貴女が秋野先生に言わせたんです。貴女が秋野先生に、あのような汚らしい言葉を言わせたんです。貴女の言葉なんです。」

もはや干支川は何も言えない。
仲良くしていたつもりの同僚に蔑まれ、見知らぬ相手から責められ、普段の明るさは見る影もない。

すると無堂が、ようやく助け舟を出してきた。

「なっはっは、竜堂劇場もそのへんにしておきたまえよ、神邪くん。」
「ああ、すいません。加害者に言うべきセリフを被害者へ向けて放つ、あまりの無神経さにヘドが出まして。」
「ねへへへへ、神邪くんは強くなったね。」
「無堂さんは冗談が上手くなりましたね。僕は強くなってなどいませんよ。」

竜堂と無堂が談笑している間、括屋は少し離れて蒼乃を落ち着かせており、秋野は無言。
かつて干支川が泣いたときには慰めた秋野だったが、今は顔すら見ない。

「ごめん・・・秋野先生・・・ごめんやで・・・」
「うぜえなあ。焼き鏝とでもファックしてろよ。」

聞くに堪えない会話の横で、竜堂は思い出したように手を叩いた。

「あ、そうだ。ここへ来た目的を忘れてました。無堂さん。」
「なはは、何だったかね?」

真顔になり、竜堂は問う。


「曳砂さんたち、どこにいるんですか?」



◆ ◆ ◆



毒気たっぷりの美人が、青年に近付いていた。
意中の人を助けられず、他の男に身も心も奪われ、消沈していた青年の前に、現れたのは“曳砂”を名乗る女。

「あなたが、レッドラムに男として敗北したハイジーンですね。」
「・・・っ、そう・・・うう・・・あ・・・」

悔しさが込みあげてきて、ハイジーンは膝を折る。
それを見つめて“凶行狂女”(シリアルキラー)曳砂死鉤は、ニタァと邪気いっぱいの笑みを浮かべた。



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